生物が食料を食うこと。
目次
用語としての「捕食」
- 見方によって「捕食の定義」は異なる。
- 『行動学』の観点から見た捕食とは「生きた動物を捕らえて食べる事」を指す。
捕食と聞いて想像するのはこちらの方だろう。
この場合、生きた動物ではない植物や卵や死骸を食べる行為は捕食ではない。 - 『生態学』の観点から見た捕食とは「形を問わず栄養分を捕るために食べる行為全て」を示す。
こちら場合は動植物菌類関係無く、寄生して少しずつ蝕もうが、砂ごと微生物を取り込もうが、
生態学では捕食になる。
- 『行動学』の観点から見た捕食とは「生きた動物を捕らえて食べる事」を指す。
モンハンにおける「捕食」
- MH3で導入された、モンスターがスタミナ切れを起こしたときに、スタミナを回復すべく行う行動。
- ハンターに対しての捕食については拘束攻撃の項を参照してもらいたい。
- リオレウス、ティガレックスと言った肉食モンスターの場合、
他のエリアに移動し、アプトノスやケルビなど小型の草食モンスター*1を襲って食べる。
ハンターの狩猟対象となるような大物(=ディアブロスなどの草食大型モンスター)を襲うことは基本的にない。
- ディアブロス、ドボルベルクといった草食性モンスターの場合、
植物が豊富に生えているエリアに向かい、地面の草木を食べる。
- 腐肉食の傾向が強い鳥竜種モンスターやギギネブラなどは、フィールドの腐肉を食べる。
- イビルジョーは上記した肉食モンスターの枠組みから外れており、
空腹且つハンターを視認していない状態であれば、他の大型モンスターにも積極的に襲い掛かる。
また、常に空腹であると言っても過言ではないため、ハンターに対する捕食攻撃の頻度も半端ではない。- MHWで追加実装されたイビルジョーはハンターを視認していても他の大型モンスターにかぶりつき、
なんと噛み付いた獲物をそのまま振り回し、武器として扱う。
噛み付かれた大型モンスターはもちろん、迂闊に近づくとハンターも大ダメージを食らうとんでもない技。
イビルジョーの特異性と凶暴さをよく表した恐るべき行動だが、
捕食という行動をそのまま目の前の複数の敵の攻撃にもつなげていると考えると、合理的な行動とも取れる。
- MHWで追加実装されたイビルジョーはハンターを視認していても他の大型モンスターにかぶりつき、
- ゲネル・セルタスは他のモンスター達とは一線を画しており、
なんと同種の雄であるアルセルタスを叩き殺して捕食する。
できない場合は腐肉を食べに行く。- ちなみに腐肉を先に食べようとし、邪魔されると雄を食べる場合もある。
腐肉が喰える内は雄を喰わずにいてやるという、ゲネル・セルタスにしては慈悲深い個体もいる様だ。
ただ邪魔されると即座に雄喰いに移行する辺り、慈悲深いと言っても所詮その程度である。
- ちなみに腐肉を先に食べようとし、邪魔されると雄を食べる場合もある。
- 同じく(格は違うが)虫を食べるモンスターとしてボルボロスはアリ塚を壊してオルタロスを食べ*2、
ケチャワチャは巣に手を突っ込みオルタロスを捕まえて食べる。
ラングロトラは巣の中に舌を伸ばしてブナハブラやオルタロスを食べる。
- 魚を捕食する大型モンスターは、特定の「釣り場」で魚を狙うことがある。
また、アオアシラは魚だけでなく他者から奪い取ったハチミツなども食べる。
- その他、ウルクススは雪の下に保存しておいたキノコを掘り返して食べたり、
パオウルムーは陸珊瑚が放出した卵を吸って食べるなど、生態によって食べる対象は様々である。
- MH世界では鉱石や骨を食べることでスタミナ回復を図る種(ウラガンキンなど)まで存在している。
現実にそのような生物は存在しないので流石に生態学から見ても「捕食」と呼べるかは怪しいが、
実際にスタミナを回復しているため、ゲーム上ではこれも捕食として扱われる。
- 食べられる対象の草食モンスターは常に決まっており、
イビルジョー以外の大型モンスターは自分で仕留めた獲物でないと食べない。
だが罠肉を食うヤツは複数いる。何故だ。
スタミナを回復させたくないのであれば、大型モンスターより先んじて倒してしまおう。
捕食している最中は完全に無防備なので、敢えて倒さず捕食させるのも勿論アリ。
攻撃で上手く怯ませたり、罠に掛けたりできればスタミナ回復も中断させることができる。
ただしモンスターによっては咀嚼する度にわざわざ頭を大きく動かすので弱点だとしても意外に狙いにくい。- しかし、何故自分で仕留めないと食べないのだろうか?
死骸で空腹を満たすモンスターも存在することを考えると、
自分で仕留めたモンスターしか食べないモンスターは案外グルメなのかもしれない。
実際に味に煩いモンスターもいることだし…- と思われていたが何と遂に例外が現れた。
その例外は意外なことにあのイャンガルルガである。
MHW:Iで復活を果たしたイャンガルルガの捕食対象は非常に特殊であり、
それはなんと他の肉食モンスターが残した捕食痕。
故にイャンガルルガの捕食痕は残った肉片を抉りほじったようなもので、必ず別の捕食痕の上に出来る。
これは黒狼鳥のモチーフとなったカラスの特徴と
本種が狩りが苦手であるという生態を反映したものだと思われ、
その結果ただでさえ惨たらしかった捕食痕がより凄惨な有様になってしまうことに。
なお、本作のイャンガルルガは通常の生態行動として地面から大振りな幼虫を掘り出して食べることがあり、
その掘り出した跡も痕跡として残る。
結果システム上では異なるものだが痕跡の内の二つが捕食によるものであるのは本種のみ。
ゴミの日にゴミを漁りに飛来するカラスの如く、
捕食痕の主が去った後にニクイドリを追い払うように現れ死骸を啄む黒狼鳥の姿は必見。
- と思われていたが何と遂に例外が現れた。
- しかし、何故自分で仕留めないと食べないのだろうか?
- ちなみに、捕食対象として選択された草食モンスターはなぜか殆ど逃げようとしない。
それどころか、周りの仲間がパニクって逃げ惑っているにもかかわらず
ちょっとその場で騒ぐだけでその場から微動だにしない。……逆に目立っているのだが。- ゲーム的な仕様としては獲物を仕留めて捕食という動作が、
大型モンスターが食事エリアに移動→選ばれた小型モンスターが待機
→大型モンスターが殺害→食事
という一連の流れとして設定されているからであろう。- リオス夫婦なんかはサイズによっては獲物に攻撃が届かなかったり、
地形に引っ掛かって攻撃タイミングがずれたりするので獲物に対する攻撃が空ぶることがある。
その場合は当然捕食失敗である。
一回空ぶっただけで捕食を諦めるとは実に潔い。
その潔さをハンターに対しても向けて欲しいものだが。
- リオス夫婦なんかはサイズによっては獲物に攻撃が届かなかったり、
- MHWでは技術面の向上により、上述した違和感のある要素に変化が見られる。
フィールド上に配置されている小型草食モンスターの位置が常時ある程度保持されており、
各エリアの状況や外敵からの危害によって複数のエリアを移動するようになった*3。
大型モンスターはこの「小型モンスターの動向」に応じてアクションを起こす。
捕食対象はあまり棒立ちせず安全圏へ逃げようとし、大型モンスターは逃げる相手に執拗に捕食を試みる。
このため捕食行為の空振りは増えたものの、捕食を即座に断念することは珍しくなった。
- ゲーム的な仕様としては獲物を仕留めて捕食という動作が、
- 大型モンスターに捕食された小型モンスターの死骸は長時間その場に残る場合がある。
しかし画面上では変化がないように見えるが、大型モンスターの攻撃を受けた時点で角や骨は折れ、
捕食されれば当然毛皮や肉は引き裂かれ、残った死骸は土や唾液で汚れてしまう。
そのため、これ等の死骸から素材を剥ぎ取ることはできない場合が多い。- ただし絶対剥ぎ取れないかと言われればそんなことはなく、
完全に食事が終わった後でも普通に剥ぎ取れるケースもある。
まぁ大型モンスターとの戦闘中に草食種から素材を得る必要などないのだが、
もし使える素材が剥ぎ取れたなら、せめて有効活用してやろう。 - MHWにおいては、捕食後に捕食跡という特殊な痕跡を残す。
この際、対象のモンスターは剥ぎ取れない
(捕食時の攻撃に巻き込まれた他のモンスターは痕跡にもならず剥ぎ取れる)。
それによって倒したモンスターからは、なんの問題もなく素材は剥ぎ取れる。
やはりハンターの武器には何かしらの技術が施してあるのだろうか。
ハンターも、新米でさえ「剥ぎ取りには技術が必要」な素材をバンバン剥ぎ取っている。やはりただ者ではない。 - ただし絶対剥ぎ取れないかと言われればそんなことはなく、
- 普段なら大型モンスターの攻撃に小型草食モンスターが巻き込まれても
基本的に一撃で死亡するようなことはないが、捕食の際の攻撃だと何故か即死してしまう。
しかし、装備にもよるが、逆に捕食攻撃に巻き込まれたハンターが即死級の大ダメージを受けることもない。
現実世界の肉食動物は獲物を仕留める際に首筋を狙うように、
実際はただ蹴ってるように見えて急所を正確に狙って一撃死させる技術なのかもしれない。
ティガレックスとイビルジョーはどう見ても力任せだが。
ハンターと戦っている時のとばっちりより最初から仕留めるつもりで攻撃を加えていると考えればそこまでおかしくはない。
まぁ理由はどうであれ、普段は一撃で倒せない草食モンスターを一撃で倒し、
怯んだりしない限りどれだけ周囲から攻撃を受けてもそのまま食べ続けるとは、
大型肉食モンスターの食に対する意地は凄まじいものである。
- MHSTではフィールド上で、ランポス系・ジャギィ系鳥竜種が草食種に襲いかかる姿を見ることができる。
しかしその捕食活動は、ポカポカと煙が発生し星型エフェクト(など)が飛び散るという、
かなりコミカルなものとなっている。CERO Aの作品であるがゆえか。- また、オトモンのパッシブスキルの中にはズバリ「捕食」というものがある。
効果はモンスターを倒した際に体力値が一定値回復するというもの。
小・中・大の3つがあり、右に行くほど回復量が多くなる。
直接的な描写はないが、モンスターを倒した後で体力を回復させているということは、そういうことなのだろう。 - また、イビルジョーはパワー系特技に「大食い」という技を持つ。
これは、相手に大ダメージを与えると同時に自身のダメージを回復するというもの。
スクアギルやフルフルの使用する「吸血」の上位版である。
技名や効果からして、相手の体の一部を捕食してダメージを回復しているということなのだろう。
そう考えると結構エグい技である。- ちなみに、真っ向勝負で負けてしまった場合でも効果は発動するため、
ある程度ダメージを軽減させるという緊急措置的な使い方も可能だったりする。
- ちなみに、真っ向勝負で負けてしまった場合でも効果は発動するため、
- また、オトモンのパッシブスキルの中にはズバリ「捕食」というものがある。
余談
- MHX初登場のオストガロアは、捕食行動そのものが戦闘形態そのものであり
後述の「食べられる対象」としてハンター自身が餌と認識されて、平らげるべく狙われ続ける展開となる。
もっとも、一般的な大型モンスターの捕食行動とは異なり拘束攻撃を仕掛けて来ることはない。- 戦闘半ばにしてハンターが力尽きても食べられる演出はなく、ネコタクに救助されてBCへ送還される。
ただ、MHFでは思いっきり丸呑みにされて即死したのにあっさり復活という例もあったため、
都合上描かれていないだけで実際はパックリ食べられている……という可能性がない訳でもない。
- 戦闘半ばにしてハンターが力尽きても食べられる演出はなく、ネコタクに救助されてBCへ送還される。
- MHW初登場のヴァルハザクは瘴気を用いることで他者のエネルギーを奪い取る生態を有する。
古龍であるため疲労の概念は存在していないが、これもある種の捕食行動と言えるだろう。
その生態上ヴァルハザクは獲物を咀嚼する必要性が無く、顎は拘束のための噛み付きに適した用途になっている。
このためシリーズでも指折りの特殊な口の構造をしている。- 一方で捕食のために異常な進化を遂げた古龍も存在し、MHXRのモルドムントなどが挙げられる。
大量にエネルギーを必要とするモルドムントはなんと両翼に巨大な"口"が存在している。
- 一方で捕食のために異常な進化を遂げた古龍も存在し、MHXRのモルドムントなどが挙げられる。
- MHRise初登場のナルハタタヒメはなんとゲーム中で対となるイブシマキヒコを捕食してその体液を取り込み、
それにより機能していなかった風袋を活性化させることで彼のような風の力、そして元々持っていた雷の力を合わせ持った
「百竜ノ淵源ナルハタタヒメ」と呼ばれる姿に変貌する。
セルタス種のように生態に根ざした行動かは不明であるが、
主人公ハンターに追い詰められての切羽詰まった行為だったようだ。
- ハンターがフィールドの草食竜等を倒し、こんがり肉を作って食べる行為も立派な捕食行為であり、
剥ぎ取りなどでワンステップ挟む点を除けば、やっていることはモンスター達のそれと全く変わらない。
ただしこちらは腹が減ってからでは大抵手遅れなため、あらかじめ焼いておいて持ち歩くのが常識だが。
なお、一部のハンターは狩ったそばから食いつけたりもする。- ちなみに、ディノバルドは喉に熱を溜めた状態で捕食行動をとることがあるが、
その際は小型モンスターを爆炎噛みつきによって炙り焼きにしながらかっ喰らう。
リオス種が怒り状態で捕食している光景もこのように見えなくもないが、
ディノバルドの場合は口から炎を溢れさせ、明らかに獲物をこんがり焼いている。
彼も案外味にこだわりを持っているのかもしれない。
……などと言っていたら本当に捕食対象を焼死させつつ"調理"するバゼルギウスが確認された。
飛竜種としては弱い噛む力を補うため、獲物の肉に火を通すことで食べやすくしているのだという。
その捕食行動だが、あろうことか空爆のように周囲を爆鱗で焼け野原にするというもので、
あまりにも環境被害を考慮しない無茶苦茶な生態となっている。
アゴが弱い→肉を柔らかくする為に周囲ごと獲物を焼こう!という進化の仕方も無茶苦茶である。
あるいは進化で過剰な火力を得た結果、咀嚼力が弱くても特に問題が無くなりアゴが退化してしまったのか。
- ちなみに、ディノバルドは喉に熱を溜めた状態で捕食行動をとることがあるが、
- 一部のモンスターは、生態ムービーなどにてゲーム中のそれよりもリアルな狩りや捕食シーンが描写されている。
力強く躍動し、獲物を襲うモンスターの姿はまさしく野生動物そのものであり、非常に見応えがある。
しかし、リアルだからこそ目を背けたくなるような瞬間もなくはないので、
初めて視聴するならそれなりの覚悟をしておこう。