Age of wonders 3との主な違い
メイキング・内政
固有種族の実質的廃止
種族の見た目が完全に性能と切り離されるようになり、基本能力にプラスして特性をつけて自分の思うような種族を作る形式に。
種族ユニットも選択できるため、取りたい研究や戦術に合わせて自分の派閥をデザインすることが可能になった。
都市の立地と幸福度(本作では都市の安定性)の関係性も排除されているため、立地と種族の相性で発展が制限されることも少なくなった。
ただし基本能力が共通でそれにプラスする形ということは極端に奇抜な性能の種族が作れないことの裏返しでもあるため好みの問題はある。
研究ルートの自由化
AOW3では最初に選んだクラスと特別化以外の研究は出現しなかったが、
AOW4では数個の研究が「学術書」という形でまとめられており、研究を進めて学術書をアンロックすることでさらに研究可能な内容を増やしていく形になった。
これによりプレイヤーの初期特性により研究属性が縛られなくなったため自由度の高い研究ルートやビルドを組めるようになった。
伸び代は大きくなった一方、最上位の学術書は1つしか取れないがそれ以外はすべて取れるため終盤になるほど派閥の個性が薄まりがちになっている。
ただし、今後のアップデートで研究面で派閥の個性を出すことが明言されているためこの点には大きくメスが入る可能性が高い。
帝国の強化の独立資源化、ユニット強化の汎用研究への移行
AOW3ではクラスや特別化に合わせて「帝国の強化」(パッシブ強化)の研究が出現するようになっていたため
必然的にクラスに合わせたユニットが強くなるようになっていたが、
本作では一般ユニットの主な強化は呪文(ユニット魔力・種族転換)によって行うようになった。
研究の自由化により、クラスの強弱にあまり縛られずに主力ユニットを決めやすくなった。
また、帝国の内政全体に影響のある「帝国の発展」はターンごとに生産される専用の資源「帝権」を使用するようになった。
帝権は都市の建設にも使用するため、帝国の発展を優先するか、都市数を優先するかの取捨選択が必要になった。
帝権は高グレードユニットの維持コストにも使用し、高グレードユニットばかり生産すると発展に弊害が出てしまうため
帝権消費のない限界であるグレード3ユニットが中盤以降の主力になりやすくなっている。
保有都市上限の追加
都市の維持費がなく、都市数に上限もなかったAOW3では都市スパムが有効な戦術となっていたが、
AOW4では都市の上限が厳しく、都市上限を増やすのは大きくコストがかかるためすべてを自国で支配するというのは現実的ではない。
広範囲を支配したい場合、あえて都市を自由都市として開放して属国化(本作の用語では隷属化)することが必要になる。
包囲戦(後述)の存在もあり広いマップで軍事勝利を目指す難度が上がっている一方、中立都市の属国化が容易になっており、
都市数が抑えられることで都市の生産キューの管理にかかる時間も抑えられるという側面もある。
また施設建造をAI委任で自動化することもできるようになっている。
内政ユニットの廃止
セトラー・ビルダーにあたるユニットは廃止された。
都市建設は英雄が行う役割になり、道路はどのユニットでも引けるようになった。
攻城兵器の排除(後述)もあり、特殊な場合にのみ使用する汎用性の低いユニットを抱え込む必要性が低下している。
都市生産キューの二重化
建造物とユニットの生産キューが分離し、同時に生産することができるようになっている。
ユニットの補充のために都市の発展を遅らせる必要がなくなり、計画的なユニット生産や補充が容易になった。
自由(中立)都市との外交の簡易化
出会った自由都市に「囁きの石」と呼ばれるリソースを貸与することでターンごとに関係性が強まり、やがて自動的に属国として味方になるようになった。
同盟化にクエストをこなすことが必須でなくなったが、クエストが発生した場合報酬のほか関係性を早く進める一助になる。
「囁きの石」の効果を待っていられなかったり、略奪して金品を巻き上げたい場合などには戦争を吹っ掛けることも可能。
中立都市には英雄ユニットが必ず湧くため、対外的な印象が悪くなるリスクを受け入れるなら経験値稼ぎにも有効。
相手側から喧嘩を吹っかけられた場合はブチのめしても何も問題ないためおいしい経験値稼ぎ相手になってくれる。
戦闘・戦争
ダメージ計算式の変更
防御力・耐性によるダメージ軽減が加減算から累乗による割合軽減に変更されている。
このため前作のような高Tierユニットが圧倒的に強く、低Tierユニットは何体いても手も足も出ず蹂躙される、という事態は少なくなった。
戦闘時回復の仕様変更(後述)による連戦負担の実質的な増加もあり、
「低Tierでも数で攻め立てれば高Tierに一矢報いられるが、よほど数に差がないと犠牲が多く出るので長期的に不利」というバランスになっている。
また、ダメージ計算式上ダメージに対して極端に大きな軽減率が出にくくなっているため、
「低Tierだが物理にはめっぽう強いファンタズム・ウォリアー」「高Tierなのに物理で拘束されるのに極端に弱いグラトン」のような明確な有利・不利の設定も少なくなっている。
このため相手の弱点を突くユニットを出すことより、互いの強みを押し付け合うような戦術が主流になっている。
長射程攻撃の弱体化
遠距離攻撃にはplanetfallから逆輸入された命中率の概念が導入された。
AOW3では視界不明瞭だったり、長射程での遠距離攻撃はダメージが減るだけだったため追加効果や削り狙いでとりあえず撃っておくことに意味があったが、
本作ではダメージ減少ではなく命中率が下がり、命中判定に失敗すると他のユニットに誤射したり、完全に無駄行動になったりするようになった。
また遠距離攻撃の基本命中率は90%のため最適距離であったとしても必ずしも期待通りの最大ダメージを確約されなくなった。
さらに移動時の攻撃回数の減少も厳しくなっているため、遠距離ユニットのみで飽和射撃で敵を殲滅する、というのは難しくなっている。
とはいえ、一方的に攻撃を加えられること、攻撃を集中させられることが強力なのは変わらない事実であり、前衛がいかに後衛を守るかがより重要になったと言える。
側面攻撃と反撃のルールの変更
AOW3では攻撃を受けた時に攻撃された方向に自動的に向きを変更していたが、AOW4ではその仕様は削除された。
囮で向きを変えさせてから背後に突撃したり、左右から側面攻撃を交互に当てたりといったことはできなくなった。
代わりに連続攻撃が側面攻撃になった場合、すべて側面攻撃が成立するようになった。
また報復攻撃(反撃)のルールも「最大3回、反撃回数分次のターンの行動力が減る」というものから、「行動力に影響はなく、原則1ターン1人1回のみ」に変更されており、
防御モードでダメージを軽減しつつ反撃でダメージを出すという戦法は反撃向きの特性やスキルが無いと難しくなっている。
一方側面攻撃にも反撃が発生するようになったほか、チャンス攻撃(臨機攻撃)も反撃の回数に含まれるようになったため
臨機攻撃を囮役に撃たせ、本命が攻撃を受けずに背後に回るといった戦法ができるようになっている。
戦闘中回復の暫定化
戦闘中での回復効果は原則として追加HPとして戦闘中のみ適用され、戦闘終了時に消滅するようになった。
これにより弱い敵と戦って回復スキルで回復するというようなことはできなくなり、自然回復力が落ちる遠征側に大きな負担が課せられるようになった。
ワールドマップ上で使用できる回復呪文は存在するが、かなり燃費が悪いため常用すると財政が傾くレベルでマナが飛んでいく。
戦闘時の詠唱ポイントの独立
戦闘中の詠唱ポイントは戦略マップ上での詠唱ポイントと独立し、各戦闘の開始時に全回復するようになった。
AOW3では指導者が戦闘参加していないと戦闘魔法の使用ポイントが半減し、ターンあたりの詠唱ポイント制限もあり連戦は非常にキツかったが、
複数の戦線を同時に攻略したり、指導者を矢面に立たせなくても大規模戦闘を行いやすくなった。
都市攻略の低速化
都市での戦闘は「包囲戦」として扱われ、戦闘開始までに数ターンの準備期間が必要になった。
このため攻撃側の電撃的な侵攻は難しくなっており、奪う拠点の取捨選択も必要になっている。
代わりに攻撃側もコストを支払うことで戦闘を有利な状態で行えるようになるほか、道中で攻城兵器を持ち歩く必要はなくなっている。
呪文遮断の廃止
呪文の遮断という概念が廃止された。
コンボの妨害が難しくなっている一方、AOW3のクラス最終魔法のような強力すぎる戦略呪文も軒並みなくなっており、
リソース差がある相手に一方的にマナの暴力で戦略を潰される、ということも少なくなっている。