マゼラン・マゼラン/コズミックラバー

Last-modified: 2024-03-05 (火) 08:35:14

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※このページに記載されている「限界突破の証」系統以外のすべてのスキルの使用、および対応するスキルシードの獲得はできません。


通常ミゼラン・ミゼラン
マゼラン・マゼラン.webpミゼラン・ミゼラン.webp

Illustrator:ちゃもーい


名前マゼラン・マゼラン
地球人名大橋 銀子
年齢2115歳
職業地球の高校1年生
好きな人フェルディナンド=カジキ先輩

マゼラン・マゼラン【マゼラン・マゼラン/マゼラン・マゼラン/ラブリーハンター/マゼラン・マゼラン/コズミックラバー

憧れのフェルディナンド=カジキ先輩の前に現れたのはもう一人の自分ともいうべき存在だった・・

スキル

RANK獲得スキルシード個数
1オールガード【NEW】×5
5×1
10×5
15×1


オールガード【NEW】 [GUARD]

  • 固定ボーナスと回数制限付きのダメージ無効効果を持つ初心者向けスキル。天使の息吹と比べて、ダメージ無効効果の代わりに開始ボーナス量が少ない。
    • PARADISE LOSTまでの鉄壁ガードと同じ効果。
    • スキルの動作が変更されていると告知されたスキルの1つ。
  • NEW初回プレイ時に入手できるスキルシードは、PARADISE LOSTまでに入手したGUARD・SUPPORT・MATCHING系スキルの合計所持数と合計GRADEに応じて変化する(推定最大39個(GRADE40))。
  • GRADE70でボーナス量は頭打ちになり、GRADE71以降はダメージ無効回数が増加するようになる。
    • スキルシードは200個以上入手できるが、GRADE200で無効回数増加も打ち止めとなる。
    • なお、CHUNITH-NETではダメージ無効回数は確認できないため注意。
  • CHUNITHM SUNにて、スキル名称が「オールガード」から変更された。
    効果
    推定理論値:86700(5本+8700/18k)
    [条件:GRADE70以上]
    ゲーム開始時にボーナス +????
    一定回数ダメージを無効化 (??回)
    GRADEボーナス無効回数
    1+6000(20回)
    2+6300(20回)
    3+6600(20回)
    40+17700(20回)
    ▲PARADISE LOST引継ぎ上限
    ▼ゲージ5本可能(+18000)
    41+18000(20回)
    51+21000(20回)
    61+24000(20回)
    70+26700(20回)
    71+26700(21回)
    72+26700(22回)
    73+26700(23回)
    80+26700(30回)
    90+26700(40回)
    100+26700(50回)
    150+26700(100回)
    200~+26700(150回)
    推定データ
    n
    (1~70)
    +5700
    +(n x 300)
    (20回)
    シード+1+300
    シード+5+1500
    n
    (70~200)
    +26700((n-50)回)
    シード+1(+1回)
    シード+5(+5回)
プレイ環境と最大GRADEの関係

プレイ環境と最大GRADEの関係

開始時期最大GRADE
NEW+109
NEW181
~PARADISE×220


所有キャラ

所有キャラ

ランクテーブル

12345
スキルスキル
678910
スキル
1112131415
スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
・・・50・・・・・・100
スキルスキル

STORY

ストーリーを展開

EPISODE1 おや、カジキの様子が?「寝ても覚めてもマゼランマゼラン」


 前回までのあらすじ。

 マゼラン星人の『マゼラン・マゼラン』は憧れの先輩

 『フェルディナンド=カジキ』を追いかけて、地球の高校へと編入することを決意した。

 幾多の困難を乗り越え、ついにカジキの元へと辿り着いたマゼラン。

 しかし、カジキは地球侵略を目論むM33星人の手によって洗脳されていた。

 マゼランはカジキを解放すべく戦いを挑むが、M33星人の猛攻により窮地に立たされてしまう。

 しかし、カジキへの愛を爆発させたマゼランが放った渾身の光線によってM33星人は滅ぼされた。

 見事勝利し、カジキの洗脳を解いたマゼラン。

 ついでに地球も守られて、マゼランにはこれから、平和でらぶらぶな日々が訪れる……はずだった。

 それから数ヶ月後――カジキの家。

 「マゼラン、今何してるのかな……?」

 カジキは真っ白なノートを広げたまま、ぼんやりと呟いた。

 「はっ……いけない、勉強に集中しないと! ぬぐぐぐぐ……」

 気を取り直してペンをノートに走らせる――が。

 「マゼラン……マゼラン……マゼランマゼランマゼランマゼラン! ダメだっ! どうしてもマゼランのことが頭から離れないー!」

 ペンを放り投げ、カジキはスマホの画像フォルダを開く。

 そこには、マゼランがカジキに抱き着いている写真が並んでいた。

 「出会った頃は奇抜すぎて何考えてるのかもわからなかったけど、最近はずいぶんおとなしく……いや、可愛くなったよなぁ。ちょちょんと裾を掴んできたり、ふとした瞬間に笑いかけてくれたり……」

 写真を眺めるカジキは、表情をだらしなく緩ませる。

 「この前なんて弁当を作ってくれた上に、あ~んまでしてくれて……ふふ、おっとついにやけてしまった。もしまた作ってきてくれた時は……」

 ――ほわわわわーん。

 マゼラン「センパ~イ、お弁当作ってきましたよ。もちろん、食べてくれますよね?」

 カジキ 「もちろんだ! それだけじゃない、毎日君の作る弁当を食べたいくらいだよ」

 マゼラン「えっ、それってつまり……」

 カジキ 「そう、一生一緒にいてくれや」

 マゼラン「はぁん、センパイ……っ!」

 ――ほわんほわんほわん。

 「そして2人は唇を重ね……永遠に結ばれるのであった!」

 熱演のあまり、カジキは立ち上がって自分の身体を強く強く抱きしめていた。

 「ふぅ……僕としたことがつい熱くなってしまった」

 これもいつものことではあるのだが。

 「フッ、フフフ……。シミュレーションは完璧。明日のデートで必ず実現してみせる! そして、その暁には……っ!」

 カジキはグッと握り拳を作り、決意を固める。

 ふとスマホを見ると、そこに写っていたのは出会って間もない頃の写真。

 無邪気な笑顔のマゼランと、騒がしさに少し不機嫌そうなカジキの姿だ。

 「もう、だいぶ前な気さえするな……ふぁ」

 なんだかノスタルジックな気分になっていたカジキに眠気が押し寄せてくる。

 「明日はマゼランとのデート……今日は早く寝よう」

 Zzz……

 Zzz…………

 Zzz………………

 待ちに待ったデート当日。

 緊張した面持ちで待ち合わせ場所へ向かったカジキはとんでもない光景を目の当たりにしていた。

 「このニセモノめ~! ワタシにバケて何を企んでるんだな~?」

 「はぁ~? ニセモノってどういうことですかー? ぜーんぜん、わかんないんですけどぉ~?」

 マゼランとマゼラン。

 マゼランにマゼラン。

 右にマゼラン、左にマゼラン。

 西にマゼラン、東にマゼラン。

 もはやカジキの頭では処理しきれなかった。

 「ま……ま……マゼランが2人ぃ~~~!?」


EPISODE2 デュアル・マゼラン「デートするんだな? ワタシ以外の女と……。そんなの絶対に許せないんだな~!」


 「正体を現すんだなニセモノめ~!」

 「正体って言われてもぉ、アタシはマゼランですよー?」

 2人のマゼランは、声も姿もすべてが同じ。

 世界に三人は同じ顔がいるといわれているが、こんな近くで起きようものなのだろうか。

 一応秀才で通っているカジキにとっても、理解しようがない現実だった。

 「い、いったい何がどうなっているんだ……? どちらかが本当のマゼランで……もうひとりは……いや、待てよ……?」

 その時、カジキは妙案を閃いた!

 「そうだ! マゼランは何人いてもいい! これはきっと、空前絶後のマゼランハーレムに違いない! どちらとも付き合える僕はなんてラッキーなんだ!」

 勝手に自分に都合のいいよう解釈して、カジキは晴れ晴れとした表情で2人に駆け寄っていく。

 「やあやあマゼランたち! 今日はいい天気だね!」

 「「せ、先輩!」」

 「はぁ~、久し振りの先輩~! 一週間振りの先輩もやっぱりカッコいいんだな~!」

 「はははっ、マゼランは面白いなぁ。毎日顔を合わせてるじゃないか」

 「え?」

 「でも驚いた。まさかマゼランが2人いるなんて!」

 「ち、違うんだな! 本物はこっちなんだな! ワタシが本物で、そっちはニセモノなんだな~!」

 「センパ~イっ、助けてくださぁい……いきなり同じ顔の人が現れて、アタシ……何がなんだか」

 そう言って、ふらっとよろけるような仕草で、

カジキへと身体を寄せる。

 「ま、マゼラン……?」

 「あぁ! ワタシの先輩に何をするんだな! 離れるんだな~!」

 「センパイは……嫌、ですかぁ~?」

 「全然オッケー。オールオッケー! ずっとこのままでもいいんじゃないかな……でへへ」

 「な、なんなんだなあの顔~! こ、こうなれば、ワタシもやってやるんだな~!」

 右手にマゼラン、左手にマゼラン。

 両手に花ならぬ両手にマゼランのこの状況。

 カジキとしては嬉しくないわけがない。

 「ぐぬぬ……ワタシが星に帰ってる僅かな間に、ワタシのポジションを奪って好き放題……許さないんだな!」

 「え~、なんの話です~? 全然わからないですぅ」

 「あー、それで今日のデートはどうしようか」

 「せっ、せせせ先輩と、でででデートォ!? だ、ダメなんだな! そんなこと許さないんだな~!?」

 「でも、あなたには関係ないですしぃ」

 「あ、あばばばばば」

 「でも、本当にどっちが本物かわからないままデートしていいものか……」

 「さっすがセンパイっ、紳士で素敵ですぅ」

 「いやぁ……」

 「デレデレしないで欲しいんだな!」

 「だったら、このコとアタシでどっちが先輩のことを思ってるか勝負するってどうですかぁ?」

 「受けて立つんだな!」

 「あ、いや……えーと……」

 「先輩はワタシとデートするに決まってるんだな!」

 「センパイは、アタシのこと選んでくれますよね?」

 詰め寄られ、カジキは逡巡する。

 導き出された答えは――

 「わかった! 2人の想いを全力でぶつけてくれ!」

 果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのか!?


EPISODE3 ニセモノの正体は?「そんなことはどうでもいいんだな……。先輩を誘惑するのは誰でも許せないんだな~!」


 カジキを間に挟み、視線で火花を散らすマゼランたち。

 しかし、ややぶりっ子気味のマゼランは心の中でほくそ笑んだ。

 (ふっふ~ん、計画通りね! アタシってば、ほーんと完璧! さっすがミゼランちゃんよね!)

 ミゼラン・ミゼラン。

 ミゼラン星人。

 姿や声まで対象そっくりに変身できる能力で、人間関係をずたずたにする!

 ――もっとマシな使い方はないのか。

 「最初からこっちの勝ちに決まってるんだから」

 「今イラっとくることを言った気がしたんだな!」

 「……そうなのかい?」

 「まっさかぁ。そんなことあるわけないじゃないですかぁ」

 そう言いながら、ミゼランはカジキの手を取り、自身の胸を触れさせる。

 「わかります……どくんどくんってしてるの。こうなっちゃうの、先輩のせいなんだから」

 「ま、ま、まぜ……らん……」

 「あはっ、センパイってば顔真っ赤ですよ。続きは……この勝負が終わったら、です(はぁと」

 「……ゴクリ」

 「なにしてるんだなぁぁぁぁぁぁぁ!」

 「なーんにも?」

 「ぐぬぬぬぬぬ……ニセモノがどれだけ汚い手を使おうと、M33星人を倒したあの時、赤い光線で結ばれたんだな~! らぶらぶなはずなんだなぁ~!」

 過去を思い返しながら、マゼランは身悶える。

 だがマゼランは知らない。

 あの時カジキはマゼランではなく学園のマドンナに夢中だったということを!

 「あぁ……宇宙が……見える……」

 しかしカジキ、顔を溶けそうなほどに緩めてスルー!

 勝負は互角の様相を……見せてはいなかった。


EPISODE4 カノジョ力勝負「先輩をメロメロにするのはこのワタシなんだな! ニセモノの出番なんかないんだな~!」


 ついに決戦の幕が上がる!

 そのきっかけとなったのは、なんとカジキであった。

 「こういうときには、これだよな」

 ――スチャ。

 カジキが取り出したのは、マゼラン星人にはおなじみの光線銃だ。

 「なんですかそれ?」

 「さすが先輩、なるほどなんだな~!」

 「え~とぉ……?」

 説明しよう!

 マゼラン星人にとっての、最大級の愛情表現は、光線銃で相手を撃ち抜くこと。

 ミゼランには、知らなくて当然の情報であった。

 「これはマゼラン星人のならわし。僕の気持ちを受けとってくれ!」

 「先輩の気持ちを受け止める準備は万端なんだな!」

 「センパイ、痛くしないでくださいねっ」

 マゼランは腕を大きく広げて受け止める準備は万全!

 一方のミゼランはおっかなびっくり構える!

 カジキの持つ光線銃に赤い光が集まっていき――

 「あの……センパイ、まだですか?」

 さらに集まっていき――

 「ちょっ、待ってセンパイ、さすがに溜めす――」

 「マゼラァァァァァァァァン!!」

 「ヒェッ!?」

 放たれた赤い光の奔流が、容赦なくマゼランたちを飲み込んだ!

 果たして、最後に立っているのはどっちだ!?


EPISODE5 恋、破れる「先輩の愛を受け止められるのはワタシだけ! やっぱりワタシたちは相思相愛なんだな~!」


 光線銃の光が晴れていく。

 そこには、傷つきながらも歯を食い縛って立ち尽くすマゼランとミゼランの姿があった!

 「うぅ……」

 だが、ミゼランはその場にへたり込んでしまう。

 「ふっ……先輩の愛! 受け止めたんだな!」

 マゼランはミゼランにドヤ顔を向ける。

 まさに、勝敗が決した瞬間であった。

 「これでワタシが本物って証明されたんだな~! これから先輩とらぶらぶデート……ぐふふふふ。やっぱりワタシたちは相思相愛……そう、初めて出会ったあの時から決まっていた運命なんだな~!」

 がっはっは!

 全力で勝ち誇るマゼランをよそに、カジキは傷つき倒れたミゼランへと近づいていく。

 「せん……ぱい……」

 「マゼラン……」

 「ごめん……なさい……あ、あたし……負け、ちゃいました……」

 「…………」

 「アタシ、弱いなぁ……だから、先輩の側には……いれないんだ……」

 「そんな、ことは……」

 「先輩があっちにいっちゃう前に、一つだけ……聞いてくれますか?」

 「あ……あぁ! なんでも言ってくれ!」

 「フェルディナンド=カジキさん」

 「……ッ」

 「あなたが、好きでした」

 すうっと、ミゼランの頬を涙が伝う。

 それは、とても綺麗でどこか儚く、地面を濡らした。

 「先輩~! そんな負け犬のことは放っておいて、早くワタシとらぶらぶデートに行くんだな~!」

 意気揚々と駆けてきたマゼランは、カジキから漂う暗い雰囲気を感じ、訝しげに眉をひそめた。

 カジキはつらそうに、マゼランへと振り返る。

 「それは……できないよ」

 「なぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 マゼランは衝撃に凍りつく。

 そんなことは意に介さず、カジキはそっとミゼランを抱きしめた。

 「……やっと、わかったよ。君が、僕のマゼランだ」

 「せん、ぱい……?」

 カジキは全てを悟っていた。

 自分が悲しませたくないと思ったのは、

 マゼランでなく、マゼランの姿をしたミゼラン――

 「デート、しよう」

 カジキの言葉に、ミゼランはぱぁっと笑顔を咲かせた。

 「……はいっ!」

 一方のマゼラン、ショック続きでフリーズ状態。

 なんとも哀れなものである。

 「――は?」

 そしてミゼランは勝ち誇ったかのように嘲笑って――カジキの唇を、自分の唇で塞いだ。

 「くぁwせdrftgyふじこlp」

 マゼランは目の前の光景が信じられず、逃げるように走り出す。

 「これで勝ったと思うんじゃないんだなぁ~!!!」

 もはや悪役の台詞を残し、マゼランは三時間泣いた。

 それにしてもカジキの唇は奪われてばっかりだ!


EPISODE6 傷心のマゼラン「ニセモノの魔の手から先輩を救い出すには……ワタシに夢中にさせる発明をすればいいんだな~!」


 「こんなところで負けてられないんだな……むむむ。先輩を取り戻すにはどうしたら……?」

 こういうときのマゼランは頭の回転が天才的だ。決していつもネジが抜けているわけではない。

 「そもそもあいつとワタシの姿形はほとんど同じ……ん? ということは、ワタシは先輩好みなんだな~!」

 なんとも短絡的な発想である!

 「つまり、ニセモノを上回るくらいワタシの魅力でメロメロにできる発明をすれば――はっ!」

 その時、マゼランに電流走る!

 「これをこうして増幅させれば……ふ、ぐっふっふ。これで先輩をメロメロにしちゃうんだな。うぇっへっへ」

 ポジティブ思考から邪悪な笑みを浮かべ、マゼランは屈辱をバネに行動に移るのだった!


EPISODE7 愛をとりもどせ!「この『ラブリーハンター』で、先輩の心を取り戻すんだな~!」


 「次はどこに行きたい?」

 「先輩とだったらぁどこへでも。……あ! 先輩ってば、口の周りにクリームついてますよ?」

 「え、本当? さっきクレープ食べたからかな?」

 「ジッーとしててくださいね。アタシが取ってあげますから♪」

 デートが始まってから数時間。

 2人は誰が見てもらぶらぶなデートの真っ最中。

 そこに、予想を裏切らない襲撃者が現れた!

 「やぁーっと見つけたんだなぁ!!」

 マゼランは一見バカにしているような、自分が格好いいと思っているポーズで舞い降りてくる。

 「マゼ、ラン……?」

 「しっ、気にしちゃダメです先輩。変な人ですよ」

 「じゃかぁしぃんだなぁ~! ニセモノの悪だくみもここまでなんだな!!」

 ガチャン、と大きさに似合わない音とともに、マゼランは光線銃を取り出した。

 「アレはマゼラン星の光線銃じゃない……?」

 「え、なんか危ないヤツですか?」

 カジキとミゼランは「うへぇ」と面倒くさそうに顔をしかめる。

 「危なくないんだな。これは秘密兵器――その名も

『ラブリーハンター!』」

 説明しよう!

 これはマゼラン星の高い科学力と、M33星人が使っていた技術を応用して作り出した、最高傑作!

 この光線銃から放たれたビームを受けた者は、ビームを放った者への好意が極大まで増幅されるというスンバラシイ発明なのである!

 効果時間は人それぞれだが、最大で1ヶ月以上。

 もともとの好意が小さいほど効果時間は短くなるが、良好な関係をすぐに築けるスグレモノ!

 一家に一台欲しい発明品だ!

 「――そんなわけで、先輩とらぶらぶでぇ、ちゅっちゅっちゅなスクールライフを手に入れるんだな~!」

 「そんなもので先輩の心を弄ぼうだなんて!」

 「落ち着いて、マゼラン。僕の心はずっと君一筋。永遠にフォーリンラブさ」

 「それなんかのフラグになりそうじゃありません?」

 「先輩! ワタシの気持ちを、もう一度……受け取ってぇぇぇほしいんだなぁぁぁぁ~!」

 ――ばきゅん!

 「だ、ダメーっ!」

 それは一瞬の出来事。

 放たれたビームが当たる直前、ミゼランは庇うようにカジキに抱き着いた。

 「きゃあああっ!?」

 「マゼ――ぬわーーーっっ!!?」

 しかし、ミゼランの行動虚しく――ビームは、2人を飲み込んでしまうのだった。

 「先輩が次に目が覚めた時、ワタシたちは恋人になってるんだな~。うぇっへっへ~」

 強引すぎる凶行!

 圧倒的悪者である。


EPISODE8 恋の争奪戦「ワタシが欲しいのは先輩の愛だけなのに、どうしてニセモノまでワタシにゾッコンになるんだな~!?」


 カジキをミゼランの魔の手から救い出したマゼラン。

 これで平和でらぶらぶな日々を送る……はずだった。

 「アタシね、アナタみたいになりたかったの」

 「やっ、やめるんだなっ!」

 熱に浮かされたように、ミゼランはマゼランへと顔を近づける。

 「ちょっ、話をき――」

 「だからこうやって真似して……先輩のこと、奪っちゃおうとしたの……」

 「まさかの真実なんだな!?」

 そんなマゼランとミゼランを引き裂くように、一枚の干物が突き刺さった。

 「「!?」」

 「今だ、マゼラン!」

 それは、マゼランが一番求めていた声だ。

 「せんぱ――は?」

 「マゼランは……誰にも渡さない!」

 そこに割入ってきたのは、変な仮面をつけたカジキであった。

 「大丈夫かい、マゼラン。僕がきたからにはもう安心だよ」

 「アタシたちの仲を引き裂こうだなんて……許せない!」

 カジキはマゼランをお姫様抱っこすると、夕日が沈んでいく街中を一目散に走り出す。

 「し……幸せなんだな……!」

 喜びを噛みしめるが、それも長くは続かない。

 後ろからミゼランが無表情で追いかけてくる。

 本当に無表情のまま、正確なフォームで走る姿は、まるでアンドロイドのようだった。

 「これをもう1発当てれば解除できるんだな!」

 明らかなフラグ台詞を叫びながら、マゼランはラブリーハンターを構える。

 「マゼラン、飛ぶぞ!」

 だが、その瞬間カジキが空高く飛び上がった。

 「ちょまぁぁぁぁぁぁ!?」

 ラブリーハンターは宙へと放り上げられ、そのまま落下して――

 ――ぷー!

 「あ」

 ――グシャリ!

 「あ、あれぇ……ということは、効果が切れるまで待つってことなんだな……?」

 危険を察知し、マゼランは走り出す。

 「アタシと一緒にらぶらぶしようよぉ~!」

 「マゼランは僕が守る! 早く行け!」

 後ろでカジキとミゼランが光線銃で撃ち合い始める。

 ピチュンピチュンと聞こえてくるが、マゼランは振り返ることなく無我夢中で走った。

 「どうして……」

 マゼランは自分の行いを省みる。

 一体自分がなにをしたというのか。

 「どうしてこうなるんだなぁ~!?」

 マゼランがカジキとらぶらぶなスクールライフを送れる日は、果たしてくるのだろうか。

 それは誰にも――わからないんだなぁ。



■ 楽曲
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WORLD'S END
■ キャラクター
無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE
NEW / SUN / LUMINOUS
マップボーナス・限界突破
■ スキル
スキル比較
■ 称号・マップ
称号 / ネームプレート
マップ一覧


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