モジュール/【ラサンの黄金】

Last-modified: 2023-07-18 (火) 20:24:56

誘拐!呪わしきフォン・ヘンドリック男爵が君の婚約者を誘拐した。この狂人は君の大切なアレンダの身代金として彼女の体重と同じ量の黄金を要求している!どうして、それだけの黄金を用意出来ようか?

 

御丁寧な事にも男爵自らが解決策を用意していた:“恐怖の海”の何処かにある燃える山から金が産出されているらしい。この神秘的な山を発見しさえすればよいのだ。

 

帆をあげろ!町の桟橋を出航すれば、外洋が君と仲間の船員を待ち受けている。しかし、用心せよ!“恐怖の海”ここ何世紀もの間自らの名前にひけをとったことはないのだ。

 

この海の危険を乗り切ることができるだろうか?燃える山に到達する前に船員が反乱を企てるのでは?それとも、金塊を載せるために邪魔な船員を海に投げ込むか?このD&Dソロ・アドベンチャーではすべてが君の決断に委ねられている。

XSOLO「ラサンの黄金」日本語版裏表紙より

コードXSOLO、原題は「Lathan's Gold」、製作者はMerle M.Rasmussen(メルル・M・ラスマッセン)。原語版の初版は1984年、日本語版は新和から1986年冬に発売された。本文は全32ページ。当時の定価は2200円。
表紙カバーは三つ折りで、内側はそれぞれ冒険記録用紙、戦闘表、NPCパーティ表になっている。
カバーアートはJim Roslof(ジム・ラスロフ)。本文イラストはJeff Easley(ジェフ・イーズリー)。
表紙絵は、どこかの海岸部で四人の海賊と思われる戦士が武器を振り上げてこちらに向かってくるという構図。海賊たちは目付きが悪かったり、ドレッドヘアーだったり、片目だったりと悪役風の容姿をしている。

概要

クラシックD&Dのエキスパートレベルのモジュール。フロアタイルが付属している。
本文は2ページがモジュールの遊び方や注意、3~9ページが戦闘時の項目、10~11ページがプレロールドキャラクターの設定、12~21ページが陸上での遭遇、22~32ページが海上での遭遇となっている。
このモジュールはソロシナリオであり、プレイヤーが1人で遊ぶことになる。
あらかじめプレロールドキャラクターが用意されているが、他のキャラクターを使って遊ぶことも可能。クラスは特に問われない。
なお、実際の行動はゲームブックと同様のパラグラフ選択方式で行う。
上記の通り、プレイヤーキャラクターは人質をとられている上に人質を助けるための日数に制限がある。加えて、目的地がはっきり分からない、食料を確保しなければならないといった制限もあり、初回プレイでのクリアは至難の業。


特筆すべき点として、遭遇したクリーチャーを倒して食料にできる点。海上では食料確保に悩まされるため、これは必須。例として、ピットヴァイパーやシースネイクは1匹当たり食料5食分、フライングヒドラは400食分にもなる。また、海賊などの人間やオグルなどの人間型モンスターは宝や食料を隠し持っているという設定になっている。
プレイヤーが複数の仲間と共に多数の海賊やモンスターと戦うという状況に対応するための簡易的な集団戦闘ルールがあり、パーティを組んでいても戦闘結果が簡便に出てくる。

評価

Wikipediaの記事には日本語版、英語版ともに記述がない。
これまでの他のソロ用モジュールと違い、不可視インクやマジックスクリーンといった小道具を使っていない分遊びやすい。
また後年になってプレイした層のレビューによると、クラスを選ばず遊べる事や、ゲームブックではないソロプレイ用のボードゲームのような感覚で遊ぶことができる点が評価されている。