モンスター/【キマイラ】

Last-modified: 2022-08-13 (土) 19:29:02

原語は「Chimera」。
キメラ、キマイラ、カイメラと訳される。
キメラあるいはキマイラはギリシャ神話に登場するテュポーンとエキドナの子で、鬣のあるライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つとされる。元はヒッタイトの神話で季節を表わす聖獣だったが、中世のキリスト教寓話では「淫欲」や「悪魔」に変えられた。
現代では遺伝子操作により生まれた合成生物を指して「キメラ」と呼ぶため、この単語自体は意外と知られていたりする。
ファンタジー作品では主に強敵として登場することが多い。またファンタジーのTRPGでは様々な敵役を生み出しやすい設定から、古代の魔術師が合成して生み出した怪物や、その怪物を生み出した研究施設が遺跡として登場するというシナリオはある意味定番。
容姿はギリシャ神話をベースにした物が多いが、ドラゴンクエストシリーズのキメラ*1のような例もある。
キマイラのメタルフィギュアは作られているが、外観はD&Dシリーズの物かそれに近い物が多い。D&D公式としてはラルパーサの物があった。D&Dミニチュアゲームからも出ている。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットに登場。新和版での表記は「キメラ」。
外見は「3つの頭(ヤギ、ライオン、ドラゴン)を持ち、ライオンの前半身、ヤギの後半身、ドラゴンの翼と尾を持つ。」と書いてある。主な生息地は未開の丘陵やダンジョン内。
ヒットダイスは高く、空陸ともに移動速度も高い。アライメントはカオティック。戦闘ではライオンの前脚による爪2回と3つの頭による5回攻撃。加えてドラゴンの頭からは炎のブレスを吐き出す。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディア版でも表記は「キメラ」。
種別はモンスター知力6。サイズL。荷重は4500cn/9000cn。
雌雄のつがいで子がいたりすることや、特に気が荒くて危険な個体が縄張りを捨てて流れていくことがあることなどが追記されている。


この姿は異様かつ強大に見えるのか、他のゲーム作品でもD&Dのキメラのように複数の異なる種の頭を持つタイプが多い。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版のモンスターコンペンディウムでの表記は「キメラ」。亜種としてゴルギメラが併せて解説されている。
外見は大きな黒山羊の上半身に巨大な黄褐色のライオンの下半身を持つ。胴体にはドラゴンに似た茶色がかった黒の羽が生えている。
頭は3つ生えており、ヤギの頭は漆黒、目は輝く琥珀色、長い角は黄土色。ライオンの頭は流れるような茶色のたてがみがあり、緑色の目をしている。ドラゴンの頭はオレンジ色の鱗に覆われ、黒い目をしている。
サイズはLで、肩までの高さは5フィートある。
合成生物であるキメラは3つの頭の生物としての習性や生態を併せ持つ。ライオンとドラゴンの頭は肉、特に生肉を求めるが、ヤギの頭が食べる植物により雑食動物となっている。知性が限られている上に、邪悪な性質を持つキメラは自身が縄張りと定める地域に入って来た生物を獲物として扱う。またドラゴンの習性を受け継いでいるためか、人間型種族の集団を襲い、財宝を集めることがある。
ヒットダイスは高い。移動速度は速くはないが、羽により空を飛ぶことができる。しかし純粋な飛行生物ではないため、機動クラスは劣悪。
アーマークラスは正面、側面、背面の3つがあり、正面が一番防御力がある。
攻撃手段は前肢の爪による2回攻撃、山羊の頭の角による2回攻撃、ライオンとドラゴンの噛みつきが各1回の合計6回攻撃を行うことができる。
またドラゴンの頭は噛みつく代わりにブレスウエポンを放ってくる。
気候/地形は温帯から熱帯。出現頻度は希。社会構成は独居性もしくは群れ。活動時間は常時。食性は雑食性。知能は極めて低い。アライメントはCE(カオティック・イービル)。サイズL。
基本的に独居性だが、連れ合いや子がいる場合がある。
キメラの知性は限られているが、若干の会話も可能ではある。ただしその性格上、会話をする機会はあまりない。

ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ第3版

表記は「キマイラ」。

関連用語

マンティコア】【ゴルギメラ】【テサルメラ


*1 鳥類の頭と翼、蛇の胴体を持つ。