モンスター/【リーチ】

Last-modified: 2022-07-23 (土) 19:12:19

原語は「Leech」。
leechはヒルの事。漢字では蛭と書く。
現実世界では環形動物の1種。細長い体をしているが、全長は0.2~40cmほど。口周辺と肛門の下側が吸盤になっており、捕食活動にも運動にもこれを用いる。外見的には感覚器官は分からないが、体前方の背面に眼点と呼ばれる光の強弱を感じる感覚器官がある。
湿気の多い場所を好み、大半が吸血性のため非常に嫌われる。蛭の唾液には麻酔成分と血液の凝固を妨げる成分が入っており、吸血されても気づきにくく出血がなかなか止まらない。このため薬効があるとされる。
ファンタジー作品での登場はそれほど多くなく、どちらかというと近代や現代を舞台とする冒険、あるいはホラー作品での印象が強い。フィクション作品では怪人や怪物のモチーフとしてもそれなりに使われている。
見た目が気持ち悪いため、立体化はほとんどされていない。Reaper Miniture社はGiant Leech(2体セット)のメタルフィギュアを製造販売しているが、わざわざこれが欲しいかと言われると・・・。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットに登場。新和版では「ジャイアントリーチ」と表記しており訳語は巨大ヒル。
原語は「Leech, Giant」で、巨大種のみとなっている。
沼地に住む体長3~4フィートの奇怪なモンスターとされる。
ヒットダイスはそれなりにあり、なかなかしぶとい。アライメントはニュートラル。
戦闘では噛む1回攻撃のみだが、攻撃が成功すると以後毎ラウンドダメージを受け続けることになる。しかも引きはがすにはこれを殺すより他に方法がないため、非常に鬱陶しい。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディア版での表記は「ジャイアント・リーチ(巨大ヒル)」。
皮膚が赤茶色であること、種別が下等生物であること、サイズがLであること、知力が0であることが追記されている。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

AD&D第2版ではMonstrous Compendium IIに掲載、後にMonstrous Manualに再掲載された。
外見はナメクジに似ている。じめじめした場所に生息しており、温血動物の血を吸う。
基本的に同じような設定だが、3種が設定されている。
3種に共通する一般情報は以下の通り。
気候/地形は温帯の沼地や湿地。活動時間は常時。食性は肉食性。知能はなし。アライメントはN(ニュートラル)。

ジャイアント

巨大種のヒル。体長は2~5フィートで、体色は茶色や黄褐色など。
泥やねばついた土の中で犠牲者を待ち受けている。
命中判定に成功した場合、犠牲者はジャイアント・リーチに吸いつかれたと見なされ毎ラウンド血を吸われてダメージを被る。ただし水中で吸いつかれた時は犠牲者が気づくチャンスはほとんどない。また吸いつかれた犠牲者は疫病にかかる可能性がある。
ヒットダイスは個体により変動するが、基本的には低い。移動速度は遅いが、水中でも問題なく動ける。
防御力はほぼ無いが、吸いつき攻撃が厄介で犠牲者が気づかないと急激にヒットポイントを喪失した上に病気までもらうことになってしまう。

スロート

原語は「Throat Leech」。
1インチほどの大きさで、水面に浮かんでいると目立たない小枝と錯覚してしまう程度の大きさのヒル。
このスロート・リーチがいる水を濾過などの処置をせずに飲んだ場合、スロート・リーチは犠牲者の喉の中で吸血して膨らみ始める。こうなると犠牲者は喉を詰まらせて窒息する危険が出てくる。なお連続して窒息状態に陥ると犠牲者は窒息死してしまう。喉で膨れたスロート・リーチを殺す方法は限られているが、魔法的手段を除けば喉の奥のスロート・リーチを直接殺すしかない。
ヒットダイスは非常に低い。また防御力は皆無に等しい。サイズT。移動速度は非常に遅い。

スウォーム

原語は「Leech Swarm」。
大量の小さなヒルの群れ。遭遇は基本的に水中のみだが、約10フィートの雲状の塊という扱いになる。
この群れの中に入った場合、ダメージを受け続けてしまう。この群れはある程度の範囲攻撃でなければまともにダメージを与えられない。