【まだらぐも】

Last-modified: 2023-02-05 (日) 02:17:11

DQ2

DQ2の没モンスターの中でも、特に高い知名度を持つモンスター。
開発中の雑誌記事(ファミリーコンピュータMagazine)に【キングコブラ】【スモーク】と一緒にドット絵が映っていた。
製品版ではそれらと同時期に出現する虫系の敵は【よろいムカデ】であるが、それに近いポジションだったのだろうか?
外見はいたって普通な蜘蛛で、名前に反してまだら模様というより縞模様であった。
 
蜘蛛はファンタジー作品ではメジャーな敵だが、このモンスターがボツになった後DQにはビックリするほどクモのモンスターが登場せず、実際に蜘蛛型モンスターが本編に登場するのは実に22年後。DQ9での【ボーンスパイダ】【デスタランチュラ】を待つことになる。でもこれらもゾンビ化した蜘蛛や蜘蛛型兵器という設定であり、ちゃんとした蜘蛛のモンスターが本格的に登場するようになったのはDQ10の【怪蟲アラグネ】ぐらいからとかなり遅い。
ただし、モンスターズシリーズではそれ以前に【スカルスパイダー】【がんせきグモ】が登場している。
 
ちなみに、【アイテム物語】では「夕焼け空のまだら雲を妖精の力で紡いだ糸」がまだらくもいとだとされており、まだらぐもという蜘蛛なんているわけないと言われている。
一方で、DQ9では【まだらくもいと】を上記の蜘蛛系モンスターが落とすので、この作品では文字通りの蜘蛛の糸らしい。

再発見までの経緯

「まだらぐもというボツモンスターがいる」という事はファンの間でウワサとして語り継がれていたものの、一体どの雑誌にその情報が残っていたのか分からず、長い間真偽不明の都市伝説になっていた。
しかし長い歳月を経て一人のファンが国立国会図書館への調査で掲載誌を探り当て、翌2010年に実物を入手して画像が再び世に出回る事になった。
実に20年あまりにわたって存在を確認されていなかった事になる。
なんとも考古学的なロマンを感じる話である。
 
DQ25周年イヤーの2011年11月10日に発売された書籍【ドラゴンクエスト25thアニバーサリー 冒険の歴史書】には、24年ぶりにこのモンスターの存在が公式に掲載された。
ただし、

発売前の広告や雑誌記事に載っていた未採用のモンスター(テンタクルス、まだらぐもなど)やアイテム(死のオルゴールみみせんなど)にまつわるウワサも流れた。

という一文のみで、画像の掲載などはない(同7ページより引用)。
 
そして30周年イヤーである2016年発売の【鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ】に「スパイダー」という没モンスターが掲載されており、色こそ雑誌に掲載されたものとは違うものの、それまでドット絵しか存在しなかったまだらぐもの鳥山明イラストがついに公開されたのだった。
まだらぐもとスパイダーは、色違いモンスターの可能性もある。
 
過去の文献と書籍でのみ語られる伝説のモンスター、それがまだらぐもである。

ロトの紋章

【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】では、賢者の塔におけるアルスたちの修行の場面でこのモンスターが登場している。
常に巣で眠っていて大人しいが、巣に引っかかると餌だと思い襲い掛かってくる。
うっかりと【アルス】が巣に触れた際、慌てて手放した聖なるナイフをかみ砕いてしまうあたり顎の力も強靭。
その為打つ手がないと思っていたが、【カダル】が教えてくれた「心を無にせよ。我は彼なり、彼は我なり」の言葉に従いアルスは瞑想を始め、心を無にする事を試みる。
結果としてアルスはマダラグモと意識を同化させ、悟りの書の石板を獲得する事に成功する。
なお、表記は劇中では『マダラグモ』、カバー裏の表記では『まだらグモ』になっている。