【歴史】/黒竜商会の店じまい

Last-modified: 2020-05-06 (水) 19:15:20

読み:黒竜商会の店じまい
分類:組織解散・抗争
年代:大陸歴1700年代後半
該当地方:世界
発案者:ふにげあ
Tag: 歴史 事件 黒竜商会 自由使用 抗争 大陸同盟 華丹帝国 発案:ふにげあ 調整・加筆:tocoma110

概要

  • 時代の潮流を感じ取った黒竜商会の解散宣言──そして、それに端を発する、一つの竜の終焉である。

沿革

  • “黒き嵐”が討たれる前後から、かの邪竜に属する物は公共の敵を超えた世界の敵として認識されるようになり、黒竜商会は徐々に頭打ちになり始める。大陸の秘境開拓も卑近な秘境の安定化、ひいてはそれらの公共・民営企業による採掘・管理事業化の兆しを見せ、「綺麗なモグラが掘り始める」か「掘ることが不可能」の二つに二分され始めた。つまり、シノギの先が見え始めたのだ
  • 飛空艇?の開発による新時代?まで生き長らえる事は不可能ではなかったが、商会のシノギは本質的に秘境開拓あって、かつ不安定な収入形態が数多あればこそ。そこの舗装が進み、さらに空に道が広がるのであれば、新たなるビジネスに手を伸ばしたほうが遥かに効率的。そう判断する勢力が姿を見せ始めた。
  • だが、当然、「新時代に於いても秘境開拓は死なぬ」と叫ぶ伝統的な幹部も少なくなかった。だが……開拓が死なずとも、黒竜商会は既に世界の敵であり、時世の変化を嗅ぎ取った野良犬どもからもメダリオンの返却が出始めた。
    • じわじわと壊死するか、それとも力がある内に闇に潜むか――本質的に下っ端のことなどどうでもよかった大半の重役たちは、迷うこと無く後者を選択する。
  • かくして、黒竜商会は大体的に解散宣言を行なう手筈となったのだが、ここにきて重役と称される最高幹部軍の間で抗争が発生する。これまでの残存資本の分配比率についての対立が起こったのだ。それに伴い、これまで一枚岩に収めてきていた中での不満・不平も爆発し、遂に本部会議場での刃傷沙汰にまで発展、以降、最高幹部間での骨肉の争いが始まってしまう。
  • 当然、現場で活動する多数のエージェント達はその煽りを受け、組織は混乱の様相を見せる。
  • 商会は数多の細胞に分割された組織であるが、指揮系統の混乱は当然全体の運営にも反映する。重役やハイ・エージェント達は自身の組織の中から己が使えると判断した手勢を確保した上で体制を固め、対抗勢力と争い始めることとなる。
    • さらに、この状況を察知した各国政府(特に華州)が摘発・襲撃を仕掛けたことで混乱は増大。それに伴い、これまで黒竜と提携していた組織たちもこぞって黒竜の排斥とその後空白地帯の奪取に注力。結果として闇社会は一時期凄惨な次代へ突入。後に言う『黒竜狩り』へと突入する。
      その中で、半数以上の幹部が逮捕ないし死亡、名実ともに黒竜商会という組織は解散に至る。

 
その中でも上手く切り抜け難を逃れた幹部たちは闇に潜り、後の時代で芽吹いていくが……失われたものは大きく、かつてのような一元的な流通網は消滅することとなる。

  • 当然、その中で完全に見捨てられたエージェント達は数知れず、相当な死者・逮捕者が続出。地域によっては司法に依らぬおぞましい私刑も相次いだとされる。

特徴

  • アンダーグラウンドの闇商人の頂点に君臨していた商会の消滅によって、いわゆる闇の流通経路は一時期崩壊、その空白を各地の組織が奪取・独自開拓することにより、新たな形を作っていくこととなる。
    • これにより、闇の世界は複数勢力が乱立し、牽制と取引のバランスを見定め続ける時代へと突入する。
  • また、密告によって己の保身に奔る見捨てられたエージェントが続出し、多量な逮捕者を出すとともに、凄惨な私刑を誘発もした。組織の混乱もあって全貌を把握するには至らずとも、その多くの組織が壊滅・縮小……結果的には、力を示せなかった者達が切り捨てられた事になった。
  • そして、力を手に入れたまま闇に潜った者たちは新時代?に芽吹いた姿を、人々は『黒竜の落し子』と呼んで恐れ、または追った。
    • どの幹部の系列にあったかでグループが分かれており、「○○派」と言った呼称で分けられることが多い。また、各地元組織との関係も多様であり、殲滅し奪取した者、癒着した者、統合・新生した者、敗北し追いやられた者など、多岐に渡る。
    • 黒竜の落し子は数多存在するが、中には下を見捨てられずに己の下の下までを掬い上げた上で組織を立ち上げたものもいる――かなりの少数であるが。

評価

  • 完全なる撲滅にこそ至らなかったが、闇の一大勢力の一つである黒竜商会の消滅は、表裏どちらの社会にとっても大きなものであった。
  • 大きく勢力を削げたことに華丹帝国大陸同盟はある程度の成功と判断を下すも、引き続き残存勢力への追及を継続。両者共々逃亡した“重役”に対して情報にすら莫大な懸賞金を掛けて後を追った。
  • 森弓の民の一部に至っては「鱗一つとて逃しはせぬ」と被害者や復讐者を蒐めて追撃組織を結成。多くの種族と憎悪の二文字で繋がったその組織は、新たな時代に至っても黒竜の落し子達と戦い続けた。
  • また、死したるの残滓達は黒竜の有り様を「美しくない」と非難、残り少ない人生の楽しみを黒竜狩りに捧げた悪漢も出たという。
    • 特にカジノで長年因縁のあった“死神”の系譜にある『蛇』はそのために組織を作り変え、存続させたと噂されるほどである。

隠された事実

  • 当然、全ての重役がこの決定に賛同した訳ではなく、当然の様に同胞を売ることによって復讐を果たし、時代と共に滅ぼうとした重役もいる。
  • それによって逮捕、暗殺された重役は全体の半数ほどと言われているが……力と共に正体を隠し、或いは姿形を変えて逃げ切った幹部群とは別に、不可思議な行方不明を遂げた幹部もいる。
  • その中には、諸悪の根源である、黒竜商会会長も含まれているという。
  • その逮捕に心血を注ぎ死んだというとある者から、藁にも縋る思いで会長の行方を尋ねられた“妖賢”は、このような謎掛けで応えたと噂される。

「さて、後ろから狼が迫る中、君の前にはいくつもの橋がある。だが、たった一つを除いてすべての橋は途中で狼に捕まってしまうとしよう。この時、君はどうやれば正解の橋だけを選べると思うかね?」
「何、簡単なことだ。とにかく橋を燃やしてしまう神様?、にお願いをすればいいのだよ。正解以外の橋を燃やしてください、とね」
「神様はずるい? はっは、なるほど、確かに突飛な話かもしれぬな。すまないすまない。だが……そのための手段を知っていれば、話は違うだろう?」
「もっとも、神様なんてものは意地の悪い連中でね、こちらの事情や気持ちなど汲んでくれない。だから、加減と言葉ををしくじればその橋も燃え尽きるかもしれない。だが……くべるべき橋の特徴を理解していれば、大事な橋だけを残すことも不可能ではないだろう」
「危うい橋を渡り続けた者であれば、潔い終わりと意地汚くも逃げのびる道、どちらを選ぶと思うかね?」
「そして、どんな願いなら、神様を騙せると思うかね?」
 
その問いに追跡者は答えられぬまま妖魅の森を後にした、と噂は締めくくる。
 
「まあ、橋を残せたとして──その先が望んだ通りの世界とも、しっぺ返しがないとも、保証してくれるものは何もないがね」

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相談コメント欄

  • 大幅に調整案で加筆修正しました。ご確認をお願いします -- tocoma110? 2020-05-06 (水) 19:02:07
  • 問題なしです! -- 2020-05-06 (水) 19:07:16