アルファベット表記:“Dirty Wizeman”Bel'wiid
読み:“ようけん”べるうぃど
種族:真竜-神代竜
性別:オス
年齢:100万歳以上(大陸歴1500年代当時)
立場:七竜
住居:妖魅の森
属性:中立にして悪
発案者:tocoma110
【Tag: 住民 真竜類 竜 七竜 神代竜 危険度等級EX 発案:tocoma110 】
「よく来てくれた。見ての通りろくな場所ではないが、お茶くらいは用意しよう。
葉は何が好きかね。シンダールの45年? カラヴィン? カリブルヌス?
それとも、三千年物の竜酒の方がよろしいかな?」
概要
七竜に唯一の堕竜にして、堕竜の苦しみを持たない異常竜。
あまねく鱗の中の智者。一から一の真理を授けられるもの。百万の書が及ばぬ闇。
その知恵に並べる者は人類はおろか、真竜は他にいないとされる。故にこの竜の下で勉学出来れば、当代随一の知恵者になれると囁かれる。
実際、この竜の賢しさは凄まじい。
僅かな情報からでも問題の本質に辿り着くことなど朝飯前。そこにいにしえより蓄えてきた幾多もの知識が加わることで、人類どころか超常的存在ですら舌を巻くほどの知性の光を見せる。
その実力から、この怪物に憧れる者は後を絶たない。
- が、そのためにはこの性格破綻者と付き合わねばならないという、あまりにも過酷な問題が付きまとう。
特徴
その性格は一言で言って悪辣。
一見親切な風を装いながらも、彼の言葉は常に毒をはらんでいる。彼は相対する者が歩む道を踏み外す機会を逃さない。あらゆるものが抱え心の闇に潜ませている、様々な要素を愛していからだ。
- それが当事者にとっての不都合や決して望まない方向であるほど、彼は喜ぶ。
肉体ではなく、精神が見せる軋みと歪み。それを何よりの娯楽としている。特に、苦痛と苦悩に足掻き苦しむ者が、自らの手ですべてを失ってしまう一瞬の表情を好むという。
忌避されるような嗜好。彼はそれを隠さない。
何故なら、彼の下へ足を運ぶほどに追い詰められたものたちは、多かれ少なかれ破滅に近いからだ。
知識、知恵、助力、栄誉……そういったものを求める者は、皆どうしたところで、彼という存在に縋るしかない。それを知っているからこそ、やってきた客を彼は丁重にもてなす。
最高の嗜好品として。
同時に、彼は己の愉悦のための努力を惜しまない。
妖魅の森に縛れる封印を受けているが、自ら様々な噂を流し、来訪者が途絶えることがない環境を作っている。そして、訪れる者たちの苦悩と、彼らが持つ様々な知恵と知識の収集を趣味に、永き時をゆったりと楽しむのだ。
- 気まぐれに、悪辣な嗜好が顔を覗かせぬこともある。
彼は好々爺然とした態度で、何を奪うことなく盤上競技や穏やかな会話を楽しむ。小器用に用意した菓子や茶などを振る舞い、土産さえ渡すことがあるという。- あまた蓄えた彼の貯蔵はある種の宝物庫であり、上質を超えた葉や酒から、いにしえの時代の恐るべき兵器や道具までそろっているという。
外見
外見も極めて個性が強く、真竜よりも魔界の竜とでも言うべき異形性を誇る。
- 比較的「竜らしい」頭部だけでも、捻じれた角、赤く燃える単眼、三つに裂ける口と異質。
- やせ細ったような胴体からは、蟲のような節のある六対の細い脚が生えている。
背面は首から尾の付け根に掛けては、棘が無数に生えている。 - 背上竜突骨が進化した翼は通常の真竜翼からは程遠く、風切り凧のような鋭利な三角形を描く。
- 先端に棘とひれのついた尻尾が二本伸び、ふらふらと揺れる。
- 暗い紫紺の鱗が覆う姿は、まるで日が沈み切る直前の空に近い。
異形と相まって、見るものの不安を掻き立てる。- ちなみに、舌は無数に存在し伸びる。どちらかと言えば触手に近い。
それが関係しているのか、彼の竜本来の声は形容し難いおぞましさを含む音色を奏でる。
- ちなみに、舌は無数に存在し伸びる。どちらかと言えば触手に近い。
竜玉石は通常表に出ていない。
平時は胸の奥に埋め込んでいる様子で、力を放つ際にのみ肢の付け根を開くことで、鮮血のように真紅の光を宿した竜玉石が姿を見せる。
竜紋鱗は非常に細かく、一見するとないようにすら見える。
しかし、よく見ればみるものを幻惑させるような紋様がびっしりと刻まれている。その紋様には実際に見る者を幻惑する効果もあるようで、見続ければ精神に変調をきたすことさえあるようである。
全長:約240m 体高:約38m 体重:不詳 翼長:片翼180m程度
来歴・活動
七竜の中では最も古く、真竜類としても現状では最年長組の一体とされている。
しかし、何者かによって長らく妖魅の森に縛られており、領域外に出ることは極めて稀。その場合も大きな制限を受ける。
現在は基本的に妖魅の森の中でまどろみながら、時折襲い掛かってくる異形の怪物たちをあしらい、辿り着いた者たちの相手をして悠久の時を潰している。
- もっとも、待つだけでは訪れる者も少ない魔境であることを、彼は理解している。
故に、彼は持ち得る知識や知恵を時に書物に纏め、時に来訪者たちはが語りたくなるような話として、世界にばら撒いている。- 領域外の存在を知る手段もあるようで、気になった個体にはそれとなく気づくアプローチを掛ける。
ここ近年(と言っても千年程だが)は浅ましくも賢しい娘子相手の長期戦を主だった楽しみに、それ以外の新規開拓に余念がない。
かつて最も知恵比べを競い合った“時の賢者”の再来は難しくとも、それに続く“十賢者”や“思考する歯車”などの猛者との出会いを求めている。今日も魔の霧立ち込める森の奥、まどろみに近い退屈の中で刺激的な来客を待っている……
七竜全体では知恵役を担うとされる。
が、そのような形で彼が役に立つことは少ない。何故なら、頼る同族があまりに少ないからである。人望……いや、竜望は限りなく薄い。
- 最年長ながらとりまとめ全般は若き英雄に任せ、自信は気ままに隠居生活を決め込んでいる。
が、住まう土地の性質上彼は幾度も来訪してくるため、自然と付き合いが生まれている。今では腐れ縁として、ある種の友情すら感じている様子。
故にか、“黒き焔”に対してはかなり真摯な対応を見せることが多い。 - 一方で、他の面々との関係性は危うい。
- 最年少の“海神”からは唾棄すべき邪悪として嫌悪され、その名を口にすることさえ嫌がられている。
が、ベルウィドは微笑ましい若さと嘲笑い、慈しむ。 - “夜明けの太陽”からは警戒されつつも一定の敬意を持たれている。
それは古き先達への彼女なりの礼節に由来する。だが、逆に言えばそれ以上の信頼も信用も持たれていない。一方、ベルウィドはこの年若い玉に注目している。いつ吹き上がるとも知れぬ火山のような危うさに、気づいている故に。だが、様々な要因から関わることを避け、深追いはしていない。 - “凶星”とはかかわりが薄い。
ただ、互いにまるで噛み合わない性格であることは理解しているので、距離を置いているのだ。ただ、同じく自由を奪われている身であることには一定の憐憫を覚えてもいる。 - “可憐なる太母”とは年代の近しさもあり、付き合いの長さは随一となるはずなのだが、あまり接点はない。
そのため向こうから警戒されているなと感じ取る程度で、積極的に関わることは皆無。
ただ、彼女の守るものがどうにかなってしまう状況には、幾分かの興味がある。 - “光の鍵”については、強い敵意を向け警戒されている状況を楽しんでいる。
若い個体を誑かせることは、彼にとって娯楽の一つである。 - その他、“天銀の剣”からは特に倒すべき邪悪と断じられ、実際に幾度か命を狙われている。
真っすぐで正義感に厚い若造を、彼は程よい玩具と愛しつつ、その攻撃をいなし時に他者を用いて阻み、彼の怒りをさらに煽っていく。- “眩い霧”からはある種ライバルのように見られているが、関心は特にない。その愚昧な姿はそれなりの味わいを感じつつも、「底が浅い」と断じている。
前述の通り性格は最悪であるが、実のところ大陸を乱すような事態を起こすことは、限りなく少ない。
彼を「大まかに」しか知らないものたちは驚くが、理由は単純明快。世界が滅んでしまえば、暇つぶしさえ出来なくなるから。それだけに過ぎない。
- 何しろ、彼に施された封印は土地ではなく、「次元の座標軸」と呼ばれる領分に掛けられている。
物理を超えた領域の束縛は、質量世界の終わりに関係なく存続してしまう。それを解く前に世界が壊滅的な打撃を受ければ、彼は永遠の退屈の中で生き続けなければならなくなるのだ。
何より退屈を厭う彼は、世界が壊れることを好まない。
もっとも、彼のせいで起きた事件の中には一つの州が壊滅的打撃を受けかねないものもあった。
そのため、彼の持つ基準はいささか余人にはわかりにくい。
そんな彼を縛る妖魅の森だが、実は、この森こそが彼の存在を安定させているという、皮肉な面もある。
堕竜でありながら堕竜の弱体・苦しみを持たぬ理由。それはこの森が大陸でも有数の呪いの気配が濃密な領域であることと、不可分ではない。
彼はその悪性故に縛られているのでない。その存在の重さを以て、この森を治める役割を押しつけられ、この森の楔となっているのだ。
だが、その状況は期せずして彼が竜としての──
能力
基本的に、肉弾戦のようなものは好まない。
我が身を駆使して何かを成すよりも、他者を利用して成果を出す方を好むためである。
しかし、それは決して戦えないということを意味しない。
少なくとも、彼は己の住処に踏み込んでくる愚かな外敵を単独で幾度も撃退している。
一方、その知略に関しては前述の通りである。
彼の陰謀は非常に複雑かつ遠近多彩。その結果は様々な片体で影響を及ぼす。
得意技能・必殺技など
- “竜の息吹”
彼のそれは黒煙か黒雲のような形を取って顕現するという。
効能は強力な呪詛に近いらしいが、彼がその息吹を使ってみせた場面を見た者は皆無。そのため、その全容は明らかとなっていない。 - 精術
極めて巧みな精術の使い手として知られる。当然、知識も豊富。 - 魔法
一説には、彼は真実、魔法と呼ばれるような力を使って見せることがあるという。
だが、そんなおとぎ話じみた力が実在するのかどうか、定かではない…… - 魔眼
詳細不明だが、その紅い目には魔性の力が宿ると語られる。
それは単に彼の話術があまりに巧みなためだとも言われる一方で、その眼差しを見た者はそれだけで骨の髄、内臓の裏まで見透かされたようだと語ったとも伝わる。
また、過去数度だけ彼が戦いを見せた際は、何をしたわけでもないのに、軍勢が突如混乱の渦に巻き込まれたり、敵対者が不動となった魔息絶えた逸話などが残っている。
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