【住民】/“黒き嵐”イールザディア

Last-modified: 2023-02-06 (月) 05:18:44

アルファベット表記:“Darkness Violence” Yil Za Dia
読み:“くろきあらし”
人種:真竜類-神代竜
性別:オス
年齢:100万歳以上(大陸歴1600年時点/1600年代中盤討伐)
属性:混沌にして悪
活動時期:~1600年代中盤まで。
発案者:tocoma110
Tag: 住民 真竜類 神代竜 危険度等級EX 発案:tocoma110


「ほう、好い宝を持っているな、地虫」
「余の宝に誰が触れていいと言った? 答えろ、虚虫

概要

応州でその名を知らぬ者はいない、伝説的邪竜
暴虐非道にして、傍若無人な性格に、“黒き焔”“凶星”らと肩を並べるほどの実力を備えた、生きた災厄。そのため、応州において「竜は強大なる脅威」という認識を生み出した元凶。


後述の性格から人類と関わることも多く、それ故に長らく災厄の象徴として扱われてきた。
また、黒竜商会のシンボルマークにも使われているなど、知名度も極めて高い。

 

詳細

真竜でありながらその理念を曲解し、溺れ、忌み嫌われる存在。
その捻じれた性に違わず、性格は絵に描いたような悪君。
己の満足のためには如何なる者の命令にも従わず、気儘に殺し、奪い、喰らい、滅ぼす。同じような自由人気質の“凶星”とは近しいようでいて、弱者を甚振ることを好む点で、決して相容れない。
応州における竜への悪印象は、これが担っていると言っても過言でなく、この竜のもたらした被害は物的損害にとどまらない。


彼が蝕まれている業は、「財宝」である。
いつ何時からか、財宝の類に異常なほどの執着を持つようになり、それをどんどんと増やしたがるようになっていった。というより、「あらゆる価値ある宝を守護らねばならぬ」という妄念とも言うべき、狂気に呑まれてしまったのだ。初めの内こそ穏便な手法で集めていたが、徐々にその性質はエスカレートしていき、やがては他者から奪うことも厭わなくなっていく。
結果、竜としての本質を見失い、己が手にした財宝の守護に固執するようになってしまった。
その理由については自身も理解出来ておらず、飢餓にも似た衝動に抗えないまま、奪い続けていく。

  • 彼はため込んだ財宝については一通り愛で終えると、重要なもの以外は宝物庫に押し込める。
    以降はそこで管理し、気が向けば取り出しては再び愛で、飽きるその日まで保管し続ける。
  • なお、彼自身が何かを作り出すということはない。
    竜という種に創造性がない、ということはないはずだが、この竜に限ってはそういった部分は壊滅的な様子。そのためか、彼は優れたものを作り出す個人には、悪辣さを抑えて接することがある。気まぐれに。

現在でも彼は奪っては巣に貯め込んでいるが、自ら動くことは少ない。
それはいにしえの時代に受けた呪いと、ここ数千年で負った傷に由来する。超古代文明期に受けた呪いから自由な行動を行なうことが出来ず、彼は自らの根城その周辺一帯?に姿を見せるにとどまっている。
その代わり、彼は他の生物を使い世界中の宝を集めさせる。
それは時に蓄えた財宝との交換で行なわれ、時にありまるほどの財貨での買取である。だが、往々にして彼が好む手段は脅迫と威圧による、奴隷的使役である。


千年前に若輩と侮った同類──“黒き焔”アルダートとの戦闘で負った傷も、非常に深い。
一騎打ちの末の痛み分けで負った胸の傷は、今も癒え切らず、生々しい傷跡を覗かせている。そのため、かの竜王を不倶戴天の如く敵視する。一方で、その実力そのものは認めており、嫌悪することはあれ侮辱することはない。

  • その他の同族とも基本的には険悪なことが多く、“天銀の剣”など筆頭に幾玉もの竜と対立する。時にはその同族が持つ宝さえも奪おうと画策するため、同類からの信頼は絶無に等しい。
    • その一方、“妖賢”とは何らかの交流を持っている様子。

また、“眩い霧”とは犬猿の仲として有名。
互いに表立ってのわかりやすい殺し合いこそしていないが、自らに従う従属生物たちを駆使し、常に牽制し合っている。この二玉の下らぬ争いに巻き込まれ起こった悲劇は、数知れない。

  • これは“黒き嵐”が持つ財宝(知識)を狙う“眩い霧”と、“眩い霧”が持つ財宝(古代文明の遺産)を欲する“黒き嵐”という、似たもの同士の抗争である。
    • 性格的にも自己中心的で尊大な者同士のため、当然ぶつかることが多く、仮に互いの事情がなかったとしても、不仲になることは確実。

人類種など矮小な生物に対し、「虫」という表現を好んで用いる。
当然、蔑意からのもの。

 

外見

体格はスタンダードな食肉目型で、いわゆる「ドラゴン像」に近い。
特徴は、随所に棘ないし刺々しい突起が存在する点。最もわかりやすい例としては、全身を覆う鱗。刺々しい暗黒色のそれらは、触れるものを寄せ付けない茨のように逆立っている。
尾先にもスパイク状に棘が生え、さながらフレイルが如き様相を呈している。これは実際武器としても強力であり、真竜の鱗すら砕く。
その他、鼻先から延びた黄金に輝く角が象徴的。この角は彼という個体の象徴でもあり、黒竜商会で図画化された際も、デザインに大きく反映されている。*1

  • 各地の記録では「王冠のような」と形容されており、「邪竜の冠」と呼ばれることもある。

また、真竜にしては珍しく、完全なる翼膜型の翼を備えている。


独特の舌を持つ。
無数に枝分かれしたそれは他種の指のように起用に動き、彼の意に沿った行動を自在にとる。その器用さは加工に特化した種族でさえ舌を巻くほどで、自身の爪先にも満たない小さなパーツを集め、組み立てることさえ可能とする。


それら威容に溢れた姿に反し、彼の胸部には大きな傷が残る。
“黒き焔”アルダートと激突した際に負った、敗北の証が今も心臓付近の胸部に刻まれている。蒼銀色の腹部と対局の赤黒い穴のようなそれは、鱗ごと消え失せてしまった箇所を、無理矢理再生させた痕である。
当然、そこだけは脆く致命的な弱点であり、この箇所を晒すことを邪竜は厭う。そのため、傷跡を覆うように財宝を癒着させている……のだが、当然馴染むはずもなく、そのことに頭を悩ませている。

  • もっとも、強壮なる神代竜の肉体は生中な武器では傷つけられない。城塞すら貫くような攻城兵器で、ようやく表層を引き裂けるかどうかといったところ。

竜玉石は喉元に備わり、深く暗い、藍色の輝きを宿している。
竜紋鱗は先の通り棘状に発達しており、ギザギザの波のような形が層を作るように刻まれている。それはまるで世界に対する敵愾心のようにも映る、攻撃的な紋様である。


全長:240m 体高:140m 体重:9万7000t 翼長:片翼100m

 

来歴・活動

人類種が歴史を記録するようになったころから、すでに彼は根城である『黒の山』に座し、気まぐれに辺りで暴れ散らしていた。
その頃に多数の国家を滅ぼし、また州をまたいで財を奪い、彼の住居には無数の宝物が蓄えられていった。勝手気儘に振る舞い、手元に数多の財宝が集まることを、その財宝を守れる喜びを彼はじっくりと味わっていた。


しかし、その喜悦の生活にも終焉の時が訪れる。
とある財宝?に目を付けたことで、遂に世界の調停者、青き星の守護神たる若輩──“黒き焔”アルダートに捕捉されてしまう。呪縛に捉われながら領地を出て、別なる土地にて七竜の長を迎え撃つイールザディア。しかし、呪いの枷により劣勢を強いられた結果、致命の一撃を受け敗退せざるを得なくなる。
以降、恥辱の傷を我が身に刻んだイールザディアは、雪辱のため、時をかけて力を得ることを、呪縛を崩壊させることを己に誓う。


そこからはさらに用心深く、然し大胆かつ用意周到に、彼は活動を始める。
いくつもの組織や個人を利用し、自らの下に財宝を集めさせる。それは収集のための収集のみならず、我が身の不自由を破壊するための遠大な計画でもあった。
すべての財宝をこの儂が守る──その妄念を突き詰めた結果の、狂気の深淵。
狂った起点から始まった行動は着々と実を結び、やがて大陸歴1600年代にその成果が実を結ぶこととなる──

 

能力

現在、イールザディアは複数の枷を負った状態である。
いにしえの時代に受けた呪いによる呪縛、“黒き焔”との一騎討ちで受けた傷。それらは決して小さくない呪いとしてこの強大な竜の行動を阻害している。
だが、それでもなおこの竜は単独で九大州の一つ程度、一晩で滅ぼしうる力を持つ。
神代の怪物巨人恐るべき同胞相対しうるいにしえの獣の末裔……これらを前にして、なお揺るぐことのない力を備えている。少なくとも、一つの都を灰燼と化すいにしえの兵器ですら、この獣を殺すことは出来ないだろう。

  • 実際、並みの上古竜では相手にもならない強さを誇り、幾度となく討伐を目指した各国の軍隊を返り討ちにしている。

純粋な肉体性能だけでも“黒き焔”などに並びうる。
だが、その最大の武器はにこそある。
イールザディアはこれ全身猛毒の邪竜なのだ。牙、爪を筆頭に随所に猛毒が流れており、彼と相まみえたものは一撃でも受ければ、その猛毒にさらされることとなる。これに抗しうるはよほどの存在であり、真竜類でも古竜級ですら一晩ともたない。


また、「暴力の使い方」についても熟知している。
傍若無人な振る舞いをする一方で、計算づくで動くことも可能とする狡猾さがある。当人への危害だけでなく、それを取り巻く者や関係する者、あらゆる領分に於いて「何を害すればいいか」を瞬時に見抜く。それにより、彼は相手の心理を支配し、戦闘と交渉(という名の恐喝・強制)を有利に進めていくのである。

必殺技

  • “竜の息吹”
    前述の猛毒の集大成。
    口内から放たれるそれは、まるで暗雲が如き粘性を備えた黒煙として、顕現する。
    突風のように速やかに広がるそれは、抗しうる力なければ必殺致命の一撃となる。ほんの一息でも吹き掛かれば、一国に屍の山を築くほどに。
  • 精術
    真竜たるもの、この程度のことは造作もなく使いこなす。中でも生物や環境を汚染する術に長ける。
  • 生物変質能力
    原理は不詳ながら、他の生命体に干渉し全く異なる生物へと変貌させてしまう。
    中でも彼のお気に入りは、戦闘兵器あるいは破壊と虐殺のおもちゃとして巨大な獣へと変えてしまうやり方である。手駒を作る以外にも裏切りへの報復や、戯れで行なわれる。
    基本的に、彼は自分以外のすべての生命の価値を等しく収集品未満に置いている。
  • 謀略
    暴力と圧迫、恐怖心から相手を縛ることを好むイールザディアだが、彼は卓越した策略家でもある。
    流石に最も悪知恵の回る同族には見劣りするが、財宝を得るため、また自らの喜悦のために策謀を巡らせることに長けている。実際、彼の指示で動く使い走りたちにより起こされた悲劇・事件は数知れない。
そして、1600年代中盤、彼はその在り方を一段上へと進化させる。

超古代文明の遺産を多数取り込み、傷の修復・呪縛の解除に加え、自己を強化したことで、イールザディアは邪竜を超えた最強生物、『究極悪獣 イールザディア』へと進化する。
『理造展界』対巨獣用滅殺兵装自立詠唱連鎖核……それ以外にも数多の武装・能力を獲得した姿は、もはやそれまでの彼ではなかった。
 
いにしえの時代、彼をも縛りつけた超神機と同質あるいは以上の存在として新生し、イールザディアは竜という在り方すらも捨ててしまう。
無敵の力を手に入れた彼は、今後の障壁となるすべてを滅ぼすためその力を九大州に向ける。

  • こうなったイールザディアの力はすさまじく、遂にかの宿敵“黒き焔”を一度は打ち負かす。
    活動期間は短かったものも、これによって各地に甚大な被害が持たされている。

※今後追記予定。

 

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*1 平たくというと、ドラゴン化したギマイラ。