【精術】/波紋回路

Last-modified: 2022-05-29 (日) 05:10:18

アルファベット表記:Artical Asturla Circuit
読み:はもんかいろ
分類:精素技術・精華術
該当地方:大陸全土
発案者:tocoma110
Tag: 精術 精紋回路 精華術 発案:tocoma110


概要

精紋回路を応用する形で発明された技術。
複数の精紋回路を対象や肉体に連結させる形で刻み込むことで、複数の精素干渉が連携・複合して発揮されるというすさまじい代物。
その効力の強さ故に様々な現場で活用されるが、一方で大陸歴1400年代を迎えてなお制御は難しく、扱うには個々人の才能に大きく左右されてしまう不安定さも備えている。実際、ほとんどの波紋回路を実用化させる精術士は職人に近い存在が多い。
特に生体への刻印は物品へのそれをはるかに凌駕した難易度を持つため、最も精術研究の盛んな綴州ですら決して多いとは言えない。


なお、「波紋」という呼称は「精素干渉が連鎖するように起こる」様に由来する。

 

特徴

基本的には精紋回路の特性とほぼ同じ。
機能する現象は一種類であり、複数の術式を行使するためには異なる精紋回路を刻み、それを自在に使い分けるための構成が必要となる。
構築の仕方が一般的な波音術?精合術?とも異なり、かなり工学的な発想が求められる。そうした性質から波音術の知識に加えて専門の知識・技術の習得が不可欠であり、前述の二個と合わせて独自の専門性が生じている。


構成はいろいろな種類が存在する。
巨大な円の中に複数の精紋回路を納めているものもあれば、多数の精紋回路が重なる形で連結しているものなど多種多様。
高度な技術者は極小精紋回路を連結させることで長大な道を作り、効能回路で正確な量・精度での術を発揮するものなども発明されている*1。これらは術者・流派によって構築式が異なるため、現状統一的な理論というものはまだ確立されていない。それ故に個人の才覚・技量に依存する傾向が強いため、研究機関・工房共に優秀な技術者は取り合いとなる。


大抵は『起点』となる精紋回路が存在しそこに打たれた波音がトリガーとなる仕組みになっている。
詳細は事項【構造】を参考いただきたい。


なお、精紋回路・波紋回路を扱う学者・技術者は大抵『回路士』などと呼称されている。

 

構造

構造としては以下の区分となる。

起点回路

その名の通り、波紋回路を起動させるための波音入力部位。
特定の衝撃を特定の波音に変換し伝達する」という効果のみを持っている、最も基本的なようで異質な精紋回路*2でもある。
その特異性にもかかわらず波紋回路の文字通り起点であるため、起点回路の設計は基礎中の基礎として重要視されている。

中継回路

流れ込んだ波音を伝達する精紋回路。
起点回路や増幅回路から放たれる波音を次のセクションへと伝え、その効果を発揮させるための装置。当然波音は伝達する中でロスを起こすものだが、それでも近距離間であればロスは軽微となる。
受けた波音をそのまま伝えるというだけの機能しかないため、単体で活きることはない。しかし、これなくして波紋回路は成立しないため、ここを疎かにする術士は大成しない。


その性質上様々な形式・構成が検討されている精紋回路の一つでもある。
複数の精紋回路に重なるものや、距離を置いても伝えられるような構成、さらには無数のこれの連結による『道』など、その種類は千差万別。基本的な考え方の先に流派ごとのアレンジも多彩であり、のめり込む技術者は本当にのめり込むとされる奥深さを秘めている。

増幅回路

その名の通り、伝わった波音を増幅する箇所。
中継回路を経て流れる波音は距離・回数を経るごとにロスが起こり、十全な機能を発揮しなくなる可能性がある。それを防ぐためにこの回路が中継店内到達点直前に設けられ、進むべき精紋回路へ必要な量の波音を届けるのだ。
簡潔な回路では利用されないが、大掛かりな波紋回路では欠かせない部位である。


利便性の高い異効果を持つ一方、構成を誤ると回路の失敗にもつながる難しい部分でもある。
大きすぎる出力は回路を破壊しかねず、小さくなってしまえば効果は十全に発揮出来ない。
ここの調整はある意味で波紋回路術士にとっては腕の見せ所でもあり、どれだけ技術に精通しているかが一発で見えるという。

効能回路

精術?効果を発揮する箇所。通常の精紋回路。
最もわかりやすい箇所ゆえに人気も高く、また他分野の研究技術の繁栄も早いため、割と拾得者は多く飽和することもあるとか。
とはいえ、ここも設計を見誤ればろくでもない効果をもたらしてしまうため、正確な設計・刻印が可能な術者はやはり貴重とされる。

停止回路

起点回路と対を成す、波紋回路機能を終了させる回路。一種の緊急停止装置。
単発で終わるタイプには搭載されることはなく、複雑でなおかつ持続型あるいは起点回路を定期的に刺激する構造の術式・器具の場合に設けられる。

 

主な活用

  • 器具・装置への精術効果の付与
    精紋剣華州身型鎧の類にはほぼ例外なく用いられている。
  • 身体能力・運動成果の向上
    人類種が主に利用する肉体機能をスイッチング式で強化するための技術。
    精華術を筆頭とした肉体強化技術に多く用いられているほか、身型鎧にも多用されている。
  • 非精術士用大規模精術装置
    除獣鐘などに近い「広く使われる精素関連器具」に設けられやすい。
  • 土地の性質変化、精場調整?
    ある意味で最も広く行われているもの。環境精素への干渉技術。
    こと秘境開拓分野においては植民に際し重大な役割を担っており、そうした理由から古来より精紋回路・波紋回路の使い手は神聖視されてきた。
  • 防衛結界
    土地の性質変化・精場調整と並び活用される、国家・都市・集落防衛手段。
    超古代などはこれを応用し都市一つを丸っと覆うほどの防護障壁を作ったり、特定の存在を拒絶するようなものまで存在したという。

 

関連するもの


相談コメント欄


*1 イメージとしては魔法陣が線で接続されているようないヴィジュアル。
*2 通常、精紋回路とは受けた衝撃を波音に変換するのみならず、そこから精素現象を招くところまでがセットとされる。