【精術】/精術医療/生体精素復元

Last-modified: 2024-03-25 (月) 01:03:41

アルファベット表記:Organism Ether Restoration
読み:せいたいしょうそふくげん
分類:精術医療
発案者:tocoma110
Tag: 精術 精術医療 医療 発案:tocoma110


概要

何らかの理由で破損・欠損・消滅した生体精素を回復する、極めて高度な精術医療の総称。
精術医療の根幹にかかわることから、古来より多くの地域で研究されながら、しかし実現にまで到った術式・研究は少ない。故に確立した術式は常に注目を集める、医療従事者にとっては特別な術式の一つとなっている。


その難易度の高さは古来から知られ、術式を確立していても高度術式として、習得者は限定された。
しかし、だからこそ習得を志す医療精術士は多い。

 

特徴

精術医療に分類されるが、実態はかなり異質であり、また極めて難しい。
それは本術式が生体・精素、双方の構造と結びつきに由来するためである。
施術を行なうためには生体精素のモデル=『精素構築体』を構築する必要があり、これが一般的な医療技術・知識だけでは成し得ない代物となっている。

  • 特に問題なのが、精素構築体の知識・センス。
    一般的な精術医療術士が修めるのは、肉体の機能や構造と生体精素の働きやその性質について。
    しかし、生体精素にはそれ自体の形態・形質が存在する。
    これは生体の構造などとは大幅に異なる面があり、純然たる精素への干渉に近い。そのため一般精素学に近い知識や感覚が必要となる。
    欠損した生体精素を再構築することは、術式や精機体などを構築するのに近いと言えよう。
    肉体的な医療と絡めて説明するなら、これは義手を作るための工学的知識が必要となることに近い。

それと同時に、当然高度な医療技術・知識も不可欠。
肉体的なものはもちろん、生体精素機能全般の知識、それらに干渉し修復する技術なしでは、生体精素の回復は出来ない。
特に「肉体機能と生体精素の結びつき」は、精素構築体と肉体の接続時に極めて重要。精素構築体を創れるだけでは、肉体に馴染ませ機能させることは難しい。
また、「あるべき生体精素の形」を調査・規定することにも、生体医学の知識や技術は不可欠。何の情報もなしに、その個体に適合したものを作ることは不可能に等しい。


その難易度から、精術研究が盛んとなった大陸秘境開拓時代には様々な形でアプローチがなされた。
とりわけ「分業」での実現は広く目論まれ、実際ある程度の成功結果もある。*1
が、より洗練された施術は、一人の術士が主体となって行なう方が良いという事例も多い。そのため、基本的に「この術式を扱える」というのは「単独で生体精素の構築と生体との結合が出来る」ことを指す。


なお、精素構築体を創るには、多くの生体情報が必要となる。
それらは一般的に被術者ものをベースとするが、それを補強するために他者のものも用いることがある。中でも血縁・近親者のそれが有効であるとされ、その量や精度が高いほど術の成功率が上がるとされている。

  • 特に、血液は適性が高いという。
    実際、多くの流派・術式では生体情報の補強が必要な際は、血液を用いることになっている。その理由はいまだ不明瞭であるが、生体精素が「循環」するものであることに関係していると考えられる。
    • なお、古い時代、生体精素を用いる儀式型精術で「生贄」が使われたのも、ここに由来する面がある。
      制限なく生体精素を使うとなれば、多量の血液やその骨肉のすべてを使う方が、確実は効果を得られる。

 

主な用途

最も有名なの事例は「欠損再生」。
切断された部分をつなぎ合わせるにはもちろん、完全に失われてしまった部位の創造型再生、さらには状態の良い遺体であれば、蘇生すらも実現することが可能となる。
肉体の再生に関しても、その部分の生体精素が先にあるか否かで、その成功率や再現率、回復速度に大きな差が出る。より完璧な治療を施すためには、先んじた生体精素復元の有無に左右されると言っても過言ではない。


重度の精素汚染障害にも、極めて有効。
一般的な精素汚染は被術者の生体精素機能を用いることで、回復を促す。生体精素へのダメージは軽微であり、だからこそ生物が持つ(物質的・精素的)回復力によるものだけで、一定以上の修復が可能である。
だが、重度の精素汚染は生体精素を大きく破壊することで起こる。
そのため重篤な精素汚染の治療には、まず生体精素そのものを修復することが不可欠なのである。

  • 生体属性の変質から、肉体変化まで基本は同じである。

その他、精素に由来しない生体精素障害の改善にも使えるとされる。


また、応用次第では品種改良などにも用いれると考えられている。
基盤となる生体精素モデルが成立していれば、一般的な品種改良の何倍も早く、新しい種を作ることが可能となる。
しかし、「健全に機能している」生体精素をいじるということは、再生以上に難しい。
すでに正常に機能しているものを前提に、それを「別に組み立てた形」へと落とし込んでいけるよう、自然に改良を加えなくてはならない。一歩間違えれば精素汚染と同じ症例を生み出してしまう。
構築した生体精素のモデルが「正しい」という保証もないなど、難点を上げるときりがない。

 

関連するもの


相談コメント欄


*1 高度な精術医療では物理手術同様に助手や第二担当者がつくケースは少なくない。