【精術】/精術医療

Last-modified: 2024-03-22 (金) 19:27:57

アルファベット表記:Etherized Medical
読み:しょうじゅついりょう
分類:精素技術・医療技術
該当地方:エルネセトア大陸全域
発案者:tocoma110
Tag: 精術 医療 精術医療 発案:tocoma110


概要

精術による医療行為全般を指す言葉。
様々な問題・障害に利用されるが、一般的なものとしては肉体損傷の治癒・殺菌・精素由来する問題に対処するものが多い。通常の投薬・治療行為よりも即効性が高く、緊急時に極めて強いものとなっている。


一方で、肉体干渉精術であることに変わりないため、精素汚染を引き起こす可能性がある。
そのため、使用には強い制限と豊富な専門知識、診察能力が必要となる。


なお、精術医療で用いられる精術は、「回復精術」「医療精術」などと呼称される。

 

特徴

基本的な肉体治療に対しては、生体精素が持つ肉体情報に対し、赤色・赤性精素碧性精素を活用する点が特徴。
生体が保有する「基本となる肉体の在り方」を設計図・参考とし、自己治癒能力の促進とそれを実現する補填特性を用いることで、高速での治療を実現している。そのため、肉体的な欠損・修復には高い適性を持っている。
こと外傷に対して強く、九大州同盟種魔北種族危険生物と戦い続けられたのも、こうした医療精術が(大陸秘境開拓時代のような学術的研究が遅かったとしても)長く受け継がれてきたことにも由来する。

  • 故に、重傷の治癒は対象への負荷をかける場合もある。
    いくら生体精素が基盤肉体情報を保持していようが、回復でかかる消耗や疲労は回避出来ない。だからこそ被術者の負担を軽減し癒す術式は、極めて行使難易度が高い。
    • 再生医療に関しては欠損部位の状態に依存する。
      切断などで欠損部位が現存しているならばまだしも、完全消失した部位を一から作り直すことや、繊細な臓器の再生は、大陸でも数える程度の術者以外は行使不可能。そういった人材ですら、確実な治癒を行なえるとは限らない。
  • また、病気や毒素の分解に対しては一般医療と大差がない。
    各種病原菌・ウィルス・毒素への理解や知識が必要で、それに白色精素の利用が不可欠となるため、行使難易度は外傷治療より高くなる。

肉体治療に対し、精素汚染治療(精脱)に際しては白色・白性精素を主体に用いる形となる。
希薄化・純正化の作用を利用することで、肉体内部にある過剰な量の精素の排出・除去を促すのである。

  • ただし、これに関しては肉体にある精素を余計に排出することもありうるため、極めて慎重な除去が求められる。
    汚染に関わる精素種類の診断が重要である。

その他、回復効果の安定に黄色・黄性精素、術式や赤色精素などの効率的流入のために青色・青性精素、効果・術式の持続的定着のための黒色・黒性精素を利用する。
単一色精素全般を広く、必ず用いることから、数ある精術の中でも基礎の習熟を重要視される。
それに加えて生体に関する知識、その他一般医療技術・知識についても持ち得なければ、十全・正当な効果を発揮出来ない。
そうした理由から、流派を問わず求められる知識量が膨大になる。


また、前述の通り即効性の高さが強い。
これによって緊急医療現場で極めて重宝され、特に軍事や秘境開拓現場には身近なものである。
人々の生活にも長く寄与してきたこともあり、第二次魔北大戦を境に広がった精術普及に強く貢献してきた。

  • そうした歴史があることから、宗教指導者などが習得していることも多い。
    実際、伝統的な精術医療は今でも各地の宗教施設で活用されている。

このように極めて強力な技術である一方、本格的な行使難度は極めて高い。
生体への干渉、医療知識、副次的精素汚染の危険性……起こりうるリスクは一般投薬・外科処置の比ではなく、そういった点でも術士には高い知識と技量が求められる。そのため、伝統的・近代的を問わず精術療士は現場での対応を行なうまでに長い就学期間が設けられやすい。


また、即効性は高いとはいえ、瞬間的な完全治癒や遠隔治療は難しい。
簡素な外傷治癒・体力補充程度ならばともかく、本格的な治療を遠隔かつ広域に行なうような術は、極めて難易度が高い。ごく一部の優秀な精術士以外は、基本的に隣接しかつ一定の時間をかけて行なうものである。

  • これ単体での効果を過信せず、他の医療知識・行為と組み合わせ、万全の状態で臨んでこそ、最大の効力を発揮する。
    そういった点は普通の医療行為と何ら変わりない。

なお精術医療には一般的な波音杖とは別に、専用のものを使うのが望ましいとされる。

 

よく知られる術式

下記のものは単純かつ切り分けてのものでしかない。
そのため多くの場合、ある程度術の効果は複合的な形で運用される。


【代表例一覧】

  • 体力補充
    碧性精素を強く用い、肉体疲労を補う術。
    医療精術の初歩であり、またある種の奥義でもある基礎的な術。求められる知識も少なく術者への負担が極めて少ないことから、使い手も多い。
    代わりに、単体での直接的な修復・治癒効果には乏しい。
  • 肉体機能活性
    赤色・赤性精素を中心に使用する肉体回復術の基礎。
    単純に肉体の治癒機能を促進し、回復を促す単純な術。そのため体力補充同様に初球の術士から行使が容易い。速攻でなくてよいのであれば、これを用いて負荷を少なく回復するのも手である。
    ただし体力補充と合わせない場合は、被術者に負荷をかける可能性が高いので、注意が必要。
  • 外傷再生
    外傷全般を高速で修復・回復する高等肉体回復術。*1
    深い傷を癒せる程度の赤色及び赤性・碧性精素への扱い、生体への知識などが求められる。
    加えて、単に肉体機能を活性化しただけでは多数の問題を引き起こすため、体力補充・肉体機能活性の双方を両立させる必要がある。
    一般に想起される「医療精術」のイメージはこれが該当する。
    • 完全再生
      欠損した部位などを完全に修復する、外傷再生の上位版。
      前述の通り、極めて高い難易度を誇る。
  • 殺菌消毒
    文字通り、殺菌消毒を行なう簡易的な術式。
    外傷治療の前提となるもので、白色及び白性精素を中心に使用する。
    強くかけすぎると肉体に過剰な効果を出してしまうため、その点に注意が必要。また、体内で繁殖した菌やウィルス、毒素に活用することは難しい。
  • 精脱治療
    肉体治療と並ぶ精術医療の主軸の一つ。
    精素汚染を解消するために、肉体を蝕む過剰あるいは有害な精素を除去する技術。*2
    白色及び白性精素を主軸に、各種精素を用いることで実現する。
    蝕む精素や対象の体質によって使うべき術の構成に差異があるため、体力補充・肉体機能活性などよりも難易度が高い。
    • 精素毒解消
      精素毒に特化した形での消毒治療。
      生物・兵器により用いられる化学的毒素とは、また別のものを対象とするため、それらに対しての直接的な応用は難しい。
  • 異物除去
    主に化学的毒素・病原菌・ウィルスに対処するための術式。
    体内に巣食う異物を排除するための高度術式の一種で、専門性や診断解析に強く依存する。
    低難易度のものは肉体機能活性化の延長線程度のものだが、個別対応性の高いものは、的確に運用出来れば確実に効果を発揮する。ただし、その分肉体に掛かる負荷や診断ミスは患者の命取りになるため、慎重な運用が求められる。
  • 睡眠導入
    文字通り、睡眠を促すもの。
    安眠出来ない患者に用いられるほか、開拓活動中の秘境開拓者たちにも愛用される。特に、肉体の緊張をほぐすタイプのものが好まれる。
    と同時に、安易に頼りすぎると依存症になることも。
  • 痛覚軽減/痛覚遮断
    外傷治療やなどに伴う痛みを、軽減あるいは完全に遮断する術。
    一見便利そうに見えるが、一時的に感覚を失わせる精素汚染の一種とも言えるため、適切な介助が出来なければ後遺症を生んでしまう。そのため、適切な行使難易度は高い。
  • 生体解析
    診断に用いられる各種バイタルの確認術。
    総合的なものから、専門的なものまで様々な術が存在する。中でも生体属性診断の術は大陸秘境開拓時代以降普及が広まっており、これにより日常的精素汚染対策は格段に進歩することとなる。

 

著名な流派一覧

下記のものはあくまで著名なものでしかなく、地方ごとに固有の流派が存在する。
特に伝統的な流派では固有の術式も多く存在するため、医療精術はこと精術の中でもバリエーションに富んでいる。

  • なお、伝統的な医療精術は下記のものらに比べ、単発での即効性は薄いものが多い。
    重ね掛けによる確実かつ安定した作用を重視しているためで、そういった意味では伝統的な流派は決して時代遅れではない。ただし、習得に至るまでの工程に伝統的儀礼が伴うことが多く、また宗教的な戒律も厳しいことが多いため、地方普及に留まる傾向にある。

【一覧】

  • 銀十字式
    精素医療の代名詞の一つにしてその極致。
    銀十字の院でのみ受け継がれる固有の術式の総称で、高精度での外傷・病毒・精素汚染の治療を実現し、かつ被術者への負担が少ない理想的な医療精術。即効性の高いものから重ね掛けによる安定した作用を求めるものまで、幅広い形式での治療術が揃った、まさに医療精術のエキスパート。
    生命共鳴精素という特殊な精素を用いれる稀有な流派であることが最大の特徴。
    また、光の国信仰に由来する聖銀製波音杖や独自の戒律など、特徴が多い。
  • 精華療法
    華丹帝国で発展した医療精術。
    精華現象の作用を応用した生体強化による回復術で、生命が持つ力を増幅しての治療を重視した珍しい方式。
    自身と他者の精素の流れを同調させ、それをさらに波音で整え癒していくという、非常に高度かつ繊細な技術を求める技法。それ故に習得難易度は極めて高いが、代わりに生体精素の操作・干渉では銀十字式を凌駕する面もあり、特別な精素を用いずとも、自然かつ高速での治癒を実現するという点で非常に優秀。
    ただし、利用には本来的な意味での精華術の習得が不可欠であるなどの問題があり、民間に流布した一般的華丹療術と比べて難易度は当然高い。
    医療知識のみならず感覚的な分野での修練も必要なため、医療精術としてはかなり異質。
  • 保ちの詠者
    ドラッケ流?に含まれる、古典的治療術式またその行使者の総称。
    基礎形式の基本に忠実で、効能特化による習熟の単純さ効力の一定化を武器とする。
    術式が非常に完成されていることから、術によって起こる効果量がほぼ固定されている。その点で「誰が使っても一定の効果を発揮しうる」という点が特徴。
    その利便性から民間でも使用され、下位等級の術ならば比較的簡単に習得出来ることから、幅広い習得者が存在する。主に地方村落の医者や地方聖職者、また退獣士秘境開拓者などの間で広く用いられている。
    半面、応用変形はやや不得手で、実現するには各術の構成への強い理解が必須。流派の術効果を拡大するには、他の流派と比べると難易度がやや高め。
    元はとある地方信仰に紐づいたものであった。
  • 白の癒し手
    大陸で最も知られる医療精術流派の一つ。
    ファエフ流?で発展した、生体干渉・医療特化の基礎形式重視の術式。
    一般的な利便性はもちろんのこと、秘境開拓中での使用を強く意識していることから、ある程度の術式を固定化しつつも「等級変化構造による術者の裁量を挟む余地」を大きくしている。そのため、単純な習得しやすさではドラッケ流などに見劣りするが、様々な場面で応用を利かせやすい。
    特に等級変化構造による有効範囲の拡大術に優れ、術式は同じものを基盤に敷きながら、単体・周辺一帯への切り替えが行ないやすいというのが強み。
    故に、こちらも秘境開拓者に広く愛されており、特に医療役を一手に担うような医療専術士の間で流行している。
    術者の知識や力量が大きく試されることもあり、秘境開拓者以外では求道者的な人物や救命精術士の間で人気が高い。

 

関連するもの

 

余談

要するに回復魔法です。
ただ、いわゆるRPGでの「速攻で回復する」というイメージではなくて、FPSやDbDの救助行為のような「時間のかかるアクション」というイメージ。
なので、即効性の高い術式(RPG的即HP補充型)を確立出来ている流派はすごい、という話になります。範囲回復とか神業。
 


相談コメント欄


*1 いわゆる「HP回復魔法」。
*2 要は「状態異常回復魔法」。