作品/【Final Fantasy 零式】

Last-modified: 2022-03-14 (月) 15:50:32
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人は生まれる時代も世界も選ぶことはできない。しかし、どう生きるかを決めることはできる。

概要

FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASYの作品の一つ。
公式サイトはこちら
発売日は2011/10/13の予定であったが、より一層の品質向上を図る為に10/27への延期を発表した。

  • UMD2枚組という事あって定価はPSPのソフトとしてはやや割高の7,700円となっている。
    • また8月11日からPS store及び公式サイトから体験版が無料配信された。

四ヶ国それぞれがクリスタルを抱く東方国家群『オリエンス』の世界大戦を舞台とした、
『FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY』関連作品の一つ。
主人公は魔導院ペリシティリウム朱雀*1の0組(クラスゼロ)に所属する14人の候補生で、
全員がそれぞれ異なる武器を得意としている。


  • 朱雀クリスタル:朱雀領ルブルム
    魔法を司っている。
    魔法を使えるのは朱雀の民だけである。
    また魔力は二十歳前後をピークに衰える一方であり、戦力の多くが若者によって構成されている。
    命と引き換えに軍神と呼ばれる召喚獣を呼び出すことができる。
  • 白虎クリスタル:ミリテス皇国
    機械を司っている。
    クリスタルから生み出されるエネルギーを用いることで、魔導アーマー等の機械兵器を作り出している。
    機械は誰でも使用することができ、軍事力は大きい。
    物語はミリテス皇国が朱雀に武力侵攻を行ったことから始まる。
  • 蒼龍クリスタル:コンコルディア王国
    龍を司っている。
    国の要職のほとんどが女性で構成されている国である。
    龍や動物、モンスターと心を通わせ、使役することができる。
    蒼龍人の多くは小柄な体型をしており、リーチの長い槍や投てき武器が好んで用いられる。
    • なお、蒼龍だけ四神からやや外れているが、その対比として青竜クリスタルというものも存在する。太古に栄えたという青竜王国の伝承や今も生き残る青竜人についてはゲーム中に説明がある。
  • 玄武クリスタル:ロリカ同盟
    騎士を司っている。
    クリスタルの力を直接体に取り込み、肉体を強化している。
    また、クリスタルの力を持った極めて強力な武具を使用している。
    体格の良い人が多く、混血にもその影響が現れる模様。

当初のタイトルは「Final Fantasy Agito XIII」だったが、
2011年1月18日にタイトルが「ファイナルファンタジー零式(れいしき)」(FINAL FANTASY TYPE-0)に変更されたことが発表された。

  • この名称変更により、プロジェクト全体の名称
    「FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY XIII」
    から「13」が取れて
    『FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY』
    に変わった。
  • DDFFのプレイヤーアイコンでは『Final Fantasy Agito XIII』のままだった。
  • 北瀬曰く新シリーズとして再出発することとなったため、扱いがナンバリング作品では無くなった。*2

最初は「AGITO XIII」として携帯電話向けアプリの予定だったが、
対応予定のキャリアのスペックが変更になったためPSPで出す事になった。

  • PSPで発売する計画は元からあったらしく、制作もPSP上で行われていた。
    ちなみにモバイル版は、今よりも学園寄りの設定だったらしい。
  • なお、アプリとしてリリースするという方針は、後にそのタイトルとともに
    スマートフォン版『Final Fantasy AGITO』へと受け継がれた。

それぞれが1種の武器を使いこなすという点では
BCFF7の主人公たちと共通する。


ディレクターは田畑端。コンポーザーは石元丈晴


CCFF7のシステムを応用するらしいが、話だけでも追えるよう戦闘を易しく設定したCCFF7とは逆に
戦闘のアクションに緊張感を持たせるため、かなり難しくする予定であるらしい。

  • 開発中にバトルシステムが変化したらしく、CCFF7とは全く異なるコンセプトを採用している模様。
    野村曰く「ゲーム性的にはアクション要素が強く、あと1歩踏み出すとほとんどACT」
    クリスタルクロニクル同様マルチプレイにも対応している。
  • アクション要素と同時に、
    複数の部隊を操作して敵拠点を攻略するリアルタイムシミュレーション要素もある。

敵を攻撃すると血しぶきが飛び散る、
ムービーでも殺戮シーンが流れるなどバイオレンス描写がある。
そのためか、CEROはDFFと同様のCである。

  • 開発当初は倫理スタッフから、このままいくとCERO「D」になりそうだと言われたらしい。
    今作は戦争を題材としているので、それらの危険性などをリアルに描く為に「D」は必要だったのだろう。
    それについて田端氏はCERO「D」でいいと答えていたようだが、
    その後様々な偉い人から「CEROは「C」を死守しろ」と突っ込まれた結果、
    「C」を死守した模様。

公式サイトにおける北瀬プロデューサーの弁によると

零式と書いて“レイシキ”と読みます。
零とは数字の0(ゼロ)を漢字で表した言葉です。
本作はFINAL FANTASY IからXIVまでの本篇シリーズとは
ベクトルを異にしますが、クオリティやスピリットはそれに
匹敵する作品を目指してきました。
本篇シリーズとは双璧を成し、新たなナンバーの起点と
なるべき作品という願いを込めています。

~新しくもあり王道でもあるシリーズの始まり~

それが“零式”と名前に込めた思いです。


体験版がお台場合衆国で展示されているが、
それを調整したものが体験版「試作型番【ナツビ】」になっている。
お台場では落ち着いてプレイもできないだろうから体験したいならDLすることをオススメする。

  • 難易度はかなり高く、一撃でHPを2~3割程度持ってかれるのがザラ。
    回避や軍神、魔導院の支援、キルサイトを駆使すると楽になる。
    ちなみに魔導院の支援をオンにすると野村氏や和田社長等スタッフの名前の付いたキャラが乱入してくる。
  • それどころか下手したらHPがMAXでも一撃で全部もってかれることもある。
  • 現在は製品版の2章前半までをプレイできる「ゼロシキ」が配信されている。
    製品版へのレベル引継ぎ・夏服フルコンプ・グロウエッグ入手などのボーナスが得られる。
    データインストールやPSアーカイブス並みの容量を食うので、
    データがたっぷり入るメモリースティックを用意しておくといい。

ストーリーとしては「周回プレイ前提」となっており、一周クリアしただけでは全ての謎は解明されない。
二周目で新たに出るイベントは勿論、初回ではどうしても倒せないボスなどはそういうことだと思える。
死や戦争など、世界観は明らかに今までのFFと一線を画しており、個人的には色々と考えさせられた。

  • 1周目ではレベルと劇中時間的に厳しい実戦演習、
    1周目ではレベルと情報的に厳しい各地の高レベルダンジョン、
    そもそも2周目からしか出ないミッションコード【クリムゾン】、
    等がある為、1周目を普通に進めるだけでは総ボリュームの4分の1程度しか楽しめていないと思われる。
  • 前情報通り、難易度はかなり高い方であると思われる。
    適正レベルであっても一撃で体力の半分以上が吹っ飛ぶことも珍しくなく、
    1周目でもこちらとかけはなれたレベルの敵が出てきたり(無視か高レベル地帯に入らないのが基本)、
    キルサイト狙いがほぼ前提の敵がいたりと、アクション慣れしていない人にはきつい要素が多い。
  • ミッションとミッションとの間には時間制限が存在しており、
    授業や各地のイベントなどをこなしていくことで持ち時間を消費、
    全て使い切ると強制的にミッション開始となる。
    ただし、無限稼ぎが出来ないわけではない。

8つの章で構成されるうち7章までは戦記物であり、戦争という現実的な舞台と魔法やドラゴンなどファンタジー要素を融合させた迫力あるストーリーは高い評価を得ている。
そして最終章はある神話を基にした展開へと移るのだが、そのあまりにも唐突なストーリーの方向性の転換はファンの間でも賛否両論である。


ワールドマップ・飛空艇の復活や過去作おなじみのモンスターが登場、世界に恵みをもたらす4つのクリスタルを中心に据えた世界観など原点回帰を意識している部分もある反面、従来のFFへのアンチテーゼともとれる要素も少なくない。(特にクリスタル関連)


メンバーズ連携推奨みたいな雰囲気がある。サービスがDDFFの比でないような気も…。
ロード画面にでる「ユーザー集計」はメンバーズ連携していないと内容が更新されないし。
競争みたいで嫌だと思う人も少なからず要るのだが。
連携するとメンバーズ用のセーブデータが作られ、魔導院の支援で「期間限定で他ユーザー」が出てきたり、
普通にやっていると入手しづらい or 入手できないアイテムが手に入ったりする。

  • マルチプレイなしでもスタンプ10個くらいなら取れるので、モグのお守りが欲しい人は頑張ってみよう。
  • バトルカードオブレジェンズ タイプゼロというゲームがメンバーズに登場している。
    カードゲームで、零式ミッションがあり訓練生として活動する話がある。
  • ちなみにこのメンバーズ連携は2019年11月28日(木)12時をもって終了することが告知された。
    発売から8年も経ち、PSPの生産も終了した現在、プレイヤーも減っていることによる判断だろう。
    従って今からこのゲームをプレイしたいということなら、この点の救済もある後述のHD版がおすすめ。

FF13同様モンスターやキャラ、地名などに歴代FFのオマージュが多く存在している。
物語の根幹を成す設定も初代FF(もしくはディシディア)のオマージュといえる。

  • 4つのクリスタルなどの設定から、新しい中にも原点回帰が見られる。

後半のシナリオや各種システム面の細かい所で難点はあるものの、新シリーズ第一作としては十分な出来。
戦争物という重厚な設定に爽快なアクション、携帯機ながらボリュームのある内容が魅力的。
ナンバリングFFとは一味違ったアクション作品として、今後のシリーズ展開に期待が持てる作品。
早い段階でコミカライズ化するなど、メディアミックスにも積極的なようだ。

  • キャストも非常に豪華。主役から脇役まで多くの有名声優が演じている。
    特に主役級人物はいい人選してると思う。
  • FFシリーズとしては珍しい男性ヴォーカル(BUMP OF CHICKEN)による主題歌『ゼロ』も評価が高い。
    特にエンディングにおける一連演出は、多くのプレイヤーの涙腺を決壊させた。

本作の特徴の一つにクリスタリウムでの資料閲覧がある。
作中での登場人物の詳細や起こった出来事・ムービーの再閲覧などが確認出来る物だが、これには世界観の説明や作中に登場する単語の説明は含まれていない。
それらを詳しく知るにはアルティマニアなどで調べる必要があり、含みのある言葉を放つ人物たちが口にする単語はゲーム中のみでは理解が届かない単語も多い。
他の作品と比べて、「既に知っているキャラが知らないキャラへ説明することでプレイヤーへの説明も兼ねる」といった要素がかなり少ないため、これを「あまりに説明不足」と捉えるか「こういう仕様」と捉えるかで本作への評価は変わってくる。
上記のようにあらゆる面でやり込みを前提としているので、一通りプレイすることを目的とするライトユーザーは謎が多すぎると感じるかも。


今更だが、UMDの入れ替えタイミングは「第1章終了後」と「第7章終了後」。
第1章と第8章はソロプレイ専用・マルチプレイ不可であり、第2章~第7章はマルチプレイ可能である。
つまりディスクは「ソロ」「マルチ」の機能別で分割されており、ストーリーの進行具合で区切っていない。FFとしては珍しい。
ストーリーで区切っているのであれば、入れ替えは1度で済むはずである。

なおムービーも分散しており、別のディスクにある映像はディスク入れ替えが起こるまで閲覧不可。特にディスク1収録分は閲覧できる時期が少ない。
(このために、タイトル画面からセーブデータをロードすることでいつでも見られる「歴史」があると思われる)


詳細はこちら参照。

HD版

2014年のE3でPS4/XboxOneで『ファイナルファンタジー零式 HD』が北米にて発売されることが発表された。
後に日本版は2015年3月19日に発売され、FF15の体験版も付属された。

  • 同年8月19日にはSteamでWindows版も発売された。こちらはFF15の体験版は付属しない。

HD版の変更点や新要素は、
・戦闘の難易度を「容易」「普通」「困難」「不可能」から選択できるようになった。
・グラフィックが大幅強化。フルHD対応。
・音質が向上(BGMはアレンジ&再レコーディング)。
・新衣装「教導軍装ホマレ」が追加。
・ゲームバランス、操作性の調整。
・PSP版にあったマルチプレイは非対応。
・PS4版はトロフィー機能、ONE版は実績、Win版はSteam実績機能を搭載した。
・制圧戦には「作戦に参加しない」という選択肢ができるようになった。
・シークレットムービーが追加。
・ストーリーの変更や追加はない。

  • シークレットムービーは1周目クリア後、特典映像として追加される。内容はこちら
  • 上記の他、各作戦報酬に個人報酬が追加。
    ファントマ獲得数・敵撃破数・キルサイト出現回数に応じて、各キャラごと個別に報酬が追加される。
    • 体験版各種での夏服、スクエニ メンバーズ連動限定アイテム、マルチプレイ限定アイテムは全て上記で救済されている。そのため夏服が出現条件のアレなど、隠し出現条件はそのまま。
  • 余談だが、PS4のシェア機能による録画禁止区間は、主題歌「ゼロ」を少しでも使用した箇所全てとなっている。
    エースは話しかけたとき・特定イベント時に歌を口ずさむが、あれは主題歌の歌詞そのままであるため文字だけだろうと"そこだけ"が録画禁止区間に設定されている。
    オープニングはもちろんエンディングも、使用した箇所"だけ"が録画禁止区間である。
    • つまり権利問題。禁止にしているのはネタバレ防止ではない。

余談

本作の主題歌を担当したBUMP OF CHICKENが2014年に行った全国ツアー「WILLPOLIS 2014」の東京ドーム公演では、「ゼロ」の演奏中にFF零式の映像がバックスクリーンに映し出されるというコラボレーションが実施された。


*1 ペリシティリウム(独語)というのは教会に置いてある鳩型の聖櫃のこと。
*2 アギト時代の頃は、野村が今作について「ナンバリングタイトルの一端を担う」と発言していた