可変ゾーン

Last-modified: 2024-09-15 (日) 22:14:23

状況に応じて変わるストライクゾーンのこと。
なんJ民も含めた野球民の多くから試合を左右するものとして恐れられている。

概要

ストライクゾーンは「打者の肩とズボンのそれぞれ上部の中間から膝の下までのホームベース上の空間」という定義こそあれどどうしても人間の目で見ることに加え、その定義の都合上選手の体格や姿勢*1によって変化するため、状況によって若干だが変化するものである。


しかし、中には「数刻前までストライクを取っていたのに何故か取らない」と言った行為を繰り返す審判もおり、このような行為を繰り返す審判は「可変ゾーン」の使い手として揶揄される。

この為多くのなんJ民から「試合を壊す」として可変ゾーンは恐れられており、可変ゾーンが確認されると「機械化しろ」「審判が試合を作る」などというレスが溢れることになる。
片方のチームにだけ有利な判定は当然非難の対象になるが、「平等にクソ」と言われる場合でも、可変ゾーンは投手からすれば四球だらけになるか四球を恐れて真ん中にしか投げられなくなるため、炎上して馬鹿試合に発展することも。両陣とも異様に四球が多く荒れた試合になった場合はストライクゾーンの狭さが原因である事が多い。

可変ゾーンの一例(栄村ゾーン)

 栄村Lv1       栄村Lv2      栄村Lv3      栄村LvMAX

●栄栄栄●    ●栄栄栄●    ●栄栄栄●    栄栄栄栄栄
栄栄○栄栄    栄栄栄栄栄    栄栄栄栄栄    栄栄栄栄栄
栄○○○栄    栄栄○栄栄    栄栄栄栄栄    栄栄栄栄栄
栄栄○栄栄    栄栄栄栄栄    栄栄栄栄栄    栄栄栄栄栄
●栄栄栄●    ●栄栄栄●    ●栄栄栄●    栄栄栄栄栄

○ ストライク
● ボール
栄 栄村の気分次第で可変するゾーン

可変ゾーンの使い手として揶揄された審判

可変ゾーンは実在するのか

実際のところ投球を一番近くで見ている第三者は球審であり、観客席やテレビ、ネット中継の映像では正確なボールの軌道が見える機会が少ないため同じところを通ったようで実はコースが微妙にズレていることが珍しくない。*2その為これだけで可変ゾーンと言い切るには根拠に欠ける。
これに対し、メジャーリーグのデータではスタットキャストを用いて収集した全ストライク、ボール判定のデータを2008-18年の11シーズン分解析した結果、「ストライクゾーン外にも関わらずストライクコールされた誤審率」が約12%あるという研究がボストン大学より出されている。また「2ストライク時にボールがストライク判定される率」は前述の誤審率の倍以上の約29%になることが同じ研究から判明している。
一方NPBについてもDELTAによる目視集計でストライクゾーンについての研究が行われ、その中で「カウントによってストライクとコールされるゾーンが変わる」「ゾーンど真ん中のストライクコール率が100%じゃない(99.8%)」といったデータが導き出されている。

このようなデータの裏づけとなる証言も元プロの発言が存在しており、一例として古田敦也によると「ミットを上向きにして捕球するとどんなコースであれボールと宣言される」ケースがあったという。*3

つまり統計・証言の両面からゾーンは可変するというデータが得られている。



このゾーン可変についてMLBでは誤審率が年々低下しており、前述のボストン大論文のデータによると2008年には誤審率が16%ほどだったが、2018年には9%ほどまで下がってきているということが明らかになっており、改善傾向が見られている。
NPBでは長らくフィードバック体制がなかったが、2019年8月からNPBとトラックマンが契約、遅ればせながらも改善の意思を見せ始めた。時折とんでもない誤審が公に晒されることがあるNPBの審判体制の改善が期待されている。

とはいえ人間が判定している以上、ミスはいつでも誰にでも起こり得ることであり、ある意味では全員が可変ゾーンを有していると言ってもよい。あまり審判を責めるのは如何なものだろうか、と最後に付け加えさせていただく。


外部リンク

MLB論文

NPB論文

関連項目


*1 「ちょうちん打法」の中利夫(元中日)のように際どいコースに投げられた際に身体を伸び縮みさせてカウントを稼ごうとする打者もいた。また現在でも、「大柄な(主に外国人)選手はゾーンが広いので不利」と言われることがある。
*2 正面から見るとボールゾーンに見えるが、横や斜めからの映像ではストライクゾーンを通過していることがきちんと確認できる場合もある。
*3 裏を返せばミットを上向きにして捕球しなければ際どいボール球をストライクと判定される事もあるため、ワンバウンドでなければミットを返さない捕球を古田は推奨している。
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