スリービレッジ

Last-modified: 2024-04-06 (土) 19:08:06

プロ野球審判員の中でも特に評判の悪い「栄隆康*1」「中稔」「秋謙宏」の3人を指す蔑称。
「三村」「ムラーズ」とも呼ばれる。3人とも元パ・リーグ審判部所属。


栄村隆康

スリービレッジの筆頭。
「ガタガタ言うな」橘高淳・「怪鳥」白井一行らとともに迷審判の代表的存在。
泣く子も黙り、なんJ民も恐れ慄く可変ストライクゾーンの使い手。

 

ただし一方のチームだけに有利な判定を下すことは少なく、「平等にクソ」「ある意味公平」とも言われ評価には個人差がある。
2015年限りで現役を引退*2、翌年からは審判技術委員補佐を務めている。

主なトラブル

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  • 2009年5月15日の楽天対日本ハム(クリネックススタジアム宮城)戦で暴言を吐いたとして栄村から退場宣告を受けた楽天・山崎武司は試合後に「下手くそに下手くそって言って何が悪い。栄村には全球団のやつがやられている。代表して言っただけ」とコメント*3
  • 2009年7月14日の西武対楽天戦では中村紀洋の送球を捕手の中谷仁が一旦落球、走者である片岡易之(治大)の判定はセーフと思えたが「中谷が完全捕球したのでアウト」と判定した事から渡辺久信監督が猛抗議、試合が9分間中断する事態に。判定は覆らず、後に西武側は加藤良三コミッショナー宛へ質問状を提出。
  • 2011年8月20日のオリックス対日本ハム戦では、オリックス1点ビハインドの6回表に荒金久雄の放った右飛でタッチアップした三塁走者アーロム・バルディリスの離塁が捕球より早かったとしてアウトと判定。それに岡田彰布監督が猛抗議も当然判定は覆らず。オリックスはこの同点機を逃した影響が大きく、0-4で敗戦*4

中村稔

元巨人投手の中村稔や、中村稔弥(ロッテ)とは関係ない。
ストライクゾーン判定こそ(他の2人と比べればまだ比較的)安定しているが、中村の真骨頂はその他の部分で頻繁にとんでもない誤審をやらかすことにある。
ちなみに1982~87年には選手(内野手)として日本ハムに在籍していた事もあってか、一部パ・リーグファンからはハムパイアの筆頭として恐れられていた。
審判員のセ・パ統一後も猛威を振るい続け、特に2016年の交流戦には中村単独で1試合3誤審しかも全て日ハム側に有利な判定)というやらかしで、セ・リーグファンをドン引きさせた。

 

リクエスト制度が導入された2018年においては、8月23日時点で判定に対してリクエストされた回数は15回でぶっちぎりのトップ、尚且つリクエスト成功(つまり自身の判定が誤審だった回数)6回(4割)とその割合も比較的多かった。

 

データで誤審数が示され技量が疑問視されるようになったためか、この年限りで審判員を引退。何故か楽天の選手寮寮長に転身し*5、審判団から天下りに成功したとして話題となった。また2013年の楽天優勝を決める試合で楽天・星野監督とのやりとりなど黒い噂も絶えない。

主なトラブル

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  • 2007年9月11日のロッテ対日本ハム戦(千葉マリンスタジアム)の6回裏無死1塁、フリオ・ズレータの飛球を中堅手・森本稀哲が捕球し一塁へ送球、離塁していた一塁走者・早川大輔は一塁手・稲田直人の捕球前に帰塁したように見えたがアウトと判定、ロッテのボビー・バレンタイン監督や高橋慶彦コーチが猛抗議して約3分間の中断。この判定にはテレビ中継の解説・倉持明氏も異議を唱えるなどしたが、判定は変わらずプレーは続行された。翌日に前川芳男パ・リーグ審判部長が対応のミスを認めロッテ側に謝罪し、中村は厳重注意を受けた*6
  • 2008年の日本シリーズ第3戦で一塁塁審を務め、3回裏の巨人・鈴木尚広の際どい内野ゴロをセーフと判定。翌日のスポーツ紙ではアウトではないかと指摘されている。
  • 2010年の日本シリーズ第6戦で球審を務め、中日・小池正晃がスリーバントを試みるがバントの打球が真下に転がった後バウンドし再びバットに当たったため小池はスリーバント失敗による三振となったが、場内アナウンスで「打球が体に当たった」と説明。責任審判の渡田均三塁塁審から間違いを指摘されて再度説明を行った。
  • 2015年7月12日のヤクルト対DeNA戦の8回裏無死1塁カウント2-2の場面で、DeNAのヨスラン・エレラの投球はヤクルト・川端慎吾の足元へと外れたところで中村はタイムを宣告。直後に一塁走者の森岡良介が二塁へ進んだため、エレラのボークと思われた*7。その後中村と川端の間でいくらかの会話があってから、川端が一塁へと歩き始めた。カウント的に四球はあり得ず、観客は死球と判断するよりなかった*8。ここでDeNA・中畑清監督が抗議、しばらくして中村による「投球はエレラ投手のボーク、一塁走者は二塁へ進みカウント2-2から再開」という説明で川端も打席に戻ったが、川端が出塁した件には一切触れず観客らは困惑。
  • 2016年6月19日中日対日本ハム戦で1試合3誤審という離れ技をやらかす。これら全てが日ハム側に有利な誤審であったため、中日側も「審判で負けた試合」とコメントを残し中村に大激怒、後日正式に意見書をNPBに提出した。
  • 2018年6月29日DeNA対広島の試合で、明らかにセーフのタイミングであったにも関わらずアウトの判定。リクエスト制度により即、セーフに覆った。
    • 画像(これがアウト判定)
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  • 2018年8月7日ロッテ対ソフトバンクの試合で、明らかにアウトのタイミングであったにも関わらずセーフの判定。ロッテのリクエスト要求により、即アウト判定に覆った。打者の牧原大成がベースに着く遥か手前でセーフのジェスチャーをしており「流石に酷すぎる」と話題となった。

秋村謙宏

ストライクゾーンが狭い。とにかく狭い。なかでも巨人の投手が相手になるとさらに狭い。
ゾーンが狭い→ボール球が増える→試合時間が延びる…という悪循環から気分次第で普通のストライクゾーンに戻すという、選手は勿論のこと監督、コーチ含む全ての関係者からすると迷惑以外の何者でもない存在。
また、審判としての態度(というか人間性)はスリービレッジの中でズバ抜けて酷いと定評があり、「顔が侮辱行為」「『ボークを取ったり取らなかったり』と文句を言われたので全部取った」など、数々の迷言を生み出している。
また、リクエスト制度ができてから初の誤審審判という肩書きも持っている。

 

とはいえ審判員転向1年目から一軍試合に出場、その後もオールスター戦や日本シリーズ出場を10年未満で果たすなど球界内部の評価は何故か高く、その印象に反してエリート審判員である。2023年、審判員25年目にして初の最優秀審判員賞を受賞。受賞理由は「ストライクゾーンの安定さと難しいプレーに対する冷静な決断力」である。
そんな秋村だが山口・宇部商業高校*9時代は当時の高校野球ファンなら知らない人はいないほど有名な剛腕投手*10で法政大学→日本石油(現ENEOS)を経て89年ドラフト外で広島に入団、のち日本ハムに移籍して97年で引退。

主なトラブル

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  • 2007年9月1日の楽天対西武戦で三塁塁審を務めた際には、楽天のドミンゴ・グスマンに対し1試合4ボーク*11の判定。「野村克也監督から)文句を言われたので全部(ボーク判定を)取った」という審判の公平性を全否定するような発言
  • 2008年5月17日のロッテ対オリックス戦で、タフィ・ローズを退場処分にした理由について「何か言っていたけど、それは英語で分からない。そのときの顔が侮辱行為と感じた」と説明している。
  • 2016年9月2日のヤクルト対広島戦で、明らかな空振り三振をファール判定にしている*12
  • 2018年3月30日のロッテ対楽天戦の1回表、明らかなアウトのタイミングであったファーストゴロをセーフ判定にするも、この年から導入されたリクエスト制度により、ロッテ・井口資仁監督の要求でリプレイ映像を検証し、アウトとなり試合再開。開幕戦の試合開始からおよそ10分も経たないうちにあった出来事で、これにより秋村はNPB初のリクエスト成功(=誤審を認定された)審判という不名誉な記録に名を残してしまった。
    ちなみに11回表の楽天・藤田一也の打席の際にも秋村は似たような誤審をしたが、初回と比べて際どい判定だったこともあってか井口監督がリプレイ検証を要求しなかった為、2連続リクエスト制度成功(2連続誤審)という事態には至らなかった*13
    • 画像(これがセーフ判定)
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  • 2022年6月5日のDeNA対楽天戦の6回表、守備妨害に対しリクエストを無効にする*14

関連項目



Tag: 審判 絶許


*1 読みは「サカエムラ」。
*2 栄村の高校の先輩にあたる山本昌曰く、膝の持病の悪化により現場職から退いたとのこと。
*3 もっとも山崎によるとは2015年に栄村から直々に審判引退の報告があったといい、ここでこの件を謝罪している。
*4 なおこの年のオリックスは3位とゲーム差無しの4位だったため、結果論ではあるがCSを逃す羽目に。
*5 それについては選手時代当時ロッテ投手で引退後楽天のフロント入りした長島哲郎に死球をぶつけられたことをきっかけに長島と長く交流がある影響ではないか、という話がある。またソースは東スポだが「人間性の評価が高い」という話もある。
*6 このプレーはYouTubeなどの動画で「誤審集」として誤審がまとめられる際に必ずと言っていいほど登場する。動画で見ればわかるが、この誤審はプロ野球史上最も分かりやすい誤審であるとも言われている。
*7 ボークが判定された時点で投球動作に入っている場合、審判はジェスチャーせず口頭のみでボークを宣告する。
*8 ボークの投球が四つ目のボールか死球となる場合、走者なしか走者1塁、1・2塁、満塁の場合は四死球として打者が進塁。それ以外は各走者に進塁権を1つ与えられ、打者は打ち直しとなる。
*9 秋村の卒業後の85年夏に「KKコンビ」こと桑田真澄清原和博を擁するPL学園に対し決勝戦で互角の戦いを演じて準優勝したことのある強豪校である。
*10 ただし勝ち運がなく82年夏は高岡商業・横森宏行(元電電富山)、83年春は久留米商業・山田武史(元巨人→ダイエー)、83年夏は横浜商業・三浦将明(元中日)といった好投手相手に僅差でことごとく敗れている。
*11 プロ野球記録。うち3つは同一イニングで、これもプロ野球タイ記録。
*12 かつてはパ・リーグの審判部長を務めた村田康一(元近鉄)も、日本ハム・大島康徳の打撃に対し、明らかな見逃し三振をファールチップと判定していた。
*13 なお、同日、巨人・高橋由伸監督とDeNA・アレックス・ラミレス監督がそれぞれリクエストを要求したが、判定通りとなった。
*14 補足として2019年、阪神は守備妨害に関して意見書を送った結果、守備妨害もリクエスト対象と述べた記事があり、結果の是非はあれど問題となった。