橘高

Last-modified: 2023-07-05 (水) 00:58:38

元NPB審判員・橘高(きったか)淳のこと。


概要

1980年、滋賀・瀬田工高*1からドラフト外で選手として阪神タイガースに入団も、一軍へ上がる事なく僅か3年で戦力外に。
その後は審判員へと転身、2022年限りで定年退任するまで3000試合以上に出場し、実績も十分なのだが…

  • 可変ゾーン』と揶揄されるストライクゾーンの異常性
  • 野球のルールをあまり知らないのではと言われる程のとんでもない誤審
  • 自身は選手として一軍戦に出場していないにも関わらず審判権限を発揮し一軍選手や監督に対して上から目線での物言い

を特徴としたため、彼絡みの騒動*2が起こる度に野球ファンなどからは「また橘高か」「橘高氏ね」と言われるのは最早当たり前のトラブルメーカーでもあった。
なお、彼は阪神OBながらも阪神に不利なジャッジ傾向が強いとされており、「クビになった恨みを判定で晴らしている」などと噂されることもある*3


橘高事件簿

1998年7月31日・阪神対巨人戦

1998年7月31日・阪神対巨人戦
球審を務めた橘高のゾーン判定に不満を募らせ、坪井智哉に被弾した直後に怒りを爆発させた巨人先発のバルビーノ・ガルベスからボールを全力で投げつけられた当事者*4である。

2000年5月6日・中日対横浜戦

2000年5月6日・中日対横浜戦
中日・立浪和義への内角球に球審の橘高はストライク判定。これに激昂した立浪と星野仙一監督が体当たりするなど多数の中日選手らに詰め寄られ、その中で放った発言に激昂した大西崇之から胸部を殴打され肋骨を骨折*5。その状況下で立浪に「二流選手が文句を言うな!*6」、大西に「この若造が!*7」という発言をしたとされる。

2000年6月7日・巨人対阪神戦

2000年6月7日・巨人対阪神戦
頻繁に打席を外す阪神・和田豊*8にイラついた巨人先発のダレル・メイが和田の頭部付近にボールを投げつけた。ボールが当たらずに逸れたため、その時点で球審の橘高は警告や退場処分などをスルー。しかし試合後にメイが「to him」と発言したため罰金50万円・10日間*9の出場停止処分を受けた*10。その後、セ・リーグ連盟は橘高を含む審判団に「投球の時点で適正な対処をすべきだった」として戒告処分

2004年10月16日・日本シリーズ第1戦・中日対西武戦

2004年10月16日・日本シリーズ第1戦・中日対西武戦
5回裏一死1塁から打者の谷繁元信が捕ゴロ。捕手の野田浩輔は谷繁にタッチして球審の橘高はアウトを宣告も、直後の二塁送球でジャッジを見逃したと思われる二塁塁審・杉永政信は走者のオマール・リナレスにフォースアウトを宣告。このジャッジを巡って中日・落合博満と西武・伊東勤両監督から抗議を受け試合は約50分間の中断。責任審判の友寄正人と橘高が場内アナウンスで謝罪する事態となり、審判団は試合後にコミッショナーから厳重注意を受けた。

2005年9月7日・中日対阪神戦

2005年9月7日・中日対阪神戦
阪神が2-1とリードした9回表二死満塁から関本賢太郎が右前打。福留孝介の本塁送球でクロスプレー、判定はアウトとなり阪神・岡田彰布監督らが球審の橘高へ抗議。さらにその裏の無死2・3塁では二塁ゴロから本塁送球のクロスプレーでセーフ判定、これに対し阪神・平田勝男ヘッドコーチが橘高への暴力行為で退場処分に。
これらを不服とした岡田は選手を引き上げさせるなど、試合は18分間中断した*11

2011年10月2日・西武対ソフトバンク戦

2011年10月2日・西武対ソフトバンク戦
9回裏二死2塁から西武・栗山巧がハーフスイングを三振と判断したことに対し、工藤球審が三塁塁審の橘高に判断を仰ぐが「聞くまでもない」とばかりに引き上げ始めたため渡辺久信監督から抗議を受けるも「ガタガタ言うな*12と発言。渡辺は激怒し抗議は数分間に渡ったが、判定は覆らず西武は敗戦。

2012年8月31日・阪神対広島戦

2012年8月31日・阪神対広島戦
6回裏一死2・3塁から打者の阪神・能見篤史はスクイズも広島先発のブライアン・バリントンがウエスト。さらにこれを捕手の倉義和が後逸した事で球審の橘高は空振りストライクと判定、三塁走者・平野恵一が生還した際に野村謙二郎監督から「当たっている、ファールではないか」と抗議を受け、限度の5分を超えたとして野村を遅延行為で退場処分に。
なお野村だけでなく能見や平野もファールだと思った行動を取り、CS放送・GAORAで行われていた中継の実況と解説の佐野慈紀からも「当たっている」と指摘されている。

2019年5月4日・広島対巨人戦

2019年5月4日・広島対巨人戦
1回一死ランナーなしから広島の打者・菊池の打ったゴロを遊撃手坂本が一塁に送球した際、送球が逸れ、一塁手中島がジャンプしてキャッチ、菊池の走路をふさぐかたちとなる。菊池は衝突を避けるため二塁側に避けたが、公認野球規則 5.09b4*13の例外が適用される自信が無く急ブレーキをかけ、頭から一塁に帰塁。一塁手中島がこれに対しタッチ、橘高はアウトを宣告。広島・緒方監督はこのジャッジに対し、菊池は二塁進塁意思がなく、タッチプレーの条件には該当しないと抗議したが行き違いによりリクエストが発動する*14。リクエストでも判定は覆らず、菊池はアウト。これに緒方監督は激怒*15リクエスト後の抗議とみなされ緒方監督は退場となった(日本のプロ野球令和初の退場処分)。
橘高によれば菊池が急ブレーキから立ち上がったことで二塁進塁の意志があると判定したとのこと。すなわち菊池の帰塁動作は逆効果であった。この判定に対し出された広島球団の意見書の通り、正当な理由があればフェアゾーンへ駆け抜けてもタッチプレー対象外なのである。


関連項目



Tag: 審判 絶許 阪神


*1 後輩には80年代後半に「トレンディエース」と呼ばれた西崎幸広(元日本ハム→西武。西崎あや&莉麻姉妹の父)がいる。
*2 因みに、審判人生に置いて最初に退場処分を下した選手はかの有名な長嶋一茂である。
*3 選手時代には事実上ブルペン捕手として使われていた事から不満があったと推測されるが、真相は不明。
*4 仮に直撃なら橘高も無事では済まなかった。ガルベスは退場、シーズン終了まで出場停止処分。さらに長嶋茂雄監督は謝罪と反省の意味を込めて自身の頭を丸めている。なおガルベス当人はこの事件に関して「ボールボーイに返しただけだ」と2019年4月7日放送の「平成スポーツあったなぁ大賞」内で語っている。
*5 この行為に一部ファンが星野・立浪・大西を刑事告訴。書類送検→起訴猶予に。
*6 ドラフト1位で入団以来守備の名手・中距離打者としてチームの主力であり続け、この時点ですでに1500本安打を達成しドラゴンズの選手会長を務めていた。後に2000本安打を達成してプロ入り16年目で名球会入り(2003年)。さらに通算安打数歴代8位、通算二塁打数NPB記録保持者という「超一流選手」である。
*7 大西は当時29歳の中堅選手。
*8 巨人への移籍経緯が経緯だったために阪神ファンがメイに対してかなりヘイトを溜め込んでいたため、当時はメイへの非難一色だったが時間が経ち今では和田の打席外しがより批判されるようになった。なお、のちにルールが改正され現在なら「故意遅延」で和田の方が先に退場となる。
*9 一見すると厳しい処分に見えるがメイは先発ローテーション投手のため一回登板が飛ばされただけである。
*10 この発言に対して巨人サイドは読売新聞紙上にて「(to himは)狙ったという意味ではない」と反論、メイも先述の大西の件と比較して重すぎると不満を述べている。
*11 この後延長戦になると、今度は3塁塁審の友寄が中日に不利な誤審を犯す。これで好機を逃したのか中日は敗戦。
*12 ただしハーフスイングに関しての抗議は禁止されているため渡辺にも非はある。
*13 「次の場合、走者はアウトとなる。(中略)(4) ボールインプレイで走者が塁を離れているときに触球された場合。【例外】打者走者が一塁に走るときは、ただちに帰ることを条件としてならば、オーバーランまたはオーバースライドして一塁を離れているとき触球されても、アウトにはならない。」
*14 これは緒方監督のミスである。二塁進塁意思の判定はリクエストの対象外で、リクエストの採用範囲も12球団監督会議で知らされている。
*15 緒方監督は判定の説明を求めに言った、と主張。当該ジャッジに対する説明は結局行われなかった。