ミットずらし

Last-modified: 2022-01-01 (土) 17:36:11

捕手がボール球をストライクに見せかける狙いで捕球時にミットをストライクゾーン寄りにずらす行為を言う。

特に、鶴岡慎也(元日本ハム→ソフトバンク→日本ハム)の場合は他の捕手と比べて余りに派手に動かすため

などと呼ばれて嫌悪されている。
一方、ミットのずらし方によっては、フレーミングと呼んで肯定的に評価されるものもある(後述)。

フレーミング

ルール上は球がストライクゾーン*2を通過したか否かでストライク・ボールが決まるので、捕球時にミットをずらしても本来は判定に無関係である。しかし、ミットのずらし方次第では自然にストライクゾーンで捕球したように見えることがあり、判定する審判は機械ではなく人間なので、視界に入ったミットに騙されてボール球をストライクと判定してしまうことがある。

アメリカではこのように際どい球をストライクに判定させる技術を「フレーミング」と呼び、近年ではセイバーメトリクスの普及に伴い、捕手の最重要能力はフレーミングとされるほどに注目を集めている*3。もっとも、MLBではトラックマンと呼ばれる機械による判定と球審の判定が一致しているかどうかを検証して審判が判定の改善を図っているため、フレーミングによって判定を有利にできるのはあくまで「際どい球」に限られる。
一方でNPBでは機械判定の公開やそれを基にしたジャッジの改善、及び指標としてのフレーミングの信頼性が未だ発展途上にある。NPBを対象にしたフレーミングの研究も数が少なく、捕手の能力として評価するには難しい状況にある。

このような背景から、ポジティブに捕手の能力として評価する「フレーミング」という言葉ではなく、不快でズルい行為としての「ミットずらし」という言葉が使われ、批判の的となっているのである。
なお、フレーミングやミットずらしの上手さに定評のある捕手としては、古田敦也(元ヤクルト)、相川亮二(元横浜→ヤクルト→巨人)、嶋基宏(楽天→ヤクルト)、戸柱恭孝(DeNA)などがいる。また小林誠司(巨人)はフレーミングの指標を2016年から2018年にかけてブービーからトップクラスに向上させており、努力次第で改善するようである。

フレーミングとミットずらしの違い

上記のようにフレーミングとミットずらしには確固たる違いがあるという訳ではなく、各人の主観で使い分けているのが現状である。具体的な両者を使い分け方の例としては、

  • 審判の判定…審判がストライクとコールしたらフレーミング。審判すら騙されないほどにずらしていたらミットずらし。
  • 視聴者の判定…人によってストライクかボールかの判断が分かれる球をストライクにするのはフレーミング。誰が見てもボールの球をストライクに見せようとするのはミットずらし。
  • ずらすタイミング…捕球しながらミットを動かすのはフレーミング。捕球してからミットを動かすのはミットずらし。
  • 気分…上手い捕球だなあと感心できるレベルならフレーミング。不快感が上回ったらミットずらし。
  • フレーミング⊂ミットずらし…ミットをずらしたら全部ミットずらし。フレーミングはミットずらしの一種。フレーミングかフレーミングでないかは上記の他の判断基準による。
  • フレーミング=ミットずらし…フレーミングもミットずらしも同じ行為。贔屓の捕手がやったらフレーミングで相手がやったらミットずらしと言うだけ。

などが挙げられる。

参考画像

  • 楽天・嶋のミットずらし(2013年日本シリーズで全国放送され野球ファンを驚愕させたいわゆる「絆ストライク」である)
  • ソフトバンク・鶴岡のミットずらし(楽天・ペーニャから「流石に動かしすぎだろ」とばかりにバットで訂正される)


関連項目


*1 打者の頭の高さほどあるボール球を、ミットを無理矢理下げてストライクに見せかけようとすること。
*2 「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間」と定義されている。
*3 セイバーメトリクスとビッグデータ解析を用いた統計的な分析によると、MLBにおいて勝敗への影響が大きいのは、肩の強さや配球の良し悪しよりもフレーミング能力であるという研究結果があるため。