ハ50

Last-modified: 2024-02-24 (土) 23:06:13

ハ50とは、第二次世界大戦期に三菱重工業?が開発した航空機用空冷星型レシプロエンジン。
後方の冷却が難しくなる3列や4列を避け、高出力が要求されていたために、日本ではハ51?と並び2機種のみ、世界的に見ても非常に希少な、1列あたり11気筒となっている特徴がある。
試作開始は1943年9月、量産型は1945年2月に完成した。

主要諸元

タイプ:空冷星型22気筒
ボア×ストローク:150 mm×170 mm
排気量:66.1 L
全長:2,400 mm
直径:1,450 mm
乾燥重量:1,540 kg
圧縮比:6.9

ハ50-01(MK11A)

ハ50の初期の試作型である。
特に大きな異常が見られなかったものの、高高度での出力不足が目立った。

ハ44-01

過給機:遠心式スーパーチャージャー1段2速
離昇馬力 
2,450 hp / 2,800rpm / ブースト+550 mmhg
公称馬力 
2,300 hp / 2,700 rpm / ブースト+350 mmhg(高度2,700 m)
2,050 hp / 2,700 rpm / ブースト+350 mmhg(高度6,400 m)

ハ44-11

ハ44-12

過給機:遠心式スーパーチャージャー1段2速
離昇馬力 
2,450 hp / 2,800rpm / ブースト+550 mmhg
公称馬力 
2,300 hp / 2,700 rpm / ブースト+350 mmhg(高度2,700 m)
2,050 hp / 2,700 rpm / ブースト+350 mmhg(高度6,400 m)

ハ50-2

ハ144は、ハ44の発展型で、回転数を3,000rpmまで増大するとともに、ブースト圧を700mmhgにまで増大したことで出力が大幅に上昇した。その代わりとして、重量が増大し1,240kgと大型エンジン並みであった。

ハ144-13

ハ144の改良型で、二段二速スーパーチャージャに変更したことで、中高度以上での出力が大幅に上昇した。
搭載機は、「四式戦闘機

過給機:遠心式スーパーチャージャー2段2速
離昇馬力 
2,550 hp / 3,000rpm / ブースト+550 mmhg
公称馬力 
2,300 hp / 2,900 rpm / ブースト+350 mmhg(高度2,200 m)
2,200 hp / 2,900 rpm / ブースト+350 mmhg(高度5,500 m)

ハ50-3

ハ144-13の改良型で、二段三速の過給機へ変更し、インタークーラーを搭載したことで、重量を削減するとともに高高度以上での出力が大幅に上昇した。
搭載機は、「旋風

過給機:遠心式スーパーチャージャー2段3速
離昇馬力 
2,620 hp / 3,000rpm / ブースト+700 mmhg
公称馬力 
2,500 hp / 2,900 rpm / ブースト+550 mmhg(高度1,200 m)
2,380 hp / 2,900 rpm / ブースト+550 mmhg(高度5,400 m)
2,170 hp / 2,900 rpm / ブースト+550 mmhg(高度8,400 m)

ハ244型