フィリピン沖海戦

フィリピン沖海戦とは、1942年5月から行われたフィリピンの戦いの中で発生した海戦のこと。
フィリピン攻略を目指す日本軍と、フィリピン防衛を行うアメリカ軍との間にフィリピン周辺での制海権の確保のため発生した1942年5月11日～5月28日の17日間に及ぶ海戦の総称。フィリピン沖海戦では、南支那海海戦、エンガノ岬沖海戦、ミンドロ海峡海戦、シブヤン沖海戦、スールー海海戦、スリガオ海峡海戦、サマール沖海戦、レイテ沖海戦、セレベス海海戦の９つの海戦で構成され、他に基地航空部隊などとの戦闘であるフィリピン航空戦がある。

概要

1941年11月19日の第一次マリアナ沖海戦に敗北し、海軍の空母航空戦力は不利に陥っていた、しかし、フィリピンを前哨基地とし台湾や沖縄に侵攻する可能性が極めて高く、そのためにはフィリピンの確保、もしくは無力化する必要が急務であった。また、アメリカとの総力戦を行うには東南アジアの資源の確保が必要であることを考え、フィリピンの占領を早急に行う必要があると結論付けられた。その中でも、上陸部隊を輸送するには制海権の確保が必要である他、フィリピンにはアメリカ陸軍戦力の約42万人が在中し、その大半がアメリカ本国の兵士であることや、上陸部隊が多数いる事が判明していた。また、2月にはトラック島救出作戦の中で大きな損害を出し、戦局を好転するには海軍戦力の撃滅が必須であると考えられた。そんな中で、5月1日にM作戦が発令し、第14軍で構成された上陸部隊が出港した。その時の部隊配置では、戦艦を主力とし、台湾基地航空部隊によって護衛された主力部隊と、硫黄島からフィリピン、沖縄を中心とした防衛線を機動防衛する、第一機動艦隊によって編成されていた。そして、5日に硫黄島に米軍2万人の上陸部隊が来襲し、第一機動艦隊は迎撃にあたった。そこで、アメリカ空母2隻撃沈、戦艦1隻大破の戦果を上げ海戦に勝利した。この海戦がフィリピン侵攻の決定打となり、フィリピンの早期占領、南方資源地帯の確保を行うこととし、その第一段階としてフィリピンのルソン島に上陸し、陸上部隊を展開するとともに、アメリカ太平洋艦隊の戦艦群と決戦を行い、制海権を確保することとなった。ここで行われたフィリピンの戦いで発生したのがフィリピン沖海戦で、日米の戦艦部隊を主とした海戦となった。また、同時にマレー方面及びインドネシアへの侵攻も開始している。

発生した海戦

フィリピン海で発生した海戦の日時・結果・損害一覧

南支那海海戦

1942年5月11～12日　日本の勝利
日本の損害
九六式陸上攻撃機×7機
一式陸上攻撃機×11機
零式艦上戦闘機×4機

アメリカの損害
重巡：シカゴ [沈没]、インディアナポリス [沈没]
　　　ポートランド [大破]
駆逐艦：1隻 [沈没]

エンガノ岬沖海戦

1942年5月12日　日本の勝利
日本の損害

アメリカの損害

ミンドロ海峡海戦

1942年5月14日　日本の勝利
日本の損害

アメリカの損害

シブヤン沖海戦

1942年5月17日　アメリカの勝利
日本の損害

アメリカの損害

スールー海海戦

1942年5月18～19日　アメリカの勝利
日本の損害
重巡：1隻 [沈没]、1隻 [大破]、1隻 [中破]
駆逐艦：3隻 [沈没]

アメリカの損害
重巡洋艦：2隻 [中破]
駆逐艦：2隻 [大破]

スリガオ海峡海戦

1942年5月19日　日本の勝利
日本の損害

アメリカの損害
重巡洋艦：3隻 [沈没]
駆逐艦：3隻 [沈没]

サマール沖海戦

1942年5月21日　日本の勝利
日本の損害
戦艦：扶桑 [沈没]
戦艦：霧島 [大破]、金剛 [中破]

アメリカの損害
戦艦：4隻 [沈没]
戦艦：1隻 [中破]

レイテ沖海戦

1942年5月25日　日本の勝利
日本の損害

アメリカの損害

セレベス海海戦

1942年5月27～28日　日本の勝利
日本の損害
空母：翔鶴 [大破]
重巡：三隈 [中破]
零式艦上戦闘機×13機
九九式艦上爆撃機×11機
九七式艦上攻撃機×8機

アメリカの損害
空母：ワスプ [大破→沈没]、エンタープライズ [中破]
F4F×33機
SBD×29機
TBF×27機

総戦力（陸軍）

大日本帝国陸軍

アメリカ陸軍

フィリピン陸軍

総戦力・損害（海軍）

大日本帝国海軍

戦力表（艦船）

戦力表（航空機）

アメリカ海軍

戦力表（艦船）

内訳

• 戦艦
  ネバダ級：ネバダ、アーカンソー

戦力表（航空機）