各話メモ/創世のアリュージョニスト(2-15.冬を好きになれる日が来たら1/愛欲の淫魔~)

Last-modified: 2021-09-02 (木) 11:18:25

2-15.冬を好きになれる日が来たら1/愛欲の淫魔

  • ハンドルネームでさえそこからの連想だ。
    品森晶。
    雪の結晶をイメージ?
  • 俺にとって好きと嫌いは自在に制御できる手足の向きに等しい。
  • でも、だとしたら。
  • いつになったら俺は、この好悪を制御しなくて良くなるんだろう。
  • それじゃあクエスト更新。お次はこれ、『融血をばらまく大魔将ネフシュタンの討伐』『竜神信教に潜入せよ』だよ!
  • 当時はファラクって名乗ってた
    ファラクは、『千夜一夜物語』第496~497夜に出てくる巨大な蛇
    地獄の守護獣とも

幻想動物の事典>ファラク
Wikipedia>バハムート

  • 掲示板の中心で誰より目立つ仇の中の仇、ミスター・パブリックエネミー。
  • そして、呪術医院という施設、その場所を中心とした勢力は実際に第五階層における重要な位置を占めつつあるようだ
    • 睨み合う両陣営の縄張り争いから逃れてきた居場所のない弱者たちが身を寄せるセーフティネット。
    • トリシューラは呪術医院をそういう位置付けにするべく立ち回っているようだった。
  • 俺の美的評価は『無』、識別映像としてはキモカワ風にデフォルメされたゾンビクリーチャー
    旧版では、美的情報を調整する違法アプリ(美容業界などから嫌われていた)によって、異獣の醜さをスルーしていたが、新版ではそのくだりは省略されている
  • その数は六つ。道の果て、森の奥。街を取り囲むようにその遺跡群は存在した。
    女神ルウテトの配下、六王に対応した遺跡群
  • 今となってはこいつを元の姿に戻してやることも目的のひとつになっていた。

俺たちが向かう遺跡は六つの遺跡の中でも最大の規模を誇る『竜の遺跡』だ。
 他には機械的な仕掛けに満ちた『尖塔の遺跡』、至るところに水晶が埋め込まれた『水晶の遺跡』、ありとあらゆる種類の十字架型の時計が飾られている『時計の遺跡』、丸みを帯びた『球形の遺跡』、どこまで地下が続いているのかもわからない『深みの遺跡』

跡』などがあり、それぞれ探索者たちで賑わっている。
それぞれ六王に対応している
『地下遺跡』:カーティス
『尖塔の遺跡』:パーン
『水晶の遺跡』:ヴァージル
『時計の遺跡』:オルヴァ
『球形の遺跡』:マラード
『竜の遺跡』:アルト

  • 更に通路の向こう側から集まってくるおどろおどろしいゾンビっぽいヒト型の怪物たち
    おそらく、『幻ア』「3-4 天の鴉と月の兎」や『アリス・イン・カレイドスピア』でも登場している哲学的ゾンビ
    魂(アストラル体)が存在しないとされる怪物であり、ヒト型の異獣
    精神がもっとすさんでいれば、アキラくんも彼らと同類にに分類されたかもしれない

第五階層で見たアキラは実体としての性質が余りにも強く、その他の性質が酷く希薄だった。それはカインを殺した事で精神が弱っていたからだとばかり思っていたけれど、もしかしたら彼もまた哲学的ゾンビ――沼男(スワンプマン)だったのかもしれない。(『幻ア』「3-32 澄明なる青空に」)

Wikipedia>哲学的ゾンビ

  • 相棒は既にトリシューラからもらった『呪符』なる不思議アイテムを咥えている
    道具>呪符
  • 『その炸撃の術は古の天廊戦争で火の元魔メクセトが量産に成功した『天使殺し』だよ。
    • 何だ? 大気中の何かしらのエネルギーが枯渇しているとか?
    • 同じ理屈が天使との戦いで通じるのであれば、確かにこの『炸撃』とやらは天使に対する有効な防御手段となり得る。相手の攻撃力を奪う目的で撃ちまくればいいのだ。
  • 「赤い太陽が『炸撃』、青い水滴が『安らぎ』、灰の竜巻が『空圧』、黒い山が『報復』、そして白い槍が『貫通』あるいは黄金の鈴が『抱擁』。最後の二つは信仰を反映させる呪符で、同系統の亜種(バリエーション)です。槍神教徒なら『槍』。竜神信教徒なら『鈴』。どちらでもないあなたは、両方使えません」
    色号論に対応
    『槍』も『鈴』も同系統の別側面でしかない
  • 一人の女が鈴の呪符を指で挟んでいる。
  • 『抱擁』が出現させるのは金色に発光する環だ。
    • 捕縛の光は自在に形を変えロープや鎖になって敵集団の動きを妨げる。更にはトラバサミのような罠、手錠、果ては輝く腕にまで変形していく。
    • 鈴のイメージから捕縛というのが最初はいまいちピンとこなかったが、要するに『獣に首輪と鈴をつける』というイメージなのだろう。
  • 意外な事にこの小怪物は飛べるのである。
    • というか、ついこのあいだ牛神像を撃退した日の晩、急に元気になっていきなり翼を生やしたのである。正直びっくりした。
    • 特徴的なのは羽が刃のように鋭く武器にもできること
      呪いをかけた相手に、間接的に打撃を与えたことで力を取り戻したのだと思われる
      刃にもなるのは、おそらく、コルセスカの原形である三叉槍の形態を模しているから
  • 『美女と野獣』という言葉を連想させる
    『美女と野獣』は、女性主人公のおとぎ話
    この手の話には珍しく、明確に作者が判明している
    女性が選択と決断によって、恋人をゲットする話であり、原作には、「結婚相手を顔で選り好みするな」的な若い娘への教訓としての側面も強いとか
    Wikipedia>美女と野獣
  • 俺が知る舌はこのような振る舞いができる器官ではない。これは触手かなにかに違いない
    夜の民は、触手の扱いに長けている
  • このラズリという女に見つめられていると何故か思考がぼんやりとして違和感の正体が掴めない
    『邪視』の効果です

2-16.冬を好きになれる日が来たら2/竜神信教の言い分

  • これは俺の出身と常識がそちらに寄せて考えてしまっているだけだろう。『寺院』というのも槍神教を『教会』と最初に認識したせいで生まれた先入観に過ぎない。
    あるいは、アキラくんの世界からの接触や干渉があったため、既に文化が混ざり合っているのかもしれない
  • 「とんでもない! 『鎧の腕』と言えば竜神信教にとっての大恩人。我々調停派との直接的な繋がりはありませんが、九家創竜派を興した最初の巫女を奴隷身分から解放した偉大な人物で、一説によると恋人同士だったとか」
    『幻ア』「死人の森の断章2-1 睥睨する藍色」のエピソード
    そちらでは、アキラくんたちによる過去干渉が無ければ、本来存在しないはずの逸話なのだが・・・?
  • なにしろ創竜派の創始者のひとりであり、九番首の設計者たちのひとりでもありますから。
    創世竜オルガンローデは人工の機竜
    ここでは、パンゲオンの分離した首の一つとして捉えられている
  • キロンは『堕胎というだけで許しがたいが、赤子を切り刻んだり粉砕したりと聞くだけでおぞましい所業を重ね、更にその遺体を機械で吸引するなど残虐極まりない外道だ。
    実際の中絶には、妊娠初期に薬物を使う方法などもあり、分かりやすく赤子の形をしたものを破壊するような行為だとは限らない
    しかし、アメリカなどで中絶に反対するプロライフ派は、ことさら中絶を「赤子殺し」と定義し、その残虐さを宣伝している
    Wikipedia>妊娠中絶
    日本産婦人科医会>人工妊娠中絶について教えてください。
    Wikipedia>プロライフ

立命館大学生存学研究所>カトリックの教説から見る中絶問題

  • 最初にこの渾名を付けた槍神教の修道騎士はどちらかと言えば好意的な呼び方だったような印象なんだがな。
    アキラくんに『鎧の腕』とあだ名を付けたのはカイン
    『創ア』二話におかるアズラの発言も「伝説の大戦士」と好意的だった
  • 「まあ。古臭い信仰に囚われた槍神教徒らしい言い草ですね。母体を救うための安全な中絶法や死胎児を取り出す手術を提唱した、当時としては革新的な呪術医なのに。
  • ご存じですか? 槍神教では女性の権利をほとんど認めていないんです。
  • 武術家たちの聖地、七大門派の本拠である奉竜山
    第七世界槍のこと
  • そのあまりの凶暴さと残忍さから門派総帥の青海に破門されています
    青梅は、『アリス・イン・カレイドスピア/ペンデュラム』に登場
  • 「そんな鼻つまみ者だったファラクの力を認め、僧兵集団を率いる竜導師としての地位を与えたのは私の姉です」
  • 「お姉さんがいるんですか。その人も竜導師?」
  • 「ええ。いえ、『いた』と言うべきでしょうね」
    ベアトリーチェ
    この世界線では既に殺されている(『創ア』第三話参照)
  • 姉は第八家浄罪派の師範であり、同時に全ての僧を束ねる竜導師長でもありました。
    • 事実上、竜神信教の最高位です。
  • 階層を巡る大きな戦の最中、槍神教の代表騎士、恐るべき力を持った大弓使いの矢に魂と心臓を貫かれ、姉は帰らぬ人になりました
  • 半年前の戦いといえば、俺とアズラが魔将と激突したのもその時期だ
  • 不意に頭部に痛みを覚える。なんだ、何かがひっかかる。
  • ラズリさんを見ていると、『未知の既視感』がつきまとうのだ。
  • 話を聞く限り、全ては半年前の戦いを切っ掛けにしているようだ
  • 「『主の魂を取り戻したいなら、正しき槍の秩序に頭を垂れるがいい』と。その時は槍狂いたちがよく口にする挑発のたぐいだと思いましたが、もしかしてあれは真実そのままの意味だったのかもしれません」
    形式的な定型句を解釈し、新たな意味を見出している
  • 「実を言えば姉は転生者であり、魂さえ無事なら再転生が可能なのです。私はてっきり魂魄ごと砕かれたのだと思い込んでいましたが、あの修道騎士が魂を奪い、封印しているのだとすれば。そして人質にとられているのだとしたら」
  • 魂とは情報構造体(ミメーシス)に相当する重要な因子であるはず
    重要なことは共通していても、おそらく科学(『杖』)的な人間の捉え方である情報構造体と、ヒトが他のヒトに見出す魂(アストラル体)は、だいぶ異なるはず
    そうなると、実はアキラくんの世界とゼオーティアでは、転生の実態や仕組み自体もかなり異なっている可能性がある
  • 意思の無い器と言いますが、その背後に黒幕がいるとすれば一番怪しいのは槍神教でしょう。
    • ネフシュタンは姉を想う気持ちを利用され、槍神教の走狗と成り果てているのかもしれません
      コトバンク>陰謀論
      ゼオーティアでは、言葉(『呪文』)に合わせて過去を書き換えることが出来るため、陰謀論が実体化しかねないのが厄介
      この世界において、妄想(空想)と現実は、鶏と卵のような相互参照の関係にある
  • 彼は名高い雌獅子の末裔、アンピース家の次期当主
    雌獅子とは?
    もしかすると、この世界線では、獅子王が女性だったりするのだろうか?
  • ほんの一瞬。
  • 長い前髪に隠れていない片目が、光の加減なのかバツ印に輝いて見えた。
    バツ印は、関係性の神パーシーイーの印

2-17.冬を好きになれる日が来たら3/頼れる仲間たち

  • 霊長類のような手足を有した、直立二足歩行の白いカラスだ
  • 『無魂王』ヤンブロスク
  • 翼都(オースメキア)の名高き大錬金術師
    白いカラスは、ミルーニャの象徴でもある
    おそらく、彼もメクセトの子孫の一人
  • わざわざ第五世界槍からここまで足を運んだ甲斐があるよ
    第五世界槍は、カードゲームの世界であり、機械神ペレケテンヌルが暗躍している
  • 「ええ。ネフシュタンもその蛇を使役しています。というより、蛇人たちはそのウデモドキと共生することで『指持つ民』と同じ文明圏で生きることができるようになったのです」
  • その左腕、呪われていますね。傷つけた者しか癒やせず、代わりとなる腕を選ぶことさえできない『しるし』が付けられています
    左腕を切断したのは、トリシューラである
  • 貴方はきっと使い魔を飼い慣らす才能があります
  • なるほど、見事な白紙状態だ。
    • ラズリ様は新しい画布(キャンバス)に夢中、と
      アキラくんのこと
      異世界人であるアキラくんは、これからどんな呪術も極められるような空白の素質がある?
  • 見ての通り偉大なる火の元魔の加護を授かりし白翼の血族
    翼が白くなるのは、紀人化したメクセトの影響?
    『幻ア』のミルーニャが得た身体的特徴も、メクセトの霊媒のしるし?
  • ラズリ様からこの彩域の次期管理者としての任を授かっている
    第五階層の次期掌握者として担ぎ上げられている?
  • キロンより強い十数名。槍神教側の九英雄ではない、竜神信教側の超人たち。
  • 「確か、十番目に強いっていう」
    『地下』側の五人のうちの一人
  • あいつらのボスったら、私を剣で貫いて自分のものにしてやるなんて言ったのよ! 
    イアテム
  • 上々よ、海の民どもに吠え面かかせてやったわ
  • アルテミシア
    アルテミシアは、『幻ア』では海の民の組織「公社」の四天王ポジションにいたが、ここでは敵対している
    そちらの歴史では、イアテムに支配されていたのかもしれない
  • ラズリ様の占った通りにね
    ゼオーティアの占いには、「自分の意志(認識)通りに未来を変える」という面がある
  • お二人は最初のころ、それぞれ竜神信教とは反目する犯罪組織を率いていたんです。
    • 第五階層の支配を狙う『正統白星彩域』と『トラロス望郷団』
      前者は、自分こそが白の彩域の支配者だと主張するヤンブロスクの組織
      後者は、第五階層に再現された故郷への帰還をもくろむ岩肌人たちの組織だと思われる
      ゆらぎの神話>トラロス族
  • 『竜神信教に入信したら、素敵な恋人ができました!』
    怪しげな広告にもあるが、結婚をお膳立てすることで人を呼んだり、代々の信者を確保しようとすることは新興宗教にも良くある
    (教祖が結婚に否定的だった)キリスト教も、結婚の承認によってその地盤を固めていった
  • 手を引かれて建物から連れ出されたラズリさんはきょとんとしていたが、やがて面白がるような表情で言った。
    • 「あら、恥ずかしがり屋さんなんですね。
      このまま自分もアキラくんと乱交にもつれこむ予定だった模様
  • 貴方という『断章』に呪わ、こほん。所有者と巡り会えたことは幸運でした
    実は、『断章』自体も厄ネタもしくはヤンデレであった
    うん、『幻ア』読者はみんな知ってた
  • 「名誉の文明圏から来た栄光騎士のキュールウィン・ダグ・リムド・ハイデルポール『七つの名誉と五つの偉業』ガド=カレクモラン様。彼が誇らしげに語る素性と名前は全て嘘ですが、勇ましい騎士としての戦いぶりは本物です」
  • 「彼が愛を捧げる貴婦人が言語魔術師の亜竜人、ルルララーナ。岩肌人の王国に攻め滅ぼされた小国の姫君で、かつての華やかな生活が忘れられず今でも王女を名乗っています
  • 「ふっ、まさかラズリ様の護衛である俺と、聖妃派の暗殺者のお前、一度は殺し合った俺たちがこんなふうに馴れ合うことになるなんてな」
  • 「頂上が長尾族の美武僧、ハギリ・ホウ。底部が獣牙族のギザ歯暗殺者、バイター・ベルシェロン。私の命を巡って戦う姿が良すぎて、思わずくっつけちゃいました」
  • ウーフィは子供に見えますが種族的に背丈が小さいだけの矮人(ミゼット)で、成人女性ですので問題はありません
    Wikipedia>小人症
  • 第三世界槍の『空中地底』出身の優秀な斥候(スカウト)ですから、私たちの頼れる目となってくれるでしょう
    第三世界槍は、『アリス・イン・カレイドスピア』の舞台
    つまりは、おとぎ話なワールドの住人ということなのだろう
  • 貴方には仲間と共に遺跡の奧にある秘宝を取ってきてもらいたいのです
  • それは『鈴の王』と名付けられています。
  • あるいは『空洞を鳴らすゆらぎ』『殻に守られた種子』、そう呼ばれるディスケイム家の最高傑作
    「鈴」は、呪符の絵柄にもなっている『地下』の象徴
    どうやら秘宝は、「外殻」と「中身」でワンセットになっているらしい
  • 辛抱強い説得にも理解を示さないのであれば仕方ない(ゴアゴア)
    ゴアのツッコミ?
  • 調停派竜導師ボズロウの名にかけて、これ以上の専横は許さぬ! 竜導師長の妹だからとてもう容赦はせんぞ! 既に報告は本山にも上げている。裁きは免れないと知れ!
    つまり、同じ竜神信教内部からの断罪である
  • 顔、玉座、喜び、損害、あまねくかたちは我が掌中に
    こちらも占星術用語だと思われる
  • ラズリさんが好きだ(うそだろ)力になりたい(まじかおれ)
    ゴアといっしょにツッコミを入れていたのはアキラくん自身だった
    『シナモリアキラ』は、本人の欲望を代行するAIのようなものなので、こういったすれ違いも起きるのである(『幻ア』「4-46 オルヴァ王と十二人のシナモリアキラ0」参照のこと)

2-18.冬を好きになれる日が来たら4/好きに縛られて

  • 路傍の物乞いを哀れに思うことがあっても、自分がそうでないことに罪悪感を覚える必要などない。
    • 己を生かしている全てが沢山の弱者を踏みつけた結果だなどと考えていちいち気に病むなどどうかしている。
      だが、気に病む罪悪感や道徳観を持たない人間なら、初めからこんなことを考えはしない
      アキラくんは比較的豊かな家庭に生まれた。
      彼の罪悪感エピソードについては『幻ア』「2-7 炎は黄金を証明する」参照のこと
  • 雪は愛されていいはずだ。
    • 冷たく、脆く、儚く、美しい。愛される条件なんてその程度で構わない。
      自然現象としての「雪」とアキラくんの本名である「雪」(セツ)が重ねられている
      このくだりにはさらに、「雪」(セツ)の幸福を生まれる前から邪魔してしまっている彼の兄弟「雪」(ゆき)への憎しみや敵意の抑圧も含まれている?
      前世であるとされる「雪」(ゆき)への否定は、たやすく「雪」(セツ)自身の否定ともなり得るのかもしれない
  • 『俺』と『肉体』のと間に噛ませている現実表象トークンの認識を代行することで、『E-E』は入力された感覚情報を過不足なく処理した上で行動を決定できる。
  • 要するに、前世紀に社会問題になったような『感情欠落』『知覚鈍麻』『リスクブラインド』『人格異常』といった旧世代の感覚制御者に特有な危険性はほとんど解消済みというわけだ。
  • 最後のひとつを除いて。
    人格異常は、それを判断する人間の価値観によって判定されるものなので、感情を整えただけでは『シナモリアキラ』の表出する人格が「異常」と認識される可能性を否定しきることができない
    リスクブラインドは、リスクを事前に見積もれないという欠点のこと?
    goo辞書>ブラインド
  • 意識の連続性を一時停止。再起動。『E-E』に継続させていた主観記憶をパージ、情動を抑制しつつ『俺』のエミュレートを開始。
    人格のコピー・アンド・ペースト
    これも一種の転生と言えるのかもしれない
  • 慈悲、運命、絆、自由意志による恋愛、主体的な選択、その全て。
  • 「そんなもの、無価値に決まってる」
  • ラズリが敵だからといってキロンが味方というわけではないのだ。
  • ネフシュタンの背後にいる黒幕がどちらの宗教勢力、あるいは第三の勢力なのかはまだはっきりしていない。
  • 「最悪のパターンは、トリシューラが全ての黒幕ってケースだよな」
  • なぜだかトリシューラに頼ることを想定すると行動に対して心理的なブレーキがかかる。
  • なんとなく右手で左手の断端部を押さえた。
    トリシューラの義手提供が、マッチポンプである可能性に気づいてしまったためであると思われる
  • 商品棚のポップや立体映像広告を見ていると有名人らしき男女と商品を結びつけたような宣伝が主流に見える。
    この世界(ゼオーティア)の文化において、あるいは呪術的に同じ香水を身につけることには特別な意味がある?
    強者のマネをすることでパワーアップしたり、本人から加護をもらえたりするのかもしれない
  • 意識しているようで癪だが、この男と同じ香りを纏うのは何故か嫌だった。
    『幻ア』において、グレンデルヒはアキラくんを乗っ取って(ソーシャル・エンジニアリング)いる(「4-12 Tournamented Celestial Gaze(the second volume)」
    その記憶があるため、嫌な印象が残っている?
  • 倣性的(ほうせいてき)ということであれば夜の民モデルのものがございますが」
    倣(なら)うという字が用いられているし、参照した方の性になるという性質?
  • 恐ろしく美しい横顔だ。輝く光輪に燃える翼。爽やかな美貌は女性のようだが、力強い表情と燃える赤毛、輝くような瞳から受ける印象は雄々しい戦士のそれだ。
    アルマ
  • あなたは好きだと思っていたのですが
    最初はアズラ(アズーリア)次にラズリとアキラくんは夜の民と縁があるため?
  • 我ら夜の民には多様な形態があるのです。
  • 幻姿霊(スペクター)禍鳥(ペリュトン)夢馬(ナイトメア)、そして淫魔(ラハブ)
    民俗>下方勢力の民族>夜の民
  • コウモリや火山のイラストが描かれたボンベ、
    『アリス・イン・カレイドスピア』の舞台・ザドーナ産の雲製造用ボンベだと思われる
    おそらく、雷呪術を使うための補助用アイテム
  • 場違いな大型カメラ
    ゼオーティアでは、写真には魂を略奪する禁じられたパワーがある
  • こんなお店があったなんて、あとで摘発が必要ですね
    つまり、ここの店主を乗っ取ったのはたった今ということ
    アキラくんは尾行されている?
    ディープキスのときに、呪術的な発信機なり因縁なりをつけられてしまった?
    あるいは、このラズリは一種の幻覚であり、すでにアキラくんの脳内に刷り込まれた『幻ア』のちびシューラ的な分身?
  • 異常過ぎる事態にゴアが怯えている
    ゴアにもラズリの姿は見えている
  • ふふ、狂気を大事な仲間に押し付けて、かすかに残った理性ですることが男をくわえ込むことだなんて
    コルセスカはアルマにかばわれて、なんとか生き延びた結果、現状に至っている?
  • どうやらラズリ・ナアマリリスは俺が正気を取り戻した原因がゴアにあるものと勘違いしているようだが、これはもしかして唯一の優位性か?
  • 鋤鼻器(じょびき)に対する働きかけは社会性動物の基本コミュニケーション。
    ヤコブソン器官に対する情動クラッキング。俺は性フェロモンを利用した攻撃に晒されていたわけだ。
    Wikipedia>鋤鼻器
    コトバンク>クラッキング
  • そもそも『E-E』は『感覚や感情を処理する受容器』を仮想的に設定して代行させるアプリだ。
  • 通称『スピリット』。精神体、もしくは魂というニュアンスが込められている。
  • 感情制御とはつまり『スピリットのはたらきを弱め、分離する』ことだ。耐え難い激痛も抗えない恋愛感情も、心が鈍麻しないように確かにスピリットに知覚させつつ『髪の毛や爪先のダメージ』として処理することで冷静な思考を維持することが目的である。
  • 俺に言わせればスピリットはもうひとりの自分ではなく身体の一部だ。増設自己。構造を拡張し、対衝撃性を高めた感覚総体。
  • それはもはや形のない心的外骨格と言えるだろう。
  • 感傷だが、冗長性の確保という言い訳もある。
    冗長性は、システムにおける余裕や「遊び」とほぼ同じ意味
    ITトレンド>冗長性とは
  • 彼女は俺が自力で洗脳を解除できると知らない。逃げたゴアには何もできないと思い込んでいる。付け入る隙はそこだ。

2-19.冬を好きになれる日が来たら5/世界のかたち

  • もどかしさに耐えかねたように矢をぐりぐりと手の甲に押し付ける。
  • 小さな傷で痛みを確認するように、ささやかな自傷行為は続いた。
  • 「こうしていれば、少しは姉の痛みがわかるのかなって、いけないってわかってるけど、どうしてもやめられないんですよ」
    矢による自傷
    長いものを自身に突き刺す行為には、性的・呪術的な意味もありそう
    そちらが真の目的なのか、それとも姉の痛みに共感したいというのもまた真実であるのか・・・?
  • 嘘で塗り固めた打算ずくの行動でも、なぞっている形だけ見れば弱い女と支える男
    振る舞いを重視するのは、アキラくんというか品森晶先生の作品において基本的な価値観
  • きぐるみの魔女
    トリシューラ
  • 当日は私もキムラヌートで出ます
    ラズリ専用の呪動装甲の名前?
    ~で出る、はガンダムでよくある言い回し
  • この第五階層では槍神教と竜神信教という二大宗教勢力がせめぎ合っている。だがそのパワーバランスを崩しかねないのが呪術医院と強力な請負人たちを擁するトリシューラだ
  • 「素晴らしい。盲天主に感謝しなければ」
    盲天主プルートは、『アリス・イン・カレイドスピア/ペンデュラム』で名前だけ出てきた
    おそらく黒の色号を司る天主
  • ザカリヘッド
    ザカリヘッドは、同じく『アリスピ』に登場したオーカス・ヴァンスの故郷
    おそらく呪動装甲や建設重機の本場
  • 呪詛添加だらけの邪仙桃
    仙桃は、食べると長寿を得るという桃
    『西遊記』で孫悟空が食べまくった
    Wikipedia>仙桃
  • あるとき、その完全を砕くものが現れました。それが紀元槍です
    ゆらぎの神話百科事典>紀元槍
    竜と槍の対立、『地下』と『地上』の対立が起源神話の形で語られている
  • 流れた青い血は海となり、あらゆるものを融かしてその形を変化させていく
    融血呪
  • これはもしかして万人が共有する宗教観ではないのかもしれない
  • 我々がいるこの世界槍はいにしえの言語支配者たちが『第二創世』を目指して創造した紀元槍の模造品。
  • いわば人工の紀元槍であり、我々と槍神教はその制御権を巡ってこの地を奪い合っています
    『創ア』で初出の情報
  • 最初の槍から欠片を拾った男たちが修道騎士として武装し、最初の獣から血を採取した女たちが巫女や神官となって獣と獣を掛け合わせてより強い巨獣を作り出す
    それぞれの勢力では、片方の性別だけが優遇されている?
    性別によって得意な技術が異なる?
  • 大いなる神の加護に守られぬ者は、いつおぞましい怪物に身を落としてもおかしくありません
    神の加護があれば、異獣化を防ぐことが出来る?
  • 中でも目立っていたのは銀色の森を治める女王と、それに付き従う六人の男たちだ
    ルウテト(死人の森の女王/銀の森の少女)と六王
  • 大いなる創世竜たちは世界の惨状を憂い、世界各地に奇跡をもたらしました。
  • この地にある宣名碑、強さを示す石板はそのひとつ。
  • 第五紀竜ガドカレク様が遣わした化身、アルト王の権能を受け継いだ秘宝なのです
    アルトについては、『幻ア』四章・断章編を参照のこと
    ガトカレクについては、創生竜を参照のこと
  • 「アルト王はあらゆるものに言葉を与え、また取り上げることができました。言葉とは知恵。知恵とは意思。そして魂でもあります。すなわち、この力を手にすれば異獣を人に戻し、人を異獣にすることができる」
    人間として承認されることを目指す機械魔女・トリシューラを思い起こさせるセリフ
  • 「この力は現在、第五階層の掌握権と一体化しています。第二創世を行うための全階層掌握まで至らずとも、この『言語支配権』さえ手に入れば我々は絶大なアドバンテージを得られます。そのためには『回帰の血』を盗み出したネフシュタンを捕らえ、その裏に潜む天使を打倒して宣名碑の序列一位、すなわちこの地の王になる必要があるのです」
  • 言語地平破壊能力を有する天使は最強の存在です
    言語地平破壊能力とは、相互理解を不能にするあの歌のこと?
  • 暴走する天使に方向性を与え、飼い慣らすことができる『鈴の王』。これを手に入れた者が第五階層を巡る戦いの勝者となることは間違いありません
  • 「力による支配ではなく、愛による共存。槍神教の野蛮な侵攻から人々を守るためにやむを得ず戦うことはありますが、我々は基本的に対話と絆こそ最大の武器だと信じています」
    一種の暴力である魅了と洗脳の使い手に、そんなこと言われても・・・
  • 「竜神信教は『下』側にある本国、『鈴国ジャッフハリム』の二大政党の一つと強く結びついています。もっとも姉の死をきっかけに支持率は急落していますが」
  • 人々は金銭や物資を互いに分かち合い、助け合って生きている
    理念としては、広義の共産主義
    旧ソ連のような厳格な秩序でや難しい理論で知られる共産主義も、その基本的な理想は、このように素朴でローカルな助け合いでしかない場合も多い
    Wikipedia>共産主義
  • 双方に触れてわかった。この世界を二分する巨大宗教とは、この世界の人々の営みそのものであるのだと。
    • そこにあるのは当たり前の生活と日常だ。
  • 思想の差、志向の別、左右の傾向、それらをひっくるめて『普通のこと』でしかない。
  • それは当然の如く邪悪であり、ごく自然に善良だった。

2-20.冬を好きになれる日が来たら6/正しさからの疎外

  • 『堅実で意味のある善行』として『医療物資の分配』『予防接種の実施』といった活動を動画付きで紹介
    正論かもしれないが、ティリビナ人には拒絶されていたアプローチでもある
  • 悲しいことに、寛容とは原理的に不寛容を排除することでしかその寛容さを維持できないのです
    『地下』の立場であり、『幻ア』でアキラくんが拒絶した理屈
  • それは暴露動画の形式をとった宣伝工作(プロパガンダ)だった
  • アスタロトはファラクと名乗っていた頃のネフシュタンがいかに不遇な幼少期を過ごしてきたか、
    皮肉にも、8話でキロンが展開した『切断処理』の弁護と同じやり口である

    精神病歴及び幼少期からの残虐行為記録を展開(「2-8.煉獄篇第六歌/浄炎の向こう側へ」)

  • 「一般的に、動画の情報ソースとしての確度は再生回数に依存するでしょう? 
  • たくさんの『いいね』と再生数が集まれば私たちの主張は真実として確定する。
  • それはこの先の戦いで大義を得るのが竜神信教になることとイコールってわけ。
    ゼオーティアには、支持が多いフェイクニュースというものは存在しない
    なぜなら、多くの支持を集めた時点で、嘘は真実となってしまうからである
  • 強烈な匂いはしばらくとれそうにない。
  • こうすれば俺がゴアとの絆を思い出すとでも考えたのだろうか?
  • 強大な権力はいつだって正しさを引き寄せようとする。正しさは権力によって独占され、やがて正しさそのものが権力と化す
  • ただ共存を拒み、偏見と差別に目を曇らせ、悪心を抱いて『内心の罪』を犯した者が異獣化するのみです
  • 正しくなければ生きられない、とアスタロトは言外に告げていた。
  • 愛、理想、自由、共存、平和、その他さまざまな善性を持つ者ばかりが『下』にいる理由は明らかだ。そうでない者は『下』の住人ではいられないというだけのこと。
  • 善くあろうとしないものは怪物と化すか、辺境へと去るしかない。
  • 誰もいない外へ。どこにもない場所へ
  • 辺獄に隔離した上で外的な共存を目指す我々はこの哀れな生き物の罪を濯ぐ手段を模索しています
    Wikpedia>辺獄
  • 私の立場としては、心の罪人は第六階層に送って兵役に就かせなければ示しがつかない。
  • かといってこんな弱そうな子はすぐに死んでしまうでしょうし、そんな非道を強いるのは無慈悲に過ぎる。
  • ならこうするしかない
    第六階層は、第五階層と違って階層掌握者争いが行われている戦争の最前線
  • 正しくあろうとする自由意志。
  • 感情を制御する俺とは違う。自然のまま善く生きようという理性の判断。
  • 本当にそうか?
  • 仮にそんなものが自由だとするなら、俺は。
  • 答えは出ない。出したくないのかもしれなかった。
  • 「これから融血に耐性を付けるための儀式を行います。心身を融かす力、大いなる存在への回帰衝動に抗う手段は単純。別の何かとひとつに融け合ってしまえばいい」
  • 嘆きの咆哮を響かせるジンの姿が、ふと誰かと重なる。
    カイン?
  • 鼻をくすぐる強すぎる匂い。それはゴアが投げつけた香水の名残だ。
  • ゴアの香気が部屋に焚かれたお香を一瞬だけ打ち消した瞬間
  • 居場所もない、言葉もわからない、異獣同然の俺をそうでなくしているお前は、断章とは一体何だ?
  • 正しさも善も俺には耐えられない。
  • 俺の居場所は、ここじゃない。
  • 責任を拒絶し、選択を忌避する。
  • そんな情けない道を選んだ俺を、断章は柔らかく肯定してくれた。
  • あなたが『生存(しょうり)』を望むなら、この本を強く心に思い浮かべて下さい
    『生存』は、魔導書『死人の森の断章』の八冊目
    『生存』を「勝利」と定義するのは、再生者の国家である死人の森の価値観
  • ここまで強い妨害があるなんて、彼の心は既に『森』に取り込まれてしまっているとでも言うのですか
  • 仕方ありません。無理に解呪を試みて貴重な断章との適合者を失いたくはありません
  • 回転に巻き込まれたアスタロトが壁際のジンの所まで吹っ飛ばされ、重なり合った二人は偶然にも口づけを交わす形になっていたのだ。
  • たったそれだけで冗談のようにジンは元の姿に戻っていた。
    おとぎ話的な解決法
    選好と競争による苦痛が、選好によって癒やされたということでもある
    wikipedia>かえるの王様
  • ネフシュタンを倒し、天使を凌駕して第五階層の頂点に立つ。
  • 槍神教と竜神信教を出し抜き、入り乱れる複数の勢力の間をかいくぐって強大な力を手にしてやる。そうすれば、俺はきっと辿り着くことができるはずだ。
  • 俺だけの居場所。正しくも善くもない、窮屈な権威の外側にあるどこかへと。

2-21.冬を好きになれる日が来たら7/尊い犠牲、尊い愛

  • 後方で腕組みしながら戦いを眺めているだけの少女を特別扱いしているのがよくわからなかったが
    『邪視』による支援です
    numan>用語集>後方彼氏面
  • 王の名はアルト。『ことばの力』をほしいままにする竜の化身。俺が追い求める第五階層の序列一位とは、即ちこの王の地位に等しい
  • あのずっと下に広がっているのがアルト王が眠る玄室です。炎天使とネフシュタンはおそらくそこを拠点としています。厄介な『列車ワーム』も
  • 「はははっ、感謝しろよ火の眷属ども! 高貴なる地の眷属が、醜い肉塊を芸術的な彫像に生まれ変わらせてやるんだからな!」
    火と地の眷属は対立している
    アルテミシアとヤンブロスクも、おそらく本来は対立する仲なのだろう
  • 「奥にも潜んでいるようだね。『球電(ボールライトニング)』、『鬼火(ウィスプ)』、掃討したまえ」
    呪術>球電
    Wikipedia>ウィルオウィスプ
  • かつてのような威圧感や神々しさが失われ、急速に『つまらないものになり下がっていく』かのような感覚。
  • 全く同じものが二つに増えたからだろうか。
    『鮮血呪』と同様に、相手の価値を貶める『杖』の手法
  • ギデオンという危険人物を切り捨てた槍神教。
  • ジンという落伍者を疎外されるままにした竜神信教。
  • この世界は、本当に生贄を礼賛していないと言えるだろうか
  • 俺だって偉そうなことをいえた身分ではないはずだ。
    • 高額な施術を当たり前のように受けさせてくれる親の財力
    • 幼い頃の俺が見ないようにしていた『俺と同じ人々』は、動力を持たない義肢で日々を必死に生きていた。
    • 俺たちと牛人たちの間に、どれだけの差があるだろう。
    • 少しばかりお上品か、露悪的にふるまうか。その程度の差しかないのではないか?
  • 槍神教が強さへの希求から捨て駒や英雄を生み出すように、竜神信教が自由意志と理念への熱狂からエラーを周辺化するように、とかく生物は痛みから逃れようとするものだ。
  • 心とは身体の奴隷だよ。
  • 強い心などというものは、結局のところ肉体の不完全性を克服できないヒトが夢見る幻想に過ぎない
    つまり、完全な肉体を得ることが出来れば、強い心を手に入れることもできる?
  • アルト王の『ことばの力』だ。
  • それに近づくために強大な宗教勢力を利用できるのならラズリさんに傅くことくらいわけはない
  • 彼女から君の話を聞いた時に思ったんだ。
    「彼女」とは、おそらくトリシューラのこと
  • カラスの錬金術師は面白がるよう「かわい、かわい」と聞きなしを響かせた
    Wikipedia>聞きなし
  • ひとつだけ教えておくと、依頼が更新されていないか再確認しておくといい。追加報酬は呪文データだ。端末にダウンロードできる
  • 報酬の呪文は破格の代物だ。ここぞという時に使うといい。
    • 第五階層の&rubyワールドシミュレーター){創世機関};(の一部をクラッキングして物質を『創造(クラフト)』する、超一流の仕事だよ。
    • 安っぽいウデモドキよりずっと上等な義肢が手に入るはずさ」

2-22.冬を好きになれる日が来たら8/愛の世界

  • この世界における闘争の本質とは何か。
  • それは言葉だ。認識と言い換えてもいい。
  • 強く信じられている権力がそう主張し、それが世間に受け入れられてしまえば、その流れに抗うことは難しい。
  • それを押し通せるだけの力と勢い。
  • それさえあれば望まれた方向へと事実は歪む。
    断章がなければ言葉が通じないアキラくんにとっては、かなり不利な真実
    だが、逆に言えば断章や幻掌があれば、その不利は補うことが出来るということでもある
  • ベルゼブブ、修復を。
    Wikipedia>ベルゼブブ
    「修復」ということは、アドラメレクさんは人造生命か何か?単に無機物のアナロジー?
  • タツノオトシゴのような頭をした種族の屈強な男たちもまた腹を膨らませた状態で前線に参戦していた
    Wikipedia>タツノオトシゴ
  • 俺がラズリさんに本気で恋し、突き放した視点で分析しているように。
  • ラズリさんは本気で『愛』を信じ、冷徹に俺たちを使い潰す。
  • それは両立する。
  • 否、邪悪を許容しない『下』の社会では両立していなくてはならない。
  • 槍神教はギデオンのような過激な人物を切り捨てることである種の自浄作用を働かせていた。その歪さとおぞましさを俺は否定し、キロンの誘いを拒絶した。
  • しかし一方で、それをしない竜神信教はどうなるのか。
    • 理想を謳い絆を尊ぶ社会は、その環境に適応した確信犯型の異常者を受け入れてしまう。
    • 絆と愛を信じる優しい怪物。それがラズリ・ナアマリリスだ。

2-23.冬を好きになれる日が来たら9/竜蛇の争い

  • ラズリさんの説明によれば、呪力というのは主に人が発するエネルギー

2-24.冬を好きになれる日が来たら10/蛇獣ニードモーモ

  • 傍らで浮遊する黒い本、白紙の項に記された『失神』の文字が輝く。
  • 全身が点滅し、消失と出現を繰り返す。
    ニコニコ大百科>無敵時間
  • 褐色の肌に長い黒髪を編み込んだ整った顔立ちの男が、半裸で呻いていた。
    カーイン『創ア』初登場
    そして、(「幼少期」を除いて)初めての完全な敗北描写である
    アキラくんが、カーインに勝った勝負の描写という意味でも初めてのケース
  • 「油断するな。急いで棺を開け。既に脱皮が終わっている。『蛇』の本体が次に狙う器は恐らく君だ。私のようになる前に、創世の力を手に入れろ」
    乗っ取りには、脱皮が必要
  • 「破界の獣に対抗可能な力だ。私はしかるべき者にそれを渡すためにこの地に足を踏み入れた。それが主の望みでもある。急げ、蛇の正体が確定する前に」
  • 「私はあなたが気に入りました。次なる大魔将はあなたですよ。新しい活動名を決めましょう。ウロボロスというのはどうです?
    Wikipedia>ウロボロス
  • 「だめですよ。あなたは私の正体になる。意外な黒幕が明らかになり、事件は更なる展開を見せるのです。その方が楽しいでしょう?」
    Wikipedia>サスペンス
  • 「恐れよ人類。我がまことの名は蛇獣ニードモーモ。大いなる破界の執行者、死を撒き散らす蛇の王(バジリスク)にして起源を知らぬ鶏蛇竜(コカトリス)!」
    Wikipedia>バジリスク
  • 棺の中で安らかに眠っていたのは、とても美しい猫耳の少年だったのだから。
    レオルーシメア)の『創ア』初登場
    ポピュリズムの化身である彼こそが、陰謀論の紀人らしき相手への対抗策であるという皮肉な展開