烈風

Last-modified: 2014-03-10 (月) 10:16:30

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No.022
14.3.10 烈風.png烈風艦上戦闘機
装備ステータス
火力雷装
爆装対空+10
対潜索敵
命中回避
射程
装備可能艦種
駆逐艦軽巡洋艦重巡洋艦戦艦
軽空母正規空母水上機母艦航空戦艦
備考
名機「零戦」の後継機と開発された最新鋭艦上戦闘機「烈風」。
用兵側の発動機選定ミスや多忙な現場設計陣などの苦境を超えて、ついに完成した新型艦戦です。
ぜひ、「流星」艦爆と共に、次世代の機動部隊艦載機部隊を編成して、空を制してくださいね!

ゲームにおいて

  • 2013年10月現在、一般に入手できる最高の艦戦。
    • 正確には更に上の震電改?(対空+15)が存在するが、一部に配布されただけで開発不可である。烈風改?も未実装。
  • 零式艦戦52型?(対空+6)や紫電改二(対空+9)の上位互換である。能力が高いがレア度も高くなかなか開発できない。
    • そのため数を揃えられない提督はいつまでも零戦を使う羽目になるという史実完全再現システム実装済み
    • 大鳳改?が持ってきてくれるので開発以外での入手も可能になった。ただし大鳳?は大型建造でしか手に入らないうえに資源がすごい勢いで消えていく。
  • この艦戦最強の能力値をもってすれば制空権獲得が容易になる。是非とも数を揃えたいところ。
    • 対空上昇値が非常に高い分、防空ボーナスも+2と下手な対空兵器以上の防空力を持っている(スロット当りの艦載機数は関係無し)。
      航空戦で敵艦載機を墜とし、味方の対空砲火をも補強する。一粒で二度おいしいとはこの事だ。
  • 高レベル提督などは空母にコレを載せて戦うことが多いため、演習などでこっちもうっかり空母を出したりしたらボーキが大変なことになる。
    • なんてこった! 敵は全部わんこ付きだ!

小ネタ

  • 遅れに遅れまくっていっさい実戦配備出来なかった幻の戦闘機「烈風」がモデルである。
  • パワーの有る新型エンジンを搭載、きちんとした防弾装備*1を有し、高速であるにも関わらず格闘戦も得意な夢の高性能万能戦闘機、それが烈風である。
    • と、言えばそりゃ聞こえがいいし実際、強いが……ぶっちゃけ実戦配備出来なきゃ意味ないよね。
    • そもそもこの烈風が日本で完成したかしないかの時期の米軍戦闘機は『最強のレシプロ艦上戦闘機』ことF8Fベアキャットさんである。*2
      さらに実際に実戦配備される頃には根本的に次世代機であるジェット艦戦FH-1ファントム*3の量産も始まってしまうし、戦後世代最初の名機F-86セイバー*4の開発もスタート秒読み段階。
      • FH-1が空母からの発艦試験に成功したのは終戦から約1年後の事だったり下手するとレシプロ機より鈍足だったりと色々と残念な機体だった事は此処だけの秘密だ。
      • F-86セイバーもドイツからガメた技術を元に開発を行ったものなので戦時中は「こんなのが作れたらいいな~」という絵に描いた餅状態だったのも機密であるぞ。
      • と言うかジェット機に関しては(陸上機ではあるが)亜音速ジェット戦闘機の試験飛行を1942年、実戦配備を1944年に成功させた世界一ィィィィィな某国が変態過ぎではあった。
        37対1800(!?)という虐めのような戦いでも喪失3機と言う紛れも無いオーパーツ。*5この技術は日本にも供与され終戦間際ではあったが量産も開始されていた。試製橘花実装はよ。*6
  • 開発が遅れた主な原因はエンジン周りの技術。元々の技術が欧米より出遅れていた故と、国内モータリゼーションの進行の遅れが要因。
    • そのためメーカーも1700馬力以上のエンジンを作ると、もれなく不調が頻発する。
      これは烈風にかぎらず大抵の大戦中期以後の大馬力エンジン搭載機の弱点である。エンジンが弱いは帝國軍機の共通の弱点とも言えるであろう。
  • 実は開発サイドが提案していたエンジンを積むと、ほぼ要求通りの性能を発揮。最初からこっちを採用していれば1年くらい量産が早まった可能性が高い。
    誉に期待しすぎるからこんなことになる。
    • と、よく言われているが烈風の開発が始まった頃には三菱側が要求したエンジン(ハ四三)は未完成であり、完成したのは烈風の開発打ち切りが決まる直前だったのも事実。
      そもそもハ四三はポスト誉世代のエンジンであり、海軍の指定した期限では間に合うはずもなかった。みんなみんな、ビンボーが悪いんや。
      • 「どうせ量産を始めればウチの誉と同じようになる」という中島飛行機の負け惜しみ誉の開発者の話は割と有名。
        三菱重工業には中島飛行機が保有していない米国製工作機械があり、ハ四三はこの工作機械でなければ生産不能であった。
        軍が誉に固執したのは、国内製工作機械でも作れる点を評価し、発動機乱立による生産効率の低下を恐れたからである。
      • しかし実際は量産した誉に不調が続出した*7結果、馬力に余裕があるハ四三を誉の生産を強引に打ち切ってでも主力発動機にするというgdgdな展開に。
        また、中島飛行機よりも三菱重工業のほうが発動機技術が進んでいる上に堅実で、粗製乱造による馬力低下も見込んだ、馬力に余裕ある設計にしていた。
        概ね三菱重工業製のエンジンは中島飛行機より多少は稼働率が良かったため、誉が酷評される原因はそこにあった。
      • そもそもハ四三じゃなきゃダメってんなら紫電改にハ四三を積めばいいって話になるので…誉で紫電改を超えない限り烈風の開発はもう意味のないものになってた。
  • 本機へのテストパイロットの評価は分かれており、最後まで関わった小福田租少佐は『烈風は零戦の再来になれる!』と絶賛した。
    その一方、志賀淑雄少佐*8は『実用化に躍起になる連中の気が知れん』と酷評している。
    • 海軍上層部もあくまで『零戦の1945年モデル』としてしか見ていなかった。お前ら零戦好き過ぎだろ。
      計画での生産枠は縮小されていた零戦の枠を充てがわれただけであり、当初の予定からはかけ離れた末路であった。
  • そんなこんなで烈風の開発が遅れに遅れている間に、瓢箪から駒で突如現れた紫電改に次期主力戦闘機の座を奪われてしまった。
    • その艦上機版(いわゆる紫電改二)は着艦試験にも成功。水上機の再設計機に次期艦上戦闘機の座まで脅かされる事態に。このときの烈風開発陣の心情は察するに余りある。
      • 実際、開発主務者である堀越二郎技師は紫電改が主力機に選定されたという報に激怒。
        「あんな飛行艇メーカー*9がポッと出で作った機体が何故、コイツを差し置いて主力機になるのだ!?」と嘆いたそうな。
        しかし海軍は、乾坤一擲の空母機動部隊決戦と意気込んだマリアナ沖海戦に間に合わずじまいであった以上、行き詰まった烈風に傾ける情熱は失せていたのである。
    • 昭和19年8月4日には三菱に対して雷電及び烈風(A7M1)の生産開発中止と紫電改の生産が命じられた。
      • ハ四三搭載の改良型(A7M2)と烈風改(A7M3)の開発は続行されたが、派生型の展開でも紫電改に大きく遅れを取り、結局ほとんど形にならないまま終戦を迎えることになった。
    • さらに烈風及びキ83用に完成させたハ四三を紫電改に載せる案があり、実際に製作された。(試製紫電改五こと紫電二五型)
      • 試験飛行直前に空襲で破壊された為実際に飛ぶことはなかったが、仮に飛んでいたら烈風の立場は更に悪くなっていたかもしれない。
  • 近年発見された資料の中に、機体の大半を改設計しエンジンを過給機付き2200馬力のものに換装、武装も強化した烈風高高度型の設計図が含まれていた。
    これが烈風改(艦これでは未実装)である。資料発見について多少報道されたので耳にした記憶がある提督もいるのではないだろうか。
    • なお、烈風改は斜銃を装備し対爆撃機戦闘に特化したいわゆる丙戦であり、月光や彗星一二戊型の後継機種である。
    • さらに設計者である堀越氏の著書内で烈風・烈風改を元に2400馬力のエンジンを搭載した後継機(計画のみ)も紹介されている。
  • 描かれてる機体は"352-20"電光2本 第三五二海軍航空隊 青木義博中尉搭乗機。実際には雷電で、非常に目立つ独特の稲光マークが特徴。
    • この青木中尉のパーソナルマーキングは米国人のウケがかなり良いようで、雷電に限らず様々な日本軍機(復元機、レプリカ、模型等)をこの塗装にしてしまうことがある。
  • 米軍によるコードネームは「Sam」。

*1 烈風が局地戦闘機として制式採用された時期の試作機は運用用途が局地戦闘機に変更されていたので、防弾装備が強化されている
*2 競合機である紫電改が戦後様々な国で性能テストされたが、P51(最高速度704km/h)と互角の速度を出したり演習でベアキャットを圧倒してたりするので烈風である必要は無かった。
*3 実用からは程遠い実験機に近い機体。生産数は僅かに62機であり主に訓練機として使われた。その訓練機としても僅か7年で退役。後任のF9Fが就役した事が理由ではあるが、そのF9Fも空戦能力の低さから攻撃機への転用を余儀なくされた失敗作であった。
*4 失敗作続きの米軍ジェット機が漸く成功を見たのがこのF-86。しかしジェットエンジンや後退翼などの主要な設計は米軍が開発した物ではなくドイツから奪った技術である。半世紀に渡って運用された名機だが、言い換えれば米国がドイツの技術を越えるのに半世紀を要した事を証明する機体でも有る。
*5 ドイツ製のオーパーツは他にも「巡航ミサイル」「弾道ミサイル」「全翼ステルス爆撃機」等が有る。
*6 技術供与に遣独潜水艦作戦が用いられたこと、雲龍型空母搭載計画の噂があることを鑑みればありえなくもない
*7 元々量産を考慮した設計では無い複雑な構造であるのを未熟な工員や女子・学生に作らせていた上に、燃料の質や運転制限の影響もあり、カタログスペックの三割さえ出せない個体もあったとか。
*8 343空飛行長で紫電改を愛機としていた
*9 川西飛行機は二式大艇の開発元で、他にも九四式水偵や水偵「紫雲」など水上機を得意とするメーカーだった。ちなみに現在でも新明和工業としてUS-2救難飛行艇を製造している。