新井 桃子

Last-modified: 2024-09-07 (土) 11:36:50

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※ここはCHUNITHM PARADISE LOST以前に実装されたキャラクターのページです。
・このページに記載されている「限界突破の証」系統を除くスキルの効果はすべてCHUNITHM PARADISE LOSTまでのものです。
 現在は該当スキルを使用することができません。
・CHUNITHM PARADISE LOSTまでのトランスフォーム対応キャラクター(専用スキル装備時に名前とグラフィックが変化していたキャラクター)は、
 RANK 15にすることで該当グラフィックを自由に選択可能となります。

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Illustrator:赤城あさひと


名前新井 桃子(あらい ももこ)
年齢年齢不詳
職業自宅警備員(元ネットアイドル)
趣味ネットサーフィン、オタ活
CV豊崎 愛生※デュエルで入手可能なシステムボイス

かつての超人気ネットアイドル。
新井 桃子【 通常 / 秋の温泉ぼっち旅
とある事情でアイドルを辞めて以降は悠々自適な引きこもり生活を送っている。

キャラがオタクということもあってかストーリーでは課題曲以上にネットスラングが多い。

システムボイス(CV:豊崎 愛生 / 「勝ったな、風呂入ってくる」」で入手)

システムボイス(CV:豊崎 愛生 / 「「勝ったな、風呂入ってくる」」で入手)

  • デュエル進行中(状況:オタ活)
    登場絶賛ニート活動中! 働いたら負けだ!
    攻撃おお……マジthx! 犯罪スレスレで竹不可避www
    おー! これこれ! うp乙!
    ……よし決まったな! 風呂だ! 風呂!
    撃破……命短し、推し押せ乙女。
    人生、そんなに必死になったって仕方がないっしょ。
    気楽にいこー
  • リザルト
    SSS(+)負ける気せぇへん。地元やし
    SS(+)ファーッww でもやっぱこれはきついww
    S(+)かぁ…ぐうヤバでしょ…wktk!
    A-AAAああ~! 可愛い! ドジっ子属性美味しいよ! hshs!
    B-BBBヒエッ!? 寝過ごしてもうた! なお、まにあわんもよう……
    Cじゃいかんのか?……うん、いかんでしょ!
    Dはぁ?……なにいってんだこいつ
  • その他(NEW~)
    マップ選択マップを選択しよーっと
    チケット選択チケットを選択しよーっと
    コース選択コースを選択しよーっと
    クラスエンブレム更新クラスエンブレムを更新とか……
    ソート変更○○順でソートでしょ! JK!
    クエストクリアクエストクリア!
    限界突破さあて今日もインしたお。
    好きなことを好きなだけやって、嫌なことはとことんしない!
    そう決めた!
    コンティニュー?コンティニューするンゴ?
    コンティニューよろしくニキー!
    終了シーユーネクストプレイ!

スキル

RANK獲得スキル
1天使の笑顔
5
10
15


天使の笑顔 [SUPPORT]

  • 演奏中一定時間毎にボーナスを得る(最初のノーツの判定から最後のノーツの判定まで、メトロノームの1拍目から2秒間隔)。ボーナスの合計値は曲の時間によって細かく変動するため、安定しない。とはいえ、演奏中常に保険をもらっているようなものなので、ゲージ4本クリア目的なら十分使っていける。
    +3ではボーナス53回(=1分46秒)、+5ではボーナス40回(=1分20秒)以上獲得することでゲージ5本に到達する。+5で長めの曲なら比較的安定して達成できるだろう。+6以上ならTitle(36回)でも5本可能だが、他の5本用スキルにした方が良い。
  • 筐体内の入手方法(2021/8/5時点):
    • 筐体内では入手できない。
  • AIRバージョンで仕様変更はされていない。所有者は増加した。
プレイ環境と最大GRADEの関係

プレイ環境と最大GRADEの関係

プレイ環境最大
開始時期ガチャ
PARADISE×
(2021/8/5~)
無し×
あり
PARADISE
(~2021/8/4)
無し
あり+8
CRYSTAL無し+3
あり+10
AMAZON無し+4
あり+10
STAR+以前
GRADE効果
参考理論値:93060(5本+13060/22k)[+3]
参考理論値:98280(5本+18280/22k)[+4]
参考理論値:110460(6本+8460/24k)[+8]
参考理論値:112200(6本+10200/24k)[+10]
[共通条件:絶対にチョコミントを食べる
アオイチャン[MASTER] ]
参考理論値Ω:93820(5本+13820/22k)[+3]
参考理論値Ω:99160(5本+19160/22k)[+4]
参考理論値Ω:111620(6本+9620/24k)[+8]
参考理論値Ω:113400(6本+11400/24k)[+10]
[共通条件:なるがちゃんなぎにいよいよ
えれー目にあわされる話]
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要
(2021/8/5以降では未登場)
初期値一定時間ごとにボーナス +200
+1〃 +260
+2〃 +320
+3〃 +380
+4〃 +440
+5〃 +500
+6〃 +560
+7+570
+8+580
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要
(PARADISE以降では未登場)
+9+590
+10+600

所有キャラ【 黒原 きずな / 天野 あい(1,5) / 愛野 ヒカリ(サ)(10) / 新井 桃子

GRADE・ゲージ本数ごとの必要時間(発動回数)

GRADE・ゲージ本数ごとの必要時間(発動回数)

  • 時間はメトロノームの1拍目が基準。1ノーツ目まで4秒以上ある場合は必要時間が増える。
  • 灰色の部分は到達不能。
  • 7本以上はGRADEを問わず到達不能。
    GRADE5本6本
    初期値3分20秒
    (100回)
    7分00秒
    (210回)
    +12分34秒
    (77回)
    5分24秒
    (162回)
    +22分06秒
    (63回)
    4分24秒
    (132回)
    +31分46秒
    (53回)
    3分42秒
    (111回)
    +41分32秒
    (46回)
    3分12秒
    (96回)
    +51分20秒
    (40回)
    2分48秒
    (84回)
    +61分12秒
    (36回)
    2分30秒
    (75回)
    +71分12秒
    (36回)
    2分28秒
    (74回)
    +81分10秒
    (35回)
    2分26秒
    (73回)
    +91分08秒
    (34回)
    2分24秒
    (72回)
    +101分08秒
    (34回)
    2分20秒
    (70回)

ランクテーブル

12345
スキルEp.1Ep.2Ep.3スキル
678910
Ep.4Ep.5Ep.6Ep.7スキル
1112131415
Ep.8Ep.9Ep.10Ep.11スキル
1617181920
 
2122232425
スキル
・・・50・・・・・・100
スキルスキル

STORY

ストーリーを展開

EPISODE1 新井桃子だお「私の名前は新井桃子だお。一応、元アイドルだけど今はアダチでダラダラしてるんだ。よろしくニキー」


 新井桃子は働かない。
 彼女はこの世で最も優雅で選ばれし民のみが名乗ることを許されている『自宅警備員』なのだ。またの名を『無職』という。

 桃子はアダチ区にある一軒家で両親と姉と一緒に暮らしているが、基本的に彼らとは食事やオヤツの時ぐらいにしか顔を合わせない。
 別に桃子は家族と仲が悪いわけではない。むしろ、どちらかと言えば仲は良い方だろう。
 ただ、単純に桃子が必要以上部屋から顔を出さないだけだ。

 桃子は毎日お日様が高く昇った後でベッドから起き上がり、月明かりの代わりにPCモニターの明かりに照らされながら、長い夜を1人楽しむ。

 今日もまた桃子はのっそりとベッドから身を起こすと飲みかけのコーラで口を湿らせ、床に転がっていたカップ麺に湯を入れ、PCモニターへと向かった。

 「……はぁ。大本の極辛カップめんおいしい。さあて今日もインしたお、よろしくニキー」

 桃子がお気に入りのネトゲの集会場で挨拶をすると、いつもの仲間たちがいつものように挨拶を返してくる。

 ……このように自堕落極まりない生活を送っている桃子だが、決して彼女は収入が無いわけではない。彼女にも一応人前で働いていた時期があったのだ。しかも超絶人気ネットアイドル『MMCO』として。
 アイドルをやっていた時期に歌っていた曲は桃子が自分で作詞作曲を行っていたため、その印税は未だに入ってくる。
 それに今でも頼まれてアイドルソングを提供することもある……とはいえ、こちらはあくまで桃子の気が乗ればの話だが。

 「……命短し、推し押せ乙女。人生、そんなに必死になったって仕方がないっしょ。気楽にいこー」

 ……こんな感じで、今日も桃子は全力で働かずに甘美なオタ活を送っていた。


EPISODE2 リア充は来世に任せた!「思えば私もアイドル時代は若かった……でも身バレして辞めて絶賛ニートオタ活中! 働いたら負けだ!」


 その日、桃子はたまたまネットのニュースで自分の名前を目撃した。

 「ファッ!? 『超人気ネットアイドルMMCOはどこに消えたのか?』……か、まだ覚えてる人がいるとは草。誰得だよ。この記事……」

 『MMCO』は桃子がネットアイドル時代の名前だ。一時は歌って踊れるガチオタアイドルとして、その筋の者たちから絶大な人気を集めていた桃子だったが……。

 「思えば私もアイドル時代は若かった……。いやー、アイ活は楽しかったけどさ、今考えると大分香ばしいこともしてたよね。私……」
 今でも桃子は十分若い。それに元から胸にしか肉がつかない体質なのか、自堕落の極みのような生活をしていても、スタイルはアイドル時代とさほど変わりないようだ。

 それでも桃子はもう二度と面倒くさいアイドルの世界に戻ろうとは考えていなかった。というのも、彼女がアイドルを辞めることになった1番の理由はしつこいストーカー被害に悩んでいたからだ。

 時にネットアイドルとファンとの距離は異常に近い場合がある。若かりし頃の桃子にとってはその距離感も心地よいものだったが、その中でとんでもない勘違いをする輩がいたのだ。

 「あの野郎、絶許顔見だ……まあ、リア友用の垢を分けておかなかった私もいけないんだけど」

 卑劣なストーカー野郎は、アイドル世界のことなど何もしらない桃子のリア友から巧みに、当時彼女が一人暮らしをしていたアパートを聞きだすと、桃子に対して粘着性の高い嫌がらせを始めた。

 結局ストーキング行為は桃子がアイドルを引退し、半ば夜逃げをするように実家に駆け込むまで続いた。

 「……ま、今の私にはそういうめんどいことは関係ないし。好きなことを好きなだけやって、嫌なことはとことんしない! そう決めた!」

 引退後の桃子はいわば人生の二週目である。ネットゲームやアニメ鑑賞など趣味をしながら、のんびり暮らせればそれで十分幸せなのだ。

 「……結婚とか、そういうのもめんどいし! 推しにお金使いたいし! リア充は来世の私に任せた!」

 ある意味、誰よりも自由で自分に素直に生きている桃子。
 今日は、そんな彼女の生活を少しだけ覗いてみよう。


EPISODE3 なにいってだ? こいつ「なーんか変なメールが届いたな。『アキハバラを中心に5つの聖地の歌姫たちが世界を導く』……はぁ?」


 ――AM 03:34。
 草木も眠る丑三つ時というやつだが、むしろ桃子にとってはこれぐらいの時間が一番頭が冴えている。

 モニターの向こうに座る友人も夜行性なのだろう。ずっと桃子と作業イプをしているが、一向に会話の回転率が下がる様子はない。

 桃子が友人と推しのアイドルやアニメの話題を楽しんでいると、彼女のメールボックスに着信の報せが届いた。

 「……ん? ちょい待ち。メールが届いた」
 「へ? こんな時間に?」

 超絶ニートな桃子ではあるが、メールは基本即チェックを心がけている。(即レスするかは、差出人によって変わる)
 そして今回もいつもと同じように、桃子は慣れた手順でメールを開封したのだが……。その内容を見て、思わず眉をひそめてしまった。
 「『オタクを救済する新たなる世界が間もなく生まれる。アキハバラを中心とした5つの聖地に現れる。DIVA(歌姫)たちがその世界を導くだろう。アダチの偶像(アイドル)よ。其方は選ばれたのだ。……感謝し、来たる時に備えるがよい』……はぁ?」

 新世界の到来を予言するメール。だが、それがいつやってくるのか? どうやって実現するのか? 詳しいことは何一つ書かれていない。

 「……なにいってだこいつ」

 桃子は念のため、謎のメールのアドレスを確認したがもちろん身に覚えはない。それどころかアドレスはでたらめな英数字を組み合わせただけの適当極まりないものだ。
 どう考えてもイタズラメールか、スパムメールなのだが、なぜだか桃子は小さな棘が刺さったかのような違和感を覚えた。

 「……ももこー? どったー? なんかトラブル?」
 「実は……」

 桃子はモニターの向こうの友人に、問題のメールのことを伝えた。

 「……ぷっ! なにそれ! 今時、新世界の神になる!? ってか? どー考えてもスパムでしょ! JK!」
 「……ですよねー」

 友人の言葉に桃子はもっともだと内心頷くと、謎のメールを迷惑メールボックスに放り込んだ。そしておかしなメールのことなど忘れて、それからしばらくの間、友人と作業イプを楽しんだのだった。


EPISODE4 イケブクロ=ファーww「スマイル動画で見た白目むいてWピース決めてるアイドル、ぐうヤバなのに凄いパフォーマンスw」


 ――AM 08:00。
 桃子にしては異例の早起き……ではもちろんなく、ようやく友人との作業イプを終えた桃子は、これから寝ようとしていたところだったのだ。

 「……でもおなへり。朝ごはん食べてから寝よーっと」

 桃子が一階の台所に下りると、彼女以外の家族はすでに仕事に出ていた。

 「うー、なんか食べるもの、食べるもの……できれば寝起きに胃がもたれないやつ……ん? これは?」

 なんとテーブルの上には母お手製のサンドイッチがラップされていた。
『桃子、あんまり夜遅くまで起きてるんじゃないよ』という母からのありがたいメモつきである。

 「おお……カアチャン、マジthx! しかもこれ、私の好きな具じゃん! いやー、持つべきはちゃんとした親だよねー」
 思わぬ収穫に機嫌を良くした桃子は、部屋に戻るとサンドイッチを片手にスマイル動画のタイムシフト予約を視聴しだす。

 「んふふー、確か昨日は、私の尊敬するドルオタの動画が上ってたはず」

 元アイドルの桃子、そしてアイドル活動で痛い目を見たはずの桃子だったが、意外にも彼女はまだアイドルの世界を嫌ってはいなかった。
 むしろ引退し、自身は一歩引いた立場になったことで、純粋にファンとしてアイドルたちを応援することができるようになったのだ。

 そして桃子は基本的に引きこもりのため、自分から所謂『追っかけ』的行動をすることはない。その代わりと言ってはなんだが、きちんとマナーを守りながらアイドルの追っかけをする動画主をチェックして彼らの動画を見ることで最新のアイドル活動を把握していた。

 「おー! これこれ! うp乙!」

 桃子は早速動画をチェックする。

 「なになに? 『今日は友人のブクロマッドポリスさんのおすすめ! イケブクロで今注目のアイドルのLIVEに来ています』……かぁ。wktk!」

 最近、女の子のオタクの街になったことで有名なイケブクロ。桃子はさぞや可憐で可愛らしい女の子なのだろうと思ったのだが……。

 「……なんじゃこりゃ」

 画面の中でLIVEをしているアイドルは確かに可憐で可愛らしいだろう。まともな状態であれば。しかし、妙に頬を上気させ、白目をむきながら釘だらけのギターを高速で掻き鳴らす姿は、どう見ても尋常ではない。

 しかもそのアイドルのMCは独特な言語センスをしているというか、はっきり言って意味不明だ。危ないオクスリを決めているようにしか見えない。

 「これ、ぐうヤバでしょ……ていうか、こんなの放送していいの?」

 口ではそう言いながらも、桃子はアイドルの圧倒的パフォーマンスから目が離せないでいた。

 狂気の宴のようなLIVEを見つつ、隣のPCでそのアイドルの情報を検索をしてみる。

 (……へえ、この子、本来はアキバのアイドルなんだ。……アキバにもこんなアイドルがいるんだ!)

 感心しながら引き続きLIVEを見ていると……ラスト、そのアイドルは白目剥き、痙攣しながらダブルピースをして、ステージに倒れ込んでしまった。

 あっという間の狂乱の宴に、桃子の胸は不思議な昂りを覚える。……だが……。

 (ファーッww でもやっぱこれはきついww)


EPISODE5 アキバ=hshs「アキバのアイドル……ユリアちゃんのこと?……ユリアちゃん可愛いよぉー! hshs!」


 ――PM 12:00。
 朝からへヴィなLIVE映像をキメた桃子は、それからベッドになだれ込むとダラダラと眠っていた。そしてお昼にむくりとベッドから起き出すと、渋い顔で飲みかけのコーラに手を伸ばす。

 「……なんか、変な夢を見た希ガス。新世界がどーだのこーだの……」

 悪夢の原因は恐らく朝方に届いたおかしなメールだろう。

 (迷惑メールなのは当確でございます……でもなーんか気になるんだよね……)

 桃子には暇な時間は売るほどある。彼女は大して期待しないまま、何となく謎のメールに書かれていた『5つの聖地』というポイントを調べることにしてみた。

 「……オタの聖地って言ったら、まずはアキバだよね……アキバのDIVA(歌姫)……アキバでドギツイアイドル……」

 その時、桃子の頭にひらめきが走る。

 「……アキバのアイドルっていったら、ユリアちゃんのことでしょ! JK!」

 『鬼蝮 ユリア』。彼女こそはオタク界のジャンヌダルクである。自身のファンを『愚民』と称し、自らを『女王』と名乗るユリアだったが、女王のマニフェストは極めて正当で誠実なものだった。
 ユリアはこの世界で何かと息苦しい思いをしないといけないオタクたちを導き、世界の全てをアキバ化することで、あらゆる差別や偏見をなくした平和な世界を実現させようとしていたのだ。

 その気高きオタマニフェスト。ユリアの慈悲深さは、元アイドルであり現ドルオタである桃子にとって、深く共感できるものだった。

 「……分かる。オタクは生き辛い世の中だもんね。みんなが理解しあえる世の中だったらいいのにって、私も思うわ」

 桃子は、それからしばらくスマイル動画にあげられていたユリアの動画を漁っていた。

 「……ああ~! ユリアちゃん可愛い! オオトリイをカナガワと勘違いしてるところとか、ドジっ子属性美味しいよ! hshs! アキバ帝国ばんざーい!」

 ……謎のメールの手がかりを得るはずが、すっかりユリアの愚民となってしまった桃子だった。


EPISODE6 ナカノ=ロリ……コン?「ナカノのアイドルって、このニコルちゃんって子? 可愛いけどこの年齢はアウトやろ! 通報しますた」


 ――PM 13:00。
 ユリアの動画ですっかり萌えをチャージできた桃子は、今度は『5つの聖地』の1つであろう『ナカノ』について調べることにした。

 「……アキバのDIVA(歌姫)がユリアちゃんだとすると、ナカノのDIVA(歌姫)もユリアちゃんに匹敵するパンチの効いたアイドルってこと?……でも、そんな子、ナカノに居たっけー?」

 アダチ区で優雅に引きこもり生活を続ける桃子にとって、ナカノ区はあまりにも遠い。

 だが、桃子は自分が現役アイドルだった時に『観音寺カメラ』というカメラ専門店が主催のイベントに何度か招かれたことがあったのを思い出した。

 「観音寺カメラ……ひたすら良質なカメラとパーツに拘る良店だったな……ナカノのカメコの聖地と言われてたもんね。あそこなら、また定期的にアイドルイベントをやってるかも?」

 そう思って調べてみると、見事に桃子の予想は的中した。
 観音寺カメラは、昔よりも一層アイドルイベントに力を入れているらしい。そして、そのイベントで主力級アイドルとされる女の子を見て、桃子は思わず絶句した。

 「……ナカノのアイドル……このニコルちゃんがそうなん? でもこれ、ジュニアアイドルの撮影会やんけ!」

 『観音寺ニコル』というアイドルは、所謂『合法ロリ』ではなく、どう見てもまだローティーンだった。

 「この子の撮影会に大行列とか……犯罪スレスレで竹不可避www可愛いけどこの年齢はアウトやろ! 通報しますた……マジで、大丈夫なん? お姉ちゃん、心配になってきたで……」

 自身も悪質なストーカー野郎に悩まされた桃子は、思わずニコルの身を案じた。しかし、彼女のアイドル活動の様子を収めた動画を見て、意見を180度変える。

 「……うん。この子は大丈夫だ」

 ニコルはアイドルの前に獣、そしてハンターの目をしていた。彼女に手を出そうとした者は、恐らく彼女と彼女の下僕たちに狩られることとなるだろう。

 「……とりあえず、ナカノのDIVA(歌姫)はニコルちゃんで決まりっぽいね!」


EPISODE7 シンコイワ=期待の新星「シンコイワのアイドルがチバをディスってる? チバじゃいかんのか? ……うんチバはいかんでしょ」


 ――PM 14:00。
 続いて桃子は『5つの聖地』の1つとされる『シンコイワ』について調べることにした。

 「……でも、ほんとーに申し訳ないけど、シンコイワにアイドルっているの? っていうか、シンコイワって何があるの?」

 引きこもりクイーンである桃子の頭の中に、華やかなシンコイワのイメージは皆無だった。

 「……何となく、酔っ払いが多いとか、ネガティブなイメージなんだよなー……まあいいや。とりあえず調べてみよう」

 すると『これか?』というアイドルがヒットした。

 「おおっ! マジでアイドルがいた! シンコイワに! あのシンコイワに!?」

 ……散々シンコイワをディスった桃子だったが、シンコイワのDIVA(歌姫)だと思われるアイドルのHPを見て、思わずドン引きする。

 「……この子、滅茶苦茶可愛いけど……若干? いや、大分? チバをディスってる?……なんかチバに恨みでもあんのかな?」

 しかもシンコイワのアイドルは、大分語り口が自虐的だ。彼女のことが気になった桃子はHPを隅から隅まで検索する。

 「おおー! この子ってユリアちゃんの妹なんだぁ! ぐう可愛だよねー! ……なんかチバのこと嫌いな感じだけど……チバじゃいかんのか?……うん、チバはいかんでしょ!」

 ……可愛い女の子にはとことん甘い桃子であった。


EPISODE8 シナガワ=別れのベル「陽キャの姉ニキがLIVEに誘ってくれたが……寝過ごした! なお、まにあわんもよう」


 ――PM 18:00。
 オタクたちを新世界に導くDIVA(歌姫)について調べている途中で、寝落ちしてしまった桃子が目を覚ました。

 「……うーん、今何時……? ……18:00? ……ヒエッ!? 寝過ごしてもうた!」

 実は今日、桃子は姉に誘われて、シナガワで開催される『津久井 シズノ』という鉄道アイドルのLIVEに参加する予定だったのだ。

 桃子の姉はアイドルに興味など1mmもない。それどころか、桃子とは違って漫画もアニメも一切読まないし、そんな暇があるならCLUBで踊るか、居酒屋で友人と酒を飲みに行きたいという超パリピだった。

 光と影。陽キャと陰キャ。性格は全く違う新井姉妹だったが、それでも姉は引きこもりで、滅多に家から出てこない妹を、心の底から心配していた。

 そこで姉は前から桃子が興味を持っていた、鉄道……特に京急線を異常に愛しているというアイドルの津久井シズノのLIVEをダシに、桃子を外に連れ出そうとしたのだ。

 だが、そんな姉の厚意をありがたいと思いつつも、桃子は乗り気ではなかった。

 (……姉ニキは陽キャだから、陰キャの私が『可哀想』とか思ってたり『外の方が楽しいことがたくさんある』とか思ってんだろうけど……私は好きで引きこもってんだよなー)

 ……とても悲しいことだが、そこには陽キャと陰キャの越えられない壁が立ちはだかっていた。

 そんなマイナス意識があったからだろうか? 見事に桃子は姉との約束の時間を寝過ごしてしまったのである。

 慌てて家を飛び出し、ニッポリまでやってきた桃子だったが……。

 「……LIVEには、なお、まにあわんもよう……。姉ニキに連絡しないと……まあしゃーない! しゃーない! せっかくここまで来たんだし、安い布買って、インドカレー食べて帰ろう! あと、姉ニキの好きなお菓子も買って、許してもらおう!」

 ……桃子は非常に諦めの良い性格だった。


EPISODE9 アダチ=……それって?「アダチのアイドル? 検索しても該当数0だけど。……ってことは、もしや、引退組の私のこと?」


 ――PM 20:00。
 久しぶりの外出で、カレーをお腹いっぱい食べてきた桃子は上機嫌で帰宅した。

 「カアチャンのカレーも美味しいけど、インドカレーはまた違った良さがあるよね……さてと」

 桃子は再びPCの前に座ると『5つの聖地』について調べ出した。

 「……変なメールに書かれていたポイントは、あと2つ……そのうちの1つがアダチか……ん? アダチ?」

 アダチは自分のホーム。いかに引きこもりの桃子と言えども、アダチで飛びぬけたアイドルがいれば、知っているはずだ。案の定、ネットの海に潜ってみても、アダチのアイドルで該当例は出てこない。

 その時、桃子の稲妻のようなひらめきが訪れた。

 「……もしかして、アダチのDIVA(歌姫)って……私のこと?」

 ネットアイドル時代の桃子の人気は大したものだった。それは客観的な事実だ。もしかしたらこのメールの送り主は、最初からDIVA(歌姫)に対してメッセージを発信していたのかもしれない。

 「まあ確かに一時代を築いたし、負ける気せぇへん。それにアダチは地元やし?」

 基本的に煽てに弱く調子のいい桃子は、思わずニヤニヤと笑みをこぼしてしまった。だが、すぐにある可能性に気がつく。

 「……でも、そうすると、このメールの送信者って、私の過去を知ってて、今住んでる場所もアダチだって知ってることになる……それに私の個人用のメアドまで」

 過去ストーカー被害に悩まされた桃子は、アイドルを引退し、アダチ区に引っ越しする際に、考えられるありとあらゆる手段で個人情報がバレないようにしたのだ。ストーカー被害がなくなった今でも、個人情報の取り扱いには気を配っている。

 「……もしかして、ネットのやべーやつ再び? マジでやめてくださいよ!」

 わざとおどけて独り言をつぶやいてみるが、桃子はすっかり怖くなってしまった。

 「……よし決まったな! 風呂だ! 風呂! こういう時は熱い湯船にざっぶーんだ!」

 こうして桃子は気分転換をするため、久々に自分で湯船を沸かそうとお風呂場へと向かった。


EPISODE10 パリピ襲来「カサイのアイドルを調べようとしたら、姉ニキからお小言が……ごめんて。でも私は陰キャなんだって」


 ――PM 23:00。
 長風呂から上がった桃子は濡れた髪の毛を乾かすこともなく、PCの前に座っていた。どうしても謎のメールのことが気になっていたからだ。

 「……『5つの聖地』のラストは『カサイ』か……。カサイのDIVA(歌姫)は……」

 意を決して調べようとした、その瞬間……。

 「桃子! この駄妹! 今すぐ下りてこい!」
 「げっ!? 姉ニキ!?」

 玄関が乱暴に開く音と共に、姉の怒声が家中に響き渡った。桃子に約束をすっぽかされた姉は、恐らくその後苛立ちを流すために居酒屋に入って強い酒を呷ったのだろう。今の姉の声は確実に酔っている。

 (姉ニキは、悪いヤツじゃない。ていうか、基本面倒見がいいヤツだ。でも……私とは考え方が違いすぎるんだって! あと、酔うと面倒くさい!)
 「桃子!」
 「あー! はいはい! 今、行きます!」

 普段なら酔った姉は無視する桃子だが、流石に今日ばかりはそういうわけにもいかなかった。姉がこうなった原因は確実に自分にあるからだ。

 渋々、桃子は階段下で仁王立ちする姉に頭を下げることにした。

 「……お姉ちゃん、今日はごめん」
 「ごめんで済むか! この駄妹!」

 最初は姉のお小言を大人しく聞いていた桃子だったが途中で我慢ができなくなってしまった。

 「……あー! もう! 姉ニキとテンション違うんだって。どうせ私は陰キャなんだから、放っておいてー!」
 「何訳のわかんねーこと言ってやがる! あたしは『ニキ』なんて名前じゃねーぞ!」
 「そういう意味じゃなく……!」

 ……こうして、新井姉妹の噛みあわない口喧嘩は、深夜まで続いたのだった。


EPISODE11 魔大陸アキハバラ・浮上「朝起きたらなんとンゴゴゴっとアキバが浮上!? 新世界到来? こマ? よし確かめに行くンゴ!」


 酔った姉を部屋に押し込み、無理やり寝かしつけた桃子は、ベッドに倒れ込むとそのまま泥のように眠りに就いた。
そして――AM 05:00。

 「な、なに!? 地震!?」

 桃子は強い揺れを感じて目を覚ました。

 「あわわわ! PC電源! それに、壊れやすいフィギュアは横にして!」

 慌てていてもオタクの鑑である桃子は、自分の身とお宝の避難をさせると、堅牢なPCデスクの下に潜り込んで身を潜めた。だが、やがて桃子は異変に気がつく。

 「……地震にしちゃ揺れがおかしい? ずっと小刻みに震えてる。それに……なんか、外が眩しいような?」

 桃子がそっと窓から外を伺ってみると、なんと自宅から離れた上空に大地が浮かんでいた。

 「ファッ!? こマ!? あ、あれってま、魔大陸!? それとも天空の城的なアレ!?……アキバの方面だよね?」

 こういう時に桃子が頼るのはSNSだ。スマホでトイッターやスマイル動画やヒューチューブをチェックしてみると、やはり話題はトウキョウの空に突如浮かび上がった大地のことで持ちきりだった。

 「『この地鳴りはいったい、何が起こったンゴ?』
『ひょっとして新大陸が浮上する?』
『ンゴゴゴゴゴゴゴっとアキバが空を飛んだ!?』
……か。やっぱり私の目がおかしいんじゃないンゴね」

 一階に下りると、両親が食い入るようにテレビの生中継を見ていた。その情報によると、やはりアキバは空に浮かび上がってしまったらしい。

 「……っていうか、姉ニキはこの騒ぎでも起きないのか……陽キャ、恐るべし!」

 どこまでもマイペースな姉を見ていると、不思議と桃子の気持ちは落ち着いてきた。

 「……よっしゃ! いっちょ行くンゴ!」

 桃子にはある確信があった。この騒動と、あの謎のメールは何らかの関係があるに違いない。
『オタクを救済する新たなる世界』……それがあの浮上したアキバであるなら、きっとそれを鎮められるのは、5つの聖地に現れるDIVA(歌姫)……即ち自分たちだけなのだ!

 「……いやー、元ネットアイドルで現ニートの私が、アキバを救うとか、大草原どころか、森不可避ですわww」

 ……桃子は自分を鼓舞するように笑うと、珍しく自主的に家から足を踏み出した。

 目指すは浮上した新大陸、オタクのシャングリラ・アキバだ!


チュウニズム大戦

レーベル難易度スコア
スキル名/効果/備考
♥グミンADV0 / 250 / 500
レーベルキャンセル(●◆ミス+)
次とその次のプレイヤーの●、◆の
COMBO/CHAINは、MISSとなる。
備考:●リレイ/◆ジェネ



■ 楽曲
┗ 全曲一覧( 1 / 2 / 3 ) / ジャンル別 / 追加日順 / 定数順 / Lv順
WORLD'S END
■ キャラクター
無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL / PARADISE
NEW / SUN / LUMINOUS
マップボーナス・限界突破
■ スキル
スキル比較
■ 称号・マップ
称号 / ネームプレート
マップ一覧


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