性質
バッカス
種類
土地/場所
現在の状態
保護
クラス
セーフ
記録者:
唐山上級研究員
措置
- 当該DCOの発生地は封鎖せよ。
- 事案番号605-S-5の関係者について、毎年7月11日にカウンセリングを受けさせよ。
概要
"挽歌劇"は月皇国関屋県井島市のサイト603跡地で発生する現象である。サイト605は2009年に発生したDCO実体の脱走事故及び爆発事故によって崩壊し、以降は機関保有の更地となっているが、当該DCOはその更地の中央で毎年7月11日午前10時13分*1に発生する。以下が発生するイベントのタイムテーブルである。
時刻 | 内容 |
---|---|
10:13 | 2体の霊的実体が現れる。双方とも仮面を付けており、一方は白衣を身に着け(以下"研究員"とする。)、もう一方は武装保護員の服装をしている(以下"武装保護員"とする。)。 |
10:13~15 | 両者は歩き回ったり、屈んだり銃を構えたり様々な動作をする。 |
10:16 | 黒いモヤのような霊的実体(以下"靄"とする。)が現れ、両者を襲う。"武装保護員"は抵抗する。 |
10:19 | "武装保護員"が重傷を負う。"研究員"に機関員証を手渡し、拳銃を抜いて"靄"に一発撃つと死亡する。 |
10:19~10:23 | "研究員"は逃げたり隠れたりするが、"靄"に追いつかれそうになる。 |
10:23 | "研究員"は地面に屈んで何かしらの動作をする。その後その場に座り込む。 |
10:24 | "靄"が迫るが、"研究員"が手を動かすと大きな爆発音が響き、"靄"と"研究員"は消える。 その場には上述の機関員証とSalix caprea(和名:バッコヤナギ)が1束残される。ただし機関員証は霊体であるため、その後数十分程度で消滅する。 |
劇の内容から上述事案の追悼を行っていると見られ、またその関係者に7月11日にサイト603跡地への訪問の意志を惹起する軽い精神影響現象を持つ。
事案番号602-De-5553
2021年7月11日、木田 勉下級研究員*2が当該DCOの発生時に敷地内に侵入し、霊体に対する殴打を試みた。接触時点で霊体は消滅し、イベントは終了した。以下に木田研究員に対する聞き取り調査の抜粋を掲載する。聴取者:丹波 巌調査官(以下丹波)
聴取対象:木田勉下級研究員(以下木田)
丹波:動機を答えてください。黙秘する権利はありますが、以降の監査で不利に働きかねませんよ。
木田:(沈黙している)
丹波:まあよいです。答える気がないというのなら―
木田:お前にはわからないだろう。
丹波:何と?
木田:お前らには俺の気持ちがわからないだろう、と言ったんだ。俺があの爆発事故の生き残りだってことは知っているだろう。
丹波:ええ。
木田:俺は幸い軽傷で、すぐ社会復帰できた。別のサイトで研究員としてずっとやってきた。実績を上げて、機関に多少なりとも貢献してきたんじゃないかと思う。
丹波:あなたが真摯に職務に励んできたことは把握しています。なら、その経歴を傷つけるような行動をなぜ取ったのですか。
木田:俺は忘れたいんだよ!「サイト605所属研修研究員の木田勉」は死んだんだ!だがあれは嫌でも毎年毎年思い出させてくる!
丹波:ですが―
木田:「追悼しろ」とでも言うんだろう。行方知れずになった上司を、バラバラになった同僚を思い出せと。悼むのはご立派な行為だが、個人の自由だ。忘れることは許されないのか?
丹波:聴取を一時中断します。
2022年7月11日に当該DCOでは既知のイベントが発生せず、紙片が現れたのみであった。紙片には次にように記されていた。
The pageant won't be played. We simply want you to pray.
2023年にイベントは発生していない。
閲覧者数 | ?人 |
---|
Tag: DCO
評価*3 |
---|