【SS】シャングリア内戦/ Road to pitch black

Last-modified: 2024-04-28 (日) 23:33:11

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キャッチコピー

乱世、再び。彼らは集う。

概要

現在進行形でお送りするシャングリア帝国の内戦。

登場人物

年齢は2023年時の年齢(満年齢)

シャングリア帝国

  • 諸星 彰(32)
    シャングリア帝国軍事隊司令官。
    帝王の死により彼は軍事隊を引退しようとするも、アマタに呼び止められる。
    ツルギと渋川の陰謀により内戦を起こされてしまう
    坂谷崩れにて妻の澪を失ってしまうが、それをキッカケに内戦を止める事を決意する
    昔の経験を根に持っており、それを活かして軍事隊を引っ張る
    マグマ湾海戦にて、戦艦ジェネレンの沈没に巻き込まれ、昏睡状態に陥る
  • 諸星 澪(享年33)
    シャングリア帝国軍事隊副司令官。
    彰の妻。内戦には否定的であった
    坂谷の戦いで戦死
  • 諸星 泰樹(12)
    彰の嫡男。
    ヤマタノミコトの脳出血の原因について自分なりに解釈するなど頭脳明晰。
    若き彼もシャングリアの動乱に巻き込まれる。
    ユートピア議事堂奪還作戦で初陣を飾る
    香澄のことを血は繋がっていないが「香澄姉さん」と呼んでいる
  • 神永 羅紗(?)
    彰や信たちの前に突然現れた謎の人物。
    一度彰たちを助けたりしたが、彼は味方か敵なのか…
  • 牛島 信(31)
    軍事隊副司令官であり彰のバディ的存在。
    彼とは仲が良いものの、衝突することも。そのため周りからは腐れ縁と言われている
    文官たちのことが嫌いでよく激昂しやすい。
    鳥綱橋の戦いで左目を失明する
  • 咲野 八重(26)
    軍事隊親衛隊長。
    彼女は今後のシャングリア帝国において期待を寄せられている。
    争いを避けようと奮闘するが…
    彰に想いを寄せている
  • [[夜嶋 湊]](?)
    突如アマタノミコト軍に加わった謎の兵士
    本人曰く、目的のためなら手段を選ばらない
    また、他人からの評価に対して全く興味がない模様
    坂谷タワー攻防戦にて、鳳城春輝の捕縛を依頼される
    そして難なく春輝を捕まえることに成功する
  • 夜嶋 杏奈?(23)
    軍事隊探題部長を務めている
    湊の一個上の姉
  • 道玄原 菜穂(21)
    軍事隊一般隊隊長。春輝とは同期。
    実は春輝に想いを寄せている
    敵方の春輝に助けられたことをきっかけに彼を救出させてほしいと訴える
  • 鳳城 春輝(21)
    一般隊員。菜穂とは同期。
    一般隊を裏切り、ツルギたちの軍につく。
    ツルギ軍とアマタノミコト軍の代表戦にツルギ軍側として出場。
    勝利するも、自分の立場に彷徨する
    そしてついには敵方の菜穂を助けてしまい、投獄される
    救出されたことで自分の生きる意味について考えるようになる。
    彼の生きる意味は「復讐」から「償い」へと変わった
  • 咲野 香澄(21)
    一般隊員。春輝とは幼馴染
    姉同様おおらかさとコミュ力を兼ね備えている
  • サイレント(23)
    新しくアマタノミコト軍に加入したスペーストリオのリーダー。
    自称冒険家。
    9.10の変できたもの達にも暖かく接する奴
    代表戦ではアマタノミコト軍側として出場
    敵ながらも、春輝とはよく話す
  • ベテルギウス(23)
    スペーストリオの1人。
    赤ヶ原の戦いでは先駆隊を務める
    さらに、窮地を脱するために獣道を通ることを提案させたことで赤ヶ原の戦いの勝利に貢献した
    代表戦ではサイレントを殺そうとする春輝を退かせた
  • リゲル(22)
    スペーストリオの1人。
    兵器を開発するのが得意
    彰の命で空爆機「震天」に乗り、ムーブタウンと坂谷を空爆させる
  • ヤマタノミコト(享年52)
    シャングリア帝国前帝王。
    落馬と脳出血の影響により崩御
  • ジャン・S・ミシェル(65)
    元ジェネレン共和国文官。
    今となっては喫茶店を営業している
  • 築山 誠一郎(37)
    アマタノミコトやツルギの親戚
    軍事隊の親衛隊の隊長を務めている
    後にモンテ帝国の帝王を務めることとなる
    8月上旬にモンテ帝国の開発のため、国を離れた
  • アマタノミコト(30)
    ヤマタノミコトの嫡男。
    ヤマタノミコトから後継宣言される。
    6月23日に即位する。
    弟が反逆を起こしたことにより、ショックを受けたが、
    討伐することを決意する
    最近自分の存在意義について考え始める
  • ツルギ(24)
    ヤマタノミコトの次男。
    文武両道で勇猛果敢。
    兄が後継されたことに納得がいかないようで…
    渋川と協力し、内乱を起こすことを決意する
  • 帰蝶(20)
    ツルギの妻であり、淳一の妹。
    政略結婚のもと、ツルギに嫁ぐことになった
    男勝りな性格
  • 渋川 以蔵(41)
    シャングリア帝国文官。
    異名は冷徹文官
    ツルギを唆して内乱を起こそうとするが、その真意は…
    自らの頭脳を駆使し、内戦の鍵を握る
  • 畑 淳一(27)
    ムーブタウン首相。第三勢力として雪月隊を利用し、宣戦布告した。
    さらには、臨時政権を立てた
    ツルギ達と不可侵条約を結んだが、立場は彼らの方が上だということが腑に落ちない

ロジリック連邦

  • ギュディルガー(40)
    ディベルダン帝国の首相であり、連邦のトップ
  • ルック・ゲンム(29)
    ブロード帝国首相
  • ニューデリー・タム(31)
    アムス王国大統領
  • ビルス・カパ(50)
    ニュードロック国首相
  • サイダス・レナ(27)
    トルマ王国の女王
  • ギャレン・ツバキ(36)
    ロジリック連邦最高軍隊長

時系列

年月日出来事
2023年6月20日ヤマタノミコトが倒れる*1
6月22日ヤマタノミコト崩御。享年52
6月23日アマタノミコトが即位する
6月28日ユートピア事変発生。内戦が勃発する
7月4日ユートピア議事堂奪還作戦にて、彰たちの軍が議事堂を反乱軍から奪還する
7月7日鳥綱橋の戦い(彰vs雪月隊)。彰達が勝利
7月11日黒川坂合戦(アマタノミコトvsツルギ)。アマタノミコト軍の勝利
7月28日~7月29日坂谷崩れ。諸星澪を失い、ツルギたちの勝利
8月13日ジェネレン地方で畑淳一をトップとした臨時政権が生まれる
8月24日ジェネレン臨時政府とツルギ達が不可侵条約を結ぶ
8月28日~8月29日赤ヶ原の戦い。アマタノミコト軍の勝利
9月7日ロジリック連邦にてツルギ軍と連邦首脳で会談が行われる(9月会談)
9月10日9.10の変。ツルギ軍の48人がアマタノミコト軍に寝返る
9月14日軍事隊法度次第と呼ばれる法律が出される
9月17日彰達の空爆機「震天」が坂谷とムーブタウンを空爆させる*2
9月24日坂谷タワーにて代表戦が行われる。ツルギ軍の勝利
9月30日~10月1日坂谷タワー攻防戦。坂谷タワーが陥落し、アマタノミコトの手に渡る
12月10日マグマ湾海戦。アマタノミコト軍の勝利。
12月17日ロジリック連邦によるエスパー狩りの開始

用語解説

  • 軍事隊(ぐんじたい)
    シャングリア帝国の軍事を担っている存在。
    軍事隊構成は総司令官。それを支える副司令官(二人)。その下に軍事隊長、一般隊となっている。
    総数は5000000人である。
    • 軍事隊の中には主に戦争での防衛、攻撃を担う総軍、総軍を支える親衛隊、軍事隊内部を担う探題部に分かれている。*3
  • 文政官衆(ぶんせいかんしゅう)
    シャングリア帝国の政(まつりごと)、学問について担っている存在。
    通称文官。地位的なものはないものの、渋川みたいにトップがいることも
  • 雪月隊(せつげつたい)
    ムーブタウンの人々が結成した軍隊。総勢4万人。
    トップは首相の畑淳一?
  • 負のエネルギー
    人間の負の感情から主に生まれるエネルギー。
  • 正のエネルギー
    負のエネルギーと対となるエネルギー。主な源は喜び、嬉しみ、楽しみなど。負のエネルギーを相殺する能力を持つ
    負のエネルギーよりも扱いが難しい
  • 治癒エネルギー
    正のエネルギーと正のエネルギーを掛け合わせることによってできる体を再生する仮想のエネルギー。
    ちなみに上記三つのエネルギーは脳が発生源となる
    強大なエネルギーを放つために正×正をしようとすると生まれることが多い*4
  • マグマ湾
    アマンテラ大陸の北に位置する湾。希少的な暖流の影響で一年中水温が高いため冬でも水温が30℃程であり、海水浴が可能。
    だが、天気が変わりやすく、しばしば台風もできたりする

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コメント

  • ? -- マグローン 2023-12-03 (日) 14:19:54
  • 評価投票、パクってもよろしいですかね -- 超合金のスープ 2023-12-17 (日) 09:44:27
  • いいですよ -- マグローン 2023-12-17 (日) 10:42:38
  • 過去ログしか見てないけど面白い -- COBALT BLUE? 2024-01-14 (日) 17:30:28
  • それはどうもありがとうございます!! -- マグローン 2024-01-14 (日) 17:32:01
  • 面白いなり。個人的には次回予告などもつけてワクワクさせてほしいなり -- をつみ 2024-01-28 (日) 17:15:29
  • 次回予告は毎回つけてるのでご安心を -- マグローン 2024-01-28 (日) 17:38:34
  • そうだったなり。申し訳ないなり -- をつみ 2024-01-28 (日) 18:25:45
  • このSSには「誰かの心臓になれたなら」って曲が合いそうですね…。(独り言です。気にしないで) -- B1FC9170-D6F9-4C0B-B4A4-9286D79A90B4.pngコンバットフレーム 2024-02-01 (木) 07:37:58
  • とても面白い……こんな文章力が俺にもあれば…… -- アレン 2024-02-10 (土) 22:40:00

来訪者数

今日?
昨日?
合計?

記録

2023年8月28日。1000人突破
2023年9月27日。2000人突破
2023年11月8日。3000人突破
2023年12月17日。4000人突破
2024年1月3日。人気100に載る
2024年1月18日。5000人突破
2024年2月24日。6000人突破
2024年4月20日。7000人突破

目指せ8000人

お知らせ(4/28更新)

なんか戦争系SSなのに、バトル系になっている件について。
この構想自体は前から決めてあったのですが、今後の展開において重要な場面となります。
どうかご理解よろしくお願いします

プロローグ「崩落」

物語は帝王の死から始まる

2023年6月20日。ヤマタノミコトに死が迫っている

ヤマタノミコトは夢で自分が死んで、自分の葬列の夢を見ていた
ヤマタノミコト「うぁーっ!はっ、はっ、夢か…」
ヤマタノミコトは自分の絶叫で目覚めた

彰「お呼びでしょうか」
ヤマタノミコト「毎日同じ夢を見る。自分が死ぬ夢だ。昨日も、一昨日も…」
その瞬間、ヤマタノミコトだけに風鈴の音が鳴り響く
彰「どうなされましたか?」

不安に思ったヤマタノミコトは占い師に相談する

占い師「帝王様を占うなんて光栄です」
ヤマタノミコト「早くしてくれ、私はまだ死にたくない」
占い師はヤマタノミコトを占った
占い師「残念ながら、あなたの寿命はそう長くないようです。しかし悔いのない最期を迎えることができるでしょう」
ヤマタノミコトは占い師に寿命を聞こうとしたが占い師は答えてくれなかった

その帰りにて

ヤマタノミコト「なぁ諸星」
彰「なんでしょう」
ヤマタノミコト「藤早、薮最、高津…みんないなくなってしまったな。
彰「何を…」
冗談げに言った
ヤマタノミコト「そうかもな」

その夕方、ヤマタノミコトはアマタを呼び出した

アマタ「父上、こんな夕方にどうしたんですか?」
ヤマタノミコト「…今後のシャングリアはお前に継がせようと思っている
アマタは困惑した
ヤマタノミコト「…そうだよな、まだ早すぎた」
その様子をツルギは見ていた

彰は信達にある相談をしていた

信「それで帝王様のこの先が不安だと」
彰「絶対争いが起きる。今、シャングリアの大体の文官はツルギ様を推している」
澪「それで戦が起こる可能性があるってことね…」
信「まぁ様子見ればいいんじゃないですか?」

その後彰はヤマタノミコトに呼び出された

ヤマタノミコト「少し付き合って欲しくてな」
ヤマタノミコトは馬に乗っていた
彰「そういや、なぜ帝王様は乗馬が好きなのですか?」
ヤマタノミコト「昔から好きでな」
苦笑いする
ヤマタノミコト「そういえばユートピア革命時…

ヤマタノミコトにあの風鈴の音が響き渡る
ヤマタノミコトにめまいが襲いかかる
彰「どうされました?」
そのままヤマタノミコトは落馬して倒れる
彰「帝王様!?」
彰はそのまま駆け寄る
しかしヤマタノミコトは呼応しない
彰「帝王様!帝王様!帝王様ーー!!」


つづく

本編

前編

EP1~15はここから

後編

※EP16~22,特別編1はこちらから
シャングリア内戦/後編用過去ログ①
※EP23~26,特別編2はこちらから
シャングリア内戦/後編用過去ログ②
※EP27~31はこちらから
シャングリア内戦/後編用過去ログ③

完結編

EP32「9月会談」

12月17日。深夜。未知の戦艦の知らせをアマタノミコト達は灯台の管理人から受けた
アマタノミコト「…ツルギ軍は隠しの戦艦を持っていたのか?」
信「しかし噂によると、戦艦に書かれてあった旗を見るとこの国の国旗ではなかったと
八重「ならば…どこの国でしょう」
杏奈「勝手に我々の戦争に介入するとは…」
すると急ぎ足で伝令がやってきた
伝令「大変です!灯台の管理人から聞いたのですが、他国が我が領土に上陸したあと、国民を拉致して居る模様!」
その場にいた全員は驚愕した
信「何が起きている…」

時は、2023年の9月に遡る
丁度、9.10の変が起こっていた時期でもあった
大東洋の上をジェット機が飛んでいる
操縦士「まもなく、ロジリック連邦に到着いたします」
ジェット機に乗っていたのは渋川であった
渋川「…ご苦労であった」
9月6日。午前10時45分。ロジリック連邦の首国*5のディベルダン第一空港に渋川を乗せたジェット機が着陸した
滑走路には連邦のトップ・ギュディルガーが出迎えていた
ギュディルガー「ようこそ。我が連邦へ」
渋川「こちらこそ。今日はよろしくお願いします」
固い握手を交わした
渋川はギュディルガーの車に乗り、ディベルダン帝国の議事堂に移動した
渋川「わざわざここまでの配慮ありがとうございます」
ギュディルガー「さぁ本題に入りましょう」

議事堂の会議室にはギュディルガーの他に連邦を構成している国々の首脳が集まっていた
ルック・ゲンム*6「現在貴国は内戦で忙しいと聞いております」
ニューデリー・タム*7「貴方達ツルギ軍は我が力を借りるために来たと聞いております」
ビルス・カパ*8「なぜ我が力を借りようと思ったのですか?」
唐突に質問攻めされるも、渋川は相槌を打つ
渋川「1から説明しましょうか。この内戦は新時代の台風の目に過ぎないと思っております」
ギュディルガー「…なぜそう思われるのですか?貴国は建国してから約30年しか経っておりませんが」
渋川「時代の変革に年数など関係ありません。再び帝政に戻ったことにより、権力の均衡が一つに集中しました。しかしそれでは濫用される恐れがあるのです。分散させることでそれを防ぐことができるのです。もう私の言いたいことがわかるでしょう」
察したのか会議室にいたものは沈黙した
ギュディルガー「…つまり我々はそれの手伝い役か」
渋川「その通り。そしてもう一つ貴方達にはしてもらいたいことがあります
渋川はゲンムの方を向く

ゲンム「実は…渋川様が来国する前に聞いたのですが、正のエネルギー・負のエネルギー(謎の力)とやらを操る輩がいると聞いておりまして」
渋川「そう。それらの人間はごく僅かですがね。エネルギーを操るとならば彼らの人間の構造を知る必要があります。もしかしたら我々も努力次第でそうなれる可能性もあります。エネルギーを操ることは今後の国において重要となります」
サイダス・レナ*9「もし超能力を一次エネルギー、二次エネルギーに変換することができるならば、それは貴重な資源になるでしょう。と言うことですよね」
渋川の計画とレナの発言に一同が感心している中、ギュディルガーはあることに気づく
ギュディルガー「まさか…我々のもう一つの役割はエネルギーの研究の為のシャングリア帝国の国民の拉致か⁉︎
渋川「…と言ってもエネルギーを操れる国民だけですけどね。でもそれはわからないもんですから、無差別に拉致してもらっても問題はありません」
無差別拉致という言葉に一同はさらにざわついた
ギュディルガー「…大体わかった。決行はいつがよろしいのか」
渋川「遅くても12月ですね。いつでも輩は集まってますが、できれば我々が戦を起こしてないタイミングがいいです」

ギュディルガーは電話で人を呼んだ。数分後に会議室に入ってきたのは
「連邦最高軍隊長。ギャレン・ツバキにございます」
渋川「よろしくお願い致します。予定とかは貴方に言えばいいのですね?」
ツバキは咳払いをすると
「貴方達に協力することには賛成なのですが、我が国と貴国には国際条約*10がありますがそれに関してはどうかと」
タム「(それ私が言いたかったやつ…)」
渋川「今私の国はアマタノミコト軍、ツルギ軍、畑淳一によるジェネレン臨時政府と三つに分かれております。一つになっていない国に国際条約(そんなもの)など通用しませんから」
彼の衝撃的な発言にツバキひ一瞬慄くが
ツバキ「12月だとは聞いたのですが、どのくらいの兵力を投入して欲しいでしょうか?」
渋川「……最低でも2万人程度、国民を拉致するから戦艦で来てくれると嬉しいですね」
ツバキ「…無償でか?」
渋川「いや、貴方達が欲しい対価があれば払いますよ」
さっきからの上からな態度にツバキは腑が落ちない

渋川「納得がいきませんか?」
図星をつかれたのか、目を丸くする
渋川「…見てみます?我が国のイレギュラーさを
そういうと会議室を出て行った
渋川が部屋を出て行った後、リラックスした雰囲気になった
カパ「怖すぎませんか?あの渋川というやつ」
レナ「要点はそこではないと思いますよ。今回のエネルギーの話は特に。もし成功すればどのくらいの問題が万事解決されることでしょう」
ギュディルガー「まぁな。それにしても渋川は何をしようとして居るのか…」

10分後
渋川「準備ができましたので、みなさん頭を下げてください
一同は何をするのかわからないまま頭を下げた次の瞬間
流斬
バシュッ
突然会議室の天井近くを斬撃が走る
ギュディルガー「なんだ今のは⁉︎」
渋川「…まだ足りませんか?ならばこのガスマスクをつけてください」
言われるがままに装着する
すると会議室に黒煙が充満し始めた
レナ「有毒ガス…?いやそれよりも真っ暗!」
神永*11「ジャドウミスト」
しばらくすると黒煙も消え去った
驚きのあまり固まってしまってる者もいた
ゲンム「す…すごいものだが、こんなものが本当に資源になるのか?」
タム「だから変換する必要があるんでしょ。どういう方法かは知らんが」
渋川「変換する方法については現在研究中でございますので気長にお待ちください」
するとツバキが立ち上がり
ツバキ「ならばこちらからも試してもらっても良いか?」
渋川「別にいいですよ?」
許可を取ったのを確認した後ツバキは40人ぐらいの兵を呼んだ
ツバキ「この者達が我々の護衛をする。これから超能力とやらを持っている者が我々の元に辿りついてもらう。そのためにはこの護衛達を通過するのが不可欠。あとはもう察せるでしょう」
そして護衛兵に渡り廊下などの部屋の配置の指示を出す
ギュディルガー「まさか…この40人は…」
ツバキ「ええ。連邦軍隊の中でもトップクラスの実力を持ち、10年間過酷な訓練を乗り越えてきた最高の軍隊・Xチームでございます。この40人が、超能力人間の行動を阻止して見せます!」

レナ「本当に大丈夫なんですか?斬撃や黒煙を出してくる相手に対して…」
ツバキ「何を言っている。危害は加えないように指示したと渋川様は言ったそうだ。やりすぎない程度にやればよ…」
話していたその時ー
「グワッ」
「ギャッ」
隣の廊下から断末魔が聞こえる
ツバキ「おいどうした、何があった」
会議室を出て、廊下を見た先は兵士達が倒れていた
兵士達の倒れている先には白髪の男が立っていた
ツバキ「お前が…?」
神永「弱いものいじめは、存外楽しいものだな」
兵士をよく見ると少し斬られた跡がある
神永「ん?安心しろ。殺さない程度に斬っておいた」
ツバキは衝撃的な光景を見て絶句する
渋川「納得いただけましたか?」
後ろから済ました顔をした渋川がやってきた
ツバキが渋川の方を向いたと同時に神永は倒れている兵士達を治した*12
ツバキ「これは…どういうことだ?」
渋川「まだわからないのですか?ここにいる兵士達は皆あの男にやられたのです」
最高の軍隊でも超能力を持つものには所詮歯が立たないとツバキは目に焼き付けられた
渋川「話を詰めましょうか。会議室に戻りましょう」
失意の顔をしたままツバキは会議室に戻った

会議室に入ってきたツバキの顔を見て一同も様子を理解した
ギュディルガー「では、12月に我々は戦艦を用いて貴国の国民を拉致、貴軍を援助する」
渋川「拉致する時には麻酔銃を忘れないようにお願いいたします」
一同も首を縦に振り、了承した
レナ「では最後に、何か作戦名はありますか?」
渋川「…エスパー狩りとでもにしますか?」
ギュディルガー「…それでいい」
こうしてその日のうちに会談は終わった
ロジリック連邦の各々は会議室を出ていき、渋川1人になった

渋川「ふー疲れた」
神永「エスパー狩りか。お前らしくないんじゃないのか?」
渋川「お前もわかってるだろ?私が話したことはこの国の人たちを口説くための言い訳に過ぎないのだから
そう言う渋川を神永は微笑する
神永「面白いな。なぜお前みたいな奴が文官を務められるのがわからん」
渋川「皮肉か?それ、大勢の前でも言えるか?」
神永「それは自分次第だな」
すると小さな黒煙を巻いてふっと消えた
渋川「相変わらずな奴だ」

会議室を出た渡り廊下にてギュディルガー達が話している
ギュディルガー「本当にうまくいくのか?想像以上の抵抗が入るのではないのか?」
ゲンム「それは能力を持っていた人間の場合でしょう?ただの国民であればすぐに拉致できるでしょう」
タム「全部が全部そうであればいいんですけどね…」
レナ「とにかく、今回の作戦は今後の世界の情勢*13に大きく影響を与える可能性があります!世界に追いつくためにもこの作戦を遂行させましょう!」
奮い立たせようとするがイマイチだ
ギュディルガー「そうだな。我々連邦の力を合わせていこうではないか」
ゲンム達も少し奮い立った
力強い足音が廊下に響く


渋川の巧みな説得は国を超えてまでさせた
彼の企む策謀に国境はないのだろうか
かくして、アマンテラ大陸に上陸したのはー


つづく


次回予告
タム「てか、エスパーって英語だけどどう言う意味なんだ?」
ゲンム「extrasensory perception(超能力)の頭文字のESPをとって行為者を表す意味のerをつけてesper・常人にはない能力を持つ人間。と言う意味だそうだ」
レナ「エスパーって略称だったんですね」
ギュディルガー「次回、侵す。ワイシャツはホワイトシャツの略称らしいぞ」
タム「じゃあホワイトシャツでよくないですか?」

EP33「侵す」

時は12月17日の深夜に戻る
午前0時24分。ユートピア議事堂の近くの臨時病院にある要患者室にて…
彰は約1週間ほど昏睡状態に陥っていた。しかしー
部屋の光が彰の目を眩しく照らす
彰「う…ん?明か…り…?ここ…は…」
弱々しく声を出しながら彼はついに目を覚ました
そこに病室を回っていた看護師に気づかれる
看護師「…!!ちょっと待っててください総司令官!」
看護師は急いでアマタノミコト達に連絡をした

数分後
アマタノミコト「諸星!」
彰「…ん?てい…お…うさまで…しょう…か?」
意識が朦朧としているも、アマタノコトの姿は見えていた
アマタノミコト「よかった…意識を取り戻したのか!」
信「先輩、無茶しすぎですよっ!」
彰「はは…そりゃ…そうか…もな」
和気藹々と喜びあってる中
ガシッ
1人が彰の布団に抱きつく
八重「本当に…よかった!うぅ…」
大量の涙を流しながら彰に抱きつく
信「ズズッまさか先輩で泣かされる日が来るなんて😭」
彰「おま…えそれ…ばかに…してるだ…ろ」
すると要患者室に伝令がやってきた
伝令「帝王様!ユートピア港の灯台の管理人から、沿岸に謎の艦隊が佇んでいるとの情報が入りました!」
アマタノミコト「…艦隊?」


停戦条約を結び、穏やかさに包まれたシャングリア帝国に荒波が襲いかかる
国をも動かした渋川の策略かかった者たち
渋川の真意とはー


午前0時27分。ユートピア港
国民「なんかあの艦隊こっちに向かってきてね!?逃げるぞ!」
灯台から非常事態サイレンが鳴った
鳴ったことで寝ていた国民も事の事態に気付いた
艦隊が港の船乗り場に着いたあと、多数の兵が押し寄せ始めた
管理人「くそっ、家の中に隠れろ!」
そして管理人は議事堂に連絡を出した

ドンッ
ロジリック連邦の兵は無理やりドアを突き破って家に侵入してきた
国民「え、嘘だろ…」
トスッ
麻酔銃を刺され、国民は気絶した
事の詳細も掴めないまま気絶する国民もしばしばあった
ある所では超能力を持っていた国民が抵抗していた
エスパー国民「クソッ、この能力はいらないと思っていたがまさかここで役立つとはな」
付近を爆破させ、兵を負傷させる
爆破で気絶した兵の胸ぐらを掴むと
エスパー国民「なんだこの兵…この国の兵じゃない」
軍服の肩には薄くロジリック連邦の国旗が貼ってあった

0時32分。緊急でユートピア議事堂にて会議が行われた
アマタノミコト「ツルギ軍は隠し戦艦でも持っていていたのか?」
だが、この国の国旗ではないと言う噂が管理人から届いている
信「だとしたらどこの国なんだ…」
伝令「帝王様!新たに情報が入りました!上陸をした他国の軍勢が国民を拉致している模様!」
アマタノミコト「何がどうなっている…?とりあえず、我々も港に軍勢を向かわせよう!」

0時41分。ユートピア港
ギュディルガー「お疲れ様。ツバキ連邦指揮官」
たくさんの国民を乗せたトラックを連れながらツバキがやってきた
トラックにはざっと120人ほどの国民が乗せられている
ツバキは大きなあくびをし
ツバキ「疲れるもんですよ。夜中の作業は」
ゲンム「というか港町にはそこまで人々はいないんですね」
レナ「やはり市街地に避難所があって集中してるのですね」
タム「一度退いて体制を整えましょう」

18日午前9時
アマタノミコト率いる2万5000人の兵が港に到着した
信「ひどいですね…銃弾の跡があります」
八重「ドアなどは突き破られたようですね…」
アマタノミコト「どこの国の奴らだ…?」
すると兵士が落としたであろう国旗の旗が落ちていた
それを見つけたアマタノミコトは拾う
その旗の中央には鳥の翼の模様が描かれてあった
アマタノミコト「…これは、ロジリック連邦の国旗⁉︎」
八重「ちょっと待ってください!ロジリック連邦がツルギ軍についたと言うことですか⁉︎」
混乱に陥る中、砲撃音がアマタノミコトたちの耳に入った
信「もう攻撃を仕掛けてきたか」
アマタノミコト「反撃の準備として、砲台の用意をしろ!」

ギュディルガー「やはり予想通り、現れたか」
ゲンム「我々の狩りを邪魔するのであれば消えてもらおう!!」
複数の艦隊から連続で砲弾が発射される
アマタノミコト「狼狽えるな。こちらも続けて撃て!そして牛島は小型空爆機の出撃要請を頼む!」
信「承知いたしました!」
海岸に設置されているD29砲台に砲弾を入れ、火薬をつける
八重「放て!」

渋川「始まったな」
ロジリック連邦からの連絡を受けてそう呟く
ツルギ「どう言うことだ。渋川」
もちろん、ツルギ達は何も知らない
渋川「9月の上旬いなかったでしょう、私はロジリック連邦に力をに行ってたのです」
ツルギ「!!秘密とはこのことだったのか!」
驚愕のあまり口に手を押さえる
ツルギ「だがどうやって何を動かしたのだ?」
渋川「まぁ…エスパー狩りという理由で説得しましたけどね」
そして渋川はエスパー狩りの詳細を話した
渋川「でも、それは本当の理由じゃないですよ」
ツルギ「?」
渋川「内戦が終結すれば、きっとロジリック連邦が力を強めるはずです。きっと我らのこれからの脅威となりましょう。だから今のうちに戦力を削いでおくのです
衝撃的な発言にツルギは息を呑む
ツルギ「お前…すごいなとしか言いようがないぞ」
渋川「そこまで考えておかなければあなたの未来が危うくなるでしょうし…」

午前9時34分。港では激しい砲撃戦が繰り広げられていた
その頃、ユートピア議事堂では
菜穂「ツルギ軍とロジリック連邦が手を組んだことにより、ツルギ軍からも攻撃を仕掛けられる可能性があります」
杏奈「そこでここにいる私たちはツルギ軍からの侵攻を阻止させましょう!」
議事堂にはいつものスペーストリオ*14や春輝、湊なども集っている
一般隊員達「応!」
菜穂「それでは、我々はマジベジスの少し南にある都市、タルダムシティに向かいます!」
一般隊員達は各自兵器を揃えた
タルダムシティまでは約90kmある。そこまで菜穂率いる3万6000人は小型戦車などで移動する
サイレント「なぁなぁ、他の国が介入してる時点でもう内戦じゃなくね」
ベテルギウス「ツルギ軍がなぜ力を借りようとしたのかは知らんが、いよいよ追い詰められてきたな」
春輝「マイナスなことばっか言うなよ。ここから這い上がってやろうぜ。俺たちは諦めが悪いってことを」
その一言でそれを聞いていた兵士達も感嘆した

18日正午。菜穂の軍はタルダムシティに到着した
そして各々兵器の動作確認をしたあと、砲台などを設置したりした
菜穂「準備してる間に来なければいいのだけど…」
湊「大丈夫でしょう。兵器は今のところ異常なしだし」
春輝もその通りだと相槌を打つ
菜穂はほっと安堵し、胸を下ろした
しかし次の瞬間

キュッ
湊は一瞬で菜穂の首を絞めた
菜穂は意識を失い、倒れた
春輝「…湊⁉︎」
湊は春輝の方を振り向き
湊「いつ明かそうか迷っていたが…情勢も情勢だ。ヒヒッ」
それは湊ではない聞き覚えのある声
ケヒッという特徴的な笑い声
春輝「…お前、まさか!!」


つづく


次回予告
サイレント「人を騙すという行為は悪いというが、人を傷つけたくないから騙すのと、ただ単に騙したいから騙すのがあると俺は思う」
サイレント「後者は言うまでもないが、前者は難しいよな。傷つけないように騙したつもりでもそれがバレた時、逆に傷つけてしまうからな」
サイレント「次回、冒す。ほーんと、人間関係は難しいよね」

EP34「冒す」

2023年9月10日
それは、9.10の変が起こる直前のことー
ツルギ軍兵士1「よし、準備はいいか?」
湊「俺は大丈夫だ」
ツルギ軍兵士2「おう、忘れ物は絶対にゼロだ」
夜中、バールを使い、坂谷タワーの牢から脱出した兵士たち
目指すはユートピアシティ議事堂。アマタノミコト軍の本拠地だ
一つしかない懐中電灯を頼りに進んでいく
湊「…めちゃくちゃ暗いな」
すると物陰から
神永「ヒヒッ、いい奴がいるな」
湊「誰だっ」
次の瞬間、湊は急所を打ち込まれ、気絶した
神永「少し、いやだいぶ利用させてもらうぞ
ズズズ

ツルギ軍兵士3「おい湊!どこ行ってたんだよ!」
湊「……ああ、大丈夫だよ」
しかしその笑顔はもう湊の笑顔ではなかった
そして俺は騙し続けた、今日まで…



春輝「お前…まさか!」
神永「…ヒヒッ、声だけでわかるなんてすごいねぇ」
その顔はすでに今までの湊の顔ではなく、神永の顔だった
春輝「(どう言うことだ?湊と神永は同一人物だったのか?)」
しかし彼のその考えは次の行動で消滅する
ズズズ
突如、湊の体から神永本体が出てきた
春輝「…は?」
神永「わかんねぇのか?ずっとこいつに憑依してきてたんだよ」
平然と言っている神永に春輝は怒りが湧き上がる
春輝「…罪もないやつに憑依して…何がしてぇんだよ」
それに対し神永はお前たちの軍への潜入のためだったと伝えた
神永「だが明かした以上、夜嶋湊(この体)は用済みだ。好きにしろ」
春輝の方に湊の体を投げつける
湊はすでに意識を失っているようだ
春輝「そういうことじゃねぇだろ!」
勢いよく神永に殴りかかった

ほぼ同時刻、ユートピア港沿岸…
ギュディルガー「相手もなかなかやりおる…」
両軍どちらもダメージが蓄積されていっている
レナ「このままでは泥試合に進むだけです!超強化爆弾JG-70を放ちましょう!」
ツバキ「今回その爆弾は一発しか持ってきてない。放ったらそれっきりだ。失敗は許されない」
爆弾を発射するため、ロジリック連邦の戦艦は砲撃を停止した
その異変にアマタノミコトたちは違和感を覚えた
八重「変ですね」
アマタノミコト「なにかあるとくるのがバレバレだ。一度退くフリをして小型空爆機を呼んでくれ」
信「承知しいたしました」

18日午後1時14分。小型空爆機二機が港に到着した
八重「ロジリック連邦の艦隊に接触し、砲撃の妨害をせよ」
操縦兵「かしこまりました」
タム「もう準備は完了しました。いつでも撃てます」
すると上空に雑音が聞こえる
空を見上げるとアマタノミコト軍であろう空爆機が飛んでいた
ゲンム「なんだあれは。撃ってこないのに何をしているのだろうか?」
そう言った途端、小型爆弾が艦隊めがけて落ちてきた
ギュディルガー「チッ、避けろ!」

神永「威力はまぁまぁだな」
春輝が出してきた拳を受け止める
倒れている菜穂や湊に配慮してか、大技は出してこない
神永「…俺の目的はそう、お前だ
春輝「…は?」
困惑して手が止まった春輝の腹部に斬撃を浴びせる
春輝「クソッ、油断した」
すこし距離を置き
神永「まだ話の途中だ。渋川は国を安定させるためにお前らみたいな超能力者の抹殺をロジリック連邦に依頼した。今はそれが現在進行形で行われているのだ」
春輝「そんなことで大国が動くのか?」
神永「さぁな、俺はそれを知らん
すると下の階段からドタドタと足音が聞こえる
サイレント「何か嫌な予感がしてきたけど…大丈夫か?」
春輝「サイレント!いいところに!」
彼(サイレント)の目線は春輝より倒れている2人に目が入った
それを春輝はアイコンタクトで感じ
春輝「2人を頼んだ!」
サイレント「でも相手は神永だぞ!耐えられんのか⁉︎」
しかし春輝は額から汗を流しながらも、笑顔で頷いた
サイレント「…ヤバくなったらすぐこいよ!」
そう言うと2人を抱えて階段を降りていった

神永「わざわざタイマンでやるとはな。お前らしいな」
春輝「これは俺の問題だ。あいつは関係ない」
タルダムシティのとあるビルの屋上で2人は戦い続ける
神永「さてはお前…治癒エネルギーを使えるのか?」
全快している春輝の腹部を見てそう言う
春輝「治癒エネルギー…?なんだそれは」
治癒エネルギーとは正のエネルギーと正のエネルギーを掛け合わせることで生まれるとされる仮想のエネルギー。
そもそもエネルギーを掛け合わせると言う技術自体の精度が高く、より高度なエネルギー変換が求められる
春輝の場合即興、感覚で実行した
神永「ますます優秀。ケヒッ」
春輝「相変わらずの気持ち悪さだな!」
すると神永は地面に手を置き
蜘蛛の糸
斬撃でヒビが入り、地面が割れる
春輝「こいつ…俺が力尽きるまでやるつもりか⁉︎」
割れた地面の破片を手に持ち、エネルギーを込める
そして神永めがけて投げる
神永「フンッ、こざかしい真似を」
手にとって受け止める
しかし追い打ちをかけるかのように春輝は拳のラッシュをする
春輝「(ここで決めないとこれからが怖い…よく見極めろ…)」
ラッシュを撃ち続けるも神永は怯んでいる様子はない
神永「…奴はまだ俺の真実を知らないようだが…まぁいい」
春輝「(なぜだ…確実に手応えはある…なのになんでダメージが通らない⁉︎)」
ゴタゴタ考えていると
神永「よそ見っ」
胸ぐらを掴み、春輝をフェンスに投げつける
春輝「こいつ…腕力もいける口か!」
そうこうしている間に追撃が入る
春輝「長期戦はきつい…ならば、開眼・究きょー
その瞬間
神永は一瞬で春輝の後ろに回り込み
春輝「しくっー」
斬撃を行うため腹部に手を置いたと春輝は判断した。しあし
ズズズ
春輝「ーっ!まさか!」
神永の魂は春輝の肉体の中に入っていく
春輝「やめろっ!やめろっ!ぐっ…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ
ドクンッ




数分後、サイレントがベテルギウスとリゲルを連れて屋上にやってきた
サイレントは目の前にいる人物に寄る
サイレント「おい、春輝!大丈夫か⁉︎」
「あぁ…」
前髪をあげ
大丈夫だよ
サイレント「っ!!!」
その顔はもう、春輝の顔ではなかった
かくして、堕天は春輝の元に憑依した


つづく


EP35「理非曲直-参-」

なぜ俺が春輝に目をつけたのか。もちろんエスパー狩りってのもあるがそれよりも技の多様性、潜在能力の高さだ。
前憑依した湊の体も悪くなかったが、春輝は周りからの人望もあるゆえ身体能力も高い、一石二鳥だ
だから待った。何もかも昏乱するその時まで


堕天は新たなる器の元に甦った
今まで隠されていた神永の陰謀、策略がついに動き出す


EP35「理非曲直-参-」

サイレント「…春輝⁉︎」
衝撃のあまり言葉を失う
神永は不敵に笑っている
すると次の瞬間ー
ドゴッ
サイレント「グハッ」
鳩尾を勢いよく殴られ、サイレントは後方に吹き飛ばされた
ベテルギウス「サイレント!」
神永「さて、手始めにこの街の人間全員皆殺しにするか」
動き出そうとした時
「おい」
ベテルギウス「俺たちは眼中にないのかよ」
リゲル「随分と舐められたもんだなぁ」
神永「フッその言葉もう一度言えるかな?流斬
ベテルギウスに斬撃を出した。しかし
「フーッ、フーッ」
斬撃の傷が浅い
神永「なるほどそう言うことか、こいつの能力は身体のデバフか。ダメージ軽減などが当たるみたいだな」
またしても不敵に笑う

八重「…だめです、連絡がつきません」
先ほどから八重はタルダムシティの菜穂と連絡を取ろうとしているが、つかない
信「何か騒動起こったとしか言いようがない。どうすべきか…」
すると後ろから
彰「お…い、戦は…順調…か」
杖をつきながら彰がやってきた
八重「彰さん⁉︎なぜここに⁉︎」
彰「念の為…だ。俺は生きたからな。生き延びた分、やらなけ…れば」
まだ口がうまく回らない
信「無理しないでくださいよ先輩!戦は俺たちの方が有利に進めてますから!」
艦隊を砲弾で迎撃している方向を見ながらそう言う
彰「相変わらず…能天気なやつだ。本当に…そう思うか?」
少し笑って言ったがよくよく考えれば…
信「ま、まぁ…」
アマタノミコト「今回の最低目標は艦隊の壊滅ではなく、撤退させることだ。無理しない程度でやろう」
彰「だが…一般隊の行方…だけが心残りだな…」

「(これで六発目だが、そろそろ鈍ってきたかな)」
神永はずっとベテルギウスに斬撃を出し続けている
神永「そういえば、開発者の奴は…」
気配も出さずに神永の後ろに回り込んだのは
リゲル「俺は眼中にないのか?」
後ろの腹部に打ち込む
リゲルの腕は普通の腕ではない、メカのような異形の形をしていた
拳が打ち込まれた時、神永の体の内部は大きく振動を受ける
神永「内部破壊か…悪くない」
カウンターの斬撃を出す
リゲルは咄嗟に両腕を突き出して受け止めた
リゲル「(俺たちはあくまで時間稼ぎだ)」
ベテルギウス「(主戦力のサイレントが戻ってくるまで耐えるんだ)」
神永「どうやらお前たちを卸すには、少し手間がかかりそうだな
すると手印を不動明王印の形に組み
骸華瑠璃
その瞬間、斬撃の雨が2人に襲いかかる
ベテルギウス「な…んだよこれ!」
リゲル「た…耐えきれない。いや、耐えろ!」
2人の体に確実にダメージを与えていく
骸華瑠璃は特定の対象において集中的に斬撃を浴びせさせる技
特定の対象に絞ることでより効果的に斬撃を浴びせることができる
対象の生命の命を絶つまで、または手印を解除するまで、「流斬」、「卸」が容赦なく浴びせられる

神永「さぁて、耐えられるかな」
ケヒッと笑いながら2人の無惨な様子を眺める
骸華瑠璃の解除をする方法をリゲルは考える
リゲルは手印を出している神永を見て
「そこだ!」
一瞬で駆け寄り、血だらけになりながらも神永を殴る
神永「フンッ、全身血まみれなのによく動く」
そこにベテルギウスも攻撃にかかる
リゲルの渾身の内部破壊攻撃により、神永の魂は揺れ、手印は解除された
ベテルギウス「(傷が深いところがあるな…何か回復法はないだろうか…)」
ベテルギウスが考えている時にリゲルは彼に斬撃が行かないよう攻撃する
だが、リゲルの体の傷はすでに消え去っていた
彼(リゲル)は感覚的に治癒エネルギーを生み出すことができたのだった
ベテルギウス「おいリゲル!どうやって傷を治した!」
リゲル「わかんねぇ!でもなんか…」
確か、拳に打ち込む時、エネルギーを掛け合わせた気が…まさかその時?
リゲルの治癒エネルギーの生み出しに1番興味を持ったのは神永であった
神永「鳳城春輝と同じほぼアドリブで生み出す…ますます面白い」
そう高笑いした

18日15時。アマタノミコト軍の空爆機の妨害に、ロジリック艦隊はずっと苦しめられていた
ギュディルガー「早くあの空爆機を墜とせ!」
苛立ちで足音を立てる
レナ「最高指揮官。そこまで焦る必要はありません。我々にはたっぷりと時間があるのです」
すると
ドカンッ
一つの砲弾が空爆機にようやく命中し、コントロールを失い、海に落ちていった
タム「やったぞ!これでようやく爆弾を放てますぞ!」
しかし港を見るとあることに気づいた
港は人々が1人もいなく、もぬけの殻となっていた
ゲンム「なぜ気づかなかったのだ…?」
操縦兵も上の空爆機に目を取られていたのだ
そのうちにアマタノミコト軍に逃げられてしまったのである

アマタノミコト「ここまで来れば奴らの視界も入らないだろう」
彼らは一度廃墟と化しているユートピアシティに撤退していた
八重「拉致とかいう目的ですが、果たして…」
これで追ってきたのならば奴らの目的は我々の殲滅であろう
しかし追ってこないのならば…
アマタノミコト達はいまだにロジリック連邦の目的がわからない
考えている最中、こちらに向かってきている少数の兵が目に入った
信「ん…?この国の兵じゃない!まさかロジリックか⁉︎」
すぐさま兵を抑えた

彰「…お前達、なにか目的があって…ここにきたの…だろう?吐き出せ」
兵士は黙秘している
信「…言わないと…」
すると八重が信の耳元で
「拷問なんて非道な手はなしですよっ」
信「わ、わかってますよ!」
アマタノミコト「…うるさいな牛島。何か言うとまずいのか?」
しばらく沈黙が続いた後
ロジリック連邦兵士「…エスパー狩り」
アマタノミコト「エスパー狩りとはなんだ」
兵士はそのまま話を続けた
信「よくわかりませんな…」
八重「国民を拉致…超能力と言われても…」
しかしアマタノミコトは代表戦のことを思い出した
アマタノミコト「まさか鳳城やサイレント達がそれらに含まれるのか⁉︎」
信「ちょっと待ってくださいよ!彼らは一般隊のところにいます!」
八重「一般隊と連絡がつかないのはもしかして…」

ベテルギウス「難しいな…やっぱ治すのは…」
臓物が出るのを防ぐため、激しく動かないようにしている
リゲル「覚えた以上、ガンガン攻めるか!」
神永の斬撃を出す時の手も覚え、治癒エネルギーも覚えたことによりリゲルの攻撃はより一層増した
神永「…まずいな」
体を乗っ取ったとは言え、肉体が俺を拒絶しているように感じる
まぁ今はいいか
神永は構える
リゲルは斬撃が来ると思った
そのはずだったー
靁閃
黄金の稲妻が走る
内部破壊の攻撃のため、リゲルの体の中に電流が流れる
リゲル「これはっ…⁉︎春輝の技ではっ…⁉︎」
黄金の光は、不吉に輝く


つづく


次回予告
彰「そういや…俺が寝ている間…どうであったか」
アマタノミコト「特に何も起こらなかったぞ。お前が目覚めたタイミングでロジリック連邦が侵攻してきた」
信「そういや、八重さんが先輩に言いたかったことがあるそうですよ」
彰「…?」
アマタノミコト「私たちは出ようか、牛島」
信「…はい、次回理非曲直-肆-」バタンッ
彰「で…どうしたんだ?」
八重「あの…その…私はずっと…」


*1 落馬➕脳出血が影響
*2 ユートピア多発空爆作戦
*3 なお、親衛隊には親衛隊長、探題部長がいる
*4 なお、正×正をしてもエネルギーは一定
*5 連邦の中心地となって居る国
*6 ブロード帝国首相
*7 アムス王国大統領
*8 ニュードロック国首相
*9 トルマ王国女王
*10 2013年に締結
*11 ジェット機の操縦士に憑依していた
*12 技の名前は今後判明する予定
*13 特に経済
*14 メンバーは略