モンスター/【ワイヴァーン】

Last-modified: 2023-06-24 (土) 10:23:10

原語は「Wyvern」。
訳語としては飛竜、翼竜が当てられることがある。
もともとは中世の紋章で、ドラゴンの代わりに用いられるようになった架空の生物。紋章の意味は強い敵意を表わすという。このため伝説や伝承は存在しないが、ファンタジー作品では割と有名な存在。
外見は前肢のない竜で、戦闘能力や知性でドラゴンに劣るが、飛行能力はドラゴンと同等以上という設定が多く見られる。特に飛竜を飼いならす事が可能な世界では、飛竜とそれを乗りこなす騎兵による航空戦力を保有している国や組織が存在する場合がある。こうした例としてはライトノベル『日本国召喚』やコンピュータゲーム『ファイアーエムブレム』シリーズなどが挙げられる。
D&Dシリーズではブレスウエポンが無い代わりに、猛毒の針が生えた長い尻尾を有する。ただし他作品では毒針の尻尾はほとんど無く、ブレスウエポンの有無は作品により異なっている。
メタルフィギュアではドラゴンより小さめで、よりトカゲっぽい造形の物が目立つ。ラルパーサ社からAD&D公式の物が製造されていたが、割とドラゴンに近い造形になっている。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

クラシックD&D第4版ではエキスパート・ルール・セットに登場。新和版では「ワイバーン」という表記で登場する。
外見は「長い尾を持つ二足のドラゴン」とのみ記載。ドラゴンの亜種という扱いであり、VSドラゴンの特効が有効に働く。
ヒットダイスはそれなりにあり、アライメントはカオティック。地上では普通に走るだけだが、飛行速度は速い部類。崖や森を好むが、どこにでも生息可能。
戦闘では噛み付きと、尻尾の先の棘を突き刺してくる。尻尾の棘は有毒。ST判定値は低いため、知性は低いと解釈される。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディア版の表記は「ワイバーン(飛竜)」。
種別はモンスタードラゴン族知力3。サイズL。荷重は3500cn/7000cn。
体色は褐色、赤、赤褐色であること、肉食性でありヘラジカやムースなど群れを成す大型動物を好むことが追記されている。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

表記は「ワイバーン」。「飛龍」の訳語が付いている。
AD&D第2版のモンスターコンペンディウムの序文では「ドラゴンの遠縁の従兄弟にあたるワイバーンは、尻尾に毒針を持っている巨大な空飛ぶトカゲである。」と記述されている。
成体の体長は約35フィートだが、半分は尻尾の長さで頭は4フィートほどの大きさ。足は2本しかない。体色は濃い茶色から灰色、目の色は赤かオレンジ。
基本データは以下の通り。気候/地形は温帯の山岳・森林・ジャングル、出現頻度は頻繁、社会構成は独居性、活動時間は夜明け及び夕暮れ、食性は肉食性、知能は低い、アライメントはTN(トゥルー・ニュートラル)だが、一部の個体はイービル。サイズG。
多少の知性を持つが、比較的愚かと記述されている。独居性とあるが、連れ合いと子供がいる場合もある他、獲物が少なくなると同族で協力して狩りを行う場合がある。
ワイバーンは1日に人間サイズの大きさの動物を食べる。食べる時は獲物を丸呑みにしてしまうが、骨や金属類は消化できない。
戦闘では噛みつき1回と尻尾の毒針1回の2回攻撃を行う。尻尾は長く柔軟なため、毒針による攻撃はワイバーンの正面にいる相手にも届く。毒針の毒は強力で、対ポイズンST判定に失敗した生物を即死させてしまう。
戦闘突入前には急降下による奇襲を試みるのが定石で、狩りの際には悪知恵が働く。このため、ワイバーンは不意打ち判定にボーナスを得る。急降下攻撃が成功すると、Mサイズのクリーチャーは片足の爪で捕らわれてしまうし、Lサイズのクリーチャーでも両足の爪で持ち上げて飛び去ることができる。捕らわれて持ち上げられたクリーチャーは、ワイバーンが巣に帰るまでの間に牙と毒針による攻撃を受けることになる。
地上に降りたワイバーンが両足で移動する速度はかなり遅い。飛行による移動速度は速いが、AD&Dシリーズではドラゴンよりは遅く機動クラスもEと劣悪。
ちなみにワイバーンの生態の項目には「肉は、不味いことで有名である。」と記述されている。

関連用語

ドラゴン