アルファベット表記:Dark Blade
読み:まけんじゅつ
分類:流派
該当地方:燦州
発案者:tocoma110
【Tag: 武術 精武術 魔剣術 発案:tocoma110 】
概要
燦州に端を発する、強力かつ難易度の高い精武術の一種。
強化系・倍撃系・汚染系の特徴を備える技であり、打撃力のみならず確実に蓄積するダメージを重視する、必殺確殺のための抹殺剣。加えて、『黒剣』と呼ばれる専用の武器を用いなければ使うことが出来ない。
そのため、習得は非常に難しいが、志す者は存外多い。
元来、魔北種族への対策として生まれた武術故に、非情に狡猾であり、またその攻撃性は他の追随を許さない。
なお魔剣術の使い手は「魔剣術士」「暗黒剣士」などと呼ばれる。
どちらも使う技・武器の名前に由来するのだが、非常に物騒な呼び方のため、知らぬ人間からは「邪道に堕ちた剣士」と勘違いされがちである。
特徴
前述の通り、『黒剣』と呼ばれる武具を使う。
これらは波音剣の一種であるが構造ではなく構成物質による効果のため、通常流布している精武術とは勝手が大きく異なる。加えて、形態も「刀剣」あるいは「斧」「大鎌」に限られてしまうという制限があり、そういった意味でも非常に分かりやすい武術と言える。
- 武器が縛られてしまう代わりに、あまり型に捉われず用いることが出来る。
これは大きな強みであり、対人戦における読みを通じにくくするという強みがある。 - 強いて言うなら、相手に切っ先を向け横一文字に掲げる構えをとることが多い。
また、精武術の中では纏剣術と並んで相手の戦力を確実に削ぐ攻性を持っている。
一撃必殺より、少しでも相手の戦闘力を削り取ることに重点を置いており、長期戦を視野に置いたスタイルである。
肉体的不調・物質的弱体化など、副次的ダメージの蓄積による撃破を目論む。それは通常生物をはるかに超えた頑強性を持つ魔北種族、特に対魔鬼種族戦を想定したものが起こりのためで、「自身で殺せずとも他の誰かが殺してくれる」ことをも見越した戦略構成となっている。
放出型の技は少なく、どちらかと言えば純接近戦に向いた構成をしている。
使用する武器が剣型・斧型・大鎌型に限定されることから、あまり遠距離戦は想定していない節が強く、また防御技に相当するものは少ない。かなり攻めに特化した剣技である。
起こりの詳細は不明だが、第一次魔北大戦以降であると考えられている。
実際、長い歴史を誇る魔剣術は燦州の古文書にも記載されており、大陸歴100年代頃の華丹帝国の史書にすでにその存在が残っている。燦州傭兵の中でもこれの習得を志す者は多く、そうしたこともあり各地に伝播し、地方ごとで発展を遂げていった。
現在では軍人よりも武芸者に使い手が多く、魔剣術の使い手と武芸者の道は斬っても切れない関係にある。
- 逆に、これを専門で使う騎士・武士は「暗黒騎士」「暗黒武士」などと呼ばれる。
別に、邪悪な道に堕ちた外道ではない。
技一覧
いずれの技も基本的なものであり、流派によって独自の発展を遂げていることも多い。
また、汚染系の効果は技の威力に比例して増減する。
- 起墨
おきすみ。
相手の精素耐性を一時的に弱体化させる汚染系の基礎。
まずこれで相手の防御力を低減させ、他の技が通りやすくなるように下地を整える。- なお、他の技との合間に起墨をまた叩き込むことを、「継墨(つぎすみ)」と呼ぶ。
- なお、他の技との合間に起墨をまた叩き込むことを、「継墨(つぎすみ)」と呼ぶ。
- 濘墨
ぬかずみ。
疲労感と共に対象の肉体を脱力させていく技。
大賞の動きを鈍らせる技としてはオーソドックスなもので、これを何度も使い、相手の動きを殺すことが魔剣術の基礎とされている。
- ~染
~そめ。
感覚を蝕む技の総称。
潰す感覚・能力に応じて「光(みつ/視力・色覚)」「天地(てんち/平衡感覚)」「音(ね/聴覚)」「触(さわり/痛覚・熱)」「香(かおり/嗅覚・味覚)」「精(もの/精覚)」が頭に付けられる。
典型的な魔剣術であり、攻撃が当たれば当たるほど感覚が狂うあるいは弱っていく。
- 食浸
はみしみ。
物理的耐久性を減少させる技。
腐敗あるいは崩壊を招く形で効果が現れ、主に装甲や武器の破壊を目的に利用される。
- 罅影
ひびかげ。
生体精素を放出させていく技。
生体精素の欠乏は致命的なダメージを生み出す一方、精素耐性によって露骨に効果に差が出るため、扱いの難しい玄人技である。
- 海掻
うみかき。
精神的な衰弱を引き起こす技。
ストレートに心理的ダメージを与えるというより、注意力散漫や不安の増幅などを引き起こす技である。そのため、頭部や何らかの記憶と連動する部位に当たるほど、効果が高くなるという。
- 隠鬼
おんのおに。
変化系の一種に相当する、非外見変化型の身体強化術。
強化系と比べて維持時間が長く、また汚染リスクが高いことから分類される。
黒剣と肉体を共鳴させ、主に筋肉を変質させる技。そのため、制御をしくじると強化した筋肉に骨や内臓が圧迫され、壊れてしまう。
- 握骨
にぎりほね。
ストレートな火力増大を行なう技。
黒性精素による衝撃定着によってダメージを増大させる、少し変わった原理の倍撃系。
- 跳痕
はねあと。
飛刃形成型の放出系。
精素自体を固めて疑似的に刃として打ち出す技で、稀少な遠距離攻撃となっている。
熟練者は他の技と掛け合わせ、汚染系効果を持つ飛刃を飛ばしたり、大質量放出系として利用することも出来るようになる。
- 連意
つらねい。
複数の魔剣術を連続的な動きの中で繰り出し続ける技のこと。
極めて高度な技術を要するもので、相手の動きに合わせてのアドリブも不可欠。そのため、実践出来る暗黒剣士は限られる。
- 峰吸
みねすい。
数少ない防御技。黒性精素で相手の攻撃をあえて吸い込み、そこから次の動作へつなぐ。- 露峰
つゆみね。
峰吸で引きつけた攻撃を鋭く弾き、相手の動きに隙を作る技。どちらかと言えば攻め手に使う防御技。 - 蔵峰
くらむね。
峰吸で引きつけた攻撃に合わせつつ、任意の方角へ反らす、あるいは受け流す技。相手の技に合わせての立ち回りが要求される。
- 露峰
奥義
- 暗黒
くらやみ。
即座に己の生体精素を用い、複数の精素汚染を同時に発動させる大技。
自己強化、動作倍撃、汚染注入を一つの動作内で一度に起こすため、身体制御・精素活用のどちらも精密な技量が求められる。
己の寿命を削る代わりに、速攻で相手に強力な一撃を叩き込む魔剣術の神髄の一つ。
聖剣技のショックなどと比べ純粋な破壊力では見劣りするが、ノータイムで3種の技法を同時に発動し、相手にぶちかませるという即効性が最大の武器となっている。
どちらかと言えばカウンター寄りの必殺技。
- 漆黒
うるしやみ。
それまでに打ち込んだすべての魔剣術の効果を、一気に爆発させる大技。
単発ではさしたる意味を持たず、精素汚染の蓄積具合でその破壊力が変化するという、極めてトリッキーな性質を持つ。
強敵相手の長期戦を前提とする魔剣術ならではの技であり、じわじわと相手を蝕む猛毒が一気に花開く様は、魔剣術の真骨頂と言っても過言ではない。
- 黒死
やみのし。
対魔北類用奥義。
秘伝故に決して伝承者以外に仔細は明かされないが、魔北種族にとって致命的な精素ダメージを与えるという非常に稀有な特性を備えている。
汚染系を得意とする魔剣術の極意であり、またその初心を極めた最大の攻撃。
これの恐ろしいところは魔北種族に限らず、魔北類ならば何にでも通用することである。準す魔北にかかわる生物ならば魔獣兵器など相手にも通用するため、魔北戦においては他の武術の追随を許さない。
しかし、これを使いこなすには汚染系武術に対する徹底的な制御が不可欠で、しくじれば自身も多量の精素を受けるため危険にさらされる。加えて、非魔北類に対しては通常の汚染系程度の効果しかない点も難点である。
魔北類以外には一切通用しない、魔剣術の極北である。
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