【生物】/魔獣兵器

Last-modified: 2022-11-11 (金) 20:50:01

アルファベット表記:Terribeast/Brutarmaments
読み:まじゅうへいき
分類:生物兵器
危険度等級:特殊
生息地方・国家:本来は魔北地方
生息域:種による
発案者:tocoma110
Tag: 生物 危険度等級C 危険度等級B 危険度等級A 危険度等級S 魔北類 魔獣兵器 発案:tocoma110


「どんな生物も傷つけば苦痛を覚え、恐怖を感じ、隙が生まれる。
 だが、こいつらにそんな可愛げはないっ!」
エスクトの勇士 ポーラル~

概要

第二次魔北大戦以降、魔北種族が行使した戦闘生物の総称。
目的に応じて様々な生物を改造して作られているらしく、非常に多彩な種類が存在する。
当然、その活動は九大州全域で観測されており、その爪痕や恐怖は第二次魔北大戦から200年経過した1600年代に入っても、なお語り継がれるほど。大陸秘境開拓時代において、『邪悪な怪物』のイメージ像を丸っと席巻するほど、その存在は知れ渡っている。


跳梁跋扈したのは第二次大戦中のみだが、その後も残存個体などが定着し、未だに一部の秘境で確認されている。
それらは現在進行形で土地の生態系に干渉しており、その脅威は未だ消えたわけではない。

 

分布

全容不明。潜伏地域や活動地域は種類による。
魔北種族が占領した時期がある、あるいは激戦を経験した地域ほど生息率が高くなる傾向にあり、そうした戦場跡やその近辺で目撃されることが多い。

 

能力・特徴

その誕生経緯の通り、個々で能力に明確な方向性を持っている
有する特性は種によってかなり異なり、いずれも特定の任務や能力を前提として製造されている。そのため、それが適切な環境に置かれることで絶大な能力を発揮する。
逆に言えば、不適切な環境下では十全な力を出し切れないことになる。しかし、実際のところそうした事例は少なく、大抵の個体はよほどの状況下でもない限りは、かなりの奮闘を見せたという。

  • 実際、魔北や秘境の過酷さにも適応する生物の末裔である。
    それ故に魔北未満の過酷さとされる九大州程度ならば、対応出来るらしい。

また基本的な能力も全体的に高水準でそろえられている。
そのため、同程度の体格の野生動物よりも強力な能力を備えることが多く、対危険生物戦闘を得意とする退獣士であっても苦戦を免れない。
実際、第二次魔北大戦前期は対処策を見つけるための試行錯誤の時期であり、多くの犠牲の元にその情報が集められた。時が進み対策こそ練られるような状況が整ったが、新型や派生種に対してはその限りではない。

  • ただし、九大州川の生物も大概怪物じみた強大種族が多いため、自然界では一部秘境を除き支配者層にはなれていないことが多い。

いずれも何らかの生物を改造していると目されているが、魔北由来の魔北類を改造したものから、九大州侵出後に現地生物を改造したものまで多種多様。
大別し、魔北類改造型純正種魔北類改造型定着種九大州生物改造種の3種で分類されている。

  • ただし、極一部は例外的な存在がいると目されている。

上記のほか、一般的な生物と比べて恐怖や痛覚の意識が薄いことも特徴。
攻撃や身体欠損を脅威と感じる思考能力自体は備えているが、それらへの警戒に感情的な要素が欠けていることが多いという。
事実、彼らは通常の魔北類と比べても傷つくことへの恐れが薄く、時に我が身を犠牲としてでも戦う。それは忠義などといった理念ものではなく、半ば本能とされている。そのため、見た目や挙動は生物的ながら、その実、感情などは希薄で機械的な思考をしているとする説もある。


また、魔獣兵器は画一化されたものばかりでなく、オートクチュールと思しいものも数多い。
それらは単にコスト的な問題から量産が出来なかったものから、特定個人・個体を特別に改造したものや、ランダムな変貌を遂げさせる奇怪なツールによる被害者まで、多種多様。そのため、一見して新種生物か、精素汚染の被害者なのか、あるいは魔獣兵器かわからない場合もある。

 

著名な種類

魔北戦争で観測されたこともあり、大陸全土である程度情報が共有されている。
名称については基本的にコードネームであり、魔北での呼び方はほぼ判明していない。
以下はよく知られるものである。

巨大種

一般に数十m以上の体躯を持つ種が該当する。
戴冠種に相当する大きさを持つ決戦兵器であり、多くは大規模な戦場・都市攻略などの際に投入された。
いずれも直接的戦闘力や強大な何かの精製能力、展開能力に長けており、個別の戦争行為よりも純然たる物理・環境への破壊活動に特化している。中には古竜級以上の真竜類と戦えるほどの種や個体もおり、純然たる強さでは群を抜いている。
一般に人類種のみで討伐するのはかなり困難であり、多大な犠牲を払うか、何らかの超常的な力を借りて倒すことが多かった。
だが、その強大さに比例して制御などの面で癖が強かったようでもあり、暴走の記録も多い。また個体製造数も少なく、大量生産はされなかった様子。


【代表的な種】

  • クロゥプス
    多彩な武装を搭載する近接戦特化の鎧殻類型魔獣兵器。
    右腕は刺鉄球、左腕は巨大な鎌、腹や背には流れる刃を備える。また、個体ごとに多少武装の差異がある。全身を覆う青い甲殻と鱗は、人類兵器では傷つけることも難しい。また、赤い単眼*1からは破壊光線を放つ。
    近接戦では貴竜級真竜類を容易く敗北に追い込んだほどで、肉体に備えられた武器は見事な技量で振るわれる。
  • モンスプロテァ
    可動緑類を改造したと思しき、巨大な花を背負う四足獣型の魔獣兵器。
    一見すると花の甲羅を持つ亀に見えるが、実際は花の方が本体にあたり、その下にある亀のような部分は感覚器官などに過ぎない。花の方は物を捕食する口であり、また広域に散布される環境変質性の花粉をまき散らす器官でもある。
    鈍重な本体を守るため、触手型武装が施され、近接ではカマキリにも似た多節鎌が猛威を振るう。
  • トレマー
    巨大蛇類、あるいはウォーム類をベースにしたと思しい、長大な怪物。
    全長数百mを超える巨体はそれだけで十分な脅威であるが、真の脅威は全身を震わせて放つ超震動波。それは王城を崩すほどの地震を一国に響かせることが出来るほどの力で、密着距離で放てば戴冠種さえも容易く殺害する。
    一説では各地に伝説を残す“大長虫”と関連があるのではないかとされるが、真偽は不明である。
  • クル・アーケン
    全身を甲殻に覆われた怪魚のような魔獣兵器。
    その姿は海帝?を想起させるもので、腕部や多足類と見間違うほどの触手を備えているなど、異形の相が強い。巨大種の中でもとにかく頑丈かつしぶといことで知られ、真竜類とさえ互角に渡りあったという。
    全長100mを超える巨躯のみならず、取り込んだ大量の水を水弾・水刃として放射したり攪乱用の効能を持った霧を散布するなど、多彩な能力を備えている。
    一方、その特性上海戦でしか使用出来ないため、外海あるいは内海などのみの活動にとどまったという。
     

大型種

10m~20数m程度の大きな肉体を持つ魔獣兵器の一軍。
巨大種ほどではないが、人類種などと比べれば巨大と呼ぶに足る。
大規模戦場などの主力であり、人類を蹂躙するための合戦兵器として導入される傾向にあった。多くがマルチな活躍を可能とするため、複数の機能を果たせるよう設計されているとされている。
第二次魔北大戦以降も、各地で休眠中のものや復活した個体が数多く目撃されており、大陸秘境開拓時代ではそれなりに討伐対象にもなっている。


【代表的な種】

  • トーラス?
    最も著名な魔獣兵器の一つ。
    亀のような甲羅を持つ二足歩行型の巨大有鱗類生物。非常に強力な生物であり、数体いればそれだけで都市を物理的壊滅に追い込めるだけの兵装を持つ。強固な甲殻と猛毒の吐息、剛力を武器とするほか、背面甲殻から生体精素結晶爆弾を射出することも可能。
    比較的制御しやすかったのか様々なバリエーションが存在し、中でも巨大種に分類されるキング級の猛威は広く知られている。
  • グェンデル
    畏州西部・応州北東部に伝わる魔物の名を冠された直立強尾類型魔獣兵器。
    両肩から伸びた弧を描く波音器官の角を備えており、そこから放つ物質破砕衝撃波を使ってくる。また、巨大な両腕が示す通り格闘戦も得意とする。
  • 魔車輪
    攻城兵器級として知られる、鎧殻類系魔獣兵器。
    地を這うムカデなどに似た生物で、節で分かれたボディはその背面に無数の棘を持っている。先の通り地を這う形で移動するが、敵と対峙した際には丸まることで車輪のような形へ変形し、超速スピンで転がり轢殺する。その速度は早駆けの馬やチャックルをも凌駕する。
  • 磁キR0
    厳密には小型種に分類されるが、その能力特性から大型に分類される稀有な魔獣兵器。
    本体は人間大の芋虫のような生物で、それ単体では決して強大な能力を発揮しない。しかし、これが放つ粘着性の糸は特殊な磁器が付与されており、金属を惹きつけ纏うことが可能で、更に糸を変質させることで疑似筋繊維として活用出来る。
    それにより、本体の何十倍もの体躯の機械鎧を纏い出現する。
    潜入地域の状態によってその性質は大幅に変化するが、概ねカマキリのような形態をとる。
    • その特性から、後述のミムスとの関連が疑われるが、本体の形状はまるで異なっている。
  • ジャイラス
    典型的な有鱗強尾類型の魔獣兵器。
    竜のように一対の角を頭部に備えるほか、巨大な前肢がまるで腕のような進化を遂げている点が特徴*2。拳や腕、背面・腹部の一部を白い装甲が覆うほかは青い鱗に覆われている。その特徴から、九大州側の生物を改造したと思しい。
    武器は口内から放つ火炎放射と剛力で、各地の攻城戦で活躍した。
    また、後に巨大種に分類されるキング級も出現した。

キング級

大型種のみに存在する特殊区分。
特定の大型種魔獣兵器と同型・同質の能力を備えながら、その規模が巨大種級になっている魔獣兵器の総称。
基本的な能力はそのままに、通常個体を凌駕する能力を持つことが特徴。当然しぶとく協力で、人類種のみで討伐するのは極めて困難であることが多い。
該当種の種名の前に「キング」が冠される形で区別される。

中型種

体高にして1m代強~数m級魔獣兵器の総称。
おおよそ、多くの人類種大から馬・チャックル、リングベア程度の大きさのものとなる。
個別の役割・機能に特化した傾向にあり、更に量産数が多いことも特徴として挙げられる。そのためとにかく目撃数がと亜種・派生種が多いことで知られている。
純粋な肉体の強さでは大型種以上には敵わないが、数の蹂躙で十分に猛威。
その体格から生き延びやすく、野生化し常時活動しているようなものは大抵がこの区分である。


【代表的な種】

  • ヘルハウンド
    ルハウを改造して製造されたという戦闘猟犬。
    赤い甲殻に覆われた肉体はオリジナルを凌駕する頑丈さで、更に強化された運動能力や燃える吐息により戦闘力は向上している。
  • ハーヌマン
    鬼獣類系の白いサル型魔獣兵器。
    九大州生物を改造したと思しく、部分的に備え付けられた装甲や背面のジェットブースターなどが、あからさまな戦闘兵器感を出している。頭部の一角が主要波音器官となっており、体内の精素機構を制御していると考えられる。
    主に気流を操る能力を持つが、操る事象でバリエーションが多数存在する。
  • ケンティグリス
    クァッルの中でも最強のティグリス・クァッルを改造したと思しい戦闘獣。
    近接戦闘特化で作られたらしく、運動性能を高め、更に主に頭部・胸部・背面に装甲状の甲殻を纏わされている。さらに、口部には伸縮可能なブレードが牙として設けられる。また、肉髭も蛇腹装甲に覆われ武器としての機能を高めている。
    半面、固有の波音機能は低減してしまった。
  • グリトリウス
    鳥類と牙獣目を合成したような姿を持つ魔獣兵器。
    一見すると獣鷲に似ているが、その姿は「牙獣目の首の部分から猛禽類の身体が生えている」といった趣で、腕のように足まで生えている。そのため多肢類としても八肢類に分類される形状で、しかし牙獣目側は羽毛ではないなど多肢鳥類ではない。
    波音で九大州側の生物の精神のみを狂わせることが可能。
  • ドラード
    頭部に刀剣のような一角を備えた、海洋専用怪魚型魔獣兵器。
    海洋大型種・巨大種に付き従う形で利用され、軍事船舶や港の襲撃に利用された。全長数mと大きく水中をすさまじい速度で移動可能だが、防御力はその分犠牲となっているようで、鱗と筋肉で耐えるのみとなっている、珍しいタイプ。
  • スチルフェンクス
    全身をより硬質な甲殻で覆われた、フェンクス改造種。
    高い知能を持つほか波音声帯を駆使することで戦況を掻き乱す、厄介な存在。精術能力に特化しているように見えるが、身体機能も高められており、また装甲のおかげでより倒しにくくなっている。
  • ガージン
    鳥の翼と足を持つ、毛むくじゃらの謎の生物。
    寸胴型の身体に巨大な光る眼と、これまた大きな口を持つ。波音声帯から放つ波音で周囲の精素を掻き乱す。また戦闘も可能ではあるが、打たれ強いとは言い難い。
    また、羽から鱗粉を飛ばすことが可能だが、その種類は変えられる様子。これにより、単純な毒の散布から何らかの特殊な粉まで、色々とばら撒くことが出来た。
  • トリフィド
    可動緑類の一種となる、奇襲型魔獣兵器。
    通常は何らかの植物に擬態して待ち、獲物をが近づいたところでとらえて地中に引きずり込み、根で窒息死させて養分とする。単体での戦闘力はそこまで期待出来ないが、奇襲性に優れることから非常に警戒された。
    そのため、一部の同盟軍が暴走し森林を焼き尽くそうとする暴挙に出たことがあるほど。
  • ミムス?
    「擬生蟲」の通り名を持つ、異形の甲殻生物型魔獣兵器。
    繊細に動かせる多脚を持ち万能素材・ミムス糸?を紡ぐことが可能なことから、蜘蛛に例えられる。
    多くは何らかの仕掛けを作ったり、あるいは機材や梱包材の中に潜み、近づいたものを引き寄せあるいは閉じ込め、その内部で捕食・殺害する。

小型種

1m程度からそれ未満の魔獣兵器。
その大きさから潜入しての偵察・暗殺・破壊活動などを主要な目的として、製造・利用されたとされる。個体数やバリエーションも多い一方、直接的な戦闘能力では中型種以上の魔獣兵器には遠く及ばず、殺傷能力が高い場合も大抵は自爆や単一効果のみになりがち。


【代表的な種】

  • レディバグ
    流麗な甲殻飛行生物型魔獣兵器。
    白い甲殻に覆われ流線型の美しい姿を持つが、既存の昆虫・鎧殻類のいずれとも微妙に異なる形状を持つ。その在りようもどこか無機的で、かなり機械じみた存在。本体の大きさは小さめのコップ程度と、一般的な昆虫と混同するにはやや大柄。
    特性として強力な波音能力を備え、主に無響状態や術式阻害型波音を用いるために利用される。単体ではそれほどの効果を及ぼせないが、無数に集まることで強力なフィールドを形成する。
    また、自爆型や暗殺型など様々な亜種が存在する。
  • アイリエン
    寄生することでその存在を自由に操れるという、邪悪な魔獣兵器。
    肌人の手ほどの大きさの異形の虫で、それが頭部・顔面・頚部に取りつき、脳ないし神経とその寄生針を接続させることで、その存在を支配下に置くという能力を持つ。その特性上、戦闘能力は皆無に等しいが、一度取り付けば救う手立ては皆無となる。
  • 鉄食いラット
    如何にもあだ名、という名前を持っている魔獣兵器。
    ネズミを辛うじて連想させる程度のシルエットを持つ、小振りな甲殻生物。おそらく魔北類を改造したと思われ、いびつな特徴を持つ。
    名前の通り鉄さえ食いちぎるほど強力な顎と歯を持ち、運動能力も高く、各地の城塞破壊に用いられた。潜入して内部からの破壊は勿論、対人戦闘などもこなせるマルチプレイヤー。甲殻も頑丈で非常にしぶとい。
    長らく同盟軍を苦しませたが、固有の波音に弱いことが後に判明する。

例外

魔北軍と関連すると考えられるものたち。
だが厳密に魔北軍が使役しているのか、魔獣兵器であるかは確証がなく、便宜上当てこまれているに過ぎない。


【該当種】

  • オルム
    魔北軍の切り札とされる巨大な戦闘生命体──と思われるもの。
    大蛇あるいは竜蛇に例えられる姿を持つがの類ではないとされ、実際その性質に守護者の相はまるで見られない。加えて、魔北軍出現以前からも目撃例・被害記録があり、魔北軍すらも巻き込んで活動するなど謎が多い。
    真竜類からも強く敵視されるように、極めて攻撃的な性質で環境を破壊する。
  • “黄金三頭”?
    九大州と魔北を滅ぼしかけた、黄昏の絶望。
    魔獣兵器と呼んでいいのかさえ怪しい存在であり、正体は不明ながら魔北軍全軍より強大であったとされる、竜に似るもまるで違う何か
    “竜王”“星波姫”“赫炎の翼”?という大陸屈指の強者三体を相手に大激戦を繰り広げた。

 

関連するもの

 


相談コメント欄


*1 正確にはスリット型バイザー。
*2 既存生物としては一部の剛竜類に近い。