FF8
ガルバディア終身大統領。
自分の名前をつけた首都のデリングシティに本拠を置き、
批判者や反発勢力の人間を次々と捕らえ、処刑したり収容所送りにしたりと恐怖政治を敷いている独裁者。
対エスタ・大国主義を掲げ、軍事力によって領土を広げる方針を取っている。
度々軍を他国に侵攻させているようだが、SeeDの妨害にあってうまくいっていない。
スコールらティンバー班と「森のフクロウ」によって誘拐されかかるが、それはナムタル・ウトクが化けた影武者であり、自己防衛に対する配慮にも余念がない。
魔女イデアが現れた時は、「世界の全ての争いを終わらせる用意がある」と 公の場で語った事から、彼女を利用して一気に世界征服に乗り出そうと考えたと思われる。
イデアのために盛大なパレードを開いたが、彼女の手によって殺害される。
7のプレジデント同様、大統領と言えども一人の無力な人間であった、という事であろう。
彼が大統領に就任したのは、第二次魔女戦争の終結が間もない頃(18~19年前)。
大統領の就任後のすぐに、国民からの支持を得る目的で『ティンバー制圧』を命じた。
『ティンバー制圧』時は同地を訪れていて、ガルバディア兵が見せしめで銃殺したゾーンとワッツの父親の屍に自らの手で止めを刺したり、その光景を見ていたゾーンとワッツをボロ雑巾を見るような目で見下していた。
国税を湯水のように使用してD地区収容所を建設した際に、支持率が半分以下に低下したが、収容所連行を合い言葉に、すぐ元どおりになった模様。
このことがきっかけで、彼の行動が他国からファシズムであると認定されるようになり、事実この頃から、彼の側近はYESマンのみで構成され、ますます独裁性を深めていった。
その後、ガルバディアを軍事国家に成長させ、FF8世界の国家では唯一長射程の大陸弾道ミサイルを保有するまでに至った。
この大陸弾道ミサイルの存在は各国にとって国防上の問題になっている模様。
アルティミシアに操られたイデアが陣営につくと、電波放送により魔女の存在をアピールして各国に圧力をかける目的で、ドール公国に軍を侵攻させ、電波塔を占拠して機能を復活させた。
(FF8世界では、17年前から生じた電波障害により電波通信が短時間のみに限定され、他の通信手段が進歩した結果、電波通信設備の殆どが廃棄・閉鎖を余儀なくされていた)
この凶悪な独裁者が、暴力を激しく嫌悪する平和主義者、F.H.のドープ駅長と知り合いという設定がある。
デリングがここまでの独裁者になってしまったのは、やはり荒ぶる魔女アデルと超科学を有するエスタを強く恐れ、それに対抗しなければならないという思いからだったのだろうか。
(そのきっかけになったのが、ドープ駅長との交流から得たエスタの情報という可能性もあるかもしれない。)
……しかし、エスタの現大統領が元自国の兵士だというのは結構な皮肉である。
- デリングにはガルバディア国内においてはそれほど弾圧的な描写は見受けられず、「独裁者」というよりはティンバーなど他国に対する「侵略者」「圧制者」と言うほうが的確と思われる。
死んでも一顧だにされないあたりが国内における彼の立場の軽さを物語っている。そういう人間ほど立場と支持の確保のために他国に対し攻撃政策をとるのが世の常。
派手なパレードも存在を主張するのに必死ゆえと考えられる。
ストーリー序盤の主人公一行と敵対する者達のトップでありながらあっさり殺される。
7でも似たような立場であるプレジデント神羅と同等の不遇な扱いである。
- おまけに誰も悲しんだりしない。デリングに至ってはイデアに殺された瞬間に観客から歓声まで上がる始末。
- その死体もイベント中ずっとほっぽらかし。主人公が調べても無反応。まさにボロ雑巾のような扱い。
唯一彼を慕っていたのは影武者だけか。- しかもその後下手人のイデアの指名手配すらされている様子がない。
- というよりその下手人が新たな支配者として歓迎されている。人望ゼロとかそういう次元ではない。
- 上記の所業を鑑みれば、自業自得そのものである。
- この手の独裁者は自身のカリスマ化を図るものだが、限界を悟ったのか魔女をアテにした。
魔女以前のデリングは外部の情報(ティンバーの雑誌切抜き)でしか知りえないため国内での評判は不明だが、
少なくともゲーム時点では大統領万歳なんて誰も言っていないし、敬慕している人物も影武者くらいしか見当たらない。
- 確かに影が薄い気がする…偽者の方が印象に残ってるし…
他国への侵攻をたびたびSeeDに邪魔されているらしいが、自軍にG.F.の装備をさせて対抗させてはいない。彼の性格的に、兵士に副作用が起こるとしても平気で使わせそうな感じだが、ガルバディアにG.F.を扱う技術がないのか、それとも単に思いつかなかっただけなのか。
- 肝心な時に記憶障害を起こされると使い物にならないからだろう。
SeeDも20歳を越えると強制卒業させられるので、
成人になると記憶障害の被害がより深刻になっていくとかそういう事情があるのかもしれない。
名前欄もスコール達もデリングと呼んでいるが、ゾーンやワッツはビンザーと名前呼びしている。
親しいどころか親の敵と言ってもいい存在なのに、他同様デリングと呼ばないのは何か訳があるのだろうか。
- 貶めたり揶揄する意図をもって政治家を名前呼びするのは現代でもたまにある。
名前で判別が効く程度に珍しい名前の場合にありがち
蔑視の中に親しみを含めた呼び方なので、やっぱカルい気はする。ゾーンとワッツだしな。 - 軽いとはいえ親の敵。直接ではなくても指示者であり元凶。しかし「ビンサー」なのは「ビンサー・デリング」個人を問題視していて、親族は関係ないというあらわれではないだろうか。