ちょっとしたスパイス

Last-modified: 2021-01-17 (日) 13:18:54

2012~2015年に阪神タイガースの監督を務めた和田豊*1が、就任初年度のキャンプ中のインタビューで発言したフレーズ。そこから転じて「スパイス」が和田の蔑称として使われる。現在では、改変形の「スパイチュッ」も使われる。


概要

和田は2012年に監督に就任すると「(今年の阪神は)現有戦力にちょっとしたスパイスで優勝できる」と発言。優勝への自信を覗かせた。
しかし、前政権の真弓明信監督時代から一軍コーチを歴任*2しておきながら、いざ自らが監督に就任すると「まあ去年はね、テレビじゃちょっと言えないような事情のせいで負けましたけど」と、まるで去年の成績が他人事であるかのような発言*3をしたことと合わせて波紋を呼び、和田の監督としての手腕がどう発揮されるのかがシーズン前から多少なりとも注目されることになった。

いざシーズンが始まると早々と優勝争いから脱落、8月には自力CS進出すら消滅する体たらく。何とか最下位は免れたものの(55勝75敗14分)*4、残された成績は真弓時代*5はおろか、かつての暗黒時代にも匹敵する低迷ぶりだったため*6
「はよスパイスかけろや」
「これはスパイシーですわ」

など、和田を嘲笑う意味でこの表現が使われるようになり、ここから転じて和田本人及び彼の珍采配を「スパイス」と呼び、謎のバント・盗塁・代打策などが行われた時に(スパイスファサーと語尾につけるなどの用法も見られるようになった。

なおこの「スパイス」発言はこのキャンプ時が初出ではなく監督就任会見時*7で既に用いており、きっと本人お気に入りのフレーズだったのだろう。


就任時会見

スポニチ「就任会見でキッパリ!和田新監督「少しのスパイスで優勝争いできる」
 
阪神の新監督に就任した和田豊氏(49)が28日、大阪市内のホテルで記者会見し「現有戦力はしっかり把握している。今の戦力にほんの少しのスパイスを加えれば十分優勝争いできる」と意気込みを語った。
契約は3年。新体制は11月に高知県で行う秋季キャンプから本格始動する。
(中略)
▼阪神・和田豊新監督の話
歴代監督を何人も見てきて、大変な仕事だと実感している。
3年目に優勝争いではなく、来年勝負をかけるくらいのつもりでやっていきたい。
広い甲子園に対して、投手力を含めセンターラインを強化して守りの野球が理想。


その後

散々な2012年シーズン終了後の和田阪神はドラフトの目玉選手だった藤浪晋太郎を獲得した他、西岡剛福留孝介ブルックス・コンラッド日高剛といった新戦力を補強。ちょっとどころではないスパイスを得た阪神と和田に注目が集まった。

 

そうして始まった翌年は上記戦力に加え新井貴浩の復活などで好調、他のセ4球団を大きく引き離し2位に定着。6月には一時首位に立つなど読売ジャイアンツと熾烈な争いも演じた。
だが夏場に入ると、例年のごとく故障者や調子を落とす選手が続出。上記の強化メンバーがことごとくファーム行きとなり「スパイシー二軍」と揶揄される有様になっていた。

虎ファンが嘆く高給取りばかりが集まる鳴尾浜
http://www.daily.co.jp/newsflash/tigers/2013/08/05/0006222923.shtml
2軍の本拠地である鳴尾浜を訪れるファンから厳しい声が上がっている。
「高給取りばっかりおるやんか」
鳴尾浜には故障や不調で2軍調整を続ける選手がいる。そのメンバーは“豪華”だ。
福留孝介、西岡剛の元メジャーリーガーコンビに4番・三塁を期待して獲得したコンラッド。
捕手補強を目指しFAで補強した日高剛。さらにシーズン途中に守護神候補として獲得したボイヤーらだ。
いずれも昨年就任した中村勝広GMが5位から優勝奪回へ向け補強した選手たちだ。
実は5日現在、1軍登録選手の中に今季からの新戦力は藤浪しかいない。
5月に緊急トレードで西武から獲得した高山*8も2軍落ちしている。

結局2位になったものの、CSでは投手起用迷走などで3位の広島*9に1勝もできずシーズンを終えた。*10

2014年は外国人助っ人たちの著しい働きぶり*11があったにも関わらずAクラス確保が精一杯の有様*12だったことから和田退任を求める声は上がっていたがCSを突破したため立ち消えに。
翌2015年は得失点差が大幅マイナスになりながらシーズン中盤まで好調もシーズン終盤に大失速*13。それ以上にカープが盛大に自爆したおかげでAクラスは確保するがシーズン前の公約である「優勝争い」には絡めず、CSでも1stステージで巨人にあっけなく敗北。
さらに後ろ盾だった中村勝広GMが東京遠征中に脳出血で急逝。このシーズンを最後に和田は退任(事実上の更迭)に追い込まれ、翌年からオーナー付シニアアドバイザーに就任した。

光の中から現れたスパイス

2014年のポストシーズンにおける伝説の存在。
2位に滑り込んだものの3位広島とのゲーム差は僅かに0.5、首位巨人とのゲーム差は7ゲーム差であり、クライマックスシリーズ前の下馬評はそこまで良くはなかった。
 
1stステージは1勝1分け*14で突破したが僅かに1得点(福留の本塁打のみ)*15という貧打ぶりで2ndステージが早くも不安視された。
しかし2ndステージ巨人戦で「惨劇の巨人」とも呼ばれたスイープ劇を見せつけ9年ぶりの日本シリーズ出場を決める。セ・リーグにおける下剋上は7年ぶりであり、下馬評を覆しての日本シリーズ出場を決めた和田について光の中から現れたスパイスというように後に呼ばれるようになった。なお日本シリーズ。だったため現在では単に巨人が悪すぎた*16*17だけと言われている。

監督としての評価

そんな和田の監督としてのファンからの評価は非常に低く、2000年代以降どころか歴代の阪神監督としても最低レベルである。真弓政権末期の金本故障以降の金本へのゴマスリじみた言動や後述する不倫騒動もあって選手*18及びコーチ時代に築き上げたきた評価が在任4年間で完全に反転してしまうくらいの悪印象をファンに与えてしまった。
残した数字は在任期間中戦力にある程度恵まれていた事や、セ・リーグの他のチームが弱くなっていた時期と重なっていた*19こともあって悪くなく*20歴代阪神監督の中でも高い部類には入るが戦力の割にここ一番での勝負弱さ*21や面白味のない戦いぶり、過渡期のチームでありながら若手育成を半ば放棄してのベテラン偏重起用は不評を買い*22、それが和田の監督としての評価の低さにつながっている*23
功績といえば2012年のドラフトで藤浪晋太郎の当たりくじを引き当てたことくらい。しかもそれさえも2015年に優勝争いを名目に無駄な中5日登板を乱発して投球数過多*24で藤浪が故障しそれ以降不振に陥る原因を作ったとされ帳消しになっている。
またこのときのコーチ陣も批判されることが多く、打撃コーチの関川浩一*25と高橋光信*26、投手コーチの中西清起*27*28*29、内野守備走塁コーチの山脇光治*30、二軍打撃コーチの八木裕*31は近年の阪神の低迷の原因を作ったと今でも批判され、後任監督の金本知憲矢野燿大が苦労するのも無理はないと(采配面は別として)同情されることもある。
後任の金本はチームを優勝に導くことができず2018年の惨状から3年で解任されたが*32、若手育成を全面に押し出していたため和田よりマシと考える阪神ファンも少なくなかった。むしろ和田の若手育成放棄と小さくまとめたがる指導法も改めて批判されており、和田政権下で見出された、育った後の主力選手という存在が皆無に近く*33、外国人頼み、コーチ陣の酷さ、監督退任後も居座るなど、この先も再評価の機会は無いと思われる。
しかも2020年春季キャンプでは臨時打撃コーチに就任し、その指導法から井上広大や遠藤成らへの悪影響を心配する声が出ている。
 
ちなみに2018年4月6日に発生した「申告セーフティスクイズ」事件がきっかけで「スパイス」は和田のみならず金本の蔑称の一つにもなったが程なく使われなくなった。

不倫でスパイチュ

2013年、週刊新潮のスクープ記事により、ものまねタレント・星奈々と2005~2007年の間で不倫関係にあった事が発覚する*34
記事には和田の熱いキスメール*35も掲載されており、その内容があまりに痛々しいものであったことから、スパイスをもじって「スパイチュ」という造語が誕生。
詳しくは奈々も参照。

そのあまりの痛さや家族の対応が評価された結果現在は一種の定番ネタとして親しまれており*36、2015年の清田育宏の堕胎騒動、2016年のベッキー・川谷絵音の不倫、2018年の福田淳一財務事務次官のセクハラ発言、2019年の原田龍二の不倫、綾部翔の18股騒動鈴木尚広ダブル不倫、2020年の西勇輝の不倫など、お騒がせ事件の文面や発言がクローズアップされる度に和田のメールが比較対象になっている。

件のメール全文

愛しい奈々!おはよー!チュッ(笑)

もう俺と奈々は既に運命共同体となっておりますので、どうか最後までお付き合いください(笑)

明日の晩は抱っこして、腕枕して寝てあげるからね

奈々!俺にもチュッは?(笑)

まだお風呂かな?一緒に入ろう! 今度ね!って…もう俺と奈々は、何でもありでしょ?(笑)

また湯船に浸かって、ちょっと恥ずかしそうな顔のかわいい奈々を見せてね! チュッ

関連項目


*1 2017年オフから阪神球団のテクニカルアドバイザーを務める。
*2 引退直後の2002年から何らかの形で阪神タイガースの指導者を毎年務めており、真弓監督時代(2009~2011年)は一軍打撃コーチ。
*3 なお、故障してから例の人物に出場の「お伺い」を立てていたのは和田であった。
*4 ちなみに巨人戦5勝15敗4分
*5 2009年から4→2→4位。なお2010年は首位と1ゲーム差だった。
*6 最下位になった2018年ですら借金17なのでそれより酷いとも
*7 余談も余談ではあるが、この会見の5日後にPerfumeが「スパイス」という曲をリリースしている。
*8 高山久。西武時代の一時期は一軍半呼ばわりされていた選手で、野手版俺達とも言える「高山組」の頭目(当然ながら愛称は組長)とされていた。
*9 しかも勝率は5割を切っている。
*10 ちなみにこのCSの第2戦では、現役引退を表明していた桧山進次郎が代打ホームランを放ち、現役最終打席を有終の美で飾った。単純な試合内容の酷さに加えて能見の登板回避など不可解な采配が多かったこともあり、この桧山のホームランが無ければ甲子園で暴動が起きたのではないかとも言われている。
*11 マートンが首位打者、ゴメスが打点王、メッセンジャーが最多勝&最多奪三振、呉昇桓がセーブ王と、一軍に固定された助っ人全員がタイトルを獲得。
*12 優勝した巨人とは7ゲーム差、3位の広島とは0.5ゲーム差だった。
*13 最大で8あった貯金を全て吐き出し、借金1で勝率5割を切るという事態となった。後述の通り広島の自滅がなければBクラスだった。
*14 クライマックスシリーズのルール上、上位チームは五分の場合でも次のステージに進出可能なため。
*15 2試合目は0-0で終わった。
*16 特に菅野智之が故障で使えなかったのが大きかった。
*17 ただしこの年は戦力だけ見れば阪神の方が上と見る声も多く、それが短期決戦で出たという見方もある。
*18 選手時代は阪神暗黒時代まっただ中で正二塁手として孤軍奮闘し、「和田の打率だけが楽しみ」というファンすらいるほどに信望を集めていた。通算打率は.291でベストナインにも2度選出されたことがある。
*19 広島は野村謙二郎政権でまだ若手育成が実を結んでおらず、中日は監督が落合博満から高木守道に交代し大きく弱体化、横浜は親会社がTBSからDeNAに移り中畑清がチームの立て直しを図っている最中、ヤクルトはいつものヤ戦病院とセで明確に強いと言えるチームは第二次原政権末期の巨人くらいであり、その巨人も主力であったベテランの衰えから2014年以降はチーム力が衰えている。
*20 573試合273勝281敗21分・勝率.493
*21 9月・10月にめっぽう弱く、2013年から2015年はすべて負け越しており、優勝争いからの脱落に直結していた。終盤戦での弱さが結果として和田が解任される要因となる。
*22 監督が金本、そして矢野へと代わった2020年現在でも和田時代の若手選手でレギュラーを獲得した選手がほとんどいないことがその酷さを物語っている。
*23 若手を育てないベテラン偏重起用は今ある戦力を使い潰し、後のチームへの財産を残さないだけに何よりも結果が求められるのだが、それでいて在任4年間で一度もリーグ制覇ができていない。リーグ制覇、世代交代のどっちもできてないのだから評価は必然的に厳しいものになる。特に、外国人選手や移籍選手に恵まれた2014年は在任期間どころか阪神史上においてもかなり戦力が充実していたのだが、このシーズンにリーグ制覇及び日本シリーズ制覇できなかったのは致命的。
*24 この年には21歳ながら199イニングを投げている。
*25 和田が唯一呼んだコーチ。外野守備走塁コーチ時代にもマートンと喧嘩する一方で金本にはなにも言えなかった。同じ投手に負けて敗因を聞かれた際に逆切れした挙げ句、「他球団も打てていないんだから仕方がない」と、打撃コーチとしての仕事を放棄しているとしか思えない発言をしたり、阪神時代の新井貴浩の打撃を壊し伊藤隼太俊介らが伸び悩んだ元凶とも。コーチとして無能なだけならまだしも前述の通り、言動面にかなりの問題を抱えるため、阪神ファンからの「呪いの武装」「関川、眼鏡割れろ」など言われ、ヘイトはここで挙げられているコーチ陣の中でもトップクラスで名誉外様を超えた絶許扱いとなっている。
*26 和田が監督時代一貫して打撃コーチだった。山脇、関川のように言動面で悪く言われることはなかったが貧打の要因として批判された。
*27 ここで上がっているコーチと違い2005年の優勝コーチであり、2009年から2012年までは2軍コーチだった。ブルペンコーチとしては有能と評価されている部分もある一方でメインコーチとしては無能という声も強く、シーズン終盤の対巨人特攻ローテーションを組んでは失敗という流れを毎年のように繰り返した。
*28 また、彼が指導した松田遼馬・歳内宏明・岩本輝ら有望だった若手投手の多くが鳴尾浜量産型投手化している。さらに藤浪晋太郎の近年の低迷の元凶(ソースがないので真偽は不明だが、指が長い藤浪に対して「抜け球はいい、指に引っ掛けるほうがダメ」というアドバイスをし、それが元で全てが狂ったのではという話があったりする。)とも言われる。このため、育ったのは中西自身のお腹ぐらいと揶揄されるほど、投手育成能力にも問題があるともいわれている。
*29 ただし、中西自身は当初は引き続き2軍コーチとして若手を育てることを切望していた。しかし、中村GMの圧力で1軍コーチにならざるを得ず、その影響で育成プランが白紙になってしまった。その為、若手投手の伸び悩みの原因は、中西というよりも無用な人事異動を行った中村GMの責任が大きいとの声もある。
*30 三塁コーチャーとしては典型的な壊れた信号機、守備コーチとしては今日の阪神の守備崩壊の元凶ともされ、さらにコーチ退任後はスコアラーに転身したが、こちらも無能扱いされた。このことからソース無しで真偽不明だが「山脇は電鉄幹部の娘と結婚したことから現役時代から実績がないにもかかわらずコネで現場に居座っている」といつしか評され、阪神ファンからは関川と同等かそれ以上のヘイトを集めていた。そんな中、スコアラー在職中の2018年、チームが東北楽天ゴールデンイーグルスとの交流戦のため遠征していた仙台で盗撮事件を起こし、即座に解雇。無事終身名誉外様認定となった。
*31 二軍打撃コーチだったが結果が残せず、育成コーチに回され、野原将志や森田一成ら若手打者を育てられなかったことを批判される。
*32 そもそも優勝できなかった原因の1つに岡田、真弓時代のドラフトの酷さ、和田の選手起用法によって、まともに一軍で使える中堅野手が殆どいなかった事による選手層の薄さが挙げられる。
*33 強いて挙げるなら大和と上本博紀岩崎優くらいだが大和と上本はスペ体質や打撃の調子にムラがあることもあってレギュラーを掴みきれず、大和はFA移籍、上本はレギュラーになれないまま現役引退となった。また岩崎が中継ぎとしての適性を見出だされたのは和田政権ではなく金本政権の時である。
*34 最初の夜は日本シリーズで4連敗を喫した日の残念会の後だった模様。
*35 実際は複数のメールからの抜粋。
*36 他の選手に迷惑をかけた訳ではないため、少なくとも清田よりはマシと言われている。