2012~2015年に阪神タイガースの監督を務めた和田豊*1が、就任初年度のキャンプ中のインタビューで発言したフレーズ。そこから転じて「スパイス」が和田の蔑称として使われる。現在では、改変形の「スパイチュッ」も使われる。
概要 
和田は2012年に阪神タイガースの監督に就任すると、就任会見で「(今年の阪神は)現在の戦力でも少しスパイスを加えれば優勝争い、優勝できる戦力がある」と(カレーでも作るかのように)発言、優勝への自信を覗かせた。
しかし、前政権の真弓明信時代から一軍コーチを歴任*2しておきながら、いざ自らが監督に就任すると「まあ去年はね、テレビじゃちょっと言えないような事情のせいで負けましたけど」と、まるで去年の成績が他人事であるかのような発言*3をしたことと合わせて波紋を呼び、和田の監督としての手腕がどう発揮されるのかがシーズン前から多少なりとも注目されることになった。
いざシーズンが始まると早々と優勝争いから脱落、8月には自力CS進出すら消滅する体たらく。何とか最下位は免れたものの(55勝75敗14分)*4、残された成績は真弓時代*5はおろか、かつての暗黒時代にも匹敵する低迷ぶりだったため*6
「はよスパイスかけろや」
「これはスパイシーですわ」
など、和田を嘲笑う意味でこの表現が使われるようになり、ここから転じて和田本人及び彼の珍采配を「スパイス」と呼び、謎のバント・盗塁・代打策などが行われた時に「(スパイスファサー」と語尾につけるなどの用法も見られるようになった。
なおこの「スパイス」発言はこのキャンプ時が初出ではなく監督就任会見時*7で既に用いており、きっと本人お気に入りのフレーズだったのだろう。
就任時会見 
スポニチ「就任会見でキッパリ!和田新監督「少しのスパイスで優勝争いできる」
」
阪神の新監督に就任した和田豊氏(49)が28日、大阪市内のホテルで記者会見し「現有戦力はしっかり把握している。今の戦力にほんの少しのスパイスを加えれば十分優勝争いできる」と意気込みを語った。
契約は3年。新体制は11月に高知県で行う秋季キャンプから本格始動する。
(中略)
▼阪神・和田豊新監督の話
歴代監督を何人も見てきて、大変な仕事だと実感している。
3年目に優勝争いではなく、来年勝負をかけるくらいのつもりでやっていきたい。
広い甲子園に対して、投手力を含めセンターラインを強化して守りの野球が理想。
その後 
散々な2012年シーズン終了後の和田阪神はドラフトの目玉選手だった藤浪晋太郎を獲得した他、西岡剛や福留孝介、ブルックス・コンラッドに日高剛といった新戦力を補強。ちょっとどころではないスパイスを得た阪神と和田に注目が集まった。
そうして始まった翌年は上記戦力に加え新井貴浩の復活などで好調、他のセ4球団を大きく引き離し2位に定着。6月には一時首位に立つなど読売ジャイアンツと熾烈な争いも演じた。
だが夏場に入ると、例年のごとく故障者や調子を落とす選手が続出。上記の強化メンバーがことごとくファーム行きとなり「スパイシー二軍」と揶揄される有様になっていた。
虎ファンが嘆く高給取りばかりが集まる鳴尾浜
http://www.daily.co.jp/newsflash/tigers/2013/08/05/0006222923.shtml
2軍の本拠地である鳴尾浜を訪れるファンから厳しい声が上がっている。
「高給取りばっかりおるやんか」
鳴尾浜には故障や不調で2軍調整を続ける選手がいる。そのメンバーは“豪華”だ。
福留孝介、西岡剛の元メジャーリーガーコンビに4番・三塁を期待して獲得したコンラッド。
捕手補強を目指しFAで補強した日高剛。さらにシーズン途中に守護神候補として獲得したボイヤーらだ。
いずれも昨年就任した中村勝広GMが5位から優勝奪回へ向け補強した選手たちだ。
実は5日現在、1軍登録選手の中に今季からの新戦力は藤浪しかいない。
5月に緊急トレードで西武から獲得した高山*8も2軍落ちしている。
結局2位になったものの、CSでは投手起用の迷走などで3位の広島*9に1勝もできずシーズンを終えた。*10
2014年は外国人助っ人たちの著しい働きぶり*11があったにも関わらずAクラス確保が精一杯の有様*12だったことから和田退任を求める声は上がっていたがCSを突破したため立ち消えに。
翌2015年は得失点差が大幅マイナスになりながらシーズン中盤まで好調もシーズン終盤に大失速*13。それ以上にカープが盛大に自爆したおかげでAクラスは確保するがシーズン前の公約である「優勝争い」には絡めず、CSでも1stステージで巨人にあっけなく敗北。
さらに後ろ盾だった中村勝広GM*14が東京遠征中に脳出血で急逝。このシーズンを最後に和田は退任(事実上の更迭)に追い込まれ、翌年からオーナー付シニアアドバイザーに就任した。
光の中から現れたスパイス 
2014年のポストシーズンにおける伝説の存在。
2位に滑り込んだものの3位広島とのゲーム差は僅かに0.5、首位巨人とのゲーム差は7ゲーム差であり、クライマックスシリーズ前の下馬評はそこまで良くはなかった。
1stステージは1勝1分け*15で突破したが僅かに1得点(福留の本塁打のみ)*16という貧打ぶりで2ndステージが早くも不安視された。
しかし2ndステージ巨人戦で「惨劇の巨人」とも呼ばれたスイープ劇を見せつけ9年ぶりの日本シリーズ出場を決める。セ・リーグにおける下剋上は7年ぶりであり、下馬評を覆しての日本シリーズ出場を決めた和田について光の中から現れたスパイスというように後に呼ばれるようになった。なお日本シリーズ。だったため現在では単に巨人が悪すぎた*17*18だけと言われている。なお、和田監督時代における短期決戦の勝率は、この2014年のポストシーズンでの善戦のおかげで第一次岡田彰布監督時代よりも高かったりする。
不倫でスパイチュ 
2013年、週刊新潮のスクープ記事により、ものまねタレント・星奈々と2005~2007年の間で不倫関係にあった事が発覚する*19。
記事には和田の熱いキスメール*20も掲載されており、その内容があまりに痛々しいものであったことから、スパイスをもじって「スパイチュ」という造語が誕生。
詳しくは奈々も参照。
そのあまりの痛さや家族の対応が評価された結果現在は一種の定番ネタとして親しまれており*21、2015年の清田育宏の堕胎騒動、2016年のベッキー・川谷絵音の不倫、2018年の福田淳一財務事務次官のセクハラ発言、2019年の原田龍二の不倫、綾部翔の18股騒動、鈴木尚広のダブル不倫、2020年の西勇輝の不倫など、お騒がせ事件の文面や発言がクローズアップされる度に和田のメールが比較対象になっている。
件のメール全文 
愛しい奈々!おはよー!チュッ*22(笑)
もう俺と奈々は既に運命共同体となっておりますので、どうか最後までお付き合いください(笑)
明日の晩は抱っこして、腕枕して寝てあげるからね
奈々!俺にもチュッは?(笑)
まだお風呂かな?一緒に入ろう! 今度ね!って…もう俺と奈々は、何でもありでしょ?(笑)
また湯船に浸かって、ちょっと恥ずかしそうな顔のかわいい奈々を見せてね! チュッ