盗見(ヌッス)

Last-modified: 2021-12-07 (火) 22:19:21

元中日ドラゴンズ・吉見一起の蔑称。カッス風の呼び名として「ヌッス」とも。
転じて「吉見が行った、好投している先発から責任投手を奪って得た勝利」「炎上したのに直後の味方の攻撃で勝ち越し・逆転してもらい棚ボタで得た勝利」を指す。


解説

2009・2011年のように最多勝争いへ絡んだシーズンの終盤になると、リードしている状態の5回から中継ぎ登板で先発投手の勝ち星を盗んで(稼いで)いく様が侮蔑の意味も込めて呼ばれるようになった*1。これが転じて、同様のケース以外にも「中継ぎが炎上して先発投手の勝ち星消失→直後に味方が再逆転し炎上した中継ぎが勝ち投手になる」といったパターンの場合は、誰であろうと「ヌッス」呼ばわりされるようになった。

この起用法は「選手にタイトルを取らせる」事を重要視した落合博満監督(当時)の配慮という側面もあるため、一概に吉見だけの責任とは言えない。重ねてタイトルに関わる事象であるため、シーズン終盤戦において特殊な起用法をする*2ことはよく行われており、この件が例外というわけではない。

ちなみに、この起用が行われたいずれの年も単独最多勝は獲得できておらず(2009年は館山昌平、2011年は内海哲也と同時受賞)、そういった部分で批判を受けることも稀にあった。2011年に関しては内海も2度中継ぎ登板での勝利を記録し、吉見と共に批判されることがあったが、それぞれ「同点登板から失点、その直後に逆転」と「1点ビハインド登板からの勝ち越し」のため、厳密に言えば勝ち星を奪ったわけではない。

余談

なんJでは通算400勝(NPB記録)を挙げた金田正一について、「金田の400勝はヌッスによって達成したもの」と煽る場合がある。

実際のところ金田の救援勝利数は132もあるのだが、これは当時金田以外の国鉄投手陣が貧弱だったために金田を先発しない日も勝ちパターンとして起用せざるを得なかったという事情によるものなので批判としては的外れである。

同様に、シーズン勝利数のNPB記録(42勝)を持つ稲尾和久も同じようなイチャモンを付けられることがある。

関連項目



Tag: 中日 なんJ


*1 主な被害者は当時チームメイトだったチェン・ウェインが有名。
*2 野手の場合は「その時点での首位打者を試合に起用せず、温存して凡退による打率の低下を防ぐ」、投手の場合は「規定投球回に到達させるために先発登板させる」など。タイトルを追う選手に対しては出場しても勝負を避ける「四球攻め」の作戦にも言える。