テレビの映りが悪いんじゃないですか

Last-modified: 2020-03-06 (金) 20:14:23

自身に有利な判定について、VTRでは誤審に見える旨を指摘されたことに対する脇谷亮太(当時巨人)*1のコメント。

概要 Edit

2011年4月20日、阪神対巨人戦(甲子園)の7回裏。

巨人2番手・内海哲也(現西武)は、鳥谷敬に勝ち越し左犠飛を許し、さらに三塁・一塁のピンチ。ここで続くクレイグ・ブラゼルの打球は、二塁後方へのフライとなった。

高く上がった打球は、懸命に背走する二塁手・脇谷のグラブをかすめ、そのままグラウンドへワンバウンド。しかし、脇谷は諦めずにそのまま転がり込みながらボールを拾い上げる名演技を見せた。

脇谷のスムーズなアクションに加え、ちょうど一塁塁審の土山に背を向ける角度となっていたことから、土山からはノーバウンドでダイビングキャッチをしたように見えてしまい、判定はアウトとなった。

これに阪神・真弓明信監督が抗議をするも、判定は覆らず*2、甲子園の観客席から大ブーイングがわき起こった。

脇谷が転がる間に三塁走者だけでなく、一塁走者の新井貴浩まで三塁を回っており、誤審がなければ2点が入っていた局面だけに、大きなプレイとなる。案の定、試合はその後巨人が逆転して1点差で勝利。結果的に、誤審が勝敗を分けることになってしまった。

実際には選手はギリギリのプレイをしており、捕球したと思ったが捕れていない(もしくはその逆)ということはよくあること。これだけならば、いつものよくある演技と誤審に過ぎなかったのだが…


試合後、巨人の原辰徳監督は気を遣ったのか、控えめなコメント。しかし、当事者の脇谷は「捕りましたよ。自分の中ではスレスレのところでやってますから。VTR?テレビの映りが悪いんじゃないですか」とあくまでVTRが間違っていると含み笑いで主張。このぐう畜ぶりは阪神ファンの怒りに火に油を注ぐこととなり、長年に渡ってこの発言が晒し上げられることになった。

参考記事:ポロリ?も判定アウトに!巨人に幸運の女神


問題の動画 Edit

派生語 Edit

  • ラッキューワッキ
    「落球」と脇谷の愛称「ワッキー」を合わせて「サンキューカッス」風に呼んだもの。
  • 脇谷ー!テレビこうてくれー!!
    脇谷の発言を皮肉った阪神ファンの野次。元はTwitterに書き込まれたものだが、なんJにスレッドが立って広まった。

後日談 Edit

これ以降、脇谷の野球人生は坂道を転げ落ちるように苦難の連続となる

事件直後の5月に打撃不振に陥り2軍降格、藤村大介に二塁手のレギュラーを奪われてしまう。さらに7月には右手有鉤骨を骨折し10月まで戦線離脱。オフに右肘靭帯再建手術を受け、2012年は育成落ちとなってほぼ1年をリハビリに充て、シーズン終了後の11月にようやく支配下選手に復帰した。

2013年は開幕スタメンに起用されたものの、若手の台頭で49試合の出場に留まり、片岡治大の人的保障で西武に移籍。西武には2年在籍し、その間は内外野のサブとして活躍するも、2015年オフにFA権を行使して巨人に復帰*3。巨人復帰後は打撃の不調により、守備固めなどでの起用が続いた。

そして2018年。脇谷はこの年、一軍出場がなく、シーズン終了を待たずに引退を決断した*4

プロ野球選手としての最後の舞台は因縁の阪神とのファーム日本一決定戦。9回に代打で登場した脇谷はファーストゴロに倒れ、試合はそのまま敗戦となった。そして、脇谷はライトスタンドの阪神ファンに向かって一礼するとグラウンドを後にした。

後にインタビューで阪神ファンに一礼した理由を聞かれ、

甲子園の一件で阪神ファンやプロ野球ファンを僕の行動で傷つけて、悲しませてしまった。
最後の心にひっかかるものがあったので、2軍の試合ですけど、ライトスタンドに一礼できてよかった。
https://www.nikkansports.com/baseball/news/201810060000836.html

と阪神ファンに謝罪。7年の時を経て、テレビの映りは悪くなかったことを認めた。

脇谷スカウトが当時を回想したデイリー記事
https://www.daily.co.jp/baseball/2018/12/23/0011927495.shtml

その後の類似プレー*5 Edit

中谷将大、レフトゴロ併殺事件

2018年5月27日、阪神対巨人(甲子園)
脇谷の件から7年後、甲子園での阪神対巨人戦で落球に関する疑惑のジャッジが再び発生。
巨人投手陣の乱調や守乱により9-0で阪神がリードして迎えた9回表、巨人は阪神3番手のディエゴ・モレノの乱調に付けこみ1点を返し、更に1死満塁で打者・長野久義(現広島)を迎える。
長野は初球を打ってレフトへの大きなフライを上げる。犠牲フライには十分の距離...かと思われたが、左翼手・中谷将大が一旦グラブに打球を収めたのちまさかの落球
これを三塁塁審土山ノーキャッチのジャッジを行った。中谷はすかさず三塁手・大山悠輔に送球し二塁走者のケーシー・マギーはフォースアウト。さらに大山が二塁手・熊谷敬宥に送球し、走っていなかった一塁走者・亀井善行も二塁で封殺され結果的に7-5-4の「レフトゴロ併殺」で試合終了となった。

判定した審判が脇谷の時と同じだったこともあり、土山の誤審と見る向きもあった。ただ、あまり知られてないルールとして「トランスファールール」というものがあり、選手(この場合は中谷)がボールをキャッチした後、送球しようとするまでにボールを落とした場合はノーキャッチとして判定される。

ただ、トランスファールールを適用していたにせよ、球審の本田の場内説明では、あくまで土山が捕球を認めなかったとしか説明しておらず、試合後を含めて審判団からトランスファールールへの言及はなく、結果として、土山が完全捕球を認めなかったために謎の判定(≒誤審)でゲームセットになった、という印象は、当日の報道ニュース各局、翌日の各スポーツ紙でも一致している。

とにもかくにも最終判定は落球となり、これで得をしたのは前述と逆の阪神タイガースであり、巨人は阪神に7年越しでお返しを食らってしまった

なお、得をしたのは阪神だが、判定そのものは巨人に有利である。落球ということで、亀井とマギーが次の塁へ進んでいれば、1点入った上でアウトカウントは1つも増えずに試合は継続していたことになり、ある種の怠慢走塁ではある。
もっとも、怠慢走塁と断じるには酷な状況下での出来事であり、巨人・井端弘和走塁コーチも選手を擁護しており、走者への批判は見られない。

これらのこともあり「中谷の頭脳プレー」という説もあるが中谷自身はバツが悪かったようである*6。事実、中谷は首脳陣に苦言を呈され自らヒーローインタビュー*7も辞退しており試合終了後のネット上では、巨人ファンは言うに及ばず阪神ファンですらあまりの後味の悪さもあって中谷に対して非難轟々であり「アホ谷」という蔑称を付けられてしまった。
ちなみに中谷は、外野守備力こそ範囲・送球・目測など高水準である反面、繊細さに欠ける部分があり、2016年の対広島戦(マツダ)でもサヨナラ落球*8をやらかした前科がある。

余談だがこの二つの試合を選手として目の当たりにしているのは、巨人では坂本勇人阿部慎之助、阪神では鳥谷敬藤川球児俊介のみである。
なお、阪神はこの試合が平成最後の巨人戦甲子園勝利となった。*9*10

荻野貴司、センターゴロ併殺事件

2018年5月29日、神宮球場で行われたヤクルト対ロッテ戦、中谷の件からわずか2日後に起こった珍事。
9回裏一死1,2塁で荒木貴裕のセンターへの飛球を荻野貴司がワンバンで捕球した。このとき、二塁走者・山田哲人と一塁走者・青木宣親は完全捕球と勘違いし、前の塁へ戻る*11。荻野は即座に3塁へ送球し、さらに2塁にもボールが渡って両者ともにアウトになり結果は荒木のセンターゴロ併殺で試合終了に。小川淳司監督がリクエストを要求したが、判定は覆らなかった。尚、この時も審判の行動が問題視された模様。

大山悠輔ランニング2ラン事件(乙坂前ホームラン)

2018年9月27日、甲子園で行われた阪神対DeNA戦。
5回裏二死1塁で大山悠輔が左中間に放った飛球をセンター・乙坂智がダイビングキャッチを試みるも判定はノーキャッチ。しかし、それに乙坂が気づかず倒れている間に一塁走者の糸原健斗と打者走者の大山のホームインを許し、記録は大山のランニングホームランとなった。ラミレス監督*12がリクエスト*13を要求したが判定は覆らず「倉本前ヒット」を捩って「乙坂前ホームラン」、この時の阪神監督である金本知憲が2012年にやらかした左本キを捩って「中本キ」などと揶揄された。
ピッチャーのジョー・ウィーランドはダイビングキャッチに成功したと確信しガッツポーズをしたがぬか喜びに終わってしまった
尚、阪神は試合に敗れた模様

関連 Edit


*1 2014年に片岡治大の人的保証で西武へ移籍。2016年にFAで巨人に復帰。2018年に引退しスカウトに就任。
*2 当時、ビデオ判定は「ボールがフェンスを越えたか否か」のみにしか適用できなかった。また、直後の8回表には先頭打者の巨人・小笠原道大のショートゴロで一塁に送球された際どいプレーをセーフと判定し、再び真弓監督が猛抗議を行なった。
*3 尊敬する高橋由伸が監督就任したため
*4 前年オフに村田修一を放出しており、このシーズンには岡本和真を筆頭に吉川尚輝、田中俊太など若手が躍動し始めており、チーム方針と実際の選手の活躍双方で内野の若返りが進んでいたのも要因と思われる
*5 ただし、いずれも誤審かどうかはかなり際どい。
*6 映像を見る限り大山や熊谷たち阪神内野陣も三塁塁審の判定は予想外だったのか、ダブルプレーがたどたどしかった。また、サンデーモーニングで張本勲は「わざとではありませんよ」と発言している。
*7 前日に澤村拓一からサヨナラ安打を放ち、この日も野上亮麿から先制決勝2ランを放っており4年ぶりの甲子園巨人3タテの立役者だった。
*8 中堅手との衝突だが、記録上は失策
*9 しかもこの年はこのカード以外の甲子園巨人戦は未勝利(3勝9敗1分け)に終わり、阪神最下位の一因にもなった。
*10 次の勝利は2019年(令和元年)5月29日である。
*11 特に青木は2塁にほぼ達していたのにもかかわらず1塁に戻ってしまった
*12 ちなみにラミレスは現役時代、何度か名演技でフライをキャッチしたふりをしてアウトを勝ち取っている。
*13 この日は真弓がサンテレビの中継で解説を務めており、トラウマを呼び起こされたのかプレー直後「捕ってない」を連呼していた。