バックギャモンの戦略・戦術 14.プライミングゲーム

Last-modified: 2018-08-22 (水) 15:36:44

13.敵を「閉じ込める」戦法 << バックギャモンの戦略・戦術 >> 15.アタッキングゲーム


さて、まずはプライミングゲームのコツについてです。
といっても、ここまでの講座は、このプライミングゲームを目指す、という視点で
行ってきたようなものですから、もうあまり言うことはありません。

 

繰り返すと、自陣や自陣付近、3~9ポイントあたりに、なるべく連続したブロックを作っていきましょう。
ブロックを作れない時は、ビルダーを配置したり、スロットをしたりして、ブロックを作る準備をします。
また、相手のバックマンが逃げ出そうとしたら、できる限りヒットして追い返してやりましょう。

 

これまで説明してないことと言えば、プライムを完成させた状態から、どうやって
確実に勝利までもっていくか、という点ですね。

 

プライミングゲームの勝ちきり方

test109.png
まずは上の局面をご覧頂きましょう。
これは、プライミングゲームに持ち込むことに成功した場面です。
もはや、90パーセント以上、95パーセント近くの勝率を手にしています。

 

ただし、それはここからの勝ちきり方を知っていたら、の話です。
まんまと相手のバックマンに逃げられてしまえば、ピップカウントでは負けていますので
楽々と逆転されてしまいます。では、この場面で「4・2」を振った白は、どう動かすべきでしょうか。

 
 
 

test110.png
正解は、このように、相手のバックマンをヒットする手です。
(「2」の目の動かし方は、10のマス目のコマを動かしてもOKです。)

 

こう動かすと「コマをヒットし返される危険があるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
確かに、ヒットされたら、相手の最強の陣地に閉じ込められてしまう・・・!

 

しかし、よく考えてみてください。たとえコマを取られても、相手のバックマンは
絶対にこちらのプライムを超えることができません。ということは、相手は結局、今後ずっと
相手自身の陣地を崩す手しか打てません。そして最終的に、自分のコマは脱出できるのです。
ですから、こちらは何も怖がる必要がないのです。これが「プライム」の圧倒的な強さです。

 

このように通常は、6つ続いたプライム(フルプライム)が続いた状態を維持する限り、
その先のマス目にブロット(一人ぼっちのコマ)を置くことにリスクはありません。
そして、もしヒットされなければ、次の自分の番にそこにもう1枚コマを重ねることで、
プライムを前進させることができるのです!(これをウォーキングプライム、もしくはキャタピラーと呼んだりします。)

 

これを繰り返して、クローズアウト(1~6までブロックを作って閉じ込める)にもちこめば
万全の「寄り切り勝ち」です!この勝ち方が基本の1つですので、おさえておきましょう。

 

相手にアンカーを作られた場合

2枚以上のコマを閉じ込めていて、相手にアンカーを作られた場合は
上記のような「寄り切り勝ち」はできません。とはいえ、そんなに心配する必要はありません。
image105.png

 

ある程度プライムの状態を維持した上で、維持できなくなってきたら
多くの場合、普通に後ろの方にあるブロックを崩していけば大丈夫です。
image104.png

 

相手のバックマンは逃げ出していくでしょうが、2枚以上閉じ込めていたわけですから、
そのすべてが相手の陣地に到達するまでは時間がかかります。
よって結局、こちらが勝ち切れる可能性が高くなります。

 

ただし、下の画像のように、少し後ろすぎる位置のプライム(いわゆる「浅いプライム」)の場合は例外です。
image106.png

 

これだと、こちらがブロックを崩し始め、相手のバックマンが逃げ出し始めたころ、
まだこちらのコマは十分に進んでいません。ですから、逆転勝ちされることも多いです。

 

結論としては、プライムはある程度、前の方に作っておく方が強力であると覚えておきましょう。

 
 

13.敵を「閉じ込める」戦法 << バックギャモンの戦略・戦術 >> 15.アタッキングゲーム