13.敵を「閉じ込める」戦法 << バックギャモンの戦略・戦術 >> 15.アタッキングゲーム
さて、まずはプライミングゲームのコツについてです。
といっても、ここまでの講座は、このプライミングゲームを目指す、という視点で
行ってきたようなものですから、もうあまり言うことはありません。
繰り返すと、自陣や自陣付近、3~9ポイントあたりに、なるべく連続したブロックを作っていきましょう。
ブロックを作れない時は、ビルダーを配置したり、スロットをしたりして、ブロックを作る準備をします。
また、相手のバックマンが逃げ出そうとしたら、できる限りヒットして追い返してやりましょう。
これまで説明してないことと言えば、プライムを完成させた状態から、どうやって
確実に勝利までもっていくか、という点ですね。
プライミングゲームの勝ちきり方
まずは上の局面をご覧頂きましょう。
これは、プライミングゲームに持ち込むことに成功した場面です。
もはや、90パーセント以上、95パーセント近くの勝率を手にしています。
ただし、それはここからの勝ちきり方を知っていたら、の話です。
まんまと相手のバックマンに逃げられてしまえば、ピップカウントでは負けていますので
楽々と逆転されてしまいます。では、この場面で「4・2」を振った白は、どう動かすべきでしょうか。
正解は、このように、相手のバックマンをヒットする手です。
(「2」の目の動かし方は、10のマス目のコマを動かしてもOKです。)
こう動かすと「コマをヒットし返される危険があるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
確かに、ヒットされたら、相手の最強の陣地に閉じ込められてしまう・・・!
しかし、よく考えてみてください。たとえコマを取られても、相手のバックマンは
絶対にこちらのプライムを超えることができません。ということは、相手は結局、今後ずっと
相手自身の陣地を崩す手しか打てません。そして最終的に、自分のコマは脱出できるのです。
ですから、こちらは何も怖がる必要がないのです。これが「プライム」の圧倒的な強さです。
このように通常は、6つ続いたプライム(フルプライム)が続いた状態を維持する限り、
その先のマス目にブロット(一人ぼっちのコマ)を置くことにリスクはありません。
そして、もしヒットされなければ、次の自分の番にそこにもう1枚コマを重ねることで、
プライムを前進させることができるのです!(これをウォーキングプライム、もしくはキャタピラーと呼んだりします。)
これを繰り返して、クローズアウト(1~6までブロックを作って閉じ込める)にもちこめば
万全の「寄り切り勝ち」です!この勝ち方が基本の1つですので、おさえておきましょう。
相手にアンカーを作られた場合
2枚以上のコマを閉じ込めていて、相手にアンカーを作られた場合は
上記のような「寄り切り勝ち」はできません。とはいえ、そんなに心配する必要はありません。
ある程度プライムの状態を維持した上で、維持できなくなってきたら
多くの場合、普通に後ろの方にあるブロックを崩していけば大丈夫です。
相手のバックマンは逃げ出していくでしょうが、2枚以上閉じ込めていたわけですから、
そのすべてが相手の陣地に到達するまでは時間がかかります。
よって結局、こちらが勝ち切れる可能性が高くなります。
ただし、下の画像のように、少し後ろすぎる位置のプライム(いわゆる「浅いプライム」)の場合は例外です。
これだと、こちらがブロックを崩し始め、相手のバックマンが逃げ出し始めたころ、
まだこちらのコマは十分に進んでいません。ですから、逆転勝ちされることも多いです。
結論としては、プライムはある程度、前の方に作っておく方が強力であると覚えておきましょう。