16.待つか、進むか << バックギャモンの戦略・戦術 >> 18.ランニングゲーム
さて、前回は「待つ」か「進む」か、というテーマの話でした。
いずれかのプレーヤーが「待つ」という選択肢を選択したゲーム展開のことを
「ホールディングゲーム」と呼びます。
ホールディングゲームは、相手の陣地のどこかにアンカーを作り、
それを待機させて、最終的には相手のコマをヒットし、逆転することを狙う戦法です。
ホールディングゲームのコツは、
- ①相手のコマをヒットできるまでは、自分の陣地を強くしておくこと
- ②できれば、前の方(18~21ポイント)にアンカーを作っておくこと
です。特に①について紹介しましょう。
自分の陣地を強くする
「自分の陣地を強くする」というのは、つまり、自分の陣地にブロックを増やすことです。
相手のコマをヒットできた時に、自分の陣地が強ければ、それだけ相手のコマを捕まえやすくなります。
ここで、前回のページでも見たこの画像をご覧ください。
これは前回、「後方で待つ」という例で示した手です。
待つのは良いとして、ではほかのコマをどのように動かせば良いのでしょうか。
結論から言うと、自分の陣地にブロックを作ることができるなら、作る手が良いでしょう。
そして、作れないのなら、ブロックを作りたい場所にコマを1コ置く(スロット)が有効です。
それがまさに、この画像の手で行っていることです。
コマを1コ置いておくことで、次の自分の番にそこにもう1コ重ねれば
ブロックができるので、効率的に自分の陣地を作っていくことができるのです。
前の方にアンカーを作りたい理由
最後に、もう1つのポイント「できれば前の方にアンカーを作る」ことについて。
なぜ前の方に作った方が良いかというと、戦法に柔軟性が出てくるからです。
たとえば、あなた方がコマが遅れているので、ホールディングゲームを選択したとします。
しかしその後、とても大きい目(6・6など)を振って、コマの進み具合が互角以上になったとします。
この時、前方にアンカーを待機していれば、思い切ってアンカーを逃げ出してしまい、
ランニングゲームに転換することができます。
一方、後方に待機していると、せっかく大きい目を振っても相手のブロックが邪魔で
アンカーを逃げ出すことができない、なんてこともよくあります。
また、後方に待機していると、相当な終盤になるまで相手のコマをヒットするチャンスがないことが多いです。
結果として、もし相手のコマをヒットできたとしても、既に相手のコマがたくさんゴールしていて
時すでに遅し、なんてこともあるのです。これが、前方にアンカーを作った方が良い理由です。
以上のことを念頭に置いて、ホールディングゲームに慣れることができれば、
なかなか大きな目が出ないような日も、逆転勝ちをすることが多くなるはずです。