バックギャモンの戦略・戦術 9.スロットする

Last-modified: 2018-08-18 (土) 23:35:05

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前回はビルダーを配置して、ブロックを作りやすくする、という考え方を紹介しました。
今日は最後に、さらに露骨に、直接的に、ブロックを作りに行くような手を紹介します。

 

「21」のもう1つの手

前回、オープニングの「21」の良い動かし方として、
「1」の目でバックマンをスプリットし、「2」の目でビルダーを配置する、という手を紹介しました。

 

実はこれと並んでもう1つ、良いと言われている手があります。
それはいったい、どんな手なのでしょうか。早速見てみましょう。

 

test47.png

 

このような手です。特にある程度経験を積んだプレーヤーが、好むことが多い手です。

 

狙いは何?

注目すべきは「1」の目の動かし方です。かなり危険な手にも見えます。
前方にブロット(一人ぼっちのコマ)を作ってしまっていますからね。
次に相手に「4」の目を振られてヒットされたら、コマが大きく後退してしまいます。

 

しかし逆に、もしヒットされなかった場合、大きなメリットもあるのがわかりますか。
そう、次の自分の番に、5ポイントにブロックを作れる可能性が非常に高いことです。
次の自分の番で、「1」か「3」か「6」の目を振れば、ブロックを作ることができます。

 

つまり、「ブロックを作りたいな」と思った場所にコマを1コ置くことで、
次にそこにもう1コ重ねるだけで、ブロックとなるようにした。
これはスロットと呼ばれるテクニックです。

 

スロットのメリットとデメリット

スロットは、前章の「ビルダーの配置」と同じように、相手のコマを閉じ込めるための手です。
しかし、ビルダーを配置するだけの手と比較して、スロットにはメリットとデメリットがあります。
どちらも既に軽く触れているものですが、確認してみましょう。

 

まずメリットは、次にブロックを作れる可能性が、ビルダーを配置するよりも高いことです。
2つのサイコロのうち、1つの目だけを使ってブロックを作ることができるからです。

 

一方、デメリットは、相手にコマをヒットされる可能性が、ビルダーを配置するよりも高いことです。
相手にとっても2つのサイコロのうち、1つだけの目を使ってこちらのコマをヒットできるからです。

 

つまりスロットは、ややギャンブル的な手ですので、デメリットが大きい場合はするべきではないでしょう。
たとえば、相手がバックマンをスプリットした後にスロットをしてしまうと、
コマがヒットされる可能性がとても高くなってしまうので、控えた方が良いでしょう。

 

オープニングでスロットをする例

オープニングでスロットするのが良い手の一つとされるているのは、
「21」のほかには、「41」や「51」といった目です。

 

test50.png

 

もちろん、「1」の目はバックマンをスプリットするほうが安定の手ですが
このように使う選択肢もアリです。比較的、上級者が好む傾向にある手です。

 
 

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