かたち

おおよそかつての日本人が創作し、「かたち」と成った美しきもの。
美術と呼ばれる純粋アートから工芸、建築、調度品まで、日本の伝統的な美しきものすべて。
岡倉天心は「東洋の思想」で、日本美術の歴史を、つぎつぎによせてきた東洋思想の波が、
民族意識にぶつかって、砂に跡を残していった浜辺にたとえている。
縄文時代は別として、弥生時代からこのかた、日本美術は外来美術の影響を絶えず受けてきた。
そうした中でも日本の「かたち」の特質を挙げるとことができる。
「間」。
永遠の時や深遠な空間を感じさせる、絵以上に意味のある余白。
そして表現の繊細さと優美さ、叙情性。また、主題より情感が表現されていることも特質だろう。