和ランプ

Last-modified: 2006-02-11 (土) 17:19:07

わらんぷ

明治時代、文明開化に伴って欧米からランプが輸入された。
それまで庶民の灯火具といえば、屋内においては行灯、外出時には提灯といったものだったが、
舶来の美しい姿をしたランプはたちまち評判を呼んだ。
そんなランプの評判を受けて、舶来物にひけをとらない質の和製ランプも製造されるようになり、
ランプは人々の暮らしのなかに急速に浸透していった。
こうして、ランプの普及によって日本の夜は明るく灯されるようになった。
庶民の生活を暖かく明るく照らしていたランプは、近代日本の黎明期における象徴的な道具のひとつといえる。

和ランプは、日本家屋の居住空間・生活様式に合うように改良が加えられてつくられていた。
もともと日本家屋の天井は、どこにでもランプが吊るせるような利点があったといわれている。
そのことから最も普及したのが吊りランプだった。
欧米の大型で重量感のある吊りランプに比べ、日本のものは天井の高さなどから
小型で軽量なものが多いという。
また置ランプは、床や畳、卓上に置いて用いたが、その高さは、旧来の灯台や燭台とほぼ同寸で、
日本人の生活に適合したつくりになっていた。__銅鐘