和菓子

Last-modified: 2006-01-20 (金) 23:50:30

わがし

一般に和菓子は植物性の原材料を使った嗜好品と説明される。

食品の絶対条件である味覚。歯ざわりや舌ざわりや楊枝でお菓子を切るときの触覚。
素材のほのかな香りを楽しむ嗅覚。さまざまなデザインを目で見て味わう視覚。そして聴覚。
和菓子には古典文学や四季の移ろいに想を得た名前 (菓銘) がつけられている。
そうした雅な菓銘を耳で聞くことによって和菓子の世界は広がる。

五感のうち、特に視覚と聴覚がそれまでの菓子の世界に加わることによって和菓子が大成する。
例えば饅頭を黄色と白に染め分け、9月9日のの重陽の節句にかかわる菊の着せ綿にちなんだ
「着綿」 (きせわた) や初冬の朝、池の氷に閉じ込められた落葉を道明寺生地と羊羹で表現した
「薄氷」(うすらい) のようにお菓子のデザインと名前を工夫することによって、
小さな和菓子の中に日本文化を取り込む。