■妖力と妖術_1.3

Last-modified: 2016-11-13 (日) 22:18:12

妖力と妖術について

 魔法などのように系統を持たない妖怪独自の能力が妖力や妖術です。
 これらのうち、妖力はどちらかと言えば「一部の妖怪を再現する上で不可欠なもの」を幾つか再現可能にするためだけに設定しています。オリジナルな妖力を追加する余地は十分にあると思いますので、必要であればコストと内容を設定して追加してみて下さい。ただ、戦闘に大きく影響するような強力な能力を設定し始めると、バランスを取るのが難しくなるかと思います。

 妖術は「○○する程度の能力」を最もストレートに表現する手段としてデザインしています。ルール上は、「魔法の各スペルを個別に習得する」形式となります。魔法に比べると、単一の効果しか得られない分、能力のレベルを高めやすくなっています。高いレベルをそのまま戦闘にも応用でき、戦闘でも強さを発揮できます。

 妖術独自のルールとして、スキルとの組合せが可能です。何らかのスキルと組み合わせることで、例えば「歌によって相手を眠らせる」といった能力として設定できます。このとき、判定に使用する特性値をスキルに合わせて変更でき、「歌を歌っているだけと思っている相手に妖術をかける」といった使い方もできるようになります。このルールにより、特性値に自由度が得られる点が妖術の強みとも言えます。

 その他、[妖術の常在化]によって追加効果を得ることも可能になっています。常在化した妖術は、本来通りに発動して使える上に、特に発動しなくても効果を発揮する能力を身につけることができます。戦闘などで大きな効果を上げる能力は少ないですが、他の能力では得られないような特殊効果もありますので、工夫して使用してみて下さい。

 妖術のコストは多少変則的になっていますが、これは、魔法と比べたときの利点を明確にしつつ、成長が早くなりすぎないようにする、という2つの目標を達成することを優先したためです。また、似たような能力を幾つか取得可能にするため、取得数制限を設けつつ、低レベルでのコストはかなり軽く設定しました。

 スキルとの組合せは、イメージ次第で様々なものが考えられると思います。知識系スキルと組み合わせて一部の感知系を習得したり、交渉と組み合わせて精神操作系を習得したり、プレイヤーのイメージ次第でほとんどあらゆる組合せが出て来ると思います。
 組合せの可否については、最終的にはGMの判断に委ねられています。基本的に、ルールで禁止されていなければ、どのような組合せであっても、まずはプレイヤーの希望する組合せを聞き入れる方針で臨んで構わないと思います。スキルの習得という形でコストの支払いが適切に行われており、かつルールで記述されている程度の扱いに落とし込まれていて、極端な制限や利点による不公平が起きないのであれば、それほど問題視する必要はないでしょう。どこまでが「極端な利点」なのかは難しいところですが、「スキルの使用を必要とする」という制限が事実上回避されている、という状況でも問題は無いと思います。(例えば、〈イメージ〉等と組み合わせてしまえば、頭の中で思い浮かべることができれば発動させられるわけですが、このぐらいは問題無く認めて良いでしょう。この場合、スキルを使用した行動に偽装することはできなくなっています。一方、ルールで記述されていることの繰り返しですが、〈料理〉と組み合わせて料理を作った段階で発動の処理をしておいて、あとは食べる(食べさせる)だけで効果を発揮する、という扱いは、現状のルールの枠内では利点としてやや大きいのではないかと思います)。
 妖術を「魔法のスペルを個別習得する」形で設定したのは、千幻抄の方針として「明確なルールの元でプレイ可能な形に落とし込む」ことを目標としたためです。プレイヤーのイメージ次第で自由な妖怪をプレイできる、というルールを望むのであれば、このような形では不満を持つ方も多いかも知れません。「プレイヤーのイメージ次第で自由に設定し、GMと周りのプレイヤーが納得すれば、どんなことでもできる」といった形で能力をデザインし、能力を使用できる条件を工夫していけば、自由度を最重視したルールになると思いますし、実際にそういったコンセプトで作られているゲームも存在しています。しかし、そういったルールではプレイヤーとGMの間で背景世界や目指すべきセッションの内容にコンセンサスが取れていることが重要であり、一歩間違えるとセッション運営が難しくなってしまうゲームとなってしまう恐れがあります。千幻抄では、自由度を多少狭め、TRPGで登場させても滅茶苦茶にならず明確にルールを設定可能な範囲に限定する代わりに、できるだけルールの範囲内でゲームが成立するように能力を設定しています。(一部、自由度の方を重視してGMの判断に任せた部分もありますが、ガイドラインは示しているはずです)
 GMは、プレイヤーからの要望やシナリオ上での必要があり、きちんと納得の得られる裁定ができるのであれば、納涼を自由に追加してかまいません。そうやって「幻想郷を舞台にしたTRPG」を広げていっていただければ幸いです。

1.3から

ver1.3から、人間も特技[異才]により、限定的ながら妖力または妖術を獲得できるように拡張しました。これは非公式サプリメント「夢演想劇」のアイデアを取り込ませてもらっています。原作でも、阿求や小鈴のように、一般人に近いキャラクターであっても特別な能力を持つことが明らかになっていますので、こういったキャラクターを再現可能にすることは重要だと考えています。


(ver1.3に関する記述を追加)