神術・陰陽術スペルリスト_1.3

Last-modified: 2019-08-25 (日) 11:50:23

 各スペルの詳細なルールを示す。リストはまず結界系スペルを五十音順に、続いてその他のスペルを五十音順に並べている。

データの読み方は以下の通り:

  • スペル名:「■スペル名」の形式で記している。
  • 目標値:発動判定の目標値。使用方法によって異なる場合は“/” で区切っている。
  • 消費霊力:発動判定時に消費する霊力。使用方法によって異なる場合は“/” で区切っている。
  • 効果範囲:範囲の意味は個々のスペルによる。通常は発動可能な距離を示し、範囲に効果を及ぼす場合は“/” 以下に記している。
  • 持続時間:効果を現す時間。「一瞬」や「永続」の場合、能力の効果は解除されない。
  • スペルの解説:スペルの効果に関する詳細なルールを記している。

結界系スペル

禁域結界 (きんいきけっかい)

目標値:表参照 消費霊力:表参照 効果範囲:30m/表参照 持続時間:(Lv×2)時間


[封印結界]の逆にあたり、指定された存在が入れない領域を作る。

  • 結界を張るとき、物体/個体/種族を指定する。「全ての存在」「光だけ通す」のような指定も可能。あまりに細かすぎる指定はできない。GMが判断すること。
  • 指定された存在は範囲内へ外から入る時に意志抵抗を行い、失敗すれば結界が効果を失うまで中へ入ることができない。物体は意志抵抗を行わないが、何者かが持って中へ入る場合、所持している者が抵抗を行う。失敗した場合はそこで移動を止めるか、手放すかを選択できる。能力によって手を触れずに動かしている場合は、動かすために用いている能力と達成値を比較する。
  • 全体作用する。結界を張った時点で一部が入っていた物体は、一度完全に出てしまわない限りそのまま侵入できる。
  • 範囲外から範囲内への、指定された物体を用いた全ての攻撃は、[禁域結界]の達成値を越えない限り成功できない。「弾幕」は別に扱う。
  • 範囲外からの、指定された物体を用いた「弾幕」の効果によるダイスプール減少及びダメージは、「[禁域結界]の達成値の十の位」だけ小さくなる。
  • 範囲外から範囲内への、指定された存在の近接攻撃は、結界内への侵入が不可能な状況では行えない。
  • 結界を広げる場合、広がった結界の中に入ってしまう位置にいる指定された存在は、結界を越えるときと同様に意志抵抗を行う。失敗した場合、拡大する結界に「押され」て移動してしまう。抵抗に成功すればその場に留まることができ、結界の内部に侵入できる。物体を移動させる場合は、知性+神術・陰陽術レベルを用いた重量ルールを適用する。({知性}+[神術・陰陽術]Lv)×10kgまでの物体を持ち上げることができる。地面に引きずって動かすなら({知性}+[神術・陰陽術]Lv)×15kgとなる。
  • 結界による数値的な効果は重複せず、常に最大のものを適用することに注意。

禁則結界 (きんそくけっかい)

目標値:表参照 消費霊力:表参照 効果範囲:30m/表参照 持続時間:(Lv×2)時間


範囲内での特定の自然現象を無効にする。また、能力によって発生する現象を阻害する。

  • 結界を張るとき、対応する自然現象を指定する。火、音、重力、水、風、光、闇、雷から選択できる。
  • 火:内部では火が消え、温度も「火がないときの周囲の気温」と同程度になる。範囲内に侵入した火も、自然のものであればすぐに消える。
  • 音:範囲内では音が発生しない。また、範囲内では外部の音が聞こえない。範囲外から範囲外へは、音は結界を素通りする。結界の存在は音の伝播に影響しない。内部では発声が条件となる能力の使用は不可能になる。
  • 重力:範囲内を無重力にする。
  • 水:範囲内では、生体や妖怪内に存在しない水は全て一時的に消滅する。大気中であれば、空気で満たされるとして扱う。水に対する[禁則結界]の場合、水は「範囲内では、見えず、触れることもできないが存在している」と見なす。例えば水槽の底で水を消した場合も、水は「存在している」と見なし、周囲の水が新たに流れ込んできて消えていく、ということはない。河の途中で水を消した場合、上流と下流では水が通常通り流れている。
  • 風:結界内は完全な無風になる。結界外の風は、結界の影響を受けない。結界外の風の状態を考えるときも、結界は風に対する障害物と見なさない。
  • 光:結界内では光を感知できず、暗闇に包まれたのと同じ状態になる。結界内の光源は消え、外部からも見えなくなる。外部から外部へは、光は結界を素通りする。このため、外部から見ると内部は透明になったのと同じ状況になる。
  • 闇:結界内は昼間の日陰程度の明るさになる。光源を作り出しているわけではなく、外部から見ても光が見えることはない。
  • 雷:結界内では(生体以外の)電流が止まる。雷が落ちることはなく、電子機器などは停止する。
  • 部分作用する。大きな炎の一部だけを切り取るように消す、等は可能。
  • 範囲外からの、指定された現象を用いた「弾幕」の効果によるダイスプール減少及びダメージは、「[禁則結界]の達成値の十の位」だけ小さくなる。何らかの能力で生成されている場合は、[禁則結界]の達成値が能力の達成値を上回っていれば、全て解除する。これは[禁則結界]が張られた瞬間と、[禁則結界]の内部に該当する存在が侵入する毎に判定する。達成値が不明なものがある場合は、術者の判定値を用いて振り直して決定して良い。
  • 対応した存在を生成するような能力を範囲内で使用する場合、あるいは範囲内の者を対象として使用する場合、全て発動判定に「([禁則結界]の達成値×2)の十の位」だけペナルティーを受ける。能力を用いた「ショット」「ホーミング」も同じように扱う。「弾幕」は下記の通り別扱いする。
  • 範囲内からの、あるいは範囲内への「弾幕」の効果によるダイスプール減少及びダメージは、「[禁則結界]の達成値の十の位」だけ小さくなる。
  • 結界による数値的な効果は重複せず、常に最大のものを適用することに注意。

識閾結界 (しきいきけっかい)

目標値:表参照 消費霊力:表参照 効果範囲:30m/表参照* 持続時間:(Lv×5)時間


離れた場所からでも術者が知覚可能な領域を作る。

  • [識閾結界]の範囲内であれば、全ての場所を視覚・聴覚・嗅覚(効果時間中、全て任意に有効・無効を選択可)で同時に知覚できる。暗闇の影響を受けない。これは術者が結界から離れていても自由に行える。
  • [識閾結界]内で働いている能力や発動された能力は、達成値が[識閾結界]の達成値を越えない限り、全て感知できる。当然、はっきりとわかる効果がある場合は全く問題なく認識できる。
  • [識閾結界]内に侵入してきた存在がある場合、意識的に見ていない状況でもすぐに感知できる。眠っている場合でも、目が覚める。
  • [識閾結界]内についての〈感知〉および〈探索〉の判定は+([神術・陰陽術]Lv×2)のボーナスを得る。
  • [識閾結界]の効果範囲は表の2倍の大きさを持つ。
  • [識閾結界]は「結界のどこか一点まで術者から50mの位置」に張ることができる。
  • [識閾結界]の持続時間は「使用者の[神術・陰陽術]Lv×5」時間とする。維持に関しては通常と同じ。
  • [識閾結界]は通常の{感覚}+〈感知/幻想〉判定では感知できない。
  • [照妖][識閾結界][ディテクション]等をかけられた場合、達成値を比較し、これらのスペルの達成値が上回れば感知される。[アナライズ]を使用された場合、[アナライズ]の達成値が上回れば、結界の存在を感知されるのに加え、[識閾結界]が使用されていることが露呈する。
  • 効果の通り、全体作用・部分作用の区別は必要ない。

転移結界 (てんいけっかい)

目標値:表参照 消費霊力:表参照 効果範囲:30m/表参照 持続時間:(Lv×5)時間


空間をつなぎ、瞬間転移を可能にする。

  • 結界を2つ張った場合、片方の結界から片方の結界へテレポートできる。術者はいずれかの結界まで30mの位置にいて、10分の準備を行った後、「テレポートを発動する」行動を取らなければならない。
  • 結界が1つだけある場合、結界内で指定した2点間を移動できる。この場合は結界さえ張ってあれば準備は必要無く、テレポートの発動も1回の攻撃行動として行える。但し、複数の物体やキャラクターを移動させる場合は準備が必要になる。
  • 2つの結界の間を移動する場合、あるいは1つの結界内で複数の物体(一続きになっていれば1つとみなす)を同時に転移させる場合、転移を行う前に10分の準備が必要。準備が完了した後、動かず精神集中を続けるならば(会話程度は可能)、実際の発動は任意のタイミングで行って良い。範囲内の存在を全てテレポートさせることができる。抵抗する場合は、スペルへの抵抗のルールに従って意志抵抗を行える。移動先での個々の物体やキャラクターの位置関係は、結界に収まる範囲で自由に指定できる。
  • 全体作用する。転移元の結界に完全に収まっていなければテレポートの対象にはできず、転移先の結界に収まらないようなテレポートは失敗する。
  • テレポートの発動は防御のタイミングでも良い。転移に成功すれば回避できたとして扱う。この場合、そのターンの行動を消費する(既に攻撃行動を使用したターンには発動できない。例外的に、「待機」を宣言していても発動可能とするが、この場合は「待機」の効果は失われる)。
  • 「ある一瞬を狙って発動する」ことは可能。例えば高速で[転移結界]を通過したものを転移させてもよい。
  • 一度でもテレポート行った場合、転移元と転移先の結界はその時点で消滅する。
  • [転移結界]の持続時間は「使用者の[神術・陰陽術]Lv×5」時間とする。維持に関しては通常と同じ。
  • 転移された対象は、直前の状況にかかわらず転移先の結界に対して静止した状態で出現する。

破魔結界 (はまけっかい)

目標値:表参照 消費霊力:表参照 効果範囲:30m/表参照 持続時間:(Lv×2)時間


範囲内で働いている能力の効果を解除し、さらに範囲内での能力を働きにくくする。

  • 範囲内に影響している能力の効果全てについて、[破魔結界]の達成値が能力の達成値を上回っていれば、全て解除する。これは[破魔結界]が張られた瞬間に一度だけ発生する。消すことができるのは、魔法や神術・陰陽術、属性使い、妖術など「発動の手順が必要なもの」で、なおかつ達成値と持続時間を持つもののみとする。GMはシナリオの都合などで他に打ち消し可能な効果を設定してもよい。
  • 達成値が足りない場合は、[破魔結界]の達成値の1.5倍(切り上げ)とその他の効果の達成値を比べ、前者の方が大きければ、差の分だけ後者の達成値を減らす。この場合、効果範囲などは再計算しないが、以後の抵抗目標値に関しては減少した値を使う。消される効果の中に達成値が不明になってしまったものがある場合は、術者の判定値を用いて再度振り直して決定してよい。
  • 部分作用する。大きな生成物の一部だけを切り取るように消すことは可能。1つの個体に対して作用する効果の場合、一部が消えた時点で完全に効果を失う。
  • 範囲内に対して使用される能力の発動判定は、全て「([破魔結界]の達成値×2)の十の位」だけペナルティーを受ける。能力を用いた「ショット」「ホーミング」も同じように扱う。「弾幕」は下記の通り別扱いする。
  • 範囲内のキャラクターに対する「弾幕」の効果によるダイスプール減少及びダメージは、「[破魔結界]の達成値の十の位」だけ小さくなる。
    • なお、能力の阻害効果は敵味方などの区別なく有効である。
    • 結界を即座に解除することで、能力の打ち消しの効果のみを適用してよい。
  • [破魔結界]自体はその内部にあると見なさない。
  • 結界による数値的な効果は重複せず、常に最大のものを適用することに注意。

封印結界 (ふういんけっかい)

目標値:表参照 消費霊力:表参照 効果範囲:30m/表参照 持続時間:(Lv×2)時間


指定された存在が脱出できない領域を作る。

  • 結界を張るとき、物体/個体/種族を指定する。「全ての存在」「光だけ通す」のような指定も可能。あまりに細かすぎる指定はできない。GMが判断すること。
  • 指定された存在は範囲から外へ出るときに意志抵抗を行い、失敗すれば結界が効果を失うまで中へ入ることができない。物体は意志抵抗を行わないが、何者かが持って外へ出す場合、所持している者が抵抗を行う。失敗した場合はそこで移動を止めるか、手放すか選択できる。能力によって手を触れずに動かしている場合は、動かすのに用いている能力と達成値を比較する。
  • 全体作用する。一部分だけ結界に入っていた物体は、一度完全に中に入らない限り、影響を受けずに出ることができる。結界からはみ出してしまうような存在は[封印結界]の影響を受けない。
  • 範囲内から範囲外への、指定された物体を用いた全ての攻撃は、[封印結界]の達成値を越えない限り成功できない。「弾幕」は別に扱う。
  • 範囲内からの、指定された物体を用いた「弾幕」の効果によるダイスプール減少及びダメージは、「[封印結界]の達成値の十の位」だけ小さくなる。
  • 範囲内から範囲外への、指定された存在の近接攻撃は、脱出のための意志抵抗を行って成功しなければ行えない。意志抵抗と接近判定に成功していれば、結界から離脱して良い。
  • 結界を狭める場合、結界の外に出てしまう位置にいる指定された存在は、結界を越えるときと同様に意志抵抗を行う。失敗した場合、縮小する結界に「押され」て移動してしまう。抵抗に成功すればその場に留まることができ、結界の外に脱出できる。
  • 物体を移動させる場合は、({知性}+[神術・陰陽術]Lv)を用いた重量ルールを適用する。({知性}+[神術・陰陽術]Lv)×10kgまでの物体を持ち上げることができる。地面に引きずるって動かすなら({知性}+[神術・陰陽術]Lv)×15kgとなる。
  • 結界を対象の大きさより小さく縮小した場合、対象は行動不能になる。脱出のための判定を行うことはできない。
  • 結界による数値的な効果は重複せず、常に最大のものを適用することに注意。

その他のスペル

加護 (かご)

目標値:18 消費霊力:6 効果範囲:術者 持続時間:一瞬


神(あるいは自分の信仰の対象)の加護を受け、小さな奇跡と言えるような幸運に恵まれる。

  • 使用後1日の間(次の夜明けまで)、([神術・陰陽術]Lv)回まで、 判定で振ったダイス1つの出目を自由に変更できる。1回の判定で複数回使用しても良い。例えば、命中判定で1,2,5,6という出目が出た場合、2回分を使用することでこれを6,6,5,6に変更できる。
     但し、1個以上のダイスの出目をこの方法で変えた場合、まだ回数が残っているならば、その数を1回減らすこと。 全部で5回変更可能な場合、最初に2個のダイス目を変更したら、2+1=3回分が消費され、2回分だけが残る。5回分を一度に使用することは可能で、この場合は5回分が全て消費されて効果を終了する。
  • 適用可能な判定は、自分が行う行為の判定や自分に関わる偶然についての判定、自分が与える・与えられるダメージ判定に限られる。
  • 一度発動を試みると、成否や効果の消費にかかわらず、1日が過ぎるまでは再度[加護]を使用することはできない。
  • このスペルを習得しているキャラクターは、毎朝の宗教的な儀式や習慣として[加護]を使用している、と設定してよい。(もちろん、判定や霊力の消費は通常通り行っておくこと。霊力の消耗を抑えたい場合は[加護]を使用しないことを選択してもよい)
  • [加護]を使った判定は自動的成功と自動的失敗が発生しない。
  • ダメージダイスの出目を操作する[加護]とグレイズのダメージ上昇への使用は、以下の順番で行なわれ処理される。
    • 防御側の[加護]→攻撃側の[加護]→攻撃側のグレイズ
  • このスペルは持続している効果と見なさない。
  • このスペルはスペルカードに設定できない。

加持 (かじ)

目標値:16 消費霊力:4 効果範囲:30m 持続時間:一瞬


対象の生物やキャラクター1体のHPを回復する治癒術。怪我や病気、毒、呪い、効果を持っている能力などに対しても有効。

  • 回復するHP量は「[神術・陰陽術]Lv×4」となる。スペルカードが展開中であれば、本人のHPではなく、展開中のスペルカードHPを治癒しても良い。
  • HPが0から回復していて気絶している対象に対しては、HPを回復しない代わりに気絶から回復させることを選んでも良い。
  • 霊力が0の対象に限り、霊力を1点回復して気絶から復帰させる。HPの回復と同時に効果がある。
  • 拡大した場合でも、キャラクター1人あたり、本人のHPか展開中のスペルカードのHPかどちらかしか選べない。
  • そのほかの怪我や病気、毒がある場合、それらに対しても効果がある。これらの障害に関しては16.2「ダメージと霊力」の項にある通りGMの裁量によるので、[加持]による効果についてもGMが適宜決めること。適当に目標値を設定し、[神術・陰陽術]Lvを考慮したうえで、完全に治癒したり、治癒までにかかる時間が短縮したり、段階的に回復(ペナルティーを設けていた場合、緩和するなど)したり、といった効果を与えればよい。
    目安として、
  • ひきはじめの風邪:目標値16で治癒
  • ねんざや大きな出血:目標値20で治癒、目標値18で治りが早くなる
  • 対象に働いている能力による効果(精神系や肉体操作系スペルなど)がある場合、それぞれの能力と比較して、達成値で勝っていればその効果を打ち消すことができる。どのような能力が働いているか事前に知っている必要はないが、打ち消された能力や打ち消されずに残っている能力を知ることはできない。これはHPの回復などの効果と同時に働く。
  • 達成値が足りない場合は、[加持]の達成値の1.5倍(切り上げ)とそれぞれの能力の達成値を比べ、前者の方が大きければ、差の分だけ後者の達成値を減らす。 この場合、効果範囲などは再計算しないが、以後の抵抗目標値に関しては減少した値を使う。
  • 術者が明示的に個々の効果を指定することで、「指定した効果について[加持]による打ち消しを行わない」ことを選んでもよい。当然、「対象にその能力が働いている」ことを術者が知らない効果は指定できない。

神懸 (かみがけ)

目標値:16/21 消費霊力:2/4/8 効果範囲:視界/接触 持続時間:一瞬/10分 セットアップ:オプション


断片的な印象を通して予知を行ったり、真実を知ったりする。

  • [神懸]を習得しているキャラクターが何か重要な物品に触れたり、重要な場所へ行ったり、重要な人物と出会ったりしたとき、GMは[神懸]の判定を行わせてよい。プレイヤーは判定を行うか拒否するか選択できる。判定を行った場合、霊力を2点消費する。GMは達成値に応じて断片的なイメージ、言葉、白昼夢などの形で情報を与えてよい。
     これは将来起こりうる出来事であったり、現在の状況の真実についての暗示だったり、過去に起こった出来事の示唆であったりする。この効果を得るには発動を行う必要はなく、イメージの長さにかかわらず効果は一瞬と見なす。
  • 強い感情や魔力が関わっている場合、GMは適当な目標値で意志抵抗を行わせても良い。失敗すると精神的な影響(混乱、朦朧、あるいは感情に支配される、など)を受けたり、疲労や負傷を受ける場合がある。GMは致命的でない範囲で決定すること。
  • 術者が意図して発動させ、同じ効果を得ることができる。この場合、目標値は最低21で、消費は8となる。また、結果を得るまでに10分の時間を要する。
  • 別の使用方法として、戦闘での短期的な予知を可能にすることもできる。この効果のみ、弾幕戦闘中はセットアップに使用可能で、目標値16、消費4。効果時間の間、術者はDP回復に+1のボーナスを得る。
  • シナリオ次第では扱いが面倒になる可能性があるため、GMは習得を認めなくてもよい。

降神 (こうしん)

目標値:20 消費霊力:7 効果範囲:術者 持続時間:1時間


神の分霊の一部をその身に宿し、それに応じた特性を得る。
・[降神]は、最低5m四方の空間に陣を描き、必要な道具(GMが指定する)を用意して10分間の儀式を行った後その場で発動する。
・発動時、属性を一つ選択する。術者と、術者の使う[神術・陰陽術]のスペル・ショット・ホーミング・弾幕は、選択した属性を持つ。
・効果時間中、[神術・陰陽術]のスペルの達成値は+(神術・陰陽術Lv/3・端数切り上げ)される。
・[降神]は、戦闘中の場合攻撃行動の代わりに1ターン集中することで解除できる。

使鬼 (しき)

目標値:18 消費霊力:5/8 効果範囲:接触 持続時間:6時間


簡単な仕事をこなす簡易式神を作る。

  • 簡易式神を1体作り出す。式神は全ての判定値を最大で([神術・陰陽術]Lv×2)で持ち、飛行が可能。判定値は最大までの範囲で術者が選択できる。但し、判定値によって大きさの下限が定まる(大きさによって判定値の下限が決まっている)ことに注意。
     原則的に、術者の口頭での命令に従うNPCとして扱う。判定は達成値を固定値で「判定値+10」として簡略化すると良い。
  • 生成された時点では、術者は手で式神に触れている。
  • 大きさの下限は判定値に依存する。目安として、(判定値×10)cmの大きさが下限になる。従って、「砂粒ほどの大きさで判定値10の式神」等を作ることはできない。
  • 簡易式神は人間の子供程度の知能を持つ。与えられた判定値で、以下のスキルを習得していると見なして判定を行ってよい:〈運動〉〈飛行〉〈隠密〉〈感覚〉〈抵抗〉。
     感情はなく、音声で簡単な受け答えをすることができる。また、術者のいる方向を常に把握している。
     加えて、術者が習得しているスキルを1つ、同じレベルで与えることができる。簡易式神は、そのスキルを用いて行う単純作業(作業手順を術者が具体的に説明できる作業)を行うことができる。例えば、レシピの通りに料理を作る、予め決めておいたとおりに大工仕事をする、文書を写す、など。
     この場合の判定では簡易式神の持つ判定値と付与したスキルを使い、判定値は「元の判定値+(付与したスキル)」となる。
     状況に応じた判断が必要な行動を取らせる場合、GMがNPCとして操ること。新しい料理を作るなどの創意工夫をする能力はほとんど無いとする。
  • 簡易式神は透明化できる。但し、透明化している間は、他の物体を動かすことができなくなる。
  • 発動時に霊力を8点消費して作成した簡易式神は、術者と感覚を共有する。但し、術者が指示を出すときは口頭で伝えなければならない。
  • 式神の姿は、術者がよく知っている生物の姿をとらせることができる。どのような姿であっても、色や細部の形、雰囲気が特殊で、姿を見れば自然な存在でないことがわかる。肌が見えないような服を着せる、幻覚を併用する、など他の手段を用いて偽装することは可能。
  • 戦闘は不可能で、攻撃も回避も行えない。必要な場合、HPは一律10として扱う。
  • 同時に使役可能な簡易式神の数は、([神術・陰陽術]Lv÷2 切り上げ)体まで。

照妖 (しょうよう)

目標値:16 消費霊力:3 効果範囲:視界内 持続時間:30分


 妖怪や魔法などの存在を見分ける。また、変身している妖怪や魔法、能力などの正体を暴く効果もある。

  • 効果を発揮している能力や魔法のアイテムなどは、視覚的に光を放って見えるようになる。隠されていない限り、発見に判定は要らない。これは「魔力や妖力を光として知覚している」と言える状態で、実際に物体が光を放つわけではなく、術者にしか見えない。現実には光ではないため、術者の感覚を阻害する(例えば、本来淡い光を放っているものと区別がつかなくなる、等)ことはない。
  • 術者の視力や暗闇に影響されないが、合計で「[神術・陰陽術]レベル×50(cm)」を越える他の物体(固体)によって遮蔽されるため、厚い壁の奥に物理的に隠されている場合などは知覚判定を要する。
  • 発見した魔力や能力に関して、通常よりも詳しい情報を得ることができる。妖怪であれば、種族がわかる。効果が発揮されている能力がある場合、達成値で勝っていれば、(その位置と範囲に加えて)効果がわかる。
  • [照妖]の対象に対して働いている幻覚系スペルや[チェンジ]の効果に対して、達成値で勝っていれば、スペルの効果を打ち消すことができる。
  • 一部のスペルや[コンシール]の効果が働いている場合、発見にも達成値の比較が必要になる。これらは各スペルの説明にある効果を優先する。
  • また、別の使い方として、透明化や変身を解除することもできる。この場合、対象を指定して、相手の能力の達成値と対抗判定を行う。[照妖]が勝てば、それらの効果は無くなる。
  • 幽体を実体に、あるいは幽体化可能な実体を幽体に変えることができる。相手は意志抵抗し、失敗すると[照妖]の持続時間の間は幽体か実体(術者の望む方)に固定され、[幽体化]を用いてもう片方に変化することができなくなる。
     固体の中に半分以上が埋まっているか、周囲に実体化する余地のない幽体には無効。固体から半分以上出ている幽体の場合、最も大きな部分が出ている方向へ移動させられて実体化する。
  • [変身]による影響を打ち消すことができる。相手は意志抵抗し、失敗すると[照妖]の持続時間の間は[変身]前の姿か後の姿(術者の望む方)に固定され、[変身]を用いてもう片方に変化することができなくなる。

神事 (しんじ)

目標値:20 消費霊力:10 効果範囲:下記参照 持続時間:下記参照


八百万の神を呼び出すことで、望む属性使いのスペルを一つだけ起こしてもらう。
・習得時、属性を3つ選ぶ。[神事]は重ねて複数回習得することができ、その度に新たに属性を3つ選ぶ。(例:[神事]を2回習得した場合、属性を6つ選ぶことができる。)
・[神事]は、最低5m四方の空間に陣を描き、必要な道具(GMが指定する)を用意して30分間の儀式を行った後その場で発動する。
・習得時に選んだ中で任意の属性の[属性使い]の基本能力または追加能力スペルを1つ発動する。内容は術者が指定してよい。発動するスペルのレベルは[神術・陰陽術]のレベルと同じである。

遠見 (とおみ)

目標値:16 消費霊力:4 効果範囲:下記 持続時間:10分


物理的な障害を無視して遠くの様子を見ることができる。

  • 術者の[神術・陰陽術]Lvに対して「結界系術の大きさ表」を参照し、「大きさ」の単位を0.1kmに読み替える。これが[遠見]の範囲になる。
  • 効果時間の間、範囲内の自由な場所を視点として周囲の光景を見ることができる。暗闇の影響を受けない。
  • 一度作り出した「視点」は、最大で([神術・陰陽術]Lv×5)m/sの速度で移動できる。
  • [破魔結界][バリア]や、魔力を防ぐような[禁域結界]の内部を見通すには、これらのスペルの達成値を上回る必要がある。
  • 「視点」がある場所では「能力が働いている」と見なすが、通常の知覚判定では感知できない。[照妖][識閾結界][ディテクション]等の場合、達成値を比較し、これらのスペルの達成値が上回れば感知される。[アナライズ]を使用された場合、[アナライズ]の達成値が上回れば、[遠見]を用いて視点を飛ばしていることが露呈する。

方角 (ほうがく)

目標値:18 消費霊力:4 効果範囲:下記 持続時間:一瞬/3日


予め指定しておいた物体の位置を特定する。

  • まず、一度このスペルを使うことで、接触している対象の物体や存在を「指定」することができる。「指定」の持続時間は3日間。
     対象が意志を持っている場合、拒絶するのなら意志抵抗が行える。
  • 発見のために発動した場合は、術者の[神術・陰陽術]Lvに対して「結界系術の大きさ表」を参照し、「大きさ」の単位をkmに読み替える。これが[方角]の範囲になる。範囲内に指定した対象がある場合、それら全ての方角がわかる。
  • 発見のために発動したとき、指定した対象が術者から[神術・陰陽術]Lv×10m以内にある場合、その方角と距離を知ることができる。

奉納 (ほうのう)

目標値:18 消費霊力:5 効果範囲:術者 持続時間:一瞬


神に捧げものを奉納することで、それに応じた神力を授かる。
・[奉納]の発動成功時、([神術・陰陽術]Lv×2)円までの任意の金銭を消費する。
・使用後一日の間、判定前に宣言することで[神術・陰陽術]スペル発動時の霊力消費を([神術・陰陽術]Lv)分まで軽減してよい(最低0)。
・使用後一日の間、判定前に宣言することで([神術・陰陽術]Lv)分まで[神術・陰陽術]スペルの達成値を上昇させてよい。
・合計で(消費した金額)円分と同じ値の霊力消費を軽減またはスペルの達成値を上昇させた時点でこの効果は終了する。
・一度発動を試みると、成否や効果の消費にかかわらず、1日が過ぎるまでは再度[奉納]を使用することはできない。
・例:5レベルの術者は10円までの金銭を[奉納]することができる。7円奉納した術者は、霊力消費を4点軽減し、[禊ぎ]の達成値を3上昇させた。この時点で、[奉納]の効果は終了した。
・[奉納]は持続している効果と見なさない。また、スペルカードに設定できない。

禊ぎ (みそぎ)

目標値:18 消費霊力:8 効果範囲:接触 持続時間:10分 セットアップ:限定


祝福を与えることで、全ての行動の達成値を引き上げる。

  • 弾幕戦闘中は、セットアップに使用可能。効果時間中、対象のキャラクター1人のあらゆる行動の達成値を([禊ぎ]の達成値の十の位)だけ上昇させる。
  • 効果の持続する時間は10分で、維持はできない。

霊縛 (れいばく)

目標値:18 消費霊力:6 効果範囲:30m 持続時間:10分 セットアップ:オプション


対象のキャラクターや生物・妖怪、あるいは物体をその位置に縛り付ける。

  • 対象は意志抵抗を行い、失敗したらその時の位置・姿勢のまま固定される。姿勢だけ固定も可能。意識はそのまま続く。呼吸など生命の維持には影響はない。
  • 物体に対しても使用可能で、その位置・形状のまま固定される。形状だけ固定も可能。
  • 効果を及ぼせるのは、直径が(Lv)mの大きさの物体1つまで。どこまでを「1つ」と見なすかは最終的にはGMの裁定によるが、基本的には「ひと続きになっている」限りは1つの物体と見なす。
     気体は対象にできない。幽体は可能。
  • 影響下にあるキャラクターは、ダメージを受けるたびに再度抵抗判定を行える。
  • セットアップに使用した場合:。[霊縛]を戦闘中にキャラクターへ使用した場合、代わりに対象は意志抵抗を行い、失敗した場合は効果「捕縛:[神術・陰陽術]Lv」を適用する。
    • 攻撃行動、抵抗を除く防御行動、その他「身体の動作が重要な行動」に強度に等しいペナルティを受ける。
    • 捕縛の効果を受けたキャラクターは前衛にいるものとして扱い、このキャラクターに対する接近または離脱の目標値が-5される。
    • 抵抗は通常通り行えるが、回避を含む防御行動及び攻撃行動は影響を受ける。

(「夢演想劇」からバランス調整を取り込み(加持、禊ぎ、霊縛)
(「夢演想劇」から追加スペルを取り込み(神事、奉納、降神))