判定の方法_1.3

Last-modified: 2018-09-02 (日) 01:39:05

判定の方法

 キャラクターが取った行動が成功するか否かを自明に判断できるような状況を除き、行動の成否はダイスを用いた判定によって決定する。
判定の成功率は、キャラクターの特性値やスキル、行おうとする行動の難易度によって左右される。

判定の手順

 判定の手順は以下の通りとなる(この通りでなければならない、というわけではない。状況によって柔軟に対応すること)。

  • GMが判定に使用する特性値やスキルを決め、判定を行うプレイヤーに伝える。
    特性値やスキルはルールで指定されている場合もある。
  • GMが目標値を決定する。目標値は秘匿してもよい。
  • GMが状況を考慮して判定値への修正を決める。
  • プレイヤーが判定値を計算する。
  • プレイヤーがダイスを振り、達成値を計算する。GMの判断で、状況によって達成値を修正する。
  • GMは達成値と目標値を比べ、どのように状況が変化するかを裁定し、プレイヤーに伝える。

 GMが判定を行う場合は、これらの手順をプレイヤーに明示せずに行ってもよいし、「どのような判定を行っているか」「ダイスの目がいくつだったか」などをGMの判断に応じて公開してもよい。また、プレイヤーの代わりにGMがPCの判定を行う事もあり得る。

 以下、各手順について説明する。

判定に使用する特性値およびスキルの指定
 行為判定を行う場合、行動に応じて、GMは特性値とスキルを指定する。
例えば、空から人里を見下ろして、目標のキャラクターがいるかどうか探すような場合、「{感覚}+〈感知/視覚〉を用いて判定する」というような指定を行う。修正前の判定値は、これに応じて自動的に決定される。
 能力の発動判定では、基本的にスキルは使わず、該当する能力のレベルを用いる。戦闘に関連した行動は、戦闘の章でより詳細なルールが決まっている。
目標値の決定
 続けて、GM は判定の難易度を示す目標値を設定する。この目標値は判定に先立ってプレイヤーに伝えてもよいし、秘匿していてもよい。(目標値を秘匿するか否かの指針は、「目標値の秘匿」の項を参照。)
修正値の決定
 GMは状況による修正を指定してもよい。先ほどの判定を夕闇が迫っている時刻に行うならば、暗さのために発見し辛いとして、判定値にマイナスの修正が加わる。逆に、探す目標のキャラクターが特に派手な服装をしていたり、探すキャラクターを予期して身振りで合図をしているならば、発見しやすいとして判定値にプラスの修正を加えてよい。
 また、ルールに従って修正値が決まっている状況もある。原則として、これらはそのまま適用し、必要であればさらにGMが修正値を定める。
判定値の決定
 「{特性値}+〈スキル〉Lv」判定基本値「{特性値}+〈スキル〉Lv+修正値」判定値と呼ぶ。
判定を行う場合、プレイヤーは判定値を求め、これにダイスを振った結果を加えてGMに申告し、判定の結果を待つ事になる。
達成値の決定
 戦闘以外の状況では、判定を行うキャラクターのプレイヤー、またはGMは、3D(6面ダイス3つの和)を実際にダイスを振って求め、「{特性値}+〈スキル〉Lv+(状況による修正)+3D」を計算してGMに伝える。
この値を達成値と呼ぶ。一部のスペルなど、場合によっては、達成値にさらにボーナスを加える場合もある。
判定結果の裁定
 達成値が目標値以上であれば行動は成功したと見なし、GMはキャラクターの置かれた状況を進めること。達成値が目標値未満であれば行動は失敗し、結果に基づいて状況が進行する。

自動的成功と自動的失敗

  • DP使用が最大3個までの判定で、3Dの結果が16以上なら自動的成功(クリティカル)、5以下なら自動的失敗(ファンブル)となる。
    • DPの使用量に制限のない判定(戦闘におけるショット、近接攻撃、接近判定、回避、ガード、カバーのいずれか)の場合、自動的成功及び自動的失敗は生じない。
  • 振ったダイス数が3個でないか、[加護]の効果を適用した場合はいずれも発生しない。
  • GMは、いずれの場合も通常の判定の場合よりも劇的な結果となったことにしても良い。
  • 自動的成功・自動的失敗時はそれぞれ以下の効果が発生する。

■自動的成功

  • その判定の達成値は目標値(公開・非公開に関わらず)の中で最大のものとなり、達成値の比べあいでは常に達成値が上回った扱いとなる。詳細はGMが適至判断すること。
  • 自動的成功に対して、受動側は自動的成功しない限り敗北/抵抗に失敗する(刻符やスペルカード等での自動成功は有効)
  • その判定が能力発動のための判定だった場合、消費霊力は半分(切り上げ)となる。
  • 同じ判定及び能力に対して2回目以降の抵抗や対抗判定は通常通りの達成値から目標値を算出して行う。
  • 受動側・能動側の双方が自動的成功の場合、同じ達成値であったとして扱う。

■自動的失敗

  • その判定の達成値は0として扱う。詳細はGMが適宜判断すること。
  • その判定に[加護]の効果を適用することはできない。

判定オプション

判定において、条件を満たしていれば、以下のオプションを選択することができる。

慎重行動(判定オプション)

戦闘でない場合、DPを使用しない判定において、3Dではなく2Dで振ることを選んでもよい。
その判定で自動的失敗は発生せず、ダイス目が12で自動的成功となる。
[加護]の使用では自動的成功は発生しない。
GMは、"慎重行動"を認めない判定を設定してもよい。

時間をかける(判定オプション)

判定を行う際、通常よりも時間をかける(具体的にはGMが定めるが、基本的には3倍)ことで判定値+15を達成値としてよい。
ただし、時間内に何度でも挑戦することができ、切迫した状況でないとGMが定めた場合にしか行えない。
戦闘中に行う行動の判定では基本的に認められない。
GMは、"時間をかける"ことを認めない判定を設定してもよい。
なお、スペルの使用においては、消費などの問題があるため、「時間をかける判定」は使用できない。儀式魔法などのルールがあるため、達成値の上昇にはそれらを用いること。

幸運判定

 PCに幸運な偶然が訪れるかどうかの判定を幸運判定と呼ぶ。GMはPLに対し任意のタイミングでこれを行わせてよい。
 原則として、感覚or意志のどちらかをPLが選び、それを判定値として3Dと組み合わせて行う。
 感覚であれば直感で幸運を選び取ったことを、意志であれば幸運を引き寄せるだけの強い意志があったことを示す。
 この判定を求められたPLは、判定前に刻符を使用することにより自動的に成功とすることができる。

判定と財産

財産を5円消費するごとに、達成値に+1のボーナスを得て良い。
これは、「財産を消費することで有利になるかどうか」をGMが判断すること。
目安としては、何かを購入したり、交渉でのお礼に使用したり、手伝いのために人を雇ったり、といったことが有効であるかに従う。たとえば、〈噂話〉〈地域知識〉などの判定の大部分ではこれを認めてよい。
これはダイスを振った後に行ってもよい。

戦闘時の判定について

戦闘時の判定については、6章「戦闘」を参照のこと。戦闘ではダイスプールを消費した分だけダイスを振ることができ(但し、一部の行動は判定ダイス数に上限がある)、「{特性値}+〈スキル〉Lv+(状況による修正)+「判定ダイス数」D」を計算して達成値とする。
DPの使用量に制限のない判定(戦闘におけるショット、近接攻撃、接近判定、回避、ガード、カバーのいずれか)の場合、自動的成功及び自動的失敗は生じない。

判定値の指定に関して補足

 特性値とスキルの組み合わせを指定する際、GMは状況に応じて複数の組み合わせを指定しても構わない。
例えば、部屋の中から物を探す場合、{感覚}+〈感知〉と{知性}+〈探索〉のどちらかを用いてよい、という形で指定することもできる。
 行う判定によっては、「探す」という目的のために取った行動が異なる場合もある。この例の場合、前者であれば、ぱっと見た目で判断したことになり、後者であればきちんと整理して探したことになる、といった裁定が考えられる。

 行動によって目標値や修正が異なる状況も多い。
かなり部屋が散らかっているのであれば、{感覚}+〈感知/視覚〉で見た目だけで探すのならば所要時間が短い代わりに目標値が高く、{知性}+〈探索〉で探すのならば時間はかかるが目標値は低い判定となる。
もちろん、こうした個々の詳細な行動毎に独立に判定を行ってもよい。

 また、正しくはないが近い分野のスキルを用いた場合や、他の行動でも挑戦できるが特に目的に適したスキルを使用する場合など、使用するスキルによって適宜修正を加えてもよい。

目標値の秘匿

 GMは、「成功したかどうかすらわからない」状況の場合、目標値を秘匿して達成値から結果のみを与えてもよい。
 例えば、一見不自然でない光景から異常に気付くかの判定の場合、目標値に満たず失敗した、という情報がプレイヤーには把握できるため、「何もない」という結果であったとしても「何かあったはずなのに気づかなかった」と推測する機会を与えることになる。
 ただし、GMは成功しても失敗しても変わりのないフェイクとしての判定を課すことも可能であり、上記のような推論が必ず成り立つわけではない。また、このような推論はあくまでプレイヤーの視点であり、キャラクターの認識する情報とは異なる。例えばプレイヤーがキャラクターの視点とのズレを解消するように行動を選択するなどして結果的に情報収集がスムーズに進む場合もあるため、秘匿することが必ず適切であるとは限らない。目標値の秘匿は、「そうすることがセッションの進行を盛り上げることができると期待できる場合」にとどめておくことが望ましい。
 


(ver1.2の記述が崩れていた部分や欠落部分を修正、自動的成功と自動的失敗を追加)