各[妖力]の詳細なルールを示す。データの読み方は以下の通り。
- 妖力名:「■妖力名」の形式で記している。
- コスト:[妖力]の取得に必要な能力コスト
妖力リスト
動物会話
コスト:4
人語を解さない他の生物とも意思疎通ができるようになる。
- 動物・鳥類・虫&甲殻類・両生&爬虫類・魚の中から習得時に選ぶこと。分類に当てはまる生物と会話が可能になる。会話はテレパシーのようなものによるが、動物は可能であれば鳴き声を同時に出す。
- 当然、相手の知能が高いわけではないので、GMはそれらしい対応をさせること。
水棲
コスト:2
水中でも呼吸ができ、かつ自在に泳ぐことができる。
- 水中でも全く問題なく行動可能。溺れることはない。水中での移動は飛行と同等に扱う。判定が必要な場合、{身体}+〈水泳〉を用いる。
- 水中と空中で戦闘を行った場合、水棲でない限り空中からは「近接攻撃」ができないことを除いて全て通常通りに扱う。
変身
コスト:5
あらかじめ設定した動物や器物の姿に変身することができる。
- [変身]を行うには10秒程度の時間が必要で、姿を変える度に霊力を2点消費する。
- [変身]できる姿は、「現実に存在する生物や物品」に限られる。生物や物品として自然な能力は得られるが、ルール上[能力]として習得すべき特殊な能力は持たない。また、人間の言葉で会話する能力なども多くの場合は失われる。例外的に、移動する能力は保持しているとするほか、発動可能な条件を満たしていれば能力の使用も可能とする。
- [変身]した姿は細かい特徴まで毎回固定される。生物であれば、きちんと観察すれば固体識別が可能であり、物品であれば細部の作りなどから同じような品物の中から特定することができる。
- 妖力などの特殊な能力を得ることはできない。目安として、現実世界での動物が持っている能力の程度だけを取得できる。物体に化けた場合、質感や手触りは騙せても、実際に固くなったりしているわけではない。また、例えば吸血コウモリに化けた場合、飛行能力や超音波による感覚を得ることができ、血を吸うこともできるが、これは自然な食事であって[吸血]の妖術ではない。
幽体化
コスト:8
実体を無くし、幽体化することができる。
- 自分の意志で幽体化または実体化することができる。判定不要で、自分の行動時に他の行動と同時に行える。2点の霊力を消費する。
- 幽体のときは、物質に阻まれることなく行動が可能になる。
- 能力の効果や能力による攻撃、魔法のアイテムからは通常通り影響を受ける。石の塊を投射しているような場合でも、それが能力によるものであれば効果は通常通り発揮される。[生成]によって一時的に作り出された物体からは影響を受けてしまうことに注意。
- 逆に、幽体から実体への攻撃は、能力や魔法のアイテムによらないものは効果がない。幽体同士は、通常の実体同士のように影響を与え合う。
- 幽体化している間は能力による存在と見なす。[ディテクション]などで探知しやすくなるほか、{感覚}+〈感知/幻想〉によっても気配を感知される可能性がある。。また、[神術・陰陽術]による攻撃は幽体に対して2Dの追加ダメージを与える(妖怪や怪異の種族能力によるダメージとは加算しない)。
- 幽体化するとき、衣服と装身具以外には[魔法のアイテム]しか持てない。これらは同時に幽体化する。
- 幽体化した存在の見た目の姿は、若干薄くなる程度で元の姿とほぼ変わらない。また、幽体化した存在の発見には視覚さえあれば特別な能力は必要ない。従って、単に幽体化しただけでは〈隠密〉等にボーナスはない。但し、障害物の利用はしやすくなり、声をあげない限り音を立てることもなくなるため、GMは行動に応じて適宜ボーナスを与えること。
- 幽体化は[ディスペルマジック][破魔結界]等によって解除されない。
- 物体の中にいる時に[幽体化]を使用して実体に戻ることはできない。何らかの理由で実体に戻ることを強制された場合、一番近い空気中(あるいは水中)に実体化する。または、GMが適宜取り扱いを考えてもよい。
夜目
コスト:1レベルにつき一律2
暗闇や夜間でも視力を失わない。
- レベルに応じて効果が定まる:
- レベル1:暗闇のペナルティをGMの判断で-3程度まで軽減する。完全な暗闇では見えないとして扱う。
- レベル2:自然な闇ならペナルティなしに視覚の判定ができる。完全な暗闇では、レベル1相当のペナルティ軽減効果がある。
- レベル3:暗闇の影響を全く受けない。
月の魔力
コスト:3
妖怪の力の源である月の満ち欠けに、特に大きな影響を受ける妖怪であることを表す。
- 満月の夜の時、全ての判定の達成値が+1される。
- 新月の夜の時、全ての判定の達成値が-1される。
不滅の魂
コスト:5
- 亡霊のみが取得可能。自身に与えられるダメージの決定時、適用される前に割り込んで種族特徴によるHP回復を行える。
- これは消費スペルカードの防御使用や展開スペルカード発動と同タイミングとして扱う。
- 例:ダメージダイスの結果、15点のダメージが与えられる時、ダメージを受ける前に[不滅の魂]によりHPを16以上に回復させれば気絶を免れる
霊との会話
コスト:5
並外れた霊感を持っていることを現す能力。
- 幽霊、死霊、怨霊、神霊、動いている死体など、霊的な存在の声や思念を聞き、意思の疎通を図ることができる。
- 霊的な存在を感じ取る判定に+2、種族を隠している亡霊の正体を見抜く判定は自動的に成功する。亡霊が何らかの能力によって偽装している場合は達成値に+2のボーナスを得た上で通常の対抗判定となる。
- 実際に声が出せるかどうかや話す言語などは問わないが、それぞれがどれだけの知性、言語能力を持っているかはGM判断による。
妖術への追加効果を与える妖力
以下は習得している妖術に対して個別に取得することで、
追加の効果を得ることができる。
妖弾化
コスト:[妖弾化]する[妖術]のコストを引き上げる。各Lvで1
妖術を応用して、攻撃を行うときの弾を作ることができる。
- 習得した[妖術]に「妖弾化」を追加することで、その[妖術]を用いて〈弾幕〉〈ショット〉〈ホーミング〉による攻撃が可能になる。威力は「([妖術]Lv)D+{特性値}」となる。特性値は通常は{知性}だが、スキルとの組み合わせに従う場合は別の特性値を使用できる。
その他細かいルールは6章「戦闘」を参照。 - [妖術]を「取得しているLvと異なるLvまで妖弾化する」ことはできない。また、[妖弾化]を途中から外すこともできない。従って、[妖弾化]した[妖術]は、成長コストが各レベルで+1される。
[妖弾化]した[妖術]は通常通りの[妖術]としても使用できる。(通常の通り発動が可能で、コストを支払えば[妖術の常在化]も可能。スキルとの組み合わせも通常通り扱う) - 属性は習得時に一つ自由に選択してよい。属性を持たないことにしてもよい。
- 攻撃の形態のイメージは、手から弾を作る以外にも、ブレスや視線であってもよい。ルール上はこれらの間に差異を設けない。(腕を縛られている状態で弾を出すことができるか、など、GMの裁定に従って差異が生じることはあり得る)
- 弾はすぐ消滅するか、壊れて小さな破片になるため、他の目的に使うことはできない。GMの判断で、「何かぶつかったときに起こる影響」だけは考慮してもよい(衝撃の影響や、炎や雷であれば着火するかどうか、等)
- [妖弾化]する[妖術]が戦闘に応用できるかどうかは問わない。[ヒール][アラート]等でも全く問題なく弾幕を使用できるとする。
- [妖弾化]する[妖術]がスキルとの組み合わせを行っている場合、攻撃の可否は、組み合わせたスキルが使用できるか否かによる制限を受ける。習得時にどのように妖弾を扱っているのか決めておくこと。
- 既に習得済みの[妖術]を[妖弾化]する場合、その[妖術]Lvに等しい能力コストを支払えばよい。
- 種族能力の[妖術]は[妖弾化]していないものとして扱う。[妖弾化]可能と書かれているものは、通常通りコストを支払えば[妖弾化]可能。
- 参考までに、[妖弾化]コスト込みの[妖術]の成長コストは以下の通り。
妖術の常在化
コスト:妖術1つあたり8
妖術1つを応用し、常に効果を発揮する能力を得る。
- 3Lv以上で習得している[妖術]1つを常在化する。
- 攻撃行動を消費することなく、魔法の各スペルで「常在化」の項に記述された効果を得られる。詳細なルールは各スペルごとの効果を参照すること。
- 常在化不可と書かれたスペルに対応する[妖術]は常在化できない。
- スキルと組み合わせた[妖術]を常在化する場合、何らかの形でスキルと結びついていることが望ましいが、ルール上は特に制限無く効果を発揮できるものとする。
- 種族能力として習得している[妖術]は、初期の時点では常在化していないと見なす。ルール通り3Lv以上まで上げて常在化コストを支払えば常在化が可能。
- 特に不可と明記されていない限り、常在化した能力を働かせるか否かは術者が自由に決めることができる。能力を有効にする、あるいは無効にするためには特別な行動は必要とせず、戦闘時には攻撃行動と同時に行える。これらは能力の発動ではなく、常在化能力やその影響を[破魔結界][ディスペルマジック]等で解除することもできない。
- 常在化可能な[妖術]を複数習得している場合、個別にコストを支払えばそれぞれを常在化することができる。1つの[妖術]を複数回常在化し、常在化効果を重複して得ることはできない。
[常在化]は[妖弾化]と異なり、[妖術]とは別個の能力の取得として扱う。
瞬間
コスト:妖術1つあたり4
妖術の準備行動を省き、一瞬で発動させることができる
- 4Lv以上で習得しており、スキルとの組み合わせを行っていない[妖術]1つを[瞬間]とする。
- [瞬間]となった妖術は、何の予備動作もなく一瞬で唱えることができる。(具体的な時間を出す必要がある場合は0.5秒とする)
ただしその場合は、消費霊力は軽減されず、10秒以上経ってからでないと次のスペルを使用することはできない。 - 別途準備等が必要であると明記されている場合は通常通り準備が必要。準備の後の唱える行動は一瞬でよい。
- 戦闘時は、以下の効果とする。
- セットアップに発動させる場合、イニシアティブ宣言時に霊力を追加で3点払うことで、イニシアティブを無視してセットアップの最初に行動できる(この宣言をしたキャラクターが複数いた場合、宣言した中で最もイニシアティブが高いキャラクターから順に行動する)
- 通常の攻撃行動として発動する場合、イニシアティブ宣言時に霊力を追加で3点払うことで、イニシアティブを無視してメインフェイズの最初に行動できる(この宣言をしたキャラクターが複数いた場合、宣言した中で最もイニシアティブが高いキャラクターから順に行動する)。この場合、攻撃行動を消費する。
- GMは特定の妖術との組み合わせや、習得自体を認めなくてもよい。
並行発動
コスト:妖術1つあたり8
攻撃行動を行いながら発動可能な妖術であることを示す。
- 4Lv以上で習得しており、スキルとの組み合わせを行っていない[妖術]1つを[並行発動]とする。
- [並行発動]となった妖術は、弾幕などの攻撃行動と同時に発動できる。攻撃行動との順番は自由に選択してよい。また、並行発動する妖術の結果を見てから攻撃行動を決める、あるいは攻撃行動の結果を見てから並行発動する妖術を決める、といった選択は可能。
- ただし、待機は選択できない。
- [並行発動]を行った妖術は、消費の低減効果を適用しない(低減前の消費霊力もメモしておくこと)
- GMは特定の妖術との組み合わせや、習得自体を認めなくてもよい。
- もともとセットアップに発動させる事が前提の能力を強化するものではないことに注意。
二重属性
コスト:妖術1つあたり5
妖弾の持つ属性を二つにし、自由に使い分けることができる。
- 属性を持つ[妖弾]または[妖弾化]している[妖術]にのみ指定することができる。取得時に属性を1つ選ぶ。
- 指定した[妖弾]([妖弾化])による攻撃行動を行う時、[妖弾]で指定した属性か[二重属性]で選択した属性のどちらかの属性を選び[妖弾]の属性とする。
妖力集中
コスト:5
妖力を一点に集中させて放つことでより局所的に高い効果を発生させる。
- 射程:接触または術者でない妖術にのみ効果を適用する。
- 対象(自身を含む)に触れて妖術を発動した時、達成値と抵抗目標に+1することができる。
- 戦闘中に敵へと効果を適用する場合、発動前に接近判定に成功することが必要。接近判定に失敗した時に通常の射程として発動することはできず、妖術を使用する判定は自動的に失敗となる。
(「夢演想劇」から追加の妖力を取り込み(月の魔力、不滅の魂、霊との会話、瞬間、二重属性、妖力集中))
([瞬間]のコスト調整))
([並行発動]を追加。ややバランスを崩す可能性があるので試験適用。))