細則

Last-modified: 2010-01-31 (日) 01:47:40

戦闘に関する細則

 ダイスプールシステムの関係上、戦闘での処理に困るような場合があり得る。ここでは、主にGMの判断の指針として、幾つかの想定されうる状況について戦闘に関する細則をまとめてく。GMはこれらを基に状況に応じて判断するとよい。

ターン進行を行うか否かの判断が曖昧な状況

 一触即発の状態での交渉など、緊迫した状況では、「まだターン進行には進めないが、戦闘に近い状況が発生している」状態になる場合がある。この場合、GMの判断でターン進行に移るかどうか決めてよい。また、ターン進行を開始した時点でのDP回復の扱いなどもGMが判断する。例えば、「お互いにスペルカードを準備しつつ、戦闘に突入する前に事件の背景を問い糾すなどの会話を行っていて、その最中にあるキャラクターが隠れて能力を発動させようと判定して露見し、即座に戦闘に突入した」といった状況の場合、能力の発動を行った分のDP減少はそのまま有効とし、なおかつ初ターンのみターン開始時のDP回復を適用しない、とした方が、戦闘前の行動に緊張感を持たせることができる。

不意打ち

 存在に気付いていない相手から攻撃された場合、不意打ちとなる。千幻抄ではスペルカードを先に準備して戦闘に突入するような行動も認められているとする。
 不意打ちに関して、以下のような処理を行う。

  • 攻撃の有効範囲(30m) 外からの完全な不意打ち:全く警戒していない状況では、回避を行うことはできない。距離が100m以上ある場合は、正確に命中できたかどうか、適切な目標値を設定して3Dまでの命中判定をGMの判断で課してもよい。
  • 攻撃の有効範囲(30m) 外からの不意打ち:警戒していれば、飛来してくる攻撃に気付くことができる。攻撃側は3Dまでで判定し、回避側は状況に応じて適宜ペナルティーを課した知覚判定を行う。回避側が勝てば、こちらも3DまでのDPで回避判定を行ってよい。[アラート][識閾結界] の有効範囲内であれば、警戒しているか否かに関わらず、知覚判定は成功したと見なして良い。(当然、すぐに反応できる体勢でなければならない)さらに、これらのスペルの範囲が30m を越えていれば、通常通り有効射程外からの攻撃と見なして自動的に回避してもよい。
  • 攻撃の有効範囲(30m) 内からの完全な不意打ち:この範囲内であれば、{身体}+〈隠密〉と{感覚}+〈感知〉などで対抗判定を行っておくこと。相手を発見できていない状態で、警戒していなければ、回避判定を行うことはできない。範囲の大きさにかかわらず、[アラート][識閾結界] の範囲内であれば、完全な不意打ちではなく通常の不意打ちと見なしてよい。
  • 攻撃の有効範囲(30m) 内からの不意打ち:警戒していても相手を発見できていない場合、回避判定には-5の修正を受ける。攻撃側も防御側も自由にダイスを使用できる。[アラート][識閾結界] の範囲内でも、攻撃のタイミングまで相手に気付くことができていない状況では、同様に扱う。
  • 能力による不意打ち:通常、能力が発動したタイミングで、対象者は意識を失っていない限り「何かの能力を使用されている」ことに気付くものとする。但し、スキルと組み合わせた妖術の偽装を行った場合はそちらのルールに従う。能力に気付いているか否かにかかわらず、抵抗判定は無意識に行えるものとする。

 ターン進行中、警戒していない状態で同一のイニシアティブ値で行われた行動は全て「警戒できていない」状態で受けているものとする。以降のイニシアティブ値で行われたものについては、その意志があれば、警戒していると見なしてよい。千幻抄のルールではイニシアティブ値を選んで同じ値に合わせることが可能なので、タイミングを合わせれば複数人で同時に不意打ちを行うことができる。但し、イニシアティブを合わせた場合は、「先に行動したキャラクターの結果を見て行動を決める」ことはできない。

潜伏しているキャラクターの扱い
 戦場に初めから潜んでいるキャラクターがいる場合、通常通りにDPを取り扱う。発見されない限り、弾幕や範囲を指定してかけるスペル以外の攻撃の対象になることはないと見なしてよい。動かない場合、隠れる側の{身体}+〈隠密〉の達成値に対し、知覚判定で毎ターン対抗判定を行うこと。この場合、他に何か行動をしているのでなければ、隠れている側は常に待機していると見なしてよい。動く場合には{身体}+〈隠密〉を再度判定し、知覚判定と対抗判定を行う。攻撃の瞬間まで気付かれていなければ、不意打ちとして扱う。
 潜伏していたキャラクターは、スペルカードの宣言もその場で行うこととなる。スペルカードルール上、下記の「援軍」の場合と同様の扱いが認められているとする。

援軍

 既に戦闘が起こっている状況へ外部から侵入する場合、弾幕を突っ切って移動することになる。あるいは、[テレポート] 等の手段を用いても、状況のわからない弾幕の中に突然出現することになる。このため、援軍として参加した場合のDPは「DP回復数× 3」とすること。戦闘に参加する場合、状況に応じて適切なイニシアティブ値のタイミングで移動して戦闘に参加したとし(原則としては移動しながら攻撃は可能なので、このとき行動しても良い)、以後は通常通り処理する。
 スペルカード戦闘開始後、新しく戦闘に参加してくるキャラクターのスペルカードの扱いは、以下のようなルールがスペルカードルールとして認められているものとする。

  • スペルカードをもらう:宣言しているが発動または展開されていないスペルカードの使用権を味方から譲り受ける。この場合、各陣営でのスペルカード数は変化しないこととなる。このように「途中から新しく参加した」場合を除き、戦闘中のスペルカードの譲渡は認められていないことに注意。
  • 新しく宣言する:途中から戦闘に参加したキャラクターも、新しくスペルカードを宣言する。この場合、敵となっている陣営でも同じ数だけスペルカードを追加で宣言することが認められているとする。枚数の都合などでスペルカードを宣言できない者がいる場合、原則として、合計で同じ枚数になるよう新しく宣言する者が数を揃える。

所有物に関して

 所有物(手に持っている物や身につけている物)に対して攻撃を行った場合、所有者が回避判定を行う。所有物に対して使用された能力の場合、所有者が抵抗判定を行える。所有物は弾幕の影響を受けないとしてよい。
 通常、PCが使用している武器は、「ショット」「弾幕」などの攻撃手段では壊れないものとしてよいが、能力を使用した場合(金属の武器に金属性の[流動] や、火属性の[消滅] など)は、抵抗されなければ能力の説明の通りに効果を発揮する。壊れやすい物を運んでいる場合や、バランスが悪く保持しにくい物を持っている場合などは、命中時の効果をGMが定めてよい。

所有物に化けているキャラクター

 キャラクターが物品に変身して誰かの所持品に隠れている、小さな物品を[覚醒] させて持ち歩いている、等の場合も、所持品としてのルール通りに扱う。但し、こうしたキャラクターに対して使用された能力への抵抗は「所持品となっている」者が行ってもよい。また、「所持品となっている」者への攻撃の場合、「所持品となっている」者が「飛び出す」ことを選ばない限り、防御行動を行えない。所有物は弾幕の影響を受けないことに注意。
 「所持品となっている」者はDPが最大の半分に制限され(「所持品となる」前にそれよりDPを多く持っていた場合は、最大の半分まで減少)、各ターン開始時にDP を回復しない。「所持品となっている」者は、能力の使用や攻撃(近接攻撃を除く)を行っても良いが、攻撃を行った場合は隠れている(所持品がただの物品ではない)ことを察知される。能力を使用した場合は、その結果を相手が知覚できるかに依存する。通常の感覚で知覚できない場合も、感覚+〈感知/幻想〉と身体+〈隠密〉の対抗判定を行い(隠密が防御側)、感知が勝てば「所持品に化けた何者かが能力を使用した」ことに気付く。
 所持された状態のままである場合、近接攻撃やガード、回避は行えず、状況によっては外界の状況の感知などにも制限が加わる。「所持品となっている」キャラクターは、攻撃行動や防御行動を行う際に「所持品となっている状態から飛び出して」行動してもよい。この場合、「所持品となっている」状態を即座に解除して、通常通りに行動判定を行える。但し、DP 等は直前までの値を保持して使用する。

GMとダイスプール

 GMはダイスを振ることを省略するため、敵側の判定は出目を「ダイス数×3.5」などで済ませてしまうことを推奨する。ダイスプールを使用した分だけ純粋に達成値を操作することになる。

撃破時の手加減

 相手の本体のHPを0にできるダメージを与えたとき、気絶させるか、HP1扱いで戦闘不能(会話やゆっくりした移動は可能)にするか、攻撃側が選んでよい。