零式艦上戦闘機とは、大日本帝国海軍の艦上戦闘機。開発・生産は三菱重工業。
略符号は「A6M」。連合国軍のコードネームは「Zeke」。
総生産機数:7,394機
概要
特徴
歴史
十二試艦上戦闘機
性能諸元
正式名称 | 十二試艦上戦闘機 | 零式艦上戦闘機二一型 | 零式艦上戦闘機三二型 | 零式艦上戦闘機五二型 |
---|---|---|---|---|
キ番号 | A6M1 | A6M2b | A6M3 | A6M5 |
乗員 | 1名 | |||
全長 | 9.05m | 9.121m | ||
全幅 | 12.0m | 11.0m | ||
全高 | 3.53m | 3.57m | ||
翼面積 | 22.44㎡ | 21.54㎡ | 21.30㎡ | |
翼面荷重 | 189.13kg | 190.51kg | 190.51kg | 190.51kg |
プロペラ | ブレード3枚 直径2.90m | ブレード3枚 直径3.05m | ||
発動機 | 栄一二型 (離昇940馬力) | 栄二一型 (離昇1,130馬力) | 栄三一型 (離昇1,200馬力) | |
自重 | 1,670kg | 1,865kg | 1,380kg | 2,100kg |
正規全備重量 | 2,330kg | 2,680kg | 3,380kg | 3,380kg |
過荷重量 | 5,867kg | 5,903kg | 3,380kg | 3,380kg |
燃料 | 525L | 580L | 470L | 500L |
最高速度 | 517km/h (高度4,300m) | 540km/h (高度6,000m) | 550km/h (高度8,000m) | 572km/h (高度6,400m) |
上昇能力 | 高度6,000mまで 7分27秒 | 高度6,000mまで 7分19秒 | 高度6,000mまで 5分08秒 | 高度6,000mまで 7分35秒 |
実用上昇限度 | 10,300m | 11,000m | 11,500 | 10,600m |
降下制限速度 | 630km/h | 660km/h | 740km/h | |
航続距離 | 2,300km(正規) | 1,850km(正規) | 1,400km(正規) | 1,600km(正規) |
3,500km(330L増槽) | 3,000km(330L増槽) | 2,800km(320L増槽) | 3,000km(300L増槽) | |
武装 | 九七式/7.7mm機銃×2挺 [各700発] | 二式固定/13mm機銃×2挺 [各300発] | ||
九九式一号三型/20mm機銃×2挺 [各100発] | 九九式二号三型/ 20mm機銃×2挺 [各100発] | 九九式二号四型/20mm機銃×2挺 [各125発] | ||
爆装 | 30kg/60kg×2 最大120kg | 30/60kg×2 最大120kg |
型式
零戦一一型系
十二試艦上戦闘機(A6M1)
零戦一一型(A6M2a)
零戦二一型(A6M2b)
零戦三二型系
零戦三二型(A6M3)
零戦三二型甲(A6M3a)
零戦四二型 [試作のみ](A6M4)
零戦五二型系
零戦三二型の翼端を円形に整形したもの。また、推力式単排気管が備えられていることが特徴であり、三二型と同一のエンジンを搭載し、武装を更に強化して重量が350kgも増加したにもかかわらず、速度は約20km/h以上増加し、上昇力も向上した。五二型は、烈風に生産が切り替わる直前の1942年10月から生産が開始されたもので、零戦系統全体でみれば後期型に当たる。
後継機である烈風の初期生産型の一一型は、大型化し重量が増加したことでやや性能不足気味であったことで更なる改良を待つ間の機種として五二型が開発された。そのため、1943年3月から烈風二一型が量産を開始すると五二型の役割も終わり、主力艦上戦闘機の座から降りた。しかし、軽量であるため特設空母での運用も行えることから量産はある程度続けられた。
零戦五二型(A6M5)
零戦五二型甲(A6M5a)
零戦五二型乙(A6M5b)
零戦五二型丙(A6M5c)
零戦六二型系
零戦の最終量産型。二線級となった零戦を改造空母(特設空母)で運用が可能な戦闘爆撃機として改修したもの。
これらは、胴体下に250kg爆弾を懸架可能な懸吊装置や主翼に30kgロケット爆弾の発射レールなどを備えた。これにより、特設空母での航空機運用が継続可能になったものの、他の戦闘機の高速化にはついていくことができなかったため、後に対潜攻撃任務を主として行うようになった。
零戦六二型(A6M6)
基本的な性能は五二型とほとんど変わらないが、胴体下に最大で250kg爆弾を搭載可能(増槽と兼用)な懸吊装置と主翼下に30kgロケット爆弾の発射レールを取り付けれるようになった。これらは、烈風が登場してから約4か月がたった1942年末ごろに生産が始められたものの、すぐに六三型への生産へと移った。そのため生産機数は少なく三菱で291機、中島で260機である。
零戦六三型(A6M7)
六二型の機体に金星六二型(離昇1,500馬力)を搭載したもの。このエンジン換装に伴い、機首に備えられていた2挺の二式13mm固定機銃は、翼内へと移されそれに伴って主翼桁の増強を行った。それにより、主翼下へ合計6発の30kg爆弾を懸架出来るようになった他、500kg爆弾を搭載しての発艦が可能となった。
零戦六三型甲(A6M7a)
六三型を更に戦闘爆撃任務へ特化させるために、防弾版などの既存装備を撤去して爆弾搭載量を増加させた機体。以前から訓練後の兵士に対しての実戦経験を積ませるために後方でのみ運用されており、脅威となる敵航空戦力の存在する場所で戦闘する訳ではないとの判断で防弾版と自動防漏タンクを廃止した。これにより、爆弾搭載量と航続距離が増加した。六三型甲は零戦系統で最後に量産された型となった。
零戦六二型系の性能諸元
正式名称 | 零戦六二型 | 零戦六三型 | 零戦六三型甲 |
---|---|---|---|
キ番号 | A6M6 | A6M7 | A6M7a |
乗員 | 1名 | ||
全長 | 9.121m | 9.237m | |
全幅 | 11.0m | ||
全高 | 3.57m | ||
翼面積 | 21.30㎡ | ||
翼面荷重 | 189.13kg | 190.51kg | 190.51kg |
プロペラ | ブレード3枚 直径3.05m | ||
発動機 | 栄三一型 (離昇1,200馬力) | 金星六二型 (離昇1,560馬力) | |
自重 | 2,170kg | 2,350kg | 2,080kg |
正規全備重量 | 2,330kg | 2,970kg | 2,730kg |
過荷重量 | 5,867kg | 5,903kg | 3,380kg |
燃料 | 500L | 580L | 650L |
最高速度 | 560km/h (高度6,400m) | 580km/h (高度6,000m) | 600km/h (高度6,000m) |
上昇能力 | 高度6,000mまで 7分27秒 | 高度6,000mまで 7分19秒 | 高度6,000mまで 5分08秒 |
実用上昇限度 | 10,500m | 11,200m | |
降下制限速度 | 740km/h | 780km/h | 800km/h |
航続距離 | 2,300km(正規) | 1,000km(正規) | 1,120km(正規) |
3,500km(300L増槽) | 1,520km(200L増槽×2) | 1,800km(200L増槽×2) | |
武装 | 二式固定/13mm機銃×2挺 [各300発] | 二式固定/13mm機銃×2挺 [各400発] | |
九九式二号四型/20mm機銃×2挺 [各125発] | 九九式二号四型/20mm機銃×2挺 [各125発] | ||
爆装 | 30kg/60kg×2,250kg×1 最大250kg | 30/60kg×2,30kg×4,250/500kg×1 最大500kg | 30/60kg×4,30kg×6,250/500kg×1 最大620kg |