Tier 1 フランス 軽戦車
スペック
車体装甲厚(mm) | 16/16/16 | 本体価格(シルバー) | 0 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
最高速度(km/h) | 前進 | 21 | マッチング範囲(戦闘Tier) | 1~2 | ||
後退 | 8 | |||||
隠蔽率 | 静止時 | 0.24 | ||||
移動時 | 0.18 |
パッケージ
┏ | FT AC E:280 S:3,600 | ||||
┣ | D1 E:280 S:3,800 | ||||
FT E:0 S:0 | ━ | FT 31 E:30 S:1,500 | ╋ | H35 E:280 S:4,200 | |
┣ | FCM 36 E:280 S:3,900 | ||||
┣ | R35 E:280 S:3,850 | ||||
┗ | FT BS E:280 S:3,700 |
詳細
パッケージ名 | エンジン | 主砲 | 履帯 | 砲塔 | HP | 通信機 | |
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出力 | 下記参照 | 車体旋回速度 | 砲塔装甲 | 通信範囲 | |||
出力重量比 | 地形抵抗 | 旋回速度 | 視認範囲 | ||||
FT | Renault | 37 mm APX SA18 | M26/27 | RenaultFT La tour 2 | 125 | ER 52 | |
90 | 60 / [53.33] | 22/22/16 | 300 | ||||
18.69 | 0.8/0.9/1.8 | 41 | 280 | ||||
FT 31 | Renault | 13.2 mm Hotchkiss mle. 1930 | M26/27 | RenaultFT La tour 2 | 125 | ER 52 | |
90 | 60 / [53.65] | 22/22/16 | 300 | ||||
18.80 | 0.8/0.9/1.8 | 41 | 280 |
※車体旋回速度の実質値は通常地形、操縦手熟練度100%で計算。スキル及び超信地旋回の可否は考慮していません。
※青字:オートローダー砲・機関砲
主砲性能 | |||||||||||
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名称 | 弾種 | 弾代 | 貫通 | ダメージ | 発射速度 連射[間隔] 弾倉[交換時間] | AP弾 DPM | 照準時間 | 精度 | 総弾数 | 最高角 最伏角 | |
37 mm APX SA18 | AP APCR HE | 0 2G 6 | 29 46 18 | 30 30 36 | 29.13 | 874 | 2.00 | 0.54 4.31 3.10 | 237 | +35 -2 | |
13.2 mm Hotchkiss mle. 1930 | AP APCR | 1 1G | 29 42 | 8 8 | 136.36 連射[0.10] 弾倉[5.20] | 1,091 | 2.00 | 0.58 ? ? | 720 [(5×3)×48] | +35 -10 |
解説
- 概要
Tier1フランス軽戦車。
全周旋回式の砲塔、戦闘室と機関室の隔壁による分離、機動性と乗り心地に優れた足回りなど、その後の戦車設計で当たり前となった数々の要素が初めて実現された画期的な戦車。
イギリスのMark Iが戦車の母なら、本車はさしずめ戦車の父とでも言うべき存在。 - 火力
以前は存在した25mm砲がアップデートで削除されたため、2種類だけのシンプルな配置となっている。- 37 mm APX SA18
初期砲。
控えめな貫通力、機関砲並のガバガバ精度、非常に狭い俯角と使いづらい。
Tier1初期砲ということもありAPが無料なのはありがたいが、できるだけ早く最終砲に移行したい。 - 13.2 mm Hotchkiss mle. 1930
最終砲となる13.2mm機関砲。
貫通力は29mmと控えめで一発辺りのダメージも8だが、5連射×3セット計15発の弾を連続で発射するため全弾貫通時のダメージは結構なもの。
Tier1ということもあり軽装甲車輌が多いので案外通用するが、ルノー乙型のような重装甲車輌には通じづらい。
俯角をはじめ、全体的に性能が向上し扱いやすくなったが、射程距離が400mと短いため遠くの敵への攻撃は不可。
- 37 mm APX SA18
- 装甲
全周16mmは軽戦車としては厚い方で、ルノー乙型に次ぐ値。
とはいえ薄い方との差がそこまであるわけではないので、過信はできない。
改良砲塔の装甲は前面と側面で22mmあり乙型より厚いため、車体は地形や障害物などで隠して砲塔だけ出す戦い方が有効。
この戦い方はハルダウンと呼ばれ、Tier帯や国家を絞らず多くの車輌で有効な戦い方なので是非覚えておきたい。
- 機動性
遅い。
車体重量に対してエンジン出力は十分あり、加速はTier1車輌の中でも優れているが、肝心の最高速がTier1車輌最下位の21km/h。
Tier1の戦場ではそこまで苦にならないだろうが、Tier2に混じるとかなり苦労する。
- 総論
低めの火力と厚めの装甲、遅い機動性という低Tier帯のフランス戦車の特徴が早くも出ている戦車。
とはいえそこまで頼れる装甲でもないため、真正面から撃ちあうと火力負けしやすい。
比較的厚い砲塔だけ出して闘うのが効果的。幸い改良砲塔は22mmあるので、ある程度は弾ける。
史実
第一次世界大戦当時、シュナイダー突撃戦車の開発に功績を残したフランス陸軍のJ.E.エティエンヌ少将は視界の悪いシュナイダー突撃戦車やサン・シャモン突撃戦車を装備する戦車部隊の指揮用に小型の戦車を開発することを提案。パリのルノー社にその開発を依頼した。
しかし当時のルノー社は軍用自動車の生産に追われており、新たな車輌、しかもまだ未知の分野に属する戦車を開発する余力など無く、さらにこのエティエンヌ少将からの依頼を受ける前にもフランス陸軍から出された戦車生産への協力を断ったという経歴があり、少将の依頼も素気無く断られてしまった。
しかし、彼はそれにもめげずルノー社への説得活動を続け、これが功を奏して1916年後半にルノー社が開発を引き受けることとなった。
こうなると動きは早く、同年12月には木製モックアップが完成し、翌1917年2月にはルノーFT(Faible Tonnage:軽量)と呼ばれる試作車が完成。
シャンプリュー・キャンプで軍の試験を受けることとなった。
当初は軽戦車に対してその必要性を感じていなかったフランス陸軍であったが、試作車による試験においてその優秀さが判明したため、直ちに制式化が決定。
1917年4月にまず150両の生産型が発注されることとなった。
これがその後、総計3,187両という当時としては画期的な大量生産が行われることになるルノーFT軽戦車の初めの一歩であった。
ルノーFT軽戦車は様々な画期的な特徴を備えていたが、中でも最大の特徴は全周旋回式の砲塔を初めて採用したことであろう。
今でこそ当たり前となっている砲塔だが、当時としては他に装備する戦車は存在していなかったのである。
さらに、それまでの戦車では車体の中に機関と乗員が共存していたが、ルノーFT軽戦車では戦闘室と機関室を分離し、その間に隔壁を設けたことも特筆に値する。
最大厚16mmの装甲をリベット接合した車体は後部に特殊なテールを設け、塹壕を越える能力を高めていた。
足周りは転輪をリーフ・スプリングで支え、プレートを介して装着された上部支持輪を独立したコイル・スプリングで支えるという当時の常識を破る新しい方式が採用された。
エンジンは出力35馬力のルノー社製直列4気筒液冷ガソリンエンジンが用いられ、車体後部の機関室に収容され後部に設けられた起動輪を駆動した。
面白いことに誘導輪には合板が用いられ、補強のため周囲に鋼製のリムが装着されていたが、後期生産車では全鋼製誘導輪が使用されている。
初期生産車のごく数両には鋳造とプレスの部品を組み合わせた砲塔が搭載されたが、製造が容易ではなかったために平面装甲板を組み合わせてリベット接合した8角形の砲塔に変更され、FT18からはさらに鋳造製の砲塔に変更された。
砲塔には当初オチキス社製の8mm重機関銃M14を装備していたが、1917年末の生産車からは国営プトー工場製の21口径37mm戦車砲SA18に換装されて火力の向上が図られた。
もっとも、旋回式砲塔を生産するのは当時の技術ではまだ難しく、生産は思うようには伸びなかった。
それでも初期生産車150両に続いて1918年1月には1,000両が追加発注され、さらに同年秋にも追加が行われて、その発注数は最終的に4,635両にも達した。
この内、1,830両が37mm戦車砲搭載型であった。
本車の生産はルノー、ベルリエ、ソミュア、ドローナ・ベルビューの4社が担当し、シェフィールドのミリス製鋼所を始めとするイギリスの製鉄所が装甲板を供給した。
ルノーFT軽戦車が初めて実戦に投入されたのは、1918年5月31日のレッツの森での戦闘だった。
この戦闘で本車は高い実用性を発揮したが、反面、この成功がその後のフランス戦車開発に大きな影を残すことになってしまったのは否めない。
1918年11月に第1次世界大戦が終了したため、3,187両が完成した時点で残りの発注はキャンセルされている。
大戦終了後、ルノーFT軽戦車はベルギー、ブラジル、カナダ、中国、チェコスロヴァキア、フィンランド、オランダ、日本(甲型軽戦車と呼ばれた)、ポーランド、スペイン、アメリカ、イタリアに輸出され、アメリカやイタリアなどではライセンス生産も行われた。
また本車をベースとして、砲塔の代わりに箱形の戦闘室を搭載したルノーTSF指揮戦車、7角形のリベット接合砲塔に75mm短砲身砲を搭載したルノーBS火力支援戦車、車体前部に束柴を運ぶクレイドルを装着した束柴戦車、誘導輪の車軸から左右にそれぞれ伸びたアームに鋤刃2枚を装着した地雷処理戦車、最上部に下方を照らす回転式サーチライト2個がつけられた背の高い鉄柱を砲塔上面に装着した投光器戦車など様々な派生型が作られている。
1940年5月10日のドイツ軍のフランス侵攻時点においても、フランス陸軍は2,500両以上のルノーFT軽戦車を所有していた。
この内、第一線部隊に配備されていたのは520両程度で、残りの車輌は空港警備程度に使われただけだが、全独立軽戦車大隊の1/4は本車装備のままだった。
同年6月22日のフランス降伏後この多くをドイツ軍が接収し、フランスにおける国内防衛や警備といった二線級任務に使用している。
一部の車輌の砲塔はキューポラを装着し車体から外して大西洋沿岸の固定砲台として用いられた。