イニシアチブ

Last-modified: 2023-04-02 (日) 06:19:17

原語は「Initiative」。
先導、主導権などを意味する。「イニシアティブ」とも表記される。
ダンジョンズ&ドラゴンズでは、戦闘ラウンドにおける先制権のこと。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

基本ルールとしては、グループ対グループで毎ラウンド判定を行う。判定に使用されるダイスは1d6で、数値が高い方が先攻となる。ただし、先攻側となった場合でも、両手武器を使うPCや「イニシアチブを常に失う」という弱点を持つモンスターは、そうでない後攻側の行動が終えた後になる。
なお、ルールサイクロペディア版では「イニシャチブ」と表記されている。

ペアコンバット

選択ルールの1つ。ルールサイクロペディア版では「個人のイニシャチブ」と表記されている。
1対1の状況下において、両者が個別にイニシアチブ判定を行う。イニチアチブの出目にデクスタリティの修正値を加算することになる。このルールを採用する際はハーフリングのみ、個別の+1ボーナスを得られる。

「イニシアチブを失う」という解釈

普通にイニシアチブを取れる存在と、両手武器持ちのキャラクターやゾンビなどの「自動的にイニシアチブを失う」存在が混在した戦闘におけるイニシアチブの手順の解釈は以下のような回答だった。

A.例を挙げて説明します。グループAはスケルトン3体とゾンビ2体からなり、グループBはショートソードをもったファイター1人とトゥハンドソードをもったファイター2人からなります。イニシアチブをグループAがとったとすると、攻撃の順番が以下のようになります。

 
  1. スケルトン
  2. ファイター(ショートソード)
  3. ゾンビ
  4. ファイター(トゥハンドソード)
     
    つまり実にイニシアチブを失う側とそうでない者が同じパーティにいる場合、2グループに分けて考えるのです。
     

上記のルール解釈の場合、イニシアチブは次の4グループに分かれ、数値の順番に行動することになる。

 
  1. (A-1)イニシアチブを取った集団にいて、なおかつイニシアチブを自動的に取られないメンバー
  2. (B-1)イニシアチブを取られた集団にいて、なおかつイニシアチブを自動的に取られないメンバー
  3. (A-2)イニシアチブを取った集団にいて、イニシアチブを自動的に失うメンバー
  4. (B-2)イニシアチブを取られた集団にいて、イニシアチブを自動的に失うメンバー
     

新和版の時代において、DFCなどのいわゆる「公式回答」では上記の通りである。
しかし、某サイトに掲載された記事によるとこの解釈は間違っているらしい。どういうことかというと、イニシアチブを取った側のみが先手を打つ事ができるだけであり、「イニシアチブを失った集団」と「イニシアチブを取ってはいるが、元々イニシアチブを自動的に失う集団」は全てが同時行動になるとのこと。
上に挙げた例の場合、次の通りになる。

  1. スケルトン
  2. ゾンビ、ファイター(ショートソード)、ファイター(トゥハンドソード)

元々のイニシアチブの記述が曖昧な部分はあるのだが、実際に日本語になった新和版とルールサイクロペディア版ではどちらとでも解釈できる。というより、戦闘手順をあらためて見直してみるとこちらの解釈の方が違和感がなかったりする。
このイニシアチブの記述に関しては、英語版での一部の文章が新和版の元になったクラシックD&D第4版では後から追記され、第5版であるルールサイクロペディア(英語版)でもそのまま続いているらしい。
さらに、呪文の詠唱に関しても「ダメージを受けた後、そのラウンドは呪文詠唱は失敗してしまう」というルールがあるとのこと。


この解釈の場合、「自動的にイニシアチブを失う」事になる両手武器でも、敵味方が同時行動になりやすいため大きく不利とは言い難い事になる。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

第2版の基本ルールでは毎ラウンド開始時に、グループごとに1d10を振る。数値が低いグループから行動していくことになる。出た目には、状況による修正値が加算されるが、この修正値はグループ全員がその状況にいないと適用されない。

グループイニシアチブの選択ルール

このルールではグループ毎の数値は同じだが、行動する際に個人の行動による修正値が付き、その順番に従って行動を解決する。具体的には、武器で戦う時は武器ごとに設定されたスピードファクターが、呪文をかける時は呪文ごとに設定された詠唱時間が修正値となる。基本的には、武器が大きいほどスピードファクターが大きく、呪文レベルが高いほど詠唱時間が大きくなっていく。また、クリーチャーのサイズが大きいほど修正値が大きくなる。

個人イニシアチブの選択ルール

このルールでは、戦闘に参加する個人もしくは個体ごとに1d10を振り、スピードファクター詠唱時間などの修正値を加算する。戦闘の現実感は増すが手間がかかるため、プレイ時間は長大化しやすい。

ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版

プレイヤーごとと、モンスターなどのDMが操作する側でそれぞれ1d20を振る。修正値は【敏捷力】で、数値が高い者から行動していく。
この第3版では、最初のラウンドに判定した数値はその戦闘自体が終わるまで固定される。
ただし、イニシアチブを変更するアクションを取ることで、行動順が変動する場合がある。

関連項目

ラウンド