種族/【ハーフリング】

Last-modified: 2023-04-08 (土) 13:59:50

ハーフリング (halfling) は、さまざまなファンタジー小説やゲームに登場する架空の種族。一般的には、身長が人間の半分ほどである点を除き、人間によく似た種族とされている。
「ハーフリング」という用語は、もともとはJ・R・R・トールキンの著作の中でホビットの別名として使われた(日本語訳では「小さい人」とされている)。その後、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』 (D&D) において、権利上の問題からホビットの代わりに使われるようになったが、次第に独自の種族としての設定が確立されていった。
この種族は他のゲームでも使用されるようになり、ケンダーやグラスランナーといったさらなる派生種族も生まれている。

出典「ウィキペディア」

ドワーフノームと違って髭が生えていない小人族。主な派生種族はAD&Dのケンダー、ソードワールドRPGのグラスランナーが有名。
クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズではファイターの類似クラスだが、他の版やゲームではシーフレンジャーに向いた設定がされていることが多い。また、その容姿や性格から、主役よりもサポート役やマスコット役のような扱いをされる傾向にある。
D&Dシリーズにおいても、プレイヤーキャラクターとして使える種族でありながら、版によって特徴や性格が変わっている。

オリジナル・ダンジョンズ&ドラゴンズ

この版では種族名が「ホビット」だった。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

この版ではクラスのひとつ。
容姿は、わずかにとがった耳を持つことを除けば、人間の子供そっくりに見えるという記述。そしてあまり勇敢ではなく、ごくまれに、彼らが何よりも愛する家を快適にするために宝物を探し求めるという性格設定がされている。
最低能力値は敏捷性強靭さの2つが9以上。
クラスとしての役割は、ファイタードワーフと同じで防具の制限もない。ドワーフ同様、セービング・スローも良好。ただし、「小さな武器のみ使ってよい。トゥハンドスォードロングボウバトルアックスポールアーム等の大型武器は使えない。」という武器に関する制限があることと、ヒットダイスが1d6である点に注意。
レベル上限は8と、ベーシック・ルール・セット記載の7つのクラスでは最も低い。ただし、コンパニオン・ルール・セットでは経験点を得ることによりアタックランクの上昇、ダメージをもたらす呪文や魔法効果によるダメージの半減、ファイターコンバットオプションの解禁、ブレスウエポンによるダメージの半減という特殊能力を得られる。
特殊能力は、人間より大きい生物に攻撃された時にAC-2のボーナス、飛び道具を使う時に命中判定+1、個人の先制権に+1、物陰に隠れる(野外では見つかる確率10%、ダンジョン内では1/3で成功と、判定方法が統一されていない)の4つ。


新和版ではハーフリングの共同体は「庄」、ルールサイクロペディアでは「郷(シャイア)」と表記されている。


武器制限に関して、レスキューガイド29ページにノーマルスォードは両手武器として使ってもよいという記述がある。

ルールサイクロペディア

基本能力やチャートは変更されていない。
レベル上限を36にする選択ルールが提示されている。
この選択ルールを採用した場合、9レベルまではレベル上昇毎に1d6のヒットポイントを得る。10レベル以降はレベルごとにヒットポイントは+1ずつ上昇することになる。
また命中判定表はクレリックと同じものを用いることになる。
36レベル到達に必要な経験点は6,600,000。ちなみにクレリック36レベルと同じ経験点だと17レベルまでにしかならない。マジックユーザー36レベルと同じ経験点でようやく24レベル。

GAZ8 「The Five Shires」

未訳のサプリメント。
ミスタラ世界に存在するハーフリングの国「ファイヴ・シャイア」と、ハーフリングの社会や組織などについて記述されている。
ファイヴ・シャイア国内限定の能力としてデニアルが追加。
さらに8レベルに到達したハーフリングの新たな選択肢としてマスターが提示された。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

コアルール(基本ルール)に明記されているハーフリングの種族は以下の3つ。この3つの種族は、その生活圏に順応した結果として分化しており混血も多いらしい。
ただしドロウなどのような邪悪な文化や性質を持つ種族がいない。

  • ヘアフット
    『指輪物語』のホビットやクラシックD&Dのハーフリングに該当する。
    その名の通り足に毛が生えている。人間に比較的近い平原や丘などに共同体を築いている。コアルールでプレイヤーキャラクターが演じるのはこのヘアフット族が前提。
  • トールフェロウ
    森に近い場所に居を構えるハーフリング族。トールフェロウは背高やノッポを意味しており、他のハーフリング族よりも少しだけ平均身長が高め。
    エルフと近く、文化や習慣にはエルフの影響が見られるらしい。
  • スタウト
    山などに住むハーフリング族。ドワーフに近しいハーフリング族であり、インフラヴィジョンや坑道に関する直感も備えている。またドワーフが嫌うとされる水を厭わない。
    あまり他種族との交流があるわけではないらしく、他のハーフリング族からは遠巻きにされやすいかもしれない。
    ハーフリングのスタンダードであるヘアフット種よりも特殊能力的に有利だが、逆にハーフリングを好むプレイヤーからはそのゲーム的な有利さから敬遠されることがあるという。

プレイングガイドII

1982年3月に発行されたDRAGON誌59号に掲載されたものの翻訳記事。著者はRoger Moore。原語版の題名は「The HALFLING point of view」。
基本ルールブックでは解説が少ない、ハーフリングという種族についての解説記事。AD&Dにおけるハーフリングの思考や社会について記述されている。ただしあくまでもAD&D(第1版)のルールを基本とするガイドラインであってルールではないことが明記されている。
記事での解説はだいたい以下の通りとなる。
ハーフリングは最も人間に近い種族で、比較的近い縁戚関係にあるとされている。
彼らハーフリングの性向は子供じみていて、根が幸せそうでナイーブ、いつもお腹を空かせているように見える。また根が正直ながらも冗談を楽しむ心を持っている。一方で、その体格の貧弱さゆえに他種族である「大きな人」を怖がる傾向がある。
肉体的に貧弱であるため、個人はともかくハーフリングの部隊や兵士は基本的に接近戦を避ける傾向がある。反面、ハーフリングにとって短弓投石器、投てきは身近に普及しているため一般人を含め、種族全体として熟達している者が多い。貧弱で小柄な肉体は草原や森林で容易に身を隠せるため、遠距離武器で武装したハーフリングの部隊は野外では非常に厄介な敵となってしまう。またハーフリングは自身の肉体の貧弱さを自覚しているため、中途半端な攻撃で手傷を負わせることで捕虜をとることをしない。
ハーフリングの社会は、共同体の「安全」を非常に重要視している。このため共同体のルールを破った者は「みんなの乗っているボートを揺らした」として罰を受けることになる。こうしたハーフリングの共同体に伝わる民話は「仲間の安全を守る」というモラルを教えるためではあるが、冒険者のように共同体を飛び出していくことを抑えつけてしまう。もっとも一定数の個人が退屈な故郷を飛び出していく若者がいることは否定しようがない。こうして冒険者になったハーフリングのうち生還して故郷に戻って来た者は共同体を防衛する仕事を任されることが多い。共同体の一般人はもちろん共同体に貢献する彼らを歓迎するが、安全な故郷を出て行って危険な冒険に身を投じたハーフリングという存在は「自分達とは違う」という認識を持たれることにもなる。
ハーフリングの共同体は非常に閉鎖的で退屈な社会になりがちで、非常事態への対処も後手に回りやすい。逆に、指導者の下で団結したハーフリングはパワフルに協調して行動するため、ハーフリングの共同体を占領した他種族は後に手痛い反撃を受けることになる。また、ハーフリングにとって人間やエルフ、ドワーフは近しい存在であり、ハーフリングの共同体はいずれかの種族の町の近くに作られ、その町とは協力関係を確立している。
ハーフリングの冒険者はシーフが多いが、彼らはその職業を認めず自分達を「冒険者」や「スカウト」などと称する。彼らは他者からの盗みで生計を立てることは良しとはしないものの、好奇心を抑えられずに扉や宝箱を開けまくることはよくあるし、つい盗んだ物は借りるとか、多く持っているから取ってみたとか、間違えた、忘れたという言い訳を忘れない。また盗んだ物は売るためではなく、「これを持っていたら素敵だろうか」という感情による。(いや、それはよくないだろ)
ハーフリングの主神は「ヨンダーラ(Yondalla)」と呼ばれる女神であり、外敵から味方を守る「防衛者」として知られている。ヨンダーラのシンボルは「盾」。女神もしくは性別がないとされている。

第2版プレイヤーズハンドブック

「一般的に丸々と太っている。顔も丸顔であり、赤ら顔のことが多い。髪はたいていカールしており、足はごわごわの毛に覆われている。そして靴を履くのをできるだけ避けようとする。平均寿命は150年程度である。」と容姿に関してクラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズよりも詳細になっている。
最低能力値はストレングスデクスタリティ7、コンスティテューション10、インテリジェンス6の4つ。加えて、ハーフリングを選択するとストレングスが1下がり、デクスタリティが1上がる。
また、平地に住むヘアーフット、山や地下に住むスタウト、森林に住むトールフェロウの3つのタイプがいるという設定になっている。このうち、スタウト種はインフラヴィジョンや通路の傾斜や方角を推定する能力を持つ。
ハーフリング種族全体の特殊能力としては、毒と魔法に対するセーヴィング・スローにボーナス、スリング投てき武器?の命中に+1、限定条件下で敵の不意打ち判定に-2~-4のペナルティの3つ。
選択できるクラスは、クレリックファイターシーフの3つ。マルチクラスはファイター/シーフのみ選択可能。ただしレベル上限が意外にきつく、シーフこそ15だが、他は8~9と低い。

ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版

「退屈よりトラブルを好む。好奇心の強いことで悪名高い」と、これまでの版から種族自体の性格が大きく変わってしまった。また、食欲やタバコ、快適な服を求める事に加えて、コレクターの性格も付与されている。肉体的な特徴では、足に生えたごわごわの毛の記述がなくなっている。
能力値としては【敏捷力】+2、【筋力】-2の修正が付く。小型クリーチャーであり、移動速度も若干低い。他に種族ボーナス?として投てき武器?の命中+1、全てのセーヴィング・スロー+1、〈忍び足〉〈跳躍〉〈登攀〉〈聞き耳〉判定+2がある。加えて、恐怖に対するセーヴィング・スローに+2の士気ボーナス?がある。
適性クラスローグ

関連項目

種族】【デミヒューマン