モンスター/【グール】

Last-modified: 2023-06-20 (火) 13:34:35

原語は「Ghoul」。
食屍鬼、死食鬼などの訳語がある。
元になったのはアラビアの伝承に出てくる怪物で、墓を暴いて死体を食べたり、子供や旅人を殺して食べたりする。女性はグーラと呼ばれ、美女に化けて男を魅了して食べると言われている。
伝承と違い、D&D以降のファンタジー作品ではアンデッドモンスターとして登場する作品がほとんどだが、『ウォーハンマー・ファンタジーバトル』でのグールはアンデッド軍の下級ユニットの1つで、屍肉を食べることで狂気に陥った人間の成れの果てであり、生きたままアンデッドと化した人間という悍ましい設定となっている。また『クトゥルフ神話』では犬を連想させるような独自の種族だが、ゴムのような皮膚と腐肉や排泄物を食するという、こちらも悍ましい設定。
様々なメタルフィギュアが各社から製造されている他、D&D公式のメタルフィギュアやD&Dミニチュアゲームでも造られている。ただ、ゾンビワイトとの区別は明確ではない。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

第4版ではベーシック・ルール・セットで登場。
「醜悪で、獣じみた人間であり、総ての生物を攻撃する。」とあるが、アンデッドモンスターと明記されている。
噛み付き1回と爪2回の1ラウンド3回攻撃の能力を持つ。どれもダメージ自体は1d3だが、追加効果の麻痺が脅威。ただしエルフには麻痺が効果を発揮しない。
また士気が9と、戦況によってはターニングアンデッドなしで逃走する可能性がある。

ルールサイクロペディア

ルールサイクロペディア版では「グール(食屍鬼)」と表記。
種別はアンデッド知力は3。サイズM。
また生前の記憶は全く残っておらず会話ができないこと、太陽を嫌い普段は墓地などでたむろしていることなどが追記されている。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

かつては人間だったが変異して歪んでしまったアンデッド。
「舌はひび割れた骨から骨髄を吸い出すために長くなり、爪は鋭く、細長く伸び、歯は強く、牙のように鋭くなっている。」とおぞましい外見と化している。
アンデッドなので活動時間は夜間、食性は腐食性、アライメントはCE(カオティック・イービル)。
爪2回と噛みつき1回の3回攻撃を行い、それぞれの攻撃には麻痺を伴う。
グールは通常の武器でダメージを与えることができるし、「プロテクション・フロム・イービル」の呪文によりその接触を妨げることが可能。
グールはその食性により墓場や墓所に潜んでいることが多い。


AD&D第2版のグールには以下の2つの亜種が存在する。

ラセドン

原語は「Lacedon」。
水棲のグールで、幽霊船などの水死体が多い場所に現れることがある。
気候/地形が水域であることと、水中を泳ぐことを除けばグールと大差ない。

ガスト

原語は「Ghast」。
ghastlyは恐ろしい、ぞっとする、いやな、ひどいといった意味の形容詞。
グールと見分けがつかないほどそっくりな外見だが、腐臭がひどいという特徴がある。
グールよりも強力で、しかも腐臭により生物に悪影響を与える可能性がある。もちろんガストの爪と噛みつきには麻痺能力がある。

関連用語

アンデッド】【麻痺(特殊能力)