種族/【エルフ】

Last-modified: 2023-04-15 (土) 20:14:21

エルフ(英: elf、複数形: elfs、elves)は、ゲルマン神話に起源を持つ、北ヨーロッパの民間伝承に登場する種族である。日本語では妖精あるいは小妖精と訳されることも多い。北欧神話における彼らは本来、自然と豊かさを司る小神族であった。エルフはしばしば、とても美しく若々しい外見を持ち、森や泉、井戸や地下などに住むとされる。また彼らは不死あるいは長命であり、魔法の力を持っている。
J・R・R・トールキンの『指輪物語』では、賢明で半神的な種族である「エルフ」が活躍した。この作品が成功して以降、トールキン風のエルフは現代のファンタジー作品における定番となった。

出典「ウィキペディア」

『指輪物語』で確立した「エルフ」像が反映されており、以降のファンタジー作品でよく見かけられる種族となっている。
人間と比較して、肉体的にやや弱いが知性や精神力が高い、魔法の行使に長ける、種族全体として人間より容姿が整っているという設定が多いため人気が高い。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

「繊細な容ぼうと、とがった耳を持つ。すらりとして優雅な種族である。」と記述されており、さらにファイターマジックユーザーの能力を併せ持つ、魔法戦士的なクラス
特殊能力は、60フィートのインフラヴィジョン、追加言語4つ、シークレット・ドアコンシールド・ドアの見破り、グール麻痺に対する免疫。
最低能力値はインテリジェンス9。
難点として、レベル上限が10と低いことと、レベルを上げるために必要な経験点が最も高いこと。特に後者では、2レベルに上がるために必要な経験点ファイターの2倍、シーフの3倍以上が必要となる。
魔法使い呪文は10レベルで5レベル呪文が使用可能になり、呪文レベルが下がる毎に使用回数が1つずつ増える。つまり1~2レベル呪文に限れば10レベルの魔法使いよりも使用回数が多く、5レベル呪文は1回のみに限られているということになる。


コンパニオン・ルール・セット以降はアタックランクの上昇、ファイターコンバットオプションの解禁、ブレスウエポンのダメージ半減のみ。

ルールサイクロペディア

基本能力には変更がない。
5レベル魔法使い呪文の解禁は9レベルからとなっており第4版より1レベルだけ早い。ただし、10レベルに達しても3レベル以下の呪文の使用回数は3つに抑えられている。4~5レベル呪文の使用回数は2つ。
またレベル上限を36に引き上げる選択ルールのガイドラインが提示されている。
レベル上限を36にする場合、命中判定表はクレリックの表を用い、魔法使い呪文の使用回数は魔法使いと同じになる。
36レベル到達のための必要経験値は6,300,000。ちなみにマジックユーザーの36レベル到達時点での必要経験値でエルフは26レベルにしかならない。

GAZ5「アルフハイムのエルフ

このアクセサリーによる追加ルールが導入が許可された場合、10レベルに到達後は以下の2つの道が示されることになる。

エルフ・ロード

レベル上限は10のまま、コンパニオン・ルール・セットで解説されるアタックランクが適用される。

エルフ・ウィザード

レベル上限が20になり、高い魔法能力を獲得する「エルフ・ウィザード」として最大9レベル呪文まで使用可能になる。
エルフ・ウィザードは、アルフハイム(もしくは類似したエルフ人口の多い場所)のエルフから新しい呪文を学ばなければならない。また、エルフ・ウィザードの6レベル以上の呪文は、マジックユーザー呪文と完全に違っており他のマジックユーザーやそのスクロールから学ぶことができない。
なお、エルフ・ウィザードのレベル上限は20だがそこまでに必要な経験点は同レベルの人間クラスに比べてかなり高い上、セービング・スローは10レベルのまま据え置きとなる模様。 命中判定に関しては明記されていないが、これも据え置きと推測される。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

コアルール(基本ルール)に明記されているエルフの種族は以下の5つ。第1版の頃にはどれもプレイヤーキャラクターが可能だったが、ハイエルフ以外はDRAGON誌に掲載された記事に過ぎず、公式ルールと断言できるわけではない。そもそも他種族との交流が少なく閉鎖的だったり、環境や種族の特性上プレイヤーキャラクターには向かないものばかりだったりする。

  • ハイ
    5つのエルフ族の内、唯一コアルールでプレイヤーキャラクターが演じることを前提とする。
    DMの設定次第ではあるが、自分達以外の種族との交流がそれなりにある種族。アライメントは基本的にCG(カオティック・グッド)。
  • ウッド
    別名「シルバン」。森林の奥からほとんど出ることがなく、森や木々などの自然と共に過ごす種族。非常に排他的であり、自分たちの領域に入り込んだ他種族を、秘密保持のため抹殺することを厭わない。
    プレイングガイドVIの記事によると、ウッドエルフのイラストは全身に刺青を入れたものがある。またプリーストは「賢者」の地位をもつが、ドルイドはさらに信頼されているとのこと。
  • アクアティック
    水中を生息域とするエルフ族で、肺呼吸とエラ呼吸が可能。ある程度なら地上でも活動可能だが、肌が乾燥すると死亡してしまう。
    プレイングガイドVIの38ページには、水中を舞台とする冒険に欠かせない種族でありDRAGON誌116号に掲載されたアクアティックエルフの特集記事「チルドレン・オブ・ザ・ディープ」の翻訳予定があったと記述されている。
  • グレイ
    イギリスの民話などに登場する「フェアリー」のことだが、日本でイメージされるような羽が生えた妖精ではない。排他的、というよりは外界にまるで興味を示さないエルフ族で、哲学的な思索に耽る知的種族。
    人間が繁栄し始める前に、かつて栄華を極めたが現在は末裔がひっそりと過ごしているという設定が多いらしい。
  • ドロウ
    いわゆる「ダークエルフ」。もともとモンスターとして設定された種族。しかし第1版の展開に行き詰まっていた頃にプレイヤーキャラクターとして遊ぶことができる記事が発表されていたため、第2版の初期に「プレイヤーキャラクター不可」という記述に反発するプレイヤーが結構いたらしい。

プレイングガイドII

1982年4月に発行されたDRAGON誌60号に掲載されたものの翻訳記事。著者はRoger Moore。原語版の題名は「The ELVEN point of view」。
基本ルールブックでは解説が少ない、エルフという種族についての解説記事。AD&Dにおけるエルフの思考や傾向について記述されている。ただしあくまでもAD&D(第1版)のルールを基本とするガイドラインであってルールではないことが明記されている。また第1版では、エルフの寿命は人間の10倍以上で、平均寿命1200歳、最高で1600歳生きる。
記事での解説はだいたい以下の通りとなる。
エルフの基本的なアライメントはケイオティック(カオティック)。容姿は男女ともに人間より小柄で華奢、しかも成人後はほとんど老化の影響を受けない。このため「死」という事実に対する恐怖が薄く、死とは生の一部であると理解している。また長命種であるため、時間を長期的に見る思考が身に付いている。また子供が少ない。
エルフの生活は森で歌ったり踊ったり詩を作ることに費やすが、これは長い人生の中での気軽に過ごし、周囲の世界や生きとし生けるものへの愛を高めることを助長するとされている。このためエルフが本気で他の種族や生物を憎悪することはほとんどなく、少々の反感しか持たない。エルフを憎悪するオークですらエルフにとっては大した存在とはならないが、エルフにとって真に憎悪すべき敵はダークエルフであるドロウのみであり、彼らに対してエルフは哀れみや慈悲を全く向けることがない。
エルフは基本的に平和的で、自分自身についてもあまり執着せず、美を認めさせようという欲望を超越しているところがある。一方で感情豊かで自我は強く、個人的な喜びを優先して社会的な規範などは軽視しがちである。またエルフの人生観をベストと考えてはいるが、個人主義であるため種族を越えた交友を持つことは珍しくない。加えて、絶対的な指導者というのは存在せず、問題に対してはその分野の専門職に任せるべきという効率的な思考を持つ。
エルフは他種族との精神性の違いが大きい為、他種族のように眠ることがない。「眠る」ように休息している時は目を開けていることが多いため、他種族からは「眠らない」と誤解されることがある。この休息時はトランス状態に入ることで過去の記憶と体験を再体験している。このトランス状態から途中で覚醒することは、他種族が眠りから覚めるのと同じくらいには難しい。
エルフの社会では基本的に男女という性差による区別が、他種族に比べて少ない。特に日常生活の分野においては同じくらいの比率で携わっているが、戦闘関係の職業はさすがに男性の数が多い。この例外はエルフの乙女とユニコーンで構成される「ユニコーン騎兵隊」のみとなっている。また人間やドワーフの軍隊ほどの極端な男女比とはなっていない。
エルフの主神は「コアロン・ラレシアン」と呼ばれる存在であり、女神もしくは性別がないとされている。

第2版プレイヤーズハンドブック

「エルフは人間より背が低くやせている。多くの者は美形で、歌うように会話する。彼らは脆弱で弱々しく見えるが、種族としては充分に強力である。」と記述されている。1200年以上生きるが、死亡する前に人間や定まりし寿命の者が住む地を去るとされ、年老いたエルフがどこへ行くのかは知られていないとされる。
アクアティック、グレイ、ハイ、ウッド、ダークの5つの人種が設定されているが、PCは最も一般的な人種であるハイエルフとなる。
最低能力値はストレングスウィズダム以外の4つが設定されており、そこからデクスタリティ+1とコンスティテューション-1の修正が加わる。
選択できるクラスは、クレリックファイターメイジシーフレンジャーの5つ。マルチクラスはファイター/メイジ、ファイター/シーフ、メイジ/シーフの2クラス兼職が3つ、さらにファイター/メイジ/シーフのトリプルマルチクラスを選択することもできる。レベル上限はメイジとレンジャーが15、他が12となっている。
特殊能力は、スリープチャーム関連の呪文に対する90%の抵抗力、弓とショートソードロングソード使用時に命中+1、特定条件下で相手の不意打ち判定にー4の修正を与える、60フィートのインフラヴィジョンシークレット・ドアコンシールド・ドアの見破りがある。

ダンジョンズ&ドラゴンズ第3版

これまでの版と比較して、容姿に関しては色が明言されたくらいで大きく変わってはいない。110歳ほどで成人し、長ければ700年以上生きると寿命が短くなっている。また、人間の8時間の睡眠に相当する、4時間の「トランス」状態で休息することが明記された。
能力値の修正は【敏捷力】+2と【耐久力】-2。
特殊能力は、スリープの呪文と類似する魔法効果への完全耐性。心術?呪文と類似する魔法効果に対するセーヴィング・スローに+2の種族ボーナス?、人間の2倍の夜目、ロングソードレイピアのどちらかと、弓などの武器に《習熟》、〈聞き耳〉〈視認〉〈捜索〉判定に+2の種族ボーナス?
適性クラスウィザード

関連項目

種族】【デミヒューマン