モンスター/【ドッペルゲンガー】

Last-modified: 2023-06-20 (火) 19:24:52

原語は「Doppleganger」。
もとはドイツ語で、自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種とされる現象。この現象は古くから存在し、肉体から霊魂が分離したり、あるいはそれが実体化したものとされている。また、その人物の「死の前兆」と信じられている。文学では死や災難の前兆であるドッペルゲンガーは魅力的な題材であり、ドッペルゲンガーを題材とした作品は洋の東西を問わず存在する。
D&Dや他のファンタジー作品では、特定の人物になりすますモンスターとして登場する。


DMにより厄介度が大きく上下する傾向があるモンスター。

クラシック・ダンジョンズ&ドラゴンズ

第4版ではベーシック・ルール・セットに登場。新和版では「ドッペルガンガー」という名前になっている。
「この、形を変えることのできる人間大の生物は、知性が高く、邪悪である。ドッペルガンガーは、意識して見た人間形生物(身長7フィート=約2.1mまで)の正確な姿に変身することができる。」と記述されている。
ヒットダイスは4。アライメントはカオティック。ある集団の特定の人物を密かに殺してすり替わり、他の相手と戦闘中に不意打ちをかけるような手段を好む。スリープやチャームなどの呪文は効果を発揮しない上、その魔法的性質ゆえにST判定は8レベルとして行える。
殺されると、本来の姿に戻ると書いてあるが、「本来の姿」に関する記述は全くない。

ルールサイクロペディア

表記は「ドッペルゲンガー」。
ルールサイクロペディア版では種別はモンスターであること、サイズがMであること、知力が9であることが明記されている。
また「もともとの姿は、体毛がなく、痩せこけており、青白いゴムのような皮膚をした、性別も不明の人型生物です」と新和版の頃には分からなかった「本来の姿」が記されている。
さらにドッペルゲンガーには狙った獲物に対してテレパシーのような能力を用いて、その個体の有する記憶を知ることができるようになったため、獲物となった知性体への質問により正体を知ることが困難になっている。呪文に関する記憶を得ることはできないが、ドッペルゲンガー本体がウォーカンシャーマンとしての呪文能力を有している事がまれにある。

アドバンスド・ダンジョンズ&ドラゴンズ

日本語未訳。第2版ではMonstrous Compendium IIに掲載されている。
何らかの人間型生物の姿を盗み取ってなりすますという、擬態能力に長けたクリーチャー。
本来の姿は、毛が生えていない分厚い皮に覆われている。ただし本来の姿でいることはまず無い。
卑怯で欲張りな性質をしており、他の弱い人間や人間型生物を襲って金品や食料を奪ったり、裕福な人物になりすまして快適に生きようとする。特定の組織や人物に雇われて、権力や財産を持つ者になりすますこともあるが、基本的に他者に寄生して楽に暮らそうとする。
一般情報としては以下の通り。
気候/地形はどこでも。出現頻度は極めてまれ。社会構成は部族。活動時間は常時。食性は雑食性。知能は高い。アライメントはニュートラル。サイズM。
ヒットダイスは高いわけではない。防御力は低くはないという程度だが、魔法などの特殊な効果に対する抵抗力は高い。移動速度は人間よりは遅い。士気は高い。
攻撃は1回だが、特に攻撃手段が明記されてはいない。
特定の人間型生物に擬態することができ、その衣服や身に着けている物まで再現できる。加えて「ESP」の能力を有しているため擬態の精度は高くなる。
高めの知力も厄介で、擬態能力をできるだけ有効に使おうとしてくる。
解説文の最後には稀なケースとことわってはいるが、邪悪なウィザードがドッペルゲンガーを権力者たちと入れ換えて短期間で国を支配したこともあると記されている。

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ムジナ